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24 遠征
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風が出てきた。
天幕から一歩出た途端、横殴りに吹き付けてきた強風に髪を乱され、リィは憮然とした表情を浮かべた。
なんとかしようにも、手には何枚もの地図を持っているから、それらもしきりにぱたぱたはためいて、なかなか思うようにならない。
頬に、目元に、幾筋もの髪がかかるたびに顔を顰めつつ、リィはようよう天幕の陰に回り込む。
腰の辺りまであるその流れるような艶やかな黒髪は、昔から綺麗だと何度も褒められていた。
とはいえ、幼少期のリィにとってはそれよりもお菓子をもらうことの方が嬉しいことだったし、今は正装の時に結い上げる必要がある、ちょっと面倒な部分であった。
だが、同時に、髪は魔術を使う上でその効果に関わる大切な部分でもあった。
一般的に、リィのように魔術師ではないが魔術を使う/使える者は、使用の際に補助的な道具を必要とする。
石であったり符であったり、既になんらかの魔力が込められていものを呪文と共に用いることで魔術を発動させるのだが、その際、魔術の効果を適宜補助・増強させるものが、髪のような、使用者の身体の一部分だった。
自らの身体の一部を魔術に溶かし込むことで、それを強化するのだ。
だから髪が長いことは魔力の強さを保つために必要なことだったし、リィもそれ意図して伸ばしているのだった。
彼を騎士たらしめている鞭。そして、彼と騏驥を繋ぐ手綱。
それらに込められた魔術が薄らぐことのないように。
そしてまた、この髪は、幼い頃に父がよく撫でてくれていたものだった。
大きな手で、温かな手で、いつも優しく撫でてくれたのだ。
そのたびリィは心から安心して、悲しい事があってもすぐに元気になれた。誰に褒められるよりお菓子をもらうほうが嬉しかったが、それよりも父に頭を撫でられるほうが好きだった。
大好きだったのだ。父の手が。
無骨だが繊細な騎士の手が。
騏驥の手綱を取る、その手が。
その手で撫でられるのが。
けれど——。
ようやく穏やかになった風の中、乱れている髪をゆるゆると梳いて整え、結び上げていると、懐かしさと共に切なさが胸にこみ上げ、そこが軋むように苦しくなる。
父は、まだ生きているのだろうか。
どこかで、生きているのだろうか。
生きていて欲しい。
けれど生きているなら、どうして帰ってきてくれないのか……。
王都を離れ、遠征に出ると、いつもこんな気分に囚われる。
ひょっとしたら、この辺りに父がいるのではないだろうか。
父を探す手掛かりがあるのではないだろうか。
どこかでそれを見つけられるのではないだろうか……。
そんなことを、つい考えてしまうのだ。
与えられている任務を果たし、それ以上の成果を上げる。そのために遠征に出ているのだと思っていても、心のどこかではそれ以外のことも考えてしまっている。
会えば尚更傷つくかもしれないとわかっていても、過ぎたことは戻らないのだとわかっていても。
「…………」
(らちもない……)
リィは頭の中を覆う霧のような考えを払うように頭を振ると、当初の目的を果たすべく、持っていた地図を広げる。
天幕の間を縫うようにして歩きながら目を通すその地図は、ちょうどこの辺り。
隣国、羅々国との国境周辺の地域を記したものだった。
遠征が決まり、その下準備として、約一ヶ月をかけて改めて詳しく調べられ、作成された地図。
事前に渡されていたこれに、リィ自ら調べた書き込みも施し、より詳しいものにしているが、それは現地到着前のこと。
着いてからは、自分の目で確認できるところは確認して、地形や道の起伏、荒れ具合を更に詳しく把握しておきたかった。
この辺りは初めてなのだ。念には念を入れてもいいだろう。
遠征前。
リィの元に地図を届けにきたのは、ルュオインだった。
本来なら、そんなこと彼の役目じゃない。
なのに彼がやって来たのだ。
悔やんでいるような、そんな面差しで。
彼は、騏驥の調教を終えて一休みしていたリィに近づいてくると、持っていた地図を差し出し、伏し目がちに言った。
『まさか本当にこうなるとはな』
