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第2章 学園下克上編
36. バレるフラグは予定が早まる
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翌日…。
「わあ!ビックリしたぁ!」
「なんだなんだ!?」
いきなり教室の天井に意味不明な何かに、早く登校していたDクラスの面々は驚く。「先生呼んだ方が良いか?」と思っていたところ…。
「あっわりいわりい、驚かせちまった」
「「「!?!?」」」
そこから現れたのはオルタだった。ポータルを教室へ設定し、タケシ・マリー・メリューと一緒に登校していたのだ。
「あれ!?オルタ、なの?それにみんなも…」
「な、なんだいこの魔術は?もしかして新しいの?」
「信じられない…どういう事?オルタ君…」
教室には既にソフィア、リリー、アルバートがいた。
「いやーみんなで集まってたら時間なかったから、ポータルで楽してきちまった」
「ポータル?何それオルタ君。詳しく教えて…!」
リリーは相変わらず魔術の事には食い付きがいいな。
「ああ、これ『ポータル』って魔術でな。任意の場所と場所をこの穴で繋ぐんだよ。で、吸い込まれると…」
エバーライフ邸と繋がってるポータルを削除し、教室の端にポータルを再作成する。そこから先程と同じく穴に吸い込まれていき、教室の端に設置された新しいポータルの穴から出てきたのだ。
「こういう風に、もう一方の穴から出てこれるんだよ」
初めて見たソフィア、リリー、アルバートの三人は目を見開いてる。
「す、凄い!オルタ君って転移魔術が使えるのか!?」
「正確には転移じゃない。移動補助ではあるけど」
「どういう事?」
転移魔術に見えているかもしれないが、厳密には違う。
そもそも転移というのは、物体そのものを移動させる魔術だ。一旦、対象を分解して任意の地点で再構成する。魔力や技術が足りなければ、再構成が出来なかった時は物は兎も角、生物なんかはかなりグロテスクな画になりそうだな…。
「これは違うの?」
「これは場所と場所の距離を縮めただけだ。そう見えているだけで、分解・再構成してる訳じゃない」
ポータルのエフェクト上そう見えるのは仕方ないかもしれないが、実際には体全てが自動で穴に向かって浮いていき、一瞬で暗闇の空間を渡って、移動先の地点に着地しているのだ。これを覚えれば俺がいなくても、いつでもどこでも好きな時間に行ったり直ぐに集合なんかもできる。それを踏まえ、放課後に俺の考えを皆に提示した。
「私たちのレベルアップ?」
「そうか、皆のレベルアップか」
まだまだ世の常識に固まっているせいか、俺の考えに不安を持つ者も少なくない。しかし、今回ばかりはまともなレベルアップという形で計画の最終段階に入ろうとしていた。皆、制御と増設頑張っているしな。
「そのレベルアップとは何をするつもりなんだ?」
「皆がある程度の攻撃と防御と治癒の魔術、あとは付与魔術が使えるようになる事か」
とりあえず、今の大まかな方針を伝える。
「…分かった。とりあえず変な考えじゃない事は確かだな」
他も納得してくれたところで、早速俺のログハウスにポータルで行くことにした。
「なっ!ここはどこだ!?」
「教室に居るかと思ったら、森の中に!?」
「あれ町は何処なの!?もしかしてフッとばしちゃった!?」
「ふっとばしたら焼け野原になっとるで」
俺のポータルに各々が色んな反応を見せる。
「わ、わ、凄い!これがあれば遅刻なんてしないじゃん!」
そういう不純な動機で覚えようとするんじゃありません!先日と同じく、皆に俺が帝国に来る前までの経緯を説明する。さて、ログハウス内の結界を解かないと・・・
「あれ~?オルタじゃん、今日も来たの?」
「「「「「えっ?」」」」」
「ま、魔族!?」
「なんでここに!?」
いつの間に。黒竜族のフレイが、ログハウスの屋根に座ってこちらを見下ろしていた。
いや…こちらの魔力の気配を感じて待っていたというべきか。いきなりの魔族出現に、俺以外クラスの面々が慌てふためく。それもそうだ、角と黒い翼で堂々と居座っている雰囲気は魔族そのものだ。一気に場の空気が変わる。
「よおフレイ、ここに来るなんて珍しいな」
「オルタ…まさか、この魔族と知り合いなのか?」
「あぁ、黒竜族のフレイだ。ちょっと前で知り合ってね」
「「「「「黒竜族!?!?」」」」」
黒竜族の名前を出しただけで、オーバーすぎるリアクション。まあ世間的に凶悪な魔族と認知されているので無理もない。まさかの知り合い発言に俺以外が驚愕する。
「え~まだ私何もしてないのにドン引きされるなんて。オルタ、どういう説明してんの?」
来たるときに説明しようとしたけど、そっちから来るなんて予想外だったんだよ。それで、フレイにレベルアップの練習を邪魔しないようお願いすることにする。
