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65 宴の終わりは
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(まさか)
確かに”緑”の気性の悪さは有名だ。だからシィンは今まで彼の姿を満足に見たことがなかった。剣技など尚更だ。そのため、今こうして見られていることに一層興奮しているのだが——。
まさか。
まさか騎士に——まさか自分に刃を向けるなどということは……。
ありえない……はずだ。
そう思いつつ見つめるシィンに、ダンジァは更に声を落として言う。
『もちろん、そんなことはないと思っております。あの騏驥もさすがにそれは……と。ですが彼はその気になれば実行する能力を持っております。彼は速く——そして馬の時同様、人の姿でもリーチが長く跳びが大きい……。……あそこからなら、ここや陛下の前まで一瞬です。一瞬で斬りかかれるでしょう。陛下の方はそれはそれとして、少なくともシィンさまには自分が守れる範囲にいて頂きたいのです』
『……』
シィンは、ルーランとレイ=ジンが闘っているこの部屋の真中辺りへ目を向ける。
見る分には近いが、しかし遠い。
普通に考えれば、もし斬りかかってきたとしても充分防げるはずの距離なのだ。
なのに——あそこからここまで一息だと?
無言で問うシィンに、ダンジァは神妙な顔で頷く。慌てて、シィンは言った。
『だ、だがもし——万が一そんなことになったとしても、お前は強いではないか』
『はい。他の騏驥よりは。ですが……残念ですが現時点で彼に勝るかと問われれば、頷く自信がございません。全ての騏驥の剣の腕前を承知しているわけではありませんが、今見た限りでも、彼のそれは随一でございましょう。殿下より賜った剣の助けを借りて一撃目は防げても、次を防げるかどうかはわかりません。それに……彼は場合によっては魔術を使うと聞いております。そういう不可思議な力を得た騏驥だ、と。そうなれば何が起こるかわかりません。用心に用心を重ねておいた方がいいのです』
『……』
静かに、しかし噛み締めるように言うダンジァに、シィンはそれ以上何も言えなくなった。確かに、彼の言う通りなのかもしれない。
悲しいことだが、自分は”そうでなければいい”と思っていた相手に命を狙われたことがある。念には念を入れて危険を回避できるようにしておいた方がいいのかもしれない。
(それにしても……)
それほどルーランは強いのか。
シィンはダンジァの言葉を思い出して、ふむ、と胸の中でひとりごちる。
ダンジァだって、腕の立つ騏驥だ。なのに緑はそれ以上だというのか。
見つめるシィンの視線の先では、そのルーランが奔放に剣をふるっている。シィンの耳には、剣同士がぶつかる軋むような高い金属音がひっきりなしに聞こえてきている。酒席の話題から実現した立ち合いとは思えないほどの激しさ——本気のやり取りだ。
……?
しかしそのとき、シィンはふと違和感を覚えた。
本気のやり取り?
だがダンジァは、緑は自分以上だと認めていた。そして今見た限りでも随一だと言っていた。それは遠回しに、レイ=ジンよりも上だと言っているのではないか?
ならば……。
ならばどうして今もって勝敗が付いていないのだ……?
シィンは改めて二人の騏驥を見る。
流れるような打ち合い。斬り合い。激しく剣がぶつかり合う。ときに身体がぶつかり合う。
見ていて引き込まれる戦いぶりだ。
お互い息つく間もなく攻めかかり、身をひるがえし、所狭しと大きく斬りかかり、鋭く突きかかり、軽やかに飛んで攻撃を避けてはまた剣を交える。
(勝ち負けがはっきりしていないのは判者がいないためか?)
