重すぎず、軽すぎず。

cocoro

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私たちは。

私と彼

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 私は重い。彼もそうだと思っていた。
私が好きだ好きだと迫っても嫌がることがなかったから。
でも結婚してから気づいたのは、私に興味がなかっただけだった。
彼はいつもゲームをしている。それが彼の印象だ。私の話は聞かないのに、自分の好きなことは小学生みたいに目をキラキラさせてするもんだからこっちもたまったもんじゃない。今はやりの枯れた花の歌みたいな話じゃない。私はそんな彼の横顔から目が離せないのだから。
自分でも、時々悩む。これは愛なのか・・・。依存なのか。
 だけどもう、そんなことはどうでも良くって彼が横にいてくれたらそれで満足してしまう私と、時々どうしようもない寂しさと虚しさに襲われる自分がいて目から水が溢れる。
 子供の時は二重人格なんているのか、と思ってたけど最近の私は満更でもないなって感じざるは負えない。
 彼は時々自分の感情をコントロールできなくて、私に手をあげる。やっぱり、大切にしてもらいたい人から手を挙げられるのはすごく辛いことだ。だからその時は思いっきり泣いて私を甘やかす。そして心の中のもう一人の自分に頭を撫でてもらうのだ。その後、頭を撫でてくれた自分に諭してもらって一緒にこれからどうしたらいいのか考えてもらう。
 こんな私を客観的にみていたらやっぱり重い。
母親から虐待されている子はこんな気持ちになるんだろうな。そう思うと私はその子の気持ちがわかる経験ができてよかったと思うし、大人の私は自分から逃げる選択を選べるのだからずっと幸せだと思った。
だけど、私が絞り出したこんなポジティブな考えも彼は平気な顔して「分かってよかったやん」って言ってきそうだから、本当に鳥肌が立つ。そして悲しくなる。

私は本当に彼が好きなんだろうか。
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