その、落ち込んでいるような様子はちょっと声をかけづらいほどで、リィは『仕方がない』と応じるのが精一杯だった。
『こうなったからと言って、師の助言に逆らうわけじゃない。自分から関わり合いになりに行ったわけじゃないのだから』と。
その時、リィは既に、遠征に赴く旨の下知は受けていた。
王城に呼び出され、隣国への出兵に際し、騎士として帯同するように、と告げられていたのだ。
頭を垂れたままそれを聞いて、最初に感じたのは驚きで、そして次に思ったのはルュオインのことだった。
彼の報告書が、今回の遠征のきっかけになったのは間違いないだろう。
師に相談に行く前に、既に提出してしまっていた報告書。
しかもそれは、彼自身の言葉を借りれば、遠征先で見聞きしたことに加え、彼が疑問を抱き、調べたことも加えられたものらしい。
ルュオインとしては、気がかりだったことを全て書いておいたということなのだろう。普段からそんな風に気を回す男だ。
だが。
それは扱いようによれば、別のものにも変わってしまう。
そして今回は、「変わってしまった」のだ。きっと。
他国に疑いをかけ、侵攻するための材料にされてしまった。
政を司っている議会はこの数年は国内の整備に専念すると言っていたはずだが、それは総意ではなかったということなのだろう。
騏驥を用いれば圧倒的優位に立てた以前とは少し変わり、周辺国もそれなりに対策を講じている。
そんな状況での他国への侵攻は、こちらもまた疲弊するに違いないのだが、決まったことならば仕方がない。
そしてリィ同様、ルュオインもまた遠征に加わることになったらしい。
彼は、以前遠征したセルドに近い那椅国へ。
同時に二つの国へ、しかもかなりの規模の兵を出しての遠征は、リィが知る限りなかったことだ。
にもかかわらず驚くほど滞りなく出兵に至ったということは、きっともっとずっと以前から検討され、計画されていたことなのだろう。
ただ、口実がなかっただけで。
実際に歩き、周囲を確認して地図に書き込みを入れながら、リィは溜息を吐く。
王城に出入りはしていても、政には全く縁のない身だ。
誰がこの遠征を推し進めたのかはわからない。
戦に勝てば、国はより大きくなるだろう。けれど、戦闘が起これば傷つく者は必ず出るのだ。傷つき、死ぬ者が。
リィにできることは、その数を少しでも減らすことだ。
騎士として最大限の働きをして。
しかし、そうして滞りなく進められ、万全だったはずの遠征計画は、いざ始まってみれば早くも色々と変更が生じている。
さっきまでの軍議のように、予定になかったことが行われているのもそのためで、そのせいでリィは今になってようやく——国境近くの侵攻拠点に到着して二日も過ぎてから地図の確認に着手できるようになったのだった。
それも、もう陽が落ちそうな時刻だ。
暗くなる前に、なるべく色々なところを見ておきたい。
騎士自らがそんなことをやらずとも、誰かにやらせればいいのに。
そんな声を聞いたこともあるが、リィはあくまで自分の目で、感覚で確かめるようにしている。
騏驥に騎乗する騎士の目と感覚で。
それになにより、自分の乗る騏驥のための確認でもあるのだ。
ルーランならどうするか、どう動くか——どう動かしたいかを考慮に入れて確認しなければ意味がない。
そう。あの騏驥なら——三つの輪を持つ特別なあの騏驥なら——例えば普通の馬や他の騏驥が拒むような悪路でも軽々と駆けていくだろう。
むしろ、より活き活きと生命力を漲らせて。
想像して、リィは苦笑する。
争いはないに越したことはないし、危険なところに闇雲に突っ込んでいくほど無謀でもないつもりだ。
それでも、あの騏驥がその卓越した身体能力を存分に発揮する瞬間に立ち会う悦びは格別だとも感じてしまうのだ。
彼が思うままに駆けるときの雄々しさと、そんな彼に騎乗する特別な悦びを、リィは知ってしまっている。
戦火のただ中でも騎乗者には露ほどの不安も与えない、その絶対的な猛さも。
いうことを聞かない彼を躾けるときの手強さは、裏返せば、御せたときの喩えようもない充実感にも繋がるものだ。
そのとき、騏驥のことを考えていたリィの胸の中を察したかのように、遠くから嘶きが聞こえてくる。
馬のものなのか、それとも馬の姿の驥騏のものなのかはわからない。
今回の遠征には、馬はもちろん騏驥も通常より多く連れられてきている。