(いや、それだけではないだろう。これはまるで……)
(そもそも判者を不要としたのも……)
シィンはちらりとGDを見る。
この立ち合いのきっかけを作った彼を見る。
と、彼は自分の騏驥を戦わせているとは思えない落ち着いた様子で二人の立ち合いを見ている。
訝しさに眉を寄せるシィンに、ダンジァが小さく頷いた。
『ですから、警戒していただきたいのです。これは”普通の”立ち合いではありません。今、ルーランはせいぜい実力の七分ぐらいしか出していないでしょう。レイ=ジンもルーランの力はわかっているはずです。本当の本気でやりあえば、勝てないことも。なのにルーランを指名して御前での立ち合いを望んだということは——それを騎士の方が陛下に奏上したということは、おそらくなにか理由があるのです』
そう話すダンジァの気配は、次第に張り詰めていく。
腰の剣の位置を確かめるかのように——そこに間違いなく剣があることを確かめるかのように幾度も触れている。
そうしている間も、二頭の騏驥は戦い続けている。
レイ=ジンの表情には必死さが窺えるのに対して、ルーランには余裕がある。笑っているようにも見えるほどだ。それが気にくわなかったのか、レイ=ジンはますますきつい眼差しでルーランを睨み、気合の声を上げて斬りかかっていく。
(速い)
シィンはまた身を乗り出しかけて、慌てて我慢する。
二人の打ち合いが速さを増したのだ。今までも信じられないほど手数の多い立ち合いだったが、ますます速くなっている。剣のぶつかる音は聞こえど、剣筋がよく見えない。速すぎるのだ。
シィンの目でも、もう全てを追えなくなり始めている。
王はなおさらだろう。見ようとして身を乗り出しては眉を顰め、眉を顰めては自分が騏驥の動きを追えないことに苛立ったように荒々しく酒を口に運んでいる。
ただでさえ二人の騏驥の動きは速すぎる上、あんなに飲んでいては見えなくて当然だろうに、王は次第に不機嫌になり始めている。
立ち合いは許可したものの、いざそれが白熱してくると、自分が放っておかれているようで面白くないのだろう。
事実、みな二人の騏驥から目が離せなくなっていると同時に、その闘いぶりの激しさに慄くようにざわめき始めている。
そろそろ誰か止めた方がいいのでは——しかし誰が——どうやって——。
そんな気配が漂い始める。
そして緊迫感が最高潮に達したと思った次の瞬間。
キイィン!!
再び剣がぶつかり合い、軋んだような、一際高く大きな金属音が響く。
直後、何かが割れるような壊れるような——しかし今まで聞いたことがない音がしたかと思うと、
『っひ……っ——』
王の、悲鳴のようなひきつった声がした。
何事かと、慌ててそちらに目をやり——シィンは息を呑んだ。
王の座るその席の目前——酒器や肴の皿が並ぶその卓に、剣先が二つ、ギラギラと光りながら突き立っていたのだ。
(折れたのか……!)
シィンは父の無事を確かめるために駆け寄りながら、ちらりと二人の騏驥を見る。案の定、二人が手にしている剣は二本とも折れている。半ばほどから先がない。あまりに激しく打ち合ったため、金属が疲労して折れたのだろう。
『陛下——父上——お怪我は……』
『!!!!……っ……!? E`*#$%?K6}M……!!』
そして王はといえば、動転しすぎているせいで何を言っているかわからない。
よほど恐ろしかったのか、頬は大きく引きつり、それまで散々飲んでいたために酔いのせいで赤くなっている顔からは汗が噴き出している。なのに震えている。
自分の前にいきなり刃物が飛んできたために、すっかり狼狽している。訳の分からないことを怒鳴り、逃げようともがくものの、腰を抜かしたように動けなくなっている。
『陛下! 陛下! ご無事ですか!』
そうしていると、護衛や近侍、近くに座っていた騎士たちも慌てて駆け寄ってくる。
そして王は、シィンの手ではなく、別の客たちの手を借りて、殆ど抱えられて運ばれるようにして部屋を出て行く。
残された者たちも、突然のことに声もないようだ。どうすればいいのかわからない、という顔で右往左往している。これまでの興奮や高揚など夢だったかのように、部屋中が混乱に陥っている。
——一部の騏驥とその騎士を除いて。
確かに”緑”の気性の悪さは有名だ。だからシィンは今まで彼の姿を満足に見たことがなかった。剣技など尚更だ。そのため、今こうして見られていることに一層興奮しているのだが——。
まさか。
まさか騎士に——まさか自分に刃を向けるなどということは……。
ありえない……はずだ。
そう思いつつ見つめるシィンに、ダンジァは更に声を落として言う。
『もちろん、そんなことはないと思っております。あの騏驥もさすがにそれは……と。ですが彼はその気になれば実行する能力を持っております。彼は速く——そして馬の時同様、人の姿でもリーチが長く跳びが大きい……。……あそこからなら、ここや陛下の前まで一瞬です。一瞬で斬りかかれるでしょう。陛下の方はそれはそれとして、少なくともシィンさまには自分が守れる範囲にいて頂きたいのです』
『……』
シィンは、ルーランとレイ=ジンが闘っているこの部屋の真中辺りへ目を向ける。
見る分には近いが、しかし遠い。
普通に考えれば、もし斬りかかってきたとしても充分防げるはずの距離なのだ。
なのに——あそこからここまで一息だと?
