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6話 どうしようもない
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悪いことがおこるとそのことばかり考えてしまう。
そして悪いことが起きたのだから
次はきっと良いことが起きてくれるだろうと考えて
なんとか心の安定を保とうとする。
わたしが、次はきっとよいことがおこると考えてしまっていたのは
たぶん、不安でグラグラとゆれている心をなんとか安心させるためだったんだと思う。
でも、現実はそんなことを考慮はしてくれないわけで。
なにがいいたいのかといえば
悪いことのあとにも悪いことは起こるのである。
ギルバートさんとの生活は、どんどんと息苦しい物へとなっていった。
「エマ、これはね魔力を高めてくれる食材を使った料理だ。
健康にも配慮されて作られている。これからはこれを3食きちんと取るんだよ」
だんだんと食べて良い物と悪い物が決められていき、
起きる時間も、
習い事も
運動も、
睡眠時間も
一つ残らず決められて、
そのきめられたスケジュールどうりに
動くことを強制させられていく。
「いってくるね、エマ」
「おきおつけていってらっしゃいませ」
ギルバートさんが宮廷魔道師のお仕事にいく際、
わたしは笑顔で明るく彼を送り出す。
それがわたしに与えられた役割だから。
そこにわたしの意思は関係ない。
どんな気分であっても
ギルバートさんにどんな感情をいだいていたとしても
その役割を放棄することはゆるされない。
この家に来てからわたしがしなければならない役割が
どんどんと増えていく。
役割をはたすことが嫌いな訳じゃない。
社会はひとりではいきていけなくて
みんな我慢して自分の役割をはたしてくれているから
うまく回ってくれている。
その恩恵をたくさん受けているのだから
わたしも役割を当てられてそれを果たすことが
わたしのできる精一杯の恩返しだとは思う。
でも自分の頑丈を抑えて、我慢をし続けて
役割を果たし続けることは苦痛でしかなかった。
わたしにも感情はある。
わたしの人生すべてを、役割のために使いたくはない
もっとダラダラしてみたい
もっと食べたいものをたべてみたい
将来役に立つかとか
利益になるかとか関係無しに
知りたいと思う物を調べてみたい。
そんなモヤモヤが心のなかから抜けてくれない。
今度、両親がこの家にやってくる。
その時に相談でもしてみようと思った。
「そんな馬鹿げたことを考える暇があるなら
もっと努力をしろ。甘えるな」
「そうよ、エマ。いつまでも
子どもじゃいられないのよ」
二人はすこし怒った風に、わたしに言った。
わたしの抱えているモヤモヤを相談した結果がこれだった。
・・・・・・このモヤモヤは持ってはいけないものなのだろうか。
たぶん、ふたりの反応をみる、もっていてはいけない感情なのだと
予想がついた。
別に、両親に何か期待をしているわけではなかった。
自分が抱えているモヤモヤを一瞬で無くしてくれるよう答えがほしかったんじゃない。
ただそう思うこともあるよねとか、たいへんだったねとか
このモヤモヤは持っていてもいいんだよという肯定がほしかった。
「くれぐれも、ギルバート殿に迷惑をかけるなよ。
アヴェーヌ家も私たちも世間に顔向けが出来なくなる」
「たくさんお金をかけて魔法学校にかよわせて、
やっと取り付けた縁談なの。大切にして。
ムダにしないでよ」
感情なんてものはなければいいと思った。
感情なんてものがあるから、心のなかにモヤモヤがうまれて
くるしむことになるのだ。
ベッドが心地よい睡眠を提供する家具のように
お風呂が一日の疲れを癒やす家具のように
わたしはギルバートさんに何かを提供する家具。
家具に意思は感情はいらない
ただその役割を果たすのが仕事。
感情などなければ、よかったのに。
「いい子だから、頑張って」
昔はいい子と言われることが何よりも嬉しかった。
その言葉をかけてもらえるときは、いつも両親は
ニコニコしていていっぱいわたしの頭をなでてもくれる。
逆にいい子ではないときは両親にひどく怒られた物だ。
二人の顔には鬼のような表情が浮かび、
ほとんどセットで罵倒や暴力が振ってくる。
お父さんとお母さんとわたしの3人しかいない家で
