その主婦、小説家志望につき。 〜物書きエッセイ喜怒哀楽〜

羽瀬川璃紗

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2024/4/23 はじめに

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「小説を書くサークルを一緒に作らない?」

 友人に誘われたのは14歳の夏の事だった。丁度、同人誌やコミケの類を覚え始めた頃で、もともと文章を書くことも好きだった私は、二つ返事で誘いに乗った。
 その夜、私はプロットを練った。

(ミュージシャン志望の不良少女を主人公に、紆余曲折を経て夢を叶える話がいいな)

 見ていたテレビに出演していたタレントの名前をヒントに、名を『長谷川理沙』とした。

 翌日。友人と再度集まったが、友人はペンネームの作成にこだわっていた。

「まずはペンネーム。作品はそれからだよ」

 友人は2週間経っても3週間経っても、ペンネームはおろか執筆も無い。友人と足並みを揃えて当然な年代ともあって、私も執筆を開始出来ないまま。
 月日は流れ高校受験が目の前になり、話は立ち消えになった。



 そして高校生。私は文芸部の案内を見て、心が躍った。

(これは…、リベンジのチャンスだ!)

 入部した私は、ペンネームをつける事になった。心に残っていたのは、始まってすらもないあの物語の主人公だ。

 まず、「長谷川」は実在しなさそうな文字を使う。「理沙」も含めて、何かフワッと軽やかで実際の自分とは真逆なイメージに。
 そこで生まれたのが、『羽瀬川璃紗』なのである。


 高校3年間は部活動に力を入れていたので、執筆はかなりしていた。電車の待ち時間にもメモ帳に書き込んでいたし、部員の作品もプロ作家の作品もたくさん読んだ。
 スクールカーストは下位だったが、充実の青春時代だった。


 社会人になり、執筆時間と意欲はかなり少なくなった。仕事が始まり、生活がガラッと変わったからだ。
 それでも脳内で物語を作る事はやめず、時間が出来たら再開したいと考えていた。

 執筆活動の再開をしたのは、社会人生活2年目のこと。夏のボーナスで自分用のPCを買った。『小説コンクール』のことを知ったからだった。
 大賞作品は賞金◯万円、書籍化。当時は活字にプリントアウトして応募する必要があった。

(自分の好きなことがお金に変わる!それもいいけど、著作権で不労所得も素敵!!)

 という、ある意味不純な動機もある再開だった。


 コンクールに2回応募(2回とも2次審査落選)、転職でまた生活に変化があり、PCが故障しても買い替える金が無いアクシデントもあり。
 執筆が再度遠のいたが、今度はルーズリーフに書き溜めて来たる時に備えた。

(自分のホムペに投稿してネットで公開する人もいるし、そこから書籍化する人も居るらしいから、ホムペを作成した時のために書いておこう)

 そう考え数年。いつしか私は結婚し子供も生まれた。今まででは考えられないほど、多忙になった。


 子供が2歳になったある時、ふとした事からアルファポリスを知った。

(これは…、自分の作成した文章を発表し、あわよくば書籍化のチャンスもあり、書籍化しなくとも収入を得れるという、自分のやってみたい事の集大成なんじゃないか…?)

 そこでスタートした私は、今日に至る。


 何が大事かって、誰にも訊かれてないのに敢えて言うとしたら、『継続と行動力』だろう。諦めないことも、待っていたチャンスに飛び込むことも、その2点が無いと出来ないからだ。

 
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