【R１８】 わたしに首輪をください

3話

彼と一緒に暮らし始めて、一年がたった。
この一年で生活は大きく変わることになった。


まず、わたしは仕事をやめた。


だんだんとわたしがやらなくてはならない仕事の量
が増えていき、それとは対照的に彼の方は早く帰ら
されるようになってしまったからだった。


彼は１人さみしく待っているのは耐えられないと
訴えてきたので、やめた。


どうやら彼は、わたしが彼を置いて
ひとりでどこかに行ってしっまうのではないかと
不安でたまらないようだった。


すこしごはんを作る材料が足りなくて
買い足しに行くときも


「どこにいくの？」


「スーパーに買い物だよ。さっき伝えたでしょ」


「ほんとうにスーパーなの？
すぐに帰ってきてくれるよね」



「もう、そんな不安なら一緒に行く？」


「うん！！」


ひよこは生まれて一番最初に見た物を
母親だと思い、その後についていく習性があるが。
それに似ているなと思う。


「ねえ、君はどこにもいかないよね」


「急にどうしたの？」


「いや、その、君は優秀で、僕なんていなくても
生きていけちゃうから。その突然、僕の前からいなくなっちゃうんじゃ
ないかって」


「心配ないよ、わたしもあなたがいないと
生きていけないから」


学校の先生には
１人でも生きていけるようにと
色々なことを教わった。


でも１人で生きていくほどさみしいことはない。


赤ちゃんがへその尾でお母さんと繋がっていないと
生きていられないように、わたしたちも誰かと
繋がってないと生きてはいけない。


健全ではないかもだけど、
共依存で生きていこう。


そっちのほうが
たのしいよ。

誰かがいないと生きていけないくらいが、