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第0章
過去
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「翔真!」
ダイヤモンドを散りばめたような輝かしい眼で僕を見る。
「百合、この時間に帰るの珍しいね。」
僕の腕に絡まる白くて細い腕、夕陽に染る彫刻のような横顔。
百合はモデル並みなスタイルと顔で学年1の美人と言っても過言では無い。
なんで彼女が僕に構うのか、2年半僕のこの小さな脳みそで考えたが正解は見つからない。
「翔真歩いてるの見えたから教室からダッシュしてきた!そういえばさ、今日バイトないんだけどどっかご飯行く?」
そんな上目遣いでニコニコされたら断れるわけが無い。
「うん、僕もバイトないし、何食べる?」
百合も僕もバイトをしていてあんまり時間が会うことがない。
僕は普通科で百合は商業科だから尚更。
「焼肉!…あー、いや、マクド?んーサイゼも捨てがたい、、」
見た目にそぐわないジャンキーなものを好む。
そんなところも愛おしい。
僕と百合が出会ったのは高校の入学式。
朝が苦手な僕は入学式の日に寝坊した。
まあ、なんとなくそうなることは予想していた。
行きづらい、このままさぼろうか?そう思っていた。
追い出されるように家を出た。
校門閉まってるし。
入学式は諦めて目的は無いが駅前に向かう。
平日の駅前はサラリーマンでごった返し。
駅に来るべきでは無かったなと自分の選択を責める。
意味もなく、よく待ち合わせに使われる大きな時計台の下に立ってみた。
誰と待ち合わせしている訳でもないのに、誰も来ないのに。
誰かと待ち合わせしている気分になる。
僕はここで待ち合わせをしたことはない。
なのに、懐かしさすら感じるのは、何故だろう。
「あ!!こんなとこでなにしてんの!!」
明らかに僕のことを指さしている。
後ろをキョロキョロと見渡すが通勤ラッシュのこの時間に時計台の下で突っ立っているのは僕くらいだ。
「な、なななんですか、」
動揺してかなり挙動不審になってしまった。
「噛みすぎ~」
綺麗な顔をクシャクシャにして笑う女子高生。
………女子高生?
僕が入学する高校の制服だ。
「南高校、ですか、もう入学式始まってます、よ。」
女子と会話することがなかった15年間。
目を見て話すことは出来ない。
南高校は生徒数がそこまで多くないから入学式には全校生徒が参加する。
「そうだねー。君は?何、南高校のコスプレ?再現度高いねえ。」
彼女はわざとらしくじろじろと僕の制服を覗き込む。
「ち違いますよ、これから行くところ、です。」
そんなつもりはなかったけど、これから学校に向かうなら嘘では無い。
「そ!じゃあ行こっか!」
なんの躊躇いもなく腕を絡ませる彼女。
「や、やめてください。勘違いされますよ。僕なんかと」
「……なーに言ってんの!こんなの高校生になったら友達でもするよ~」
ケラケラと笑いながら、僕の背中を叩く。
「……。」
一瞬彼女の顔が歪んだのは気のせいだろうか。
この日から彼女は僕の人生に色付けていった。
ダイヤモンドを散りばめたような輝かしい眼で僕を見る。
「百合、この時間に帰るの珍しいね。」
僕の腕に絡まる白くて細い腕、夕陽に染る彫刻のような横顔。
百合はモデル並みなスタイルと顔で学年1の美人と言っても過言では無い。
なんで彼女が僕に構うのか、2年半僕のこの小さな脳みそで考えたが正解は見つからない。
「翔真歩いてるの見えたから教室からダッシュしてきた!そういえばさ、今日バイトないんだけどどっかご飯行く?」
そんな上目遣いでニコニコされたら断れるわけが無い。
「うん、僕もバイトないし、何食べる?」
百合も僕もバイトをしていてあんまり時間が会うことがない。
僕は普通科で百合は商業科だから尚更。
「焼肉!…あー、いや、マクド?んーサイゼも捨てがたい、、」
見た目にそぐわないジャンキーなものを好む。
そんなところも愛おしい。
僕と百合が出会ったのは高校の入学式。
朝が苦手な僕は入学式の日に寝坊した。
まあ、なんとなくそうなることは予想していた。
行きづらい、このままさぼろうか?そう思っていた。
追い出されるように家を出た。
校門閉まってるし。
入学式は諦めて目的は無いが駅前に向かう。
平日の駅前はサラリーマンでごった返し。
駅に来るべきでは無かったなと自分の選択を責める。
意味もなく、よく待ち合わせに使われる大きな時計台の下に立ってみた。
誰と待ち合わせしている訳でもないのに、誰も来ないのに。
誰かと待ち合わせしている気分になる。
僕はここで待ち合わせをしたことはない。
なのに、懐かしさすら感じるのは、何故だろう。
「あ!!こんなとこでなにしてんの!!」
明らかに僕のことを指さしている。
後ろをキョロキョロと見渡すが通勤ラッシュのこの時間に時計台の下で突っ立っているのは僕くらいだ。
「な、なななんですか、」
動揺してかなり挙動不審になってしまった。
「噛みすぎ~」
綺麗な顔をクシャクシャにして笑う女子高生。
………女子高生?
僕が入学する高校の制服だ。
「南高校、ですか、もう入学式始まってます、よ。」
女子と会話することがなかった15年間。
目を見て話すことは出来ない。
南高校は生徒数がそこまで多くないから入学式には全校生徒が参加する。
「そうだねー。君は?何、南高校のコスプレ?再現度高いねえ。」
彼女はわざとらしくじろじろと僕の制服を覗き込む。
「ち違いますよ、これから行くところ、です。」
そんなつもりはなかったけど、これから学校に向かうなら嘘では無い。
「そ!じゃあ行こっか!」
なんの躊躇いもなく腕を絡ませる彼女。
「や、やめてください。勘違いされますよ。僕なんかと」
「……なーに言ってんの!こんなの高校生になったら友達でもするよ~」
ケラケラと笑いながら、僕の背中を叩く。
「……。」
一瞬彼女の顔が歪んだのは気のせいだろうか。
この日から彼女は僕の人生に色付けていった。
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