無言で問うシィンに、ダンジァは神妙な顔で頷く。慌てて、シィンは言った。
『だ、だがもし——万が一そんなことになったとしても、お前は強いではないか』
『はい。他の騏驥よりは。ですが……残念ですが現時点で彼に勝るかと問われれば、頷く自信がございません。全ての騏驥の剣の腕前を承知しているわけではありませんが、今見た限りでも、彼のそれは随一でございましょう。殿下より賜った剣の助けを借りて一撃目は防げても、次を防げるかどうかはわかりません。それに……彼は場合によっては魔術を使うと聞いております。そういう不可思議な力を得た騏驥だ、と。そうなれば何が起こるかわかりません。用心に用心を重ねておいた方がいいのです』
『……』
静かに、しかし噛み締めるように言うダンジァに、シィンはそれ以上何も言えなくなった。確かに、彼の言う通りなのかもしれない。
悲しいことだが、自分は”そうでなければいい”と思っていた相手に命を狙われたことがある。念には念を入れて危険を回避できるようにしておいた方がいいのかもしれない。
(それにしても……)
それほどルーランは強いのか。
シィンはダンジァの言葉を思い出して、ふむ、と胸の中でひとりごちる。
ダンジァだって、腕の立つ騏驥だ。なのに緑はそれ以上だというのか。
見つめるシィンの視線の先では、そのルーランが奔放に剣をふるっている。シィンの耳には、剣同士がぶつかる軋むような高い金属音がひっきりなしに聞こえてきている。酒席の話題から実現した立ち合いとは思えないほどの激しさ——本気のやり取りだ。
……?
しかしそのとき、シィンはふと違和感を覚えた。
本気のやり取り?
だがダンジァは、緑は自分以上だと認めていた。そして今見た限りでも随一だと言っていた。それは遠回しに、レイ=ジンよりも上だと言っているのではないか?
ならば……。
ならばどうして今もって勝敗が付いていないのだ……?
シィンは改めて二人の騏驥を見る。
流れるような打ち合い。斬り合い。激しく剣がぶつかり合う。ときに身体がぶつかり合う。
見ていて引き込まれる戦いぶりだ。
お互い息つく間もなく攻めかかり、身をひるがえし、所狭しと大きく斬りかかり、鋭く突きかかり、軽やかに飛んで攻撃を避けてはまた剣を交える。
(勝ち負けがはっきりしていないのは判者がいないためか?)
