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124 とろけて混じって *性的な描写があります*
しおりを挟む口付けられ、髪を梳き上げられる。優しい手つきで、何度何度も。
そうしながら、ダンジァは再び腰を進めてくる。
熱く大きなものが狭い肉をわけてゆっくりゆっくりと体内に挿し入ってくる感覚に、シィンはぞわぞわと背が震えるのを感じる。
「ぁ……あ……ァ……」
入ってくる。
ダンジァが。
わたしの中に。
彼が——深く。
焦がれた相手と繋がる感覚に、その歓喜に肌が粟立つようだ。
もっと近く——もっとピッタリくっつきたくて、苦しい体勢になるのも構わず、彼を抱く腕に力を込める。
「っふ……ぁ……」
「シィン様……大丈夫、ですか……?」
「ん……。お、おきい、な……大きくて……すごく熱、い……」
「シィン様の中も……温かで……気持ちがいいです……」
吐息混じりの感じ入っているようなダンジァの声に、シィンは胸がくすぐったくなるのを感じる。彼が自分の身体で快感を覚えているのだと思うと、身体の気持ちよさとはまた違う心地よさが、胸の奥に染み渡っていく。
ダンジァはゆっくり——ゆっくりと腰を進める。
繰り返しシィンに口付け、様子を伺いながら、微かな怯えも見逃すことなく、緩やかに——優しく、丁寧に。それは、性行為と言うよりむしろ何かの儀式のようだ。
やがて、たっぷりの時間をかけて全てを埋め終えると、二人の身体は一層密着する。シィンははぁっと息をついた。身体の中でダンジァが脈打っているのがわかる。
「……中……いっぱ、ぃ……だ……」
「ええ。シィン様の中におります。触ってご覧になりますか?」
「ん……」
促され、そろそろとそこに手を伸ばしてみる。
触れた箇所は熱く、確かに二人が繋がっていることがわかる。嬉しいような恥ずかしいような気持ちで全身がじわりと熱くなる。
ダンジァが、ゆっくりと動き始める。
シィンが再びしっかりと抱きつくと、その抽送は次第に激しさを増していく。
「ぁ……あ、ぁ、あぁっ——」
揺さぶられ、熟れた肉壁を捏ねられ抉られるたびに、鼻にかかった甘えるような声が溢れる。突き上げられ、喉を反らして喘ぐと、その首筋に繰り返し口付けが降る。
ちゅっと吸い上げられ、脈を辿るように舌でなぞられ、戯れのように歯を立てられる。その全てが心地好く、細波のような快感は静かに腰の奥に充填されていく。
お返しのように耳殻に口付けると、埋められている猛った屹立がグンと硬さを増す。脈打つその大きなものに体奥を掻き混ぜられるたび、彼と一つになっていることを実感させられ、その悦びに全身が慄く。
「シィン様——」
「ん……ぅ……んんっ——」
「シィン様……愛しています……ずっと——」
「ぁ……あ、あアッ——!」
「ずっとあなたを——」
「ぁァっ……!」
背が軋むほど強く抱きしめられ、告げられる愛の言葉は、シィンの身体も心も根こそぎ攫っていく嵐のようだ。潜められていてもその奥にある激しさに全てを奪われていく。
「ぁ……奥……ぉく……ぅ……」
深く埋められ、そのまま腰を使われると、彼の欲望の形がありありとわかってしまう。身体の内側まで彼のものになってしまうかのようだ。見えるところも見えないところも、全部が彼に触れられ、彼のものになりたがっている。
「奥……ぁ……ふか……ぁ、すご、ぃ……っ」
律動のたびに、頭の芯まで痺れる。底の見えない深い快楽の沼に沈められていく。上手く息ができなくて、淫らな声で喘ぐことしかできなくて、それはとても恥ずかしいのに自分が自分で止められない。
「シィン様——もっと——もっと気持ちよくなってください。もっと——」
「あぁぁァんっ……!!」
「もっと——ここも——ここも全部——」
「ゃ……ダン……ぁ、ひぁ……あ、あああっ——」
さっき散々弄られ、感じることを教え込まれた胸の突起を刺激され、劣情に塗れた嬌声がひっきりなしだ。ダンジァの耳を塞いでしまいたい。けれどそう思うシィンを見つめるダンジァの貌はこの上なく幸せそうで——そして雄の色香を纏っている。
乱れた髪も激しい息も焼くような眼差しも、全部全部シィンの恋情を駆り立て性感を煽ってやまない。雄々しく、心から誠実で、真っ直ぐにシィンを愛してくれる男——。
「ダン、ジァ……ぁ……」
「綺麗です……シィン様……染まった肌も、この朱く固くなった胸の突起も——」
「ァう……ん、っ——」
「可愛らしい声も、滑らかな肌も……ああ——どうしてそんなに魅力的なのか……」
「ァあんっ!!」
感極まったような声とともに、ひときわ激しく腰をぶつけられる。
硬く熱く大きな屹立が抜き挿しされるたび、新たな快感が引き出されるようだ。自分がこんなに貪欲だなんて知らなかった。こんなに淫らだなんて知らなかった。
