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第15話 闘技大会に出ることになる
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シャロットに襲われかけた翌日。
ギルドという待ち合わせ場所に、他の3人の姿があった。
俺に逃げられてしまった本人は、頬を膨らませてふてくされたような表情を作っている。そして俺を見て、一言。
「今日の夜は逃がしませんから」
耳元で囁かれた。
それに加えて、とっておきのエロい吐息も付いている。
いらないサービスだった。
「今日はオレの実力を試すんだろ? 昨日は楽しみすぎて、いっぱい寝れたのさ」
俺とシャロットの絡みが終わると、コンスタスが興奮した様子で言う。
「ちゃんと眠れてるならよかった」
ちなみに、俺はよく眠れなかった。
理由は単純。
いつまたシャロットが襲ってくるかわからず、常に警戒していたから。もはやこれはファンタジーというよりホラーだ。ジャンル変更した方がいいのかもしれない。
***
「今日も地下迷宮の探索に行きたいと思います」
ギルドに入り、受付嬢のアリシアに伝える。
彼女は昨日と同様に仕事の表情で、あまり感情を込めずに俺達を見ていた。
「お仲間が増えたと聞きました。こちらに申請をお願いします」
「あ、どーも!」
小人族のコンスタスが返事をするように挙手するも、受付テーブルより低い位置なのでアリシアからは見えない。
彼はそれに気付いたのか、頑張って背伸びして見える位置まで手を持ってこようとしている。
3回くらい挑戦していたけど、結局諦めてしょぼんとなった。
この姿に癒やされているのは俺だけか?
罪な小人族だぜ、コンスタスは。
「ちなみに、本日は全ての冒険者パーティは地下迷宮への探索ができません。ギルドのメンテナンス作業がありますので」
新たな仲間であるコンスタスの申請も終わったところで、アリシアが口を開いた。
メンテナンス作業……この世界では聞き慣れない言葉だ。
多分、地下迷宮を管理しているのはこのギルドなので、定期的に各階層に出るモンスターとかの確認をしているんだろう。
数が増えすぎてないかとか、強いモンスターが上の階層に上がってきていないかとか。
知らんけど。
「ムムムッ! オレ、やる気満々だったんだぞっ!」
顔を真っ赤にして、コンスタスが怒った。
内心では仕方ないとわかっているような様子ではある。
本気で怒っているというよりかは、素直に行けなくて悔しい気持ちを示しただけだろう。
俺としては、別に彼の実力はわかっているから、どーでもいいんだけど。
凄腕弓矢使いで、ムードメーカーだということはよくわかってる。
「そこで、本日地下迷宮を求めて依頼を受けに来てくださった方々には、ダスケンデール闘技場での闘技大会への参加をお勧めさせていただいています」
「トーナメントだって!?」
アリシアの一言に、今日あんまり口を開いておらず、存在感が少しずつ薄くなろうとしていたエルフの剣聖が遂に声を上げる。
「今年は僕が出ても──」
「それは困ります」
俺は最初、なんのことかわからなかった。
ラメセスの口ぶりからして、毎年出たいけど、出させてもらえない、みたいな感じに受け取れる。
彼が闘技大会に出ることを、ギルドが禁じている、ということなのか。
「闘技大会とは何でしょうか?」
よく聞いてくれた、シャロット。
君もたまにはいい働きをするじゃないか。
「恋人同士が公衆の面前でイチャイチャする戦いですか?」
「そんなわけないだろ」
シャロットはあれだ。
一度凄くいい活躍をしたのに、その次に全てを覆す失敗を犯して世界を滅亡の危機に導くタイプの人間だ。
「闘技大会というのは、年に一度行われる、ダスケンデールでも最大規模の大会のことです。主に武器を使った1対1勝負や、魔術師達が魔術を競う魔法大会を行っています」
ほうほう。
アリシアの丁寧な解説。
「しかし、そこに剣聖であるラメセス様が参加することは、パワーバランスの崩壊を招いてしまうと……ギルド長に言われておりまして」
それを聞いて、ラメセスはどこか悔しそうな顔をした。
彼のレベルが高すぎるあまり、年に1回の大会に出場できない。
実力者だからこその悩みでもあるのか。
