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後書き

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 連載開始から約二ヶ月ぐらいですね。
 連載中は、書いていて本当に本当に楽しかったです。

 予定では書き上げた昨日に後書きまで書こうと思っていたのですが、振り返るなら少し落ち着いてからにしようと思い、今日ここで書いています。
 でもまだ落ち着けないですね。
 今回は格別の嬉しさがあります。

 わたしは馬が大好きで、「見ているだけ」じゃない領域にまで足を踏み入れてしまっているのですが、そんなふうに好きになる間に、そして好きになればなるほど、「馬が大きく関わるような、鍵になるような作品が書きたいな」と思うようになっていました。
 BLの人なので、もちろんBLをベースに。

 そして今年は世界的に色々あって、大変なこともまだ続いているのですが、競馬では「史上初」であったり「親子二代」であったりの偉業も達成されたりしていて。
 そんな、悪いことであったりいいことであったりの大きな変化に揺さぶられたことで、それまで何となく抱いていた「(いつか)書きたいな」という気持ちが、「書きたいなら書こう」「書きたいから書く」という方向にグッと傾いて、実際に書くに至ったのがこの作品でした。

 興味のない人から見れば「たかが馬」なのだろうとは思いますが、好きが高じてこんな作品まで書いてしまうエネルギーを与えてくれるほどの、素晴らしく素敵な生き物でもあるのです。

 なのでもう、隅から隅まで「書きたいもの」——馬の特徴だったり競馬用語だったり、「馬と話せるといいな」「いっそ人に変身するとか」「ならファンタジーだ。魔術も使おう」という願望等々を盛り込んで世界を作ってみましたし、姿の美しさや駆ける時の躍動感といった馬についての描写は、主役二人の恋愛事情を書くのと同じぐらい楽しかったです。


 今回は「毎日更新する!」という自分との約束以外は、題材といいキャラといい、とにかく「自分の読みたいもの・書きたいもの」盛りだくさんで作ったので、そういうわがままを通して書いたものだからこそ、ご覧くださった方々や評価やブックマークで応援してくださった皆様には本当に心から感謝しています。
 読みづらい点もあったと思います。わかりづらい点もあったと思います。
 でもどの文もどの言葉もどの描写もどのキャラも一つ残らず必要なもので、書きたいものだったので、その欲と情熱のままに書き上げることができた今は、充実感でいっぱいですし、そんな風に作り上げたものを読者の方々と共有できたことは非常に嬉しく思っています。
 貴重で大切で思い出深い二ヶ月弱でした。


 これからの予定としては、折に触れて誤字脱字の修正や文章の調整をしつつ、番外をいくつか、という感じでしょうか。
 早めに出せるのは二つ。

 そしてその後、同一世界の別カップルものの連載を始めたいと思っています。
 今回のキャラたちも出て来ますし、新しいキャラクターも出てきます。ストーリーも動きます。
 この世界観の中で、色々なタイプのいろいろなカップルを、そして今回の二人とはまた違うハッピーエンドを書いていきたいと思っています。
 幸せなことに、まだまだ書きたいものがあるのです。


 とはいえ、難しく考えず、引き続き好きなものを好きなように書いていくだけなので、読んでくださる方にも気軽に読んでいただければそれが一番だと思っています。
 そして、できれば楽しんでいただけて、気に入っていただければ何よりです。


 またお目にかかれますように。
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