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14話

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「ついに、この日が来ましたね」


「奥様?どうなされましたか?すごく嬉しそうです」


「・・・そうかな?」


私は書類に目を等しながら頬笑んだ。


私の身の回りのお世話をしてくれていうメイドさんは、私の微笑みをみて首を傾げていた。
そんなに笑うのが珍しいのだろうか、私は。


けれど嬉しい事があったのは、事実であった。


今、メイドさんの待遇はかなり改善させている。
とはいってももともと福利厚生はきちんとしていたから、後はポルコをどうするかだけだったのだが。


彼は私と結婚してからというもの、私一筋だ。
なかなか面白い反応をしてくれたものだ。


他のメイドさんに手をだしたら、さみしいとお願いしたら。
あわあわと慌てて、


「ごめんね!愛しているのはフレデリカちゃんだけだからね」


と私にしがみついていた。
それからというもの、メイドさん達には手を出していないらしい。


夜の枕当番も、なくなった。
変態豚の犠牲になる子はいなくなったのだ。


それだけで大きな収穫だろう。


ただメイドさん達を甘やかすつもりもない。
しっかりと工場のお掃除などに参加してもらう。


借金の金利を減らす文、給与が低くて済むので強い味方であった。


工場はあれからも順調に成長している。
そしてついに今回、父の工場を買収できるまでになった。


父の工場は借金まみれだ。
今はもう昔の栄光など見る影もない。
そのくらい落ちぶれていた。


父のもとで働いていた使用人さんが。
彼が情報をもってうちに来てくれたのも大きい。


もうすぐ、ドドメもさせるだろう。


そんな父は各地で多額の借金をこさえている。
今でも毎回借金取りに追われ、大変なようだ。


でも贅沢な生活がやめられない。


なんとも困った人だ。


だから私は、思い付いた。
最高の復讐の方を方を。


その計画を今日、実行に移そうと思っていた。


父にお金を貸している人々を集める。
そして彼らの前で提案する。


あなた達の持つ債権を買わせてください、と。


要するに父の借金を私が買うのだ。
これで父は私から多額の借金をしていることになる。


借金取りさん達は快く提案を受け入れてくれた。


収入を潰し、借金という弱みも手に入れた。


(やっと会えますね。お父様)


私は部屋で一人ほくそ笑む。
父の首をゆっくりと、やさしく、そして確実に絞めていく。


父は喜んでくれているだろうか。
それだけが、とても楽しみであった。
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