「今年はレッドもシャロットも出場するよ。2人は強敵だ。実際、僕は昨日レッドと戦って負けたからね」
「俺も出るの!?」「私の名前を気安く呼ばないでくださいっ!」
俺とシャロットの声が同時に響く。
周囲の冒険者達がこっちをちらちら見るのがわかった。
なんだか恥ずかしい。
俺は一言も出るなんて言ってないのに、勝手に大会にエントリーさせられてるんですけど? これって、幽霊部員なのに高い俺の実力を知る部活の熱血顧問が、勝利欲しさに俺を犠牲にした、なんていうベタな展開と、やっていることはなんら変わりない。
残酷な罪だ。
シャロットに至っては、自分の名前を呼ばれたことに対してぷりぷりと怒っている。
仲間なんだから名前で呼ぶだろ、普通。
「……」
アリシアはしばらく黙っていた。
確かに、ラメセスの実力が圧倒的すぎて出場禁止と言うのなら、それに匹敵する出場者が何人かいたら話は変わってくる。
でも、ぽっと出の俺とシャロットが、剣聖の好敵手になるんだろうか。
「……少々お待ちを。ギルド長の判断を仰ぎます」
美人な受付嬢はそう言い残して、ギルドの奥に入っていった。
「オレも勿論出るからな」
コンスタスが勢いよく手を挙げながら宣言した。
***
アリシアは淡々とした表情で戻ってきた。
その冷静な表情からは、ギルド長が何と言ったのか、ということまではわからない。
まあ、俺としてはどっちでもいい。
今日地下迷宮に行けないのなら、また明日行けばいいだけの話だ。
闘技大会に出る、という選択肢もまた、自分の経験になるだろう。
でも、どうしても大会に出たいラメセスの気持ちも尊重したい。
ラメセスの顔からは緊張から来る汗が垂れていた。
その汗すら神聖なものに感じるのは、彼が妖精だからなのか、イケメンだからなのか、よくわからない。
アリシアの目が開かれた。
「許可をいただきました」
そう告げられる。
ラメセスはほっとしたように胸を撫で下ろしていた。
何年もこの街で生活してきたのに、この街で最も大きな大会に出られない、という悔しさを味わい続けてきたのかもしれない。
実力がありすぎる、という理由で自分が除外されたことに腹を立てていたのかもしれない。
ラメセスがこれまでこの大会に出られなかった、という事実に関しては知らなかったものの、この闘技大会については作中で描写があったので把握している。
確かその時、主人公の実力はまだまだで、武器戦で初戦敗退してたっけ。
なんだかその知識すら懐かしい。
「しかし──」
アリシアが続けた。
「──そこの新人のお二方もそうですが、剣聖のラメセス様の出場が認められるとなると、同じような実力上の理由で参加希望すらしていなかった方々も、今回の大会に参加される可能性があります。主催のギルドとしては、望ましい状況ですが、気をつけてください。今年の闘技大会は例年以上に盛り上がり、熾烈な争いになるでしょう」
《次回16話 まさかの主人公に遭遇する》
ギルドという待ち合わせ場所に、他の3人の姿があった。
俺に逃げられてしまった本人は、頬を膨らませてふてくされたような表情を作っている。そして俺を見て、一言。
「今日の夜は逃がしませんから」
耳元で囁かれた。
それに加えて、とっておきのエロい吐息も付いている。
いらないサービスだった。
「今日はオレの実力を試すんだろ? 昨日は楽しみすぎて、いっぱい寝れたのさ」
俺とシャロットの絡みが終わると、コンスタスが興奮した様子で言う。
「ちゃんと眠れてるならよかった」
ちなみに、俺はよく眠れなかった。
理由は単純。
いつまたシャロットが襲ってくるかわからず、常に警戒していたから。もはやこれはファンタジーというよりホラーだ。ジャンル変更した方がいいのかもしれない。
***
「今日も地下迷宮の探索に行きたいと思います」
ギルドに入り、受付嬢のアリシアに伝える。
彼女は昨日と同様に仕事の表情で、あまり感情を込めずに俺達を見ていた。
「お仲間が増えたと聞きました。こちらに申請をお願いします」
「あ、どーも!」
小人族のコンスタスが返事をするように挙手するも、受付テーブルより低い位置なのでアリシアからは見えない。
彼はそれに気付いたのか、頑張って背伸びして見える位置まで手を持ってこようとしている。
3回くらい挑戦していたけど、結局諦めてしょぼんとなった。
この姿に癒やされているのは俺だけか?