(いや、それだけではないだろう。これはまるで……)
(そもそも判者を不要としたのも……)
シィンはちらりとGDを見る。
この立ち合いのきっかけを作った彼を見る。
と、彼は自分の騏驥を戦わせているとは思えない落ち着いた様子で二人の立ち合いを見ている。
訝しさに眉を寄せるシィンに、ダンジァが小さく頷いた。
『ですから、警戒していただきたいのです。これは”普通の”立ち合いではありません。今、ルーランはせいぜい実力の七分ぐらいしか出していないでしょう。レイ=ジンもルーランの力はわかっているはずです。本当の本気でやりあえば、勝てないことも。なのにルーランを指名して御前での立ち合いを望んだということは——それを騎士の方が陛下に奏上したということは、おそらくなにか理由があるのです』
そう話すダンジァの気配は、次第に張り詰めていく。
腰の剣の位置を確かめるかのように——そこに間違いなく剣があることを確かめるかのように幾度も触れている。
そうしている間も、二頭の騏驥は戦い続けている。
レイ=ジンの表情には必死さが窺えるのに対して、ルーランには余裕がある。笑っているようにも見えるほどだ。それが気にくわなかったのか、レイ=ジンはますますきつい眼差しでルーランを睨み、気合の声を上げて斬りかかっていく。
(速い)
シィンはまた身を乗り出しかけて、慌てて我慢する。
二人の打ち合いが速さを増したのだ。今までも信じられないほど手数の多い立ち合いだったが、ますます速くなっている。剣のぶつかる音は聞こえど、剣筋がよく見えない。速すぎるのだ。
シィンの目でも、もう全てを追えなくなり始めている。
王はなおさらだろう。見ようとして身を乗り出しては眉を顰め、眉を顰めては自分が騏驥の動きを追えないことに苛立ったように荒々しく酒を口に運んでいる。
ただでさえ二人の騏驥の動きは速すぎる上、あんなに飲んでいては見えなくて当然だろうに、王は次第に不機嫌になり始めている。
立ち合いは許可したものの、いざそれが白熱してくると、自分が放っておかれているようで面白くないのだろう。
事実、みな二人の騏驥から目が離せなくなっていると同時に、その闘いぶりの激しさに慄くようにざわめき始めている。
そろそろ誰か止めた方がいいのでは——しかし誰が——どうやって——。
そんな気配が漂い始める。
そして緊迫感が最高潮に達したと思った次の瞬間。
キイィン!!
再び剣がぶつかり合い、軋んだような、一際高く大きな金属音が響く。
直後、何かが割れるような壊れるような——しかし今まで聞いたことがない音がしたかと思うと、
『っひ……っ——』
王の、悲鳴のようなひきつった声がした。
何事かと、慌ててそちらに目をやり——シィンは息を呑んだ。
王の座るその席の目前——酒器や肴の皿が並ぶその卓に、剣先が二つ、ギラギラと光りながら突き立っていたのだ。
(折れたのか……!)
シィンは父の無事を確かめるために駆け寄りながら、ちらりと二人の騏驥を見る。案の定、二人が手にしている剣は二本とも折れている。半ばほどから先がない。あまりに激しく打ち合ったため、金属が疲労して折れたのだろう。
『陛下——父上——お怪我は……』
『!!!!……っ……!? E`*#$%?K6}M……!!』
そして王はといえば、動転しすぎているせいで何を言っているかわからない。
よほど恐ろしかったのか、頬は大きく引きつり、それまで散々飲んでいたために酔いのせいで赤くなっている顔からは汗が噴き出している。なのに震えている。
自分の前にいきなり刃物が飛んできたために、すっかり狼狽している。訳の分からないことを怒鳴り、逃げようともがくものの、腰を抜かしたように動けなくなっている。
『陛下! 陛下! ご無事ですか!』
そうしていると、護衛や近侍、近くに座っていた騎士たちも慌てて駆け寄ってくる。
そして王は、シィンの手ではなく、別の客たちの手を借りて、殆ど抱えられて運ばれるようにして部屋を出て行く。
残された者たちも、突然のことに声もないようだ。どうすればいいのかわからない、という顔で右往左往している。これまでの興奮や高揚など夢だったかのように、部屋中が混乱に陥っている。
——一部の騏驥とその騎士を除いて。
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