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1章 帝国編
6話
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おじさんに助けて貰ってから、数日がたった。
私は順調に体力を回復させている。
もうベッドから起き上がり動くことも出来るようになった。
たまあにふらついてしまうが、もう問題無い。
ただそれ以上に、この船が揺れることが問題だった。
私が乗る船の名前は、リヴァイアサン。
帝国が保有する戦艦だそうだ。
この部屋はそんな戦艦の医務室で、おじさんはそんな戦艦の船医であるらしい。
航海中、偶然海を漂う私を見つけ、拾ってくれたそうだ。
最初に帝国軍、と呼ばれた時は心臓が締め付けられた。
もし、父の弟の配下であったら私は連行され、利用されてしまう。
父の迷惑にならないために、崖から飛び降りたのに、それでは本末転倒だ。
もしそうなら舌をかみ切ってやろうと思った。
でも違った。
偶然、父の部隊に拾ってもらえたのだ。
それだけは、幸運だと思った。
「おぇえ」
「おやおや、船は始めてかい?ゆっくりなれなさんな」
ただ不運もある。
船酔いが辛い。
まるで女の子とは思えない声を出してしまう。
船医さんに背中をさすられながら必死に耐える。
ただ、船の全体像はすごかった。
巨大な砲に、ごてごての装甲。
それに加えてたくさんの軍人さん達。
まさか帝国がこんな船をもっているなんて。
とても強そうだと思った。
でも観光はもう十分だ。
一刻も早く降ろしてもらいたい。
それが本音だった。
「下船?ムリムリ。君はこの新型艦を見てしまったんだ。しばらくは軍の管理下さ」
船医さんは笑いながらいった。
彼の言う通り、私は軍人さん達に監視されている。
「新型艦?」
「うん。この船のこと。コイツは帝国軍の最新鋭の戦艦なんだ。すごいんだよ。コイツだけで反乱軍の船はすべて沈められるくらいには強い」
「え?帝国軍は、劣勢なんじゃ?」
「劣勢?ああ、あれはウソだよ。反乱軍達を油断させるためのね。もう反撃の準備は整っている。もう少しでこの内戦も終わるだろうよ」
船医さんや私を監視する軍人さんたちは、誇った顔をした。
「勝つのは、皇帝陛下さ」
その言葉を聞いたとたん、私は涙が溢れそうになるのがわかった。
ウソだったんだ。あの噂は。
父が負けるという、噂は。
「さあ、部屋に戻ろう。体を冷やすとよくないよ」
船医さんに促され、部屋へと戻る。
「あ、あの」
「なんだい?」
「連絡していただきたい事があるんです」
「いいよ。艦長に僕からお願いしてみよう。で、誰にするの?」
「はい。皇帝陛下に、このブローチを持つモノが来た、と」
「陛下に?」
私は母の形見のブローチを船医さんに渡す。
船医さんはブローチを見つめながら、少し怪訝な顔をした。
それもそのはずだ。
海を漂流していた人間が、いきなり皇帝陛下に連絡したいなどと言うのだ。
疑わない方がおかしい。
でも、信じてほしい、と思った。
だって、皇帝陛下は、私のパパなのだから。
私は順調に体力を回復させている。
もうベッドから起き上がり動くことも出来るようになった。
たまあにふらついてしまうが、もう問題無い。
ただそれ以上に、この船が揺れることが問題だった。
私が乗る船の名前は、リヴァイアサン。
帝国が保有する戦艦だそうだ。
この部屋はそんな戦艦の医務室で、おじさんはそんな戦艦の船医であるらしい。
航海中、偶然海を漂う私を見つけ、拾ってくれたそうだ。
最初に帝国軍、と呼ばれた時は心臓が締め付けられた。
もし、父の弟の配下であったら私は連行され、利用されてしまう。
父の迷惑にならないために、崖から飛び降りたのに、それでは本末転倒だ。
もしそうなら舌をかみ切ってやろうと思った。
でも違った。
偶然、父の部隊に拾ってもらえたのだ。
それだけは、幸運だと思った。
「おぇえ」
「おやおや、船は始めてかい?ゆっくりなれなさんな」
ただ不運もある。
船酔いが辛い。
まるで女の子とは思えない声を出してしまう。
船医さんに背中をさすられながら必死に耐える。
ただ、船の全体像はすごかった。
巨大な砲に、ごてごての装甲。
それに加えてたくさんの軍人さん達。
まさか帝国がこんな船をもっているなんて。
とても強そうだと思った。
でも観光はもう十分だ。
一刻も早く降ろしてもらいたい。
それが本音だった。
「下船?ムリムリ。君はこの新型艦を見てしまったんだ。しばらくは軍の管理下さ」
船医さんは笑いながらいった。
彼の言う通り、私は軍人さん達に監視されている。
「新型艦?」
「うん。この船のこと。コイツは帝国軍の最新鋭の戦艦なんだ。すごいんだよ。コイツだけで反乱軍の船はすべて沈められるくらいには強い」
「え?帝国軍は、劣勢なんじゃ?」
「劣勢?ああ、あれはウソだよ。反乱軍達を油断させるためのね。もう反撃の準備は整っている。もう少しでこの内戦も終わるだろうよ」
船医さんや私を監視する軍人さんたちは、誇った顔をした。
「勝つのは、皇帝陛下さ」
その言葉を聞いたとたん、私は涙が溢れそうになるのがわかった。
ウソだったんだ。あの噂は。
父が負けるという、噂は。
「さあ、部屋に戻ろう。体を冷やすとよくないよ」
船医さんに促され、部屋へと戻る。
「あ、あの」
「なんだい?」
「連絡していただきたい事があるんです」
「いいよ。艦長に僕からお願いしてみよう。で、誰にするの?」
「はい。皇帝陛下に、このブローチを持つモノが来た、と」
「陛下に?」
私は母の形見のブローチを船医さんに渡す。
船医さんはブローチを見つめながら、少し怪訝な顔をした。
それもそのはずだ。
海を漂流していた人間が、いきなり皇帝陛下に連絡したいなどと言うのだ。
疑わない方がおかしい。
でも、信じてほしい、と思った。
だって、皇帝陛下は、私のパパなのだから。
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