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12枢木君2
しおりを挟むトイレから帰ってくると枢木君の理責めにより専務のお嬢様、今度からそう呼ぼう。
そのお嬢様は捨て台詞を吐いて何処かに行ってしまった。
枢木君、慎也君とまた違った怖いタイプだな。
流石営業マン一位である。
「あの、急に話しかけて迷惑でしたか?」
懲りずに話し掛けてくる枢木君。
やめて欲しい。
女性職員の視線が怖い…。
『えっと、なんで今声掛けてくれたのかなっとは思ったけど…』
「最近トゲトゲしい感じが無くなったんです。だから、話しかけてみたくて…。それに慎也の奥さんになる人なら是非声を掛けたかったんです」
『は!?し、慎也君を知ってるの!?』
思わず大声を上げると枢木君は頷いた。
「幼馴染なんです。慎也が救われた女性が居るって言っていたので気になっていたんですけど。まさか神田さんだったとは…。こんな近くに居たのに気づかなくて」
『えっと、わんこ君の幼馴染なのは分かった。お願いだから彼を引き取ってくれませんか?』
「それは無理ですね。あのフラフラ男が本気で愛した女性ですよ。まさかゲームをしている相手を好きなるなんて思っても見なかったですけど」
『ふ、フラフラ??もしかして女遊びが…』
「あぁ、酷かったですね。目も当てれない程でした。しかし、ある日パタリと止まって女関係を綺麗にしたんですよ。縁を全部ぶった斬って」
『えっと、あの、慎也君って一体何者??』
「それは本人に聞いて下さい。でもあの慎也が…っくく、女遊びに喧嘩に明け暮れていた慎也が従順なわんこ君になるなんてっ!ぷっあははは!あの帝王がメロメロだなんて…くくっ」
『て、帝王??』
笑いを堪えている枢木君に戸惑うと、ツボは治ったのか私に話しかける。
「良いんです、こちらの話ですから。さて、お誘いは断れたのでまた今度にしましょうか。楽しかったですよ、神田さん」
『は、はぁ…』
よく分からないが、枢木君も慎也君も只者ではないらしい…。
てか、また今度ってまだ諦めてなかったんですか、枢木君…。
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