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序章
こうして俺は憧れる
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もう、どうにでもなって欲しい。
何故、こんな想いをしなければならないんだ。
ただ、俺は人の役に立ちたい、それだけだったのに…。
あの頃の俺は、ただ能力者に憧れていた。
何故か?と聞かれれば能力者によって救われた経験があるから。
俺が9歳の頃、能力者によるテロが起こった。
その時に両親とデパートに出かけていた俺は、人質にされてしまった。
このテロリストの目的は、能力者への迫害を無くし、社会的地位の確保を旨とするデモ活動が当初の予定であったが、通報によってやってきた警察官が何故か現場に着くなり即発砲。
焦ったデモ活動のリーダーは
「この活動すら許されないのであれば、このデパートを破壊する!」
と言い出したことで、テロリストとなった。
こうして逃げ惑う中で、俺は捕まってしまい人質となった。
この時、捕まってしまったの者は、俺の両親を含めて20人いた。
テロリストの中に居た能力者が出した緑色の紐で、両手足を縛られ、口を塞がれて座らされていた。
「俺は、こんなことがしたかった訳じゃないのに、何故こうなった!」
リーダーと思われる男が派手に椅子を蹴飛ばした。
「向こうの出方次第ではあるが、捕えた君たちに危害を加えるつもりはない。安心してくれ。」
そう言った男は、暗い目をしていた。
しばらくして、男の仲間が戻ってきた。
「リーダー!嵌められた!あの警官もアンチスペルの差し金だったんだ!」
「今更、気が付いたのか。安心しろ。嵌められた訳ではない。」
「はぁ?」
「これは、全部俺の計画だ。社会的地位の確保を謳う団体が警官の発砲程度でテロ行為を行うはずがないだろう。」
「ど、どういうことだよ!非覚醒者と共に手を取り合う世界を作るって言っていたじゃないか!」
「人間は、力に溺れる。虐げられているぐらいでちょうどいいのさ。」
「あんたの言ってることさっぱりわからねぇ!ふざけんな!」
「わからないままでいい。お前もこの人質もここで死ぬんだからな。」
ここまで、何も手を出されなかった俺たちは、パニックになった。
さっきまでと言っていることが違う。
そうして男は、体からねっとりした液体を作り出した。
その液体は徐々にフロアを、満たしていく。
「そうはさせるか!」
これに対抗すべく、報告にきた男が火を生み出した瞬間だった。
ドガーンっと凄まじい爆発音が響き渡った。
そこで発生した衝撃で吹き飛ばされた俺の記憶はここまで。
その後の顛末としては、まず両親を亡くした。
爆発の瞬間にどうにかして俺をかばったらしい。
ガレキに埋もれた俺は、政府が運営する能力者組織「プロテクトビースト」通称:PBに救われたらしい。
虚ろな意識の中で、常に励ましてくれていたことは覚えている。
そして、大けがを負った俺は、回復能力をもったお姉さんのおかげで一命をとりとめた。
その間も、PBは動き回っており、次々と人を救っていった。
こんな目にあったのも能力者のせいではあったが、救ってくれたのもまた、能力者。
その答えに行き着いた俺は、人助けが出来る人間になることを決め、自分のように能力者によって苦しめらる人が出た時に対応出来るように、能力の覚醒を祈るようになった。
何故、こんな想いをしなければならないんだ。
ただ、俺は人の役に立ちたい、それだけだったのに…。
あの頃の俺は、ただ能力者に憧れていた。
何故か?と聞かれれば能力者によって救われた経験があるから。
俺が9歳の頃、能力者によるテロが起こった。
その時に両親とデパートに出かけていた俺は、人質にされてしまった。
このテロリストの目的は、能力者への迫害を無くし、社会的地位の確保を旨とするデモ活動が当初の予定であったが、通報によってやってきた警察官が何故か現場に着くなり即発砲。
焦ったデモ活動のリーダーは
「この活動すら許されないのであれば、このデパートを破壊する!」
と言い出したことで、テロリストとなった。
こうして逃げ惑う中で、俺は捕まってしまい人質となった。
この時、捕まってしまったの者は、俺の両親を含めて20人いた。
テロリストの中に居た能力者が出した緑色の紐で、両手足を縛られ、口を塞がれて座らされていた。
「俺は、こんなことがしたかった訳じゃないのに、何故こうなった!」
リーダーと思われる男が派手に椅子を蹴飛ばした。
「向こうの出方次第ではあるが、捕えた君たちに危害を加えるつもりはない。安心してくれ。」
そう言った男は、暗い目をしていた。
しばらくして、男の仲間が戻ってきた。
「リーダー!嵌められた!あの警官もアンチスペルの差し金だったんだ!」
「今更、気が付いたのか。安心しろ。嵌められた訳ではない。」
「はぁ?」
「これは、全部俺の計画だ。社会的地位の確保を謳う団体が警官の発砲程度でテロ行為を行うはずがないだろう。」
「ど、どういうことだよ!非覚醒者と共に手を取り合う世界を作るって言っていたじゃないか!」
「人間は、力に溺れる。虐げられているぐらいでちょうどいいのさ。」
「あんたの言ってることさっぱりわからねぇ!ふざけんな!」
「わからないままでいい。お前もこの人質もここで死ぬんだからな。」
ここまで、何も手を出されなかった俺たちは、パニックになった。
さっきまでと言っていることが違う。
そうして男は、体からねっとりした液体を作り出した。
その液体は徐々にフロアを、満たしていく。
「そうはさせるか!」
これに対抗すべく、報告にきた男が火を生み出した瞬間だった。
ドガーンっと凄まじい爆発音が響き渡った。
そこで発生した衝撃で吹き飛ばされた俺の記憶はここまで。
その後の顛末としては、まず両親を亡くした。
爆発の瞬間にどうにかして俺をかばったらしい。
ガレキに埋もれた俺は、政府が運営する能力者組織「プロテクトビースト」通称:PBに救われたらしい。
虚ろな意識の中で、常に励ましてくれていたことは覚えている。
そして、大けがを負った俺は、回復能力をもったお姉さんのおかげで一命をとりとめた。
その間も、PBは動き回っており、次々と人を救っていった。
こんな目にあったのも能力者のせいではあったが、救ってくれたのもまた、能力者。
その答えに行き着いた俺は、人助けが出来る人間になることを決め、自分のように能力者によって苦しめらる人が出た時に対応出来るように、能力の覚醒を祈るようになった。
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