判別はつかないものの、そのタイミングの良さに小さく笑うと、リィは地図の確認を再開する。
騏驥と共に駆ける心地よさは、騎士だからこそ感じられる特別な感覚だ。
それでも、勘違いしてはいけない。
騏驥は兵器だ。彼らが活躍する機会は、少なければ少ない方がいい。
そして無理な願いだとわかっていても、できれば誰も——人も驥騏も馬も傷つかなければいい。
そう思いながら。
◇ ◇ ◇
「はー、終わり終わり終わり、っと」
王都からここまでの長い距離。
ときおり休みを挟みながらも日をまたいでずっと歩いてきたことで、騏驥は到着後に簡易な検査を受けなければならなかった。
簡易とはいえ拘束されることが大嫌いなルーランにとっては、決して嬉しくないひとときだ。
早く早くと急かしまくって、馬の姿の検査に続き人間の姿でのチェックを終えると、診療所代わりの大きな天幕の中、ルーランは器用に胡座をかいて座っている椅子をキイキイと軋ませながら、声を上げる。
「もう終わりでいいよな? 全部終わったよな」
椅子の軋む音に合わせて、手足の輪が揺れる。
「なあなあ、じゃあ、ちょっとくらいそこらを散歩してきていいだろ?」
「…………」
そして当然のように弾んだ声でそう続けるルーランに眉を寄せるのは、今回、この遠征に医師として帯同し、今しがたルーランの身体を調べ終えたニコロだ。
「ダメだよ。何言ってるの」と顔に書いてある。
ルーランは肩を竦めた。
通常、遠征に参加する騏驥の医師は一人だが、今度の遠征では投入している騏驥の数が多く、普段は王都を離れることのない——戦場に慣れていないニコロまで駆り出されたのだった。
彼は歳より若く見える顔に精一杯の渋面を作ると、「だーめ」と首を振る。
その様子は、こんな野外の診療所でもいつもと変わらずてきぱきとして見えて、万が一の時も安心だなと思わせてくれる。
遠征についてくる騏驥の医師は、人間のそれと同様、一刻を争う治療に携わったり、そうでなくとも傷を負った騏驥の最初の手当をする立場だから、大抵は非常に腕のいいものがやってくる。
が、同時に、普段厩舎の診療所で診察や検査をするときよりも少ない人数で応対することになるから、腕と同時に体力も必要とされる立場だ。
それもあって、貧弱なニコロは、今まで遠征についてくることがなかったのだが。
今回は彼の検査の目の確かさと、癒しの魔術の腕が買われたようだ。
(そんだけ激戦になりそう……ってことか)
他のものより大きめのこの天幕には、騏驥の医師が常駐している。
ルーランが見た感じでは、医師は三人。
助手はその倍以上居るようだから、滅多にない多さだ。
騏驥の数も同様だった。
遠征では、騏驥が怪我を負ったときに備えて、また、現地で臨機応変に対応できるように、騎士の数よりもやや多く騏驥を連れて行く。
もちろんそれは絶対ではなく、一頭だけというときもある。
アクシデントに備えて、二人の騎士に三頭の騏驥ということもあり、遠征規模や遠征先で起こるだろうと予定される戦闘の規模にあわせて騏驥の頭数を調整するのが普通だった。
予備の騏驥は必要といえば必要だが、連れて行く数が増えれば、それだけ世話をする人間も増やさなければならなくなる。
馬の厩務員だけではできない世話もあるし、野営となれば騏驥たちを寝泊まりさせる所も必要になる。
ずっと人の姿でいられればいいが、そうもいかないため、馬の姿で過ごせる場所が必要になるのだ。
外に繋いでおくにしても、騏驥がいると普通の馬が落ち着かなくなってしまうため、やはり隔離した場所が必要になり、要は、手間がかかる。
だからギリギリの数を計算して準備するようなのだが。
(それで、この数だもんな)
牡の騏驥だけで五頭。牝もいるはずだから、少なくとも六頭から七頭以上だ。
騎士もおそらくそれ同じぐらいか、一人少ないぐらいだろう。
この間の遠征に参加した騎士はリィだけ。騏驥もルーランだけだったから、それに比べれば規模の大きさが知れる。
というか、ざっと見ただけでも歩兵に騎兵、全ての人員が多いのだ。
以前の遠征の時も数日野営したけれど、そのときとは天幕の数が違う。
敵の中に突っ込んで暴れられれば満足、というルーランだから、戦闘の予定も計画も知ったことではないが、それでも、今回の遠征は今までとは少し違うのだということはわかる。
しかも、なんとなくさっきからチラチラと視線を感じる。
