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生きていれば負けられない戦い
というものをしなければならない時もある。


わたしにとって、今がまさにその時なのだ。


「こい!! こい!! こい!! こい!!」


すべての神経を指先に集中させて、
ボタンを押した。


「これがラストだから!! もう後戻りできないから!!」


画面の中で女神さまが踊り、
手に持っている水晶玉が輝き始める。


水晶玉が割れる演出が入り、
中から虹色の光があふれ出した。


星5が出てくる確定の演出。
やった、ついにやったのだ。
わたしは・・・


入手
星5エクスカリバー
(所有3)


たぶりじゃねえか!!
クソが!!



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「ねえ、おかあさん、あれなぁに?」


「しっ!! 見ちゃいけません」



ここは、はじまりの町。


冒険者になりたての人々があつまり
モンスターとの戦いの基礎を学ぶところ。


魔王城から最も遠い場所にあるため、
とっても平和でのどかな町なんです。


町の中心にはこの世界を守ってくれている女神さま(わたしのことなんですけどね。えっへん!!)
を祭る神殿があるんですよ。


神殿の周りはとても神秘的な雰囲気が漂っており、
とても素晴らしい場所ですね。


おや?だけど今日は、そんな平穏をかき消すような
絶叫が町に鳴り響いているようです。


「あんぎゃああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああ
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。
使っちゃダメなお金なんです!! 使っちゃダメなお金なんです!! 
お願いです、怒られちゃうんです!! だから、かえしてえええええええええええ!!」


女の子でしょうか?獣のように叫びながら神殿に勤める神官の
足を掴んでいます。みにくいですね!!


「そう言われましても、ご自身の意思で使われた
ものは返却しかねますので」


「そこおどうにかぁああああああああああああ!!」


驚かないでくださいね。
彼女こそがこの世界を脅かす魔王を倒し
平和をもたらすものだと預言されている勇者ちゃんなのです。


え? ウソだ、ですって?

はは、ウソならよかったのですけどねえ。


非常に残念なことですが、彼女がこの世界の主人公なのです。



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