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83話 もう一人の異世界人 めぐみ視点
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私の名前は遠藤めぐみ。
いつも通りに高校へ通学していたらそこにトラックが突っ込んできて、気がついたら剣と魔法がある異世界に来てしまっていた。
最初はとても戸惑ったものだ。
日本にいたと思ったら、いきなり別の世界に来てしまったのだ。
驚くなというほうが理不尽だろう。
大きな四本腕のクマには襲われ、スライムを頭からかぶり、ワイバーンという小柄なドラゴンに掴まれ空中の旅をしたこともあった。
でも今もこうして元気よく生きている。
それもこの体の頑丈さのおかげだった。
私にはネット小説の主人公のようなチート能力はなかった。
ただ体が頑丈なだけ。強いけど地味。
だから今日も必死に異世界を生きている。
でも日本での快適な生活になれている私にとって、この世界は不便でしかない。
夜は寒いし、トイレは汚いし、ゴハンはおいしくない・・・
一刻も早く日本に帰りたい。
もっと異世界というのはわくわく出来るモノではないのだろうか?
そんな不満が口からこぼれた。
数ヶ月語。
王国という国に滞在している、とある村のことについて話している声が聞こえてきた。
どうやらその村ではたくさんのモンスターが使役されているらしい。
加えて魔道具というものもあって信じられないほど綺麗で快適なのだとか。
そして王国ではそのタク村から輸入された多くの魔道具が使われていた。
コンロに、冷蔵庫、洗濯機、水洗トイレに、お風呂まで。
名前はタク村。
代表の名前はタクマというらしい。
魔道具の構成と代表の名前を聞いて、私の頭にビビッ!と電撃が走る。
タクマ。日本人の名前だ。
それにたくさんのモンスターを使役するというあり得ない行為。
この人、私と同じ転移者なのではないか、と確信する。
この世界には定期的に迷い人、という転生者、転移者が表れるそうだ。
私以外の日本人がこの世界にきていてもおかしくはない。
この世界に来て一人ぼっちで、頼れる人もいなくてとてもさみしかった。
だから同じ国の人と出会えるとなれば興奮しないわけがない。
それに状況が同じなら、悲しみも分かち合える。
あと現代のような快適な生活を送りたい!
会いたい!
そして行きたい!
そう思う気持ちが大きくなって、私はそのタクマさんがいるというタク村に向かうのであった。
そして、
「タク村にいきたい?ダメダメ、あそこは認められた人しか入れないんだ。順番まで待ってください」
と衛兵さんに追い返されてしまった。
なんでえ!
どうやらタク村は私以外の人々にも人気のようで入れるのは王国の許可を貰った人だけらしい。
そして許可を貰えるのはタク村と交易ができる存在のみ。
どう考えても、私では無理だった。
それに申請をしても数年単位でかかるかもとのことだ。
目と鼻の先に同じ転移者がいるかもしれないのに、そんなに待てないよお!
私は勉強嫌いな脳みそをフル回転させる。
でも、かんしいかな。
なんの解決策も思い付かないのであった。
いつも通りに高校へ通学していたらそこにトラックが突っ込んできて、気がついたら剣と魔法がある異世界に来てしまっていた。
最初はとても戸惑ったものだ。
日本にいたと思ったら、いきなり別の世界に来てしまったのだ。
驚くなというほうが理不尽だろう。
大きな四本腕のクマには襲われ、スライムを頭からかぶり、ワイバーンという小柄なドラゴンに掴まれ空中の旅をしたこともあった。
でも今もこうして元気よく生きている。
それもこの体の頑丈さのおかげだった。
私にはネット小説の主人公のようなチート能力はなかった。
ただ体が頑丈なだけ。強いけど地味。
だから今日も必死に異世界を生きている。
でも日本での快適な生活になれている私にとって、この世界は不便でしかない。
夜は寒いし、トイレは汚いし、ゴハンはおいしくない・・・
一刻も早く日本に帰りたい。
もっと異世界というのはわくわく出来るモノではないのだろうか?
そんな不満が口からこぼれた。
数ヶ月語。
王国という国に滞在している、とある村のことについて話している声が聞こえてきた。
どうやらその村ではたくさんのモンスターが使役されているらしい。
加えて魔道具というものもあって信じられないほど綺麗で快適なのだとか。
そして王国ではそのタク村から輸入された多くの魔道具が使われていた。
コンロに、冷蔵庫、洗濯機、水洗トイレに、お風呂まで。
名前はタク村。
代表の名前はタクマというらしい。
魔道具の構成と代表の名前を聞いて、私の頭にビビッ!と電撃が走る。
タクマ。日本人の名前だ。
それにたくさんのモンスターを使役するというあり得ない行為。
この人、私と同じ転移者なのではないか、と確信する。
この世界には定期的に迷い人、という転生者、転移者が表れるそうだ。
私以外の日本人がこの世界にきていてもおかしくはない。
この世界に来て一人ぼっちで、頼れる人もいなくてとてもさみしかった。
だから同じ国の人と出会えるとなれば興奮しないわけがない。
それに状況が同じなら、悲しみも分かち合える。
あと現代のような快適な生活を送りたい!
会いたい!
そして行きたい!
そう思う気持ちが大きくなって、私はそのタクマさんがいるというタク村に向かうのであった。
そして、
「タク村にいきたい?ダメダメ、あそこは認められた人しか入れないんだ。順番まで待ってください」
と衛兵さんに追い返されてしまった。
なんでえ!
どうやらタク村は私以外の人々にも人気のようで入れるのは王国の許可を貰った人だけらしい。
そして許可を貰えるのはタク村と交易ができる存在のみ。
どう考えても、私では無理だった。
それに申請をしても数年単位でかかるかもとのことだ。
目と鼻の先に同じ転移者がいるかもしれないのに、そんなに待てないよお!
私は勉強嫌いな脳みそをフル回転させる。
でも、かんしいかな。
なんの解決策も思い付かないのであった。
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