罪な小人族だぜ、コンスタスは。
「ちなみに、本日は全ての冒険者パーティは地下迷宮への探索ができません。ギルドのメンテナンス作業がありますので」
新たな仲間であるコンスタスの申請も終わったところで、アリシアが口を開いた。
メンテナンス作業……この世界では聞き慣れない言葉だ。
多分、地下迷宮を管理しているのはこのギルドなので、定期的に各階層に出るモンスターとかの確認をしているんだろう。
数が増えすぎてないかとか、強いモンスターが上の階層に上がってきていないかとか。
知らんけど。
「ムムムッ! オレ、やる気満々だったんだぞっ!」
顔を真っ赤にして、コンスタスが怒った。
内心では仕方ないとわかっているような様子ではある。
本気で怒っているというよりかは、素直に行けなくて悔しい気持ちを示しただけだろう。
俺としては、別に彼の実力はわかっているから、どーでもいいんだけど。
凄腕弓矢使いで、ムードメーカーだということはよくわかってる。
「そこで、本日地下迷宮を求めて依頼を受けに来てくださった方々には、ダスケンデール闘技場での闘技大会への参加をお勧めさせていただいています」
「トーナメントだって!?」
アリシアの一言に、今日あんまり口を開いておらず、存在感が少しずつ薄くなろうとしていたエルフの剣聖が遂に声を上げる。
「今年は僕が出ても──」
「それは困ります」
俺は最初、なんのことかわからなかった。
ラメセスの口ぶりからして、毎年出たいけど、出させてもらえない、みたいな感じに受け取れる。
彼が闘技大会に出ることを、ギルドが禁じている、ということなのか。
「闘技大会とは何でしょうか?」
よく聞いてくれた、シャロット。
君もたまにはいい働きをするじゃないか。
「恋人同士が公衆の面前でイチャイチャする戦いですか?」
「そんなわけないだろ」
シャロットはあれだ。
一度凄くいい活躍をしたのに、その次に全てを覆す失敗を犯して世界を滅亡の危機に導くタイプの人間だ。
「闘技大会というのは、年に一度行われる、ダスケンデールでも最大規模の大会のことです。主に武器を使った1対1勝負や、魔術師達が魔術を競う魔法大会を行っています」
ほうほう。
アリシアの丁寧な解説。
「しかし、そこに剣聖であるラメセス様が参加することは、パワーバランスの崩壊を招いてしまうと……ギルド長に言われておりまして」
それを聞いて、ラメセスはどこか悔しそうな顔をした。
彼のレベルが高すぎるあまり、年に1回の大会に出場できない。
実力者だからこその悩みでもあるのか。
「今年はレッドもシャロットも出場するよ。2人は強敵だ。実際、僕は昨日レッドと戦って負けたからね」
「俺も出るの!?」「私の名前を気安く呼ばないでくださいっ!」
俺とシャロットの声が同時に響く。
周囲の冒険者達がこっちをちらちら見るのがわかった。
なんだか恥ずかしい。
俺は一言も出るなんて言ってないのに、勝手に大会にエントリーさせられてるんですけど? これって、幽霊部員なのに高い俺の実力を知る部活の熱血顧問が、勝利欲しさに俺を犠牲にした、なんていうベタな展開と、やっていることはなんら変わりない。
残酷な罪だ。
シャロットに至っては、自分の名前を呼ばれたことに対してぷりぷりと怒っている。
仲間なんだから名前で呼ぶだろ、普通。
「……」
アリシアはしばらく黙っていた。
確かに、ラメセスの実力が圧倒的すぎて出場禁止と言うのなら、それに匹敵する出場者が何人かいたら話は変わってくる。
でも、ぽっと出の俺とシャロットが、剣聖の好敵手になるんだろうか。
「……少々お待ちを。ギルド長の判断を仰ぎます」
美人な受付嬢はそう言い残して、ギルドの奥に入っていった。
「オレも勿論出るからな」
コンスタスが勢いよく手を挙げながら宣言した。
***
アリシアは淡々とした表情で戻ってきた。
その冷静な表情からは、ギルド長が何と言ったのか、ということまではわからない。
まあ、俺としてはどっちでもいい。
今日地下迷宮に行けないのなら、また明日行けばいいだけの話だ。
闘技大会に出る、という選択肢もまた、自分の経験になるだろう。
でも、どうしても大会に出たいラメセスの気持ちも尊重したい。
ラメセスの顔からは緊張から来る汗が垂れていた。
その汗すら神聖なものに感じるのは、彼が妖精だからなのか、イケメンだからなのか、よくわからない。
アリシアの目が開かれた。
「許可をいただきました」
そう告げられる。
ラメセスはほっとしたように胸を撫で下ろしていた。
何年もこの街で生活してきたのに、この街で最も大きな大会に出られない、という悔しさを味わい続けてきたのかもしれない。
実力がありすぎる、という理由で自分が除外されたことに腹を立てていたのかもしれない。
ラメセスがこれまでこの大会に出られなかった、という事実に関しては知らなかったものの、この闘技大会については作中で描写があったので把握している。
確かその時、主人公の実力はまだまだで、武器戦で初戦敗退してたっけ。
なんだかその知識すら懐かしい。
「しかし──」
アリシアが続けた。
「──そこの新人のお二方もそうですが、剣聖のラメセス様の出場が認められるとなると、同じような実力上の理由で参加希望すらしていなかった方々も、今回の大会に参加される可能性があります。主催のギルドとしては、望ましい状況ですが、気をつけてください。今年の闘技大会は例年以上に盛り上がり、熾烈な争いになるでしょう」
《次回16話 まさかの主人公に遭遇する》
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