正面切って見つめてくる者はいないにしても、みなそれぞれ他の騏驥を意識しているのだ。それがよくわかる。こうした、多頭数での遠征の時は。
リィにはよく、「揉め事を起こすなよ」と注意されるが、それは無理な相談でもある、とルーランは思う。
いや、お仲間だし、騏驥同士なら相手も相応に強いことはわかっているので、別に好んで争おうとは思わないが(お互い怪我をさせていいことはないとわかっているから)、立場が同じであるがゆえの意地の張り合いのようなものもあるのだ。
誰がこの場で——この遠征のために集められた騏驥の中で一番なのか、きっちりわからせておきたい——そんな心情が。
群れになって行動したがる習性を持つ馬に対し、人でもある騏驥は、基本、みな単独行動だ。自分の頭で考えて動きたがる。
ルーランのように鞍上のことも考えずに好き勝手する者はあまりいないが、自分の能力を最大限発揮するために、それによって騎士に貢献し、彼らといい関係を保てるように、自分のやりたいように、やりやすいようにしたがるのだ。
だから「縄張り争い」というわけではないが、自分が自由にするために他の騏驥よりも強いことを示したがる。
群れのトップだと示すためではなく、俺の邪魔はするなという意識で。
しかし、おそらくこっちを見てくる騏驥のなかで、ルーランの相手になりそうな者はいない。
戦闘中ともなれば敵味方関係なく、進路を塞げば構わず弾き飛ばして好き勝手するルーランの暴れようが広まっているせいか、これ見よがしに存在を誇示してくるような騏驥もおらず、ルーランは「よしよし」と一人頷く。
いつだったか、面識のない騏驥が粋がって絡んできたときには、手加減するのも面倒くさく、思い切りやり返してしまい、敵との戦闘前に貴重な騏驥を一頭減らしてしまった。
幸いにして、彼はなんとか立ち直り、処分されることなく今も騏驥をやっているらしい。
あれから会うことはなかったし、西厩舎に住むルーランは、東厩舎に引っ越していった彼のことは、もう噂でも聞かなくなったけれど。
ともあれ。
そんなわけで、こんな規模の大きそうな戦闘が予想される遠征でも、好き勝手できそうだ。
ルーランは満足げに一人頷く。
(あとは——と……)
ルーランは暫く身体を揺らし続けながら、辺りを探る。
あとは、ここから出てからの話だ。
そう、出たい。
もちろん監視なしで。
(っと)
すると、こちらを見ていたニコロと目が合った。
童顔をそう見せないようにしているのか、大袈裟に顔を蹙めて見せる。
「……なにキョロキョロしてるんだい? お望み通り検査は早く終わらせたんだから、厩舎に戻らないと」
「厩舎って言ったって、ほとんど野っ原まんまだろ。ここの方が居心地いいんだよ」
「だからって、ここに居座られても困るんだから」
「だからさ。それならちょっと散歩許してくれればいいじゃん。どうせ結界の外には出られないんだし」
「それでもダメ。付き添いもなくふらふらして、なにかあったらどうするつもりなんだい。怒られるのは僕。許可した側になるんだよ」
「迷惑なんかかけないって。ほら——土地の確認とか馬場の確認とか……見て回らないと。そういうのも大事だろ?」
「そういうのは騎士の仕事だと思うけど」
「でも実際に走るのは俺だし?」
「とにかく、だめ。いいね? ほら、大人しく誰かと——」
言いかけたところで、ニコロは助手の一人に呼ばれる。
ルーランはひらひらと手を振ると「早く行ってやれば」とニコロに示す。
彼が「もう!」という顔をしつつも背を向けると、しおらしく椅子に座ったまま、再び身体を揺らしはじめる。
――キィ……キィ……。
――――キィ……キィ……キィ……。
――――――キィ……キ……ィ………………。
――――――――――――――………………………。
そうして再び周囲に視線を走らせ、誰からの視線も向けられていないことを確認する。
その——直後。
「————」
息を詰め、流れるように椅子から滑り降りると、そのまま、足音も立てず数歩で天幕を飛び出していく。
「……ルーラン!?」
これ以上はない、というほど狼狽えたニコロの声が聞こえてきたのは、もうルーランがリィを探して走り始めたあとだった。
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