彼の熱を知れば知るほど、より深い官能を知れば知るほど、もっと、と身体中が慄いて「その先」を欲してしまう。
喘ぎ続けて閉じられない口元から、生暖かな体液が溢れる。顎に伝うそれを、ぺろりと舐め取られた。
繋がっている部分から聞こえる淫らな水音は一層大きくなり、シィンは夢中で目の前の身体を抱きしめる腕に力を込める。
むしゃぶりつくように身を寄せると、ダンジァの律動はますます激しさを増した。
「っ……シィン様……そんなに締め付けないでください……そんな可愛らしいことをされると……加減ができなくなってしまいます……」
「か、げん、なんか……する、な……っ……ぁ——ダン……ダン……ぁ、ふぁ……っ」
シィンもまた我知らず腰を揺すり快感を追うと、痛いほど張り詰め、腹につくほど勃ち上がっている性器がダンジァの身体に擦れ、強烈な淫悦が腰の奥まで突き抜けていく。
与えられ続けた快感が体奥でうねる。飽和して今にも爆発しそうだ。達したくて達したくて、全身が火のように熱い。
「っは……ダン……ダンジァ……っ……もぅ……も、ぅ……っ」
懇願の声を上げながらしがみつくと、聡い恋人はすぐさま意図を察してくれた。
性器に、長い指が絡む。
どうぞ、思いのまま——。
まるでそう言うかのように、緩急をつけて扱かれ、昂りきった欲望は頂点を目指して勢いを増す。
ダンジァの吐息も熱い。熱く湿って乱れていて、彼もまた興奮しているのだと伝えてくる。
自分が彼の身体で感じているように、彼もまた自分の身体で、と思うとシィンの胸の中が甘いもので一杯になる。こんなに身も心も全てがとろけるような想いをしたの初めてだ。とろけて混じって一つになって、くっついて口付けてまたくっついて。
「ダンジァ……ぁ……きも、ちぃ……い……っ」
「シィン様……好きです……好きです——好きです——」
「わ、たし、も……んっ……」
胸に染み入るようなダンジァの声に、わたしも好きだ、と言いかけた続きは、唇から唇に伝えることになった。
滑り込んできた舌に舌を絡めて、欲しがって求められて求め合う。
一人で息をするより、二人でする方が当たり前みたいに。
「あァ……っあ、あ、ぁあっ——」
ダンジァの動きが、手淫が熱を増すほどに、シィンの鼓動は信じられないほど速くなる。身体がぐちゃぐちゃになりそうなほど揺さぶられる。それでもしがみついていれば、そこはシィンにとって一番心地よく安心できる場所だった。
怖くない。気持ちがいい。愛してる。
やっと手に入れたわたしの星——。
「ァ……っ……ダン……ダンジァ……も、ぅ……っ」
「っ……どうぞ、シィン様……達してくださいませ。このまま——」
「っん、でも、お前、も……」
一緒に気持ちよくなって幸せになるのがいい。
抱きしめる腕にぎゅっと力を込めると、お返しのようにきつく抱きしめられる。
幸せすぎて目の奥が熱い。鼻の奥が熱い。堪えられずに溢れた涙を唇で掬われる。塩味と蜜の味の混じった口付けなんて、きっと彼と自分しか知らないだろう。
二人だけの口付け。二人だけの時間。交歓。愛情。全部全部二人だけのもの——。
「ダン……っは……ぁ、ん、ぁ……ァ、ア……っ」
「ッ——シィンさ……」
「ぁ、ァ……ぁ、っ、あぁぁァっ——」
そして二度、三度と奥の奥まで深く突き上げられ、疼く肉を揺すり上げられた瞬間。
ダンジァの手に弄られ続けていた性器がびくりと脈打ち、腰の奥で渦巻いていた欲望が一気に溢れる。
「ぁ……ぁ、あ……ァ……」
がくがくと止まらない腰の震えと、切れ切れの喘ぎ。
次の瞬間、その身体をぎゅっと抱きしめられたかと思うと、さらに深く——まるでシィンの身体を突き通してしまうかと思うほど奥まで穿たれ、そこに熱い飛沫を感じる。身体の奥で弾けるダンジァの快感の証。
それをこの上なく心地よく感じるシィンの身体が、ひくん、とまた震える。
どちらのものともわからない荒い息。心臓の音。
見つめられ、見つめ合い、頬を撫でられ、額に口付けられ、愛しています、と誓いのように囁かれる。
わたしも……と応えると、今夜何度目かの口付けが優しく唇に触れる。
燃えるような、けれどどこまでも優しく誠実な瞳がシィンを見つめている。
「……ダンジァ……」
「はい、シィン様」
「ダンジァ」
「はい」
「ダンジァ……」
乱れる息で名前を呼ぶ。擽ったい。けれど嬉しい。
彼がわたしの騏驥。
彼がわたしの恋人。
彼が、わたしの愛する人。
わたしは幸せだ——。
溶け合うほどに抱きしめられながら、シィンは深く、その想いを噛み締めた。
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