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26話
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さらに数日がたった。シルバーウルフを狩っているメンバーは、7人で一つの狩り場では張り込むのでは効率が悪すぎるということで三チームに分けた。内訳は私1人と3人ひと組が二つだ。すこしいびつな班分けではあるが、この数日で私は感覚を取り戻し、矢が当たるようになっていたし、もともと複数人で行動するのが得意でないということも加味してこのような班分けになった。
そして私はいつもとは別の場所でシルバーウルフを狩ろうと森の中を探索してた。いつも狩っていた場所は別の班に担当して貰い、新しいポイントを見つけるためだ。三カ所でおのおの狩りはじめればさらに効率はあがるだろう。
そんなことを思いながら私は森の中を探索するが、なぜかシルバーウルフを見つけることができなかった。前の襲撃での被害や、継続的な狩りの個体げで、シルバーウルフはその数を減らしていた。特に活発に外を出歩く個体は激減しており、今見るのは臆病な個体ばかりだ。
ただそれでもあまりに見かけない。さすがにゴブリンが数匹で狩るくらいでは絶滅などしないと思うのだけど。私が森の探索を続けていると、途中、シルバーウルフの鳴き声が聞こえた。私は耳を澄まして、声の方向を探る。そしてゆっくりとその方向へ進んでいった。
声が近く鳴ってくると、シルバーウルフと声とまた別の生物の鳴き声も聞こえてきた。音的におそらく争っているのだろうか。私は木の上に登って周囲の状況を確認する。
すると少し遠くでシルバーウルフとイノシシ?のような生物が争っているのが見えた。一匹のシルバーウルフがイノシシモドキの背中に噛みついている。ただイノシシモドキにはたいしたダメージにはなっていないようで、振り払われ地面に倒れた。そして起き上がろうとしているうちに、シルバーウルフはイノシシモドキの突進を喰らってしまっていた。
イノシシモドキの牙がシルバーウルフに突き刺さる。完全に決まったようだ。シルバーウルフは体をふらふらと揺らし、バタリと倒れてしまった。狼が倒れたのをみるとイノシシモドキはその場を去って行く。
・・・シルバーウルフの強みは群れることだ。単体でも強いけれど、勝てないわけではない。たぶんだが、シルバーウルフは森の生物たちにも負け始めているのかもしれない。だから姿をみなかったのだろう。
私は木から下りて、倒れたシルバーウルフの元に行った。すでに狼は息だ絶えていた。ただ収穫もあった。このシルバーウルフの足跡が地面に残っているのだ。
この跡を追っていけば、シルバーウルフたちが集まる場所を見つけられるかもしれない。私は慎重に跡をたどり始めた。
跡をたどっていくと、山壁の下の所に続いておりその山壁には小さな穴があった。たぶんシルバーウルフの巣なのだろう。いきなり入るのは危険なので私は巣が見える位置に陣取り狼たちが出入りするのを待った。
数時間後。まったく成果はなかった。一匹も穴から狼は出てこない所か帰ってくる様子もない。確かにシルバーウルフの足跡は穴からでているため巣である事は間違いないのだが、変だった。もしかしたらイノシシモドキにやられてしまったあいつが唯一住んでいた穴なのかもしれない。
私はしびれを切らして、木から下りて直接巣を見に行くことにした。ゆっくりと穴に近づいていく。穴の前までいくと、耳をすまして洞窟の中から音が聞こえてこないか確認をする。するとかすかに何かが鳴いているような声が聞こえてくる。今までよく聞いていた狼たちの鳴き声にしては、すこし違う。
私は弓矢を構えながら、静かに洞窟の中にはいった。すると見てきたのは一匹のシルバーウルフとその狼のお腹の所に小さなシルバーウルフの子どもがいた。
そして私はいつもとは別の場所でシルバーウルフを狩ろうと森の中を探索してた。いつも狩っていた場所は別の班に担当して貰い、新しいポイントを見つけるためだ。三カ所でおのおの狩りはじめればさらに効率はあがるだろう。
そんなことを思いながら私は森の中を探索するが、なぜかシルバーウルフを見つけることができなかった。前の襲撃での被害や、継続的な狩りの個体げで、シルバーウルフはその数を減らしていた。特に活発に外を出歩く個体は激減しており、今見るのは臆病な個体ばかりだ。
ただそれでもあまりに見かけない。さすがにゴブリンが数匹で狩るくらいでは絶滅などしないと思うのだけど。私が森の探索を続けていると、途中、シルバーウルフの鳴き声が聞こえた。私は耳を澄まして、声の方向を探る。そしてゆっくりとその方向へ進んでいった。
声が近く鳴ってくると、シルバーウルフと声とまた別の生物の鳴き声も聞こえてきた。音的におそらく争っているのだろうか。私は木の上に登って周囲の状況を確認する。
すると少し遠くでシルバーウルフとイノシシ?のような生物が争っているのが見えた。一匹のシルバーウルフがイノシシモドキの背中に噛みついている。ただイノシシモドキにはたいしたダメージにはなっていないようで、振り払われ地面に倒れた。そして起き上がろうとしているうちに、シルバーウルフはイノシシモドキの突進を喰らってしまっていた。
イノシシモドキの牙がシルバーウルフに突き刺さる。完全に決まったようだ。シルバーウルフは体をふらふらと揺らし、バタリと倒れてしまった。狼が倒れたのをみるとイノシシモドキはその場を去って行く。
・・・シルバーウルフの強みは群れることだ。単体でも強いけれど、勝てないわけではない。たぶんだが、シルバーウルフは森の生物たちにも負け始めているのかもしれない。だから姿をみなかったのだろう。
私は木から下りて、倒れたシルバーウルフの元に行った。すでに狼は息だ絶えていた。ただ収穫もあった。このシルバーウルフの足跡が地面に残っているのだ。
この跡を追っていけば、シルバーウルフたちが集まる場所を見つけられるかもしれない。私は慎重に跡をたどり始めた。
跡をたどっていくと、山壁の下の所に続いておりその山壁には小さな穴があった。たぶんシルバーウルフの巣なのだろう。いきなり入るのは危険なので私は巣が見える位置に陣取り狼たちが出入りするのを待った。
数時間後。まったく成果はなかった。一匹も穴から狼は出てこない所か帰ってくる様子もない。確かにシルバーウルフの足跡は穴からでているため巣である事は間違いないのだが、変だった。もしかしたらイノシシモドキにやられてしまったあいつが唯一住んでいた穴なのかもしれない。
私はしびれを切らして、木から下りて直接巣を見に行くことにした。ゆっくりと穴に近づいていく。穴の前までいくと、耳をすまして洞窟の中から音が聞こえてこないか確認をする。するとかすかに何かが鳴いているような声が聞こえてくる。今までよく聞いていた狼たちの鳴き声にしては、すこし違う。
私は弓矢を構えながら、静かに洞窟の中にはいった。すると見てきたのは一匹のシルバーウルフとその狼のお腹の所に小さなシルバーウルフの子どもがいた。
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