両親を敵に回してしまえば、わたしの居場所などはない。
それに二人が怒っている姿を見るのがイヤだった。
頑張ってくれている両親をわたしが傷つけて怒らせたのだ。
人を傷つけてはいけません。
それは学校で習う最初の知識だ。
だからいい子でいることはなによりも素晴らしいことなのだと
思っていた。両親を傷つけるのはいけないこと。怒らせるのは
いつだってわたしが悪い子の時だから。
それがきっかけなのかどうかはわからないが、
ものごころついたころからわたしはいい子と呼んでもらえる
ように本音を隠すようになっていった。
いつも誰かと話すときは、そのひとを傷つけないように
意識しながら話した。
求められている言葉を必死に探して、誰かが言っていた理想論を
そのまま述べて、だれとも敵対しないよう。
また、口だけの人になるのもイヤだった。
だから発言と行動が一致をするように、できるだけ頑張るようにしてもいった。
ただあまりにそんなことを続けているものだから、最近、自分という存在そのものがよくわからんくなってきている。
思ってもいないことばを言葉にして、その言葉を元に行動を決める。
わたしには、わたしがない。
周囲の人々は、わたしのことを優等生と呼んでくれる。
でも、それは表の評価。
だってわたしはひとつも本音を出してなどいない。
ウソばかりついた言葉。
本当の自分などひとつも見せずにいただいた評価だ。
もし、自分を見せるようになってしまえば、きっといまのような評価はもらえなくなってしまう。
本当はいい子ではないんです。優秀でもないんです。
めんどくさがりで、勉強なんて嫌いで、当たり前のことが
当たり前にできなくて、それなのに自分が好きなことになるとどんどんとのめり込んでしまう。
いい子いい子は
都合のいい子。
わたしはいつも誰かにとって都合のいい存在でいる。
それがいやだと思っても、都合のいい存在を拒絶してしまえば
誰かを傷つけることになる。
我慢を辞めるか、誰かを傷つけるか。
究極の2択。
たぶん、どっちを選んでもそれなりに後悔するし
それなりに喜びがあるのだとは思う。
だからわたしは前者を選んだ。
そしてこれからも選び続ける。
自分よりも誰かの方が価値があると
そう思ったから。
そして悪いことが起きたのだから
次はきっと良いことが起きてくれるだろうと考えて
なんとか心の安定を保とうとする。
わたしが、次はきっとよいことがおこると考えてしまっていたのは
たぶん、不安でグラグラとゆれている心をなんとか安心させるためだったんだと思う。
でも、現実はそんなことを考慮はしてくれないわけで。
なにがいいたいのかといえば
悪いことのあとにも悪いことは起こるのである。
ギルバートさんとの生活は、どんどんと息苦しい物へとなっていった。
「エマ、これはね魔力を高めてくれる食材を使った料理だ。
健康にも配慮されて作られている。これからはこれを3食きちんと取るんだよ」
だんだんと食べて良い物と悪い物が決められていき、
起きる時間も、
習い事も
運動も、
睡眠時間も
一つ残らず決められて、
そのきめられたスケジュールどうりに
動くことを強制させられていく。
「いってくるね、エマ」
「おきおつけていってらっしゃいませ」
ギルバートさんが宮廷魔道師のお仕事にいく際、
わたしは笑顔で明るく彼を送り出す。
それがわたしに与えられた役割だから。
そこにわたしの意思は関係ない。
どんな気分であっても
ギルバートさんにどんな感情をいだいていたとしても
その役割を放棄することはゆるされない。
この家に来てからわたしがしなければならない役割が
どんどんと増えていく。
役割をはたすことが嫌いな訳じゃない。
社会はひとりではいきていけなくて
みんな我慢して自分の役割をはたしてくれているから
うまく回ってくれている。
その恩恵をたくさん受けているのだから
わたしも役割を当てられてそれを果たすことが
わたしのできる精一杯の恩返しだとは思う。
でも自分の頑丈を抑えて、我慢をし続けて
役割を果たし続けることは苦痛でしかなかった。
わたしにも感情はある。
わたしの人生すべてを、役割のために使いたくはない
もっとダラダラしてみたい
もっと食べたいものをたべてみたい
将来役に立つかとか
利益になるかとか関係無しに
知りたいと思う物を調べてみたい。