「わかった。じゃあその前に私と一戦してよ?」
どうしてそうなった…。
「わあ!ビックリしたぁ!」
「なんだなんだ!?」
いきなり教室の天井に意味不明な何かに、早く登校していたDクラスの面々は驚く。「先生呼んだ方が良いか?」と思っていたところ…。
「あっわりいわりい、驚かせちまった」
「「「!?!?」」」
そこから現れたのはオルタだった。ポータルを教室へ設定し、タケシ・マリー・メリューと一緒に登校していたのだ。
「あれ!?オルタ、なの?それにみんなも…」
「な、なんだいこの魔術は?もしかして新しいの?」
「信じられない…どういう事?オルタ君…」
教室には既にソフィア、リリー、アルバートがいた。
「いやーみんなで集まってたら時間なかったから、ポータルで楽してきちまった」
「ポータル?何それオルタ君。詳しく教えて…!」
リリーは相変わらず魔術の事には食い付きがいいな。
「ああ、これ『ポータル』って魔術でな。任意の場所と場所をこの穴で繋ぐんだよ。で、吸い込まれると…」
エバーライフ邸と繋がってるポータルを削除し、教室の端にポータルを再作成する。そこから先程と同じく穴に吸い込まれていき、教室の端に設置された新しいポータルの穴から出てきたのだ。
「こういう風に、もう一方の穴から出てこれるんだよ」
初めて見たソフィア、リリー、アルバートの三人は目を見開いてる。
「す、凄い!オルタ君って転移魔術が使えるのか!?」
「正確には転移じゃない。移動補助ではあるけど」
「どういう事?」
転移魔術に見えているかもしれないが、厳密には違う。
そもそも転移というのは、物体そのものを移動させる魔術だ。一旦、対象を分解して任意の地点で再構成する。魔力や技術が足りなければ、再構成が出来なかった時は物は兎も角、生物なんかはかなりグロテスクな画になりそうだな…。
「これは違うの?」
「これは場所と場所の距離を縮めただけだ。そう見えているだけで、分解・再構成してる訳じゃない」
ポータルのエフェクト上そう見えるのは仕方ないかもしれないが、実際には体全てが自動で穴に向かって浮いていき、一瞬で暗闇の空間を渡って、移動先の地点に着地しているのだ。これを覚えれば俺がいなくても、いつでもどこでも好きな時間に行ったり直ぐに集合なんかもできる。それを踏まえ、放課後に俺の考えを皆に提示した。
「私たちのレベルアップ?」
「そうか、皆のレベルアップか」
まだまだ世の常識に固まっているせいか、俺の考えに不安を持つ者も少なくない。しかし、今回ばかりはまともなレベルアップという形で計画の最終段階に入ろうとしていた。皆、制御と増設頑張っているしな。
「そのレベルアップとは何をするつもりなんだ?」
「皆がある程度の攻撃と防御と治癒の魔術、あとは付与魔術が使えるようになる事か」
とりあえず、今の大まかな方針を伝える。
「…分かった。とりあえず変な考えじゃない事は確かだな」
他も納得してくれたところで、早速俺のログハウスにポータルで行くことにした。
「なっ!ここはどこだ!?」
「教室に居るかと思ったら、森の中に!?」
「あれ町は何処なの!?もしかしてフッとばしちゃった!?」
「ふっとばしたら焼け野原になっとるで」
俺のポータルに各々が色んな反応を見せる。
「わ、わ、凄い!これがあれば遅刻なんてしないじゃん!」
そういう不純な動機で覚えようとするんじゃありません!先日と同じく、皆に俺が帝国に来る前までの経緯を説明する。さて、ログハウス内の結界を解かないと・・・
「あれ~?オルタじゃん、今日も来たの?」
「「「「「えっ?」」」」」
「ま、魔族!?」
「なんでここに!?」
いつの間に。黒竜族のフレイが、ログハウスの屋根に座ってこちらを見下ろしていた。
いや…こちらの魔力の気配を感じて待っていたというべきか。いきなりの魔族出現に、俺以外クラスの面々が慌てふためく。それもそうだ、角と黒い翼で堂々と居座っている雰囲気は魔族そのものだ。一気に場の空気が変わる。
「よおフレイ、ここに来るなんて珍しいな」
「オルタ…まさか、この魔族と知り合いなのか?」
「あぁ、黒竜族のフレイだ。ちょっと前で知り合ってね」
「「「「「黒竜族!?!?」」」」」
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「え~まだ私何もしてないのにドン引きされるなんて。オルタ、どういう説明してんの?」
来たるときに説明しようとしたけど、そっちから来るなんて予想外だったんだよ。それで、フレイにレベルアップの練習を邪魔しないようお願いすることにする。
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どうしてそうなった…。
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