そんなモヤモヤが心のなかから抜けてくれない。
今度、両親がこの家にやってくる。
その時に相談でもしてみようと思った。
「そんな馬鹿げたことを考える暇があるなら
もっと努力をしろ。甘えるな」
「そうよ、エマ。いつまでも
子どもじゃいられないのよ」
二人はすこし怒った風に、わたしに言った。
わたしの抱えているモヤモヤを相談した結果がこれだった。
・・・・・・このモヤモヤは持ってはいけないものなのだろうか。
たぶん、ふたりの反応をみる、もっていてはいけない感情なのだと
予想がついた。
別に、両親に何か期待をしているわけではなかった。
自分が抱えているモヤモヤを一瞬で無くしてくれるよう答えがほしかったんじゃない。
ただそう思うこともあるよねとか、たいへんだったねとか
このモヤモヤは持っていてもいいんだよという肯定がほしかった。
「くれぐれも、ギルバート殿に迷惑をかけるなよ。
アヴェーヌ家も私たちも世間に顔向けが出来なくなる」
「たくさんお金をかけて魔法学校にかよわせて、
やっと取り付けた縁談なの。大切にして。
ムダにしないでよ」
感情なんてものはなければいいと思った。
感情なんてものがあるから、心のなかにモヤモヤがうまれて
くるしむことになるのだ。
ベッドが心地よい睡眠を提供する家具のように
お風呂が一日の疲れを癒やす家具のように
わたしはギルバートさんに何かを提供する家具。
家具に意思は感情はいらない
ただその役割を果たすのが仕事。
感情などなければ、よかったのに。
「いい子だから、頑張って」
昔はいい子と言われることが何よりも嬉しかった。
その言葉をかけてもらえるときは、いつも両親は
ニコニコしていていっぱいわたしの頭をなでてもくれる。
逆にいい子ではないときは両親にひどく怒られた物だ。
二人の顔には鬼のような表情が浮かび、
ほとんどセットで罵倒や暴力が振ってくる。
お父さんとお母さんとわたしの3人しかいない家で
両親を敵に回してしまえば、わたしの居場所などはない。
それに二人が怒っている姿を見るのがイヤだった。
頑張ってくれている両親をわたしが傷つけて怒らせたのだ。
人を傷つけてはいけません。
それは学校で習う最初の知識だ。
だからいい子でいることはなによりも素晴らしいことなのだと
思っていた。両親を傷つけるのはいけないこと。怒らせるのは
いつだってわたしが悪い子の時だから。
それがきっかけなのかどうかはわからないが、
ものごころついたころからわたしはいい子と呼んでもらえる
ように本音を隠すようになっていった。
いつも誰かと話すときは、そのひとを傷つけないように
意識しながら話した。
求められている言葉を必死に探して、誰かが言っていた理想論を
そのまま述べて、だれとも敵対しないよう。
また、口だけの人になるのもイヤだった。
だから発言と行動が一致をするように、できるだけ頑張るようにしてもいった。
ただあまりにそんなことを続けているものだから、最近、自分という存在そのものがよくわからんくなってきている。
思ってもいないことばを言葉にして、その言葉を元に行動を決める。
わたしには、わたしがない。
周囲の人々は、わたしのことを優等生と呼んでくれる。
でも、それは表の評価。
だってわたしはひとつも本音を出してなどいない。
ウソばかりついた言葉。
本当の自分などひとつも見せずにいただいた評価だ。
もし、自分を見せるようになってしまえば、きっといまのような評価はもらえなくなってしまう。
本当はいい子ではないんです。優秀でもないんです。
めんどくさがりで、勉強なんて嫌いで、当たり前のことが
当たり前にできなくて、それなのに自分が好きなことになるとどんどんとのめり込んでしまう。
いい子いい子は
都合のいい子。
わたしはいつも誰かにとって都合のいい存在でいる。
それがいやだと思っても、都合のいい存在を拒絶してしまえば
誰かを傷つけることになる。
我慢を辞めるか、誰かを傷つけるか。
究極の2択。
たぶん、どっちを選んでもそれなりに後悔するし
それなりに喜びがあるのだとは思う。
だからわたしは前者を選んだ。
そしてこれからも選び続ける。
自分よりも誰かの方が価値があると
そう思ったから。
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