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チキン・ヒーロー
夏至
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『相談したいこと⤵あるんだけど、いつ空いてる?』
夏休みまであと2週間、選抜まであと3週間あまり。
昼食時に未琴からメールが届いた。土日は選抜関連で埋まってるので、平日の放課後になら、と快諾した。
相談…、未琴は中2だし進路だろうか?
未琴から指定されたカラオケボックスに行くと、未琴の他に龍哉も居た。
「久しぶり。それにしても2人してどうしたの?」
「うん。ちょっとね…」
手続きをして個室に入ると、龍哉が何らかの術を使った。『網張』だ。
一定区域内の追っ手(術を使わない人間や式獣も含む)や術・式獣を使っている相手が居るか等を、目を使わず探る術だ。
割りと高度で実戦向きの術だが、龍哉は何故いま使ったのだろう。と、一瞬呆けた真姫だが我に返った。
密室とは言え曇天外。バレたら懲罰だ。
「ちょっと何してるの⁈」
「どう?」
「今は居ない。取り敢えず半径20メートル以内に来たらすぐ感知出来るから、始めよう」
真姫をそのままに2人はそんなやり取りをすると、深刻そうな顔で正面に座った。
龍哉が口を開く。
「…単刀直入に、ノゾさんなんですが」
未琴も真剣な目だった。
「何をして懲罰になりかけてるんですか?」
違反には段階に応じて色々な措置がある。
口頭での注意勧告、始末書作成を伴う厳重注意、曇天外への移動を制限する条件付き謹慎、自宅敷地外へ出るのを禁止される重度謹慎…。
1番重いのは、力を封じ、糸遊としての記憶を消去し曇天を追放(一般人として生活して下さい)である。
状況によるが、本人、家族、事案に関わった者全員などが罰を与えられる。
そう言えば、最近望と話してない。
選抜を控えた真姫を気遣っていると思い、気にも留めなかった。
(図書室の件かも?)
よぎったが、真姫は冷静に尋ねた。
「…詳しく、教えてくれる? 私、最近望と会ってないから」
「兄貴の話では、部活の課題で赤守氏の本を中央会の図書室に探しに行ったら、ノゾさんが偶然お父さんが借りた事のある本を見つけたらしくて…」
真姫も居合わせたから知っていた。
未琴は続けた。
「でも次行った時にその本見たら、ノゾさんのお父さんの名前の書いてあった旧カード、全て剝がし取られていて…」
そんな事したら例え小学生でも怪しむだろう。会長の仕業か?
「その後から、中央会の赤沼さんがよく話しかけてくるようになって…。頼んでないのに、赤守氏の本を家まで持って来たりして」
赤沼は青山の弟の娘婿(姪婿)で、準七の先輩や七神衆達の間でも評判が悪い(裏表があるとか、任務にノータッチなのに口を出すとか)。
龍哉が目を伏せ気味に話しだした。
「ノゾさんも上手くのらりくらりしてたけど、最近では高校出たら『青峰山水』で働かないか、と勧誘されるそうで。
同時期から『追跡』されるようになったんです」
『青峰山水』は青山の兄:青山則之が経営するミネラルウォーターの工場だ。
赤沼は勿論、曇天民も数多く勤めていて就職先にあぶれたらココへ、とも言われている。
『追跡』は違反疑いの者が受ける調査で、一般人には見えない監視専門の式獣を付けて、誰と接触がありどんな言動・挙動があったかを、式獣を介して調べるものだ。
つまり望はまだ調査段階。真姫は少しホッとした。
「『追跡』って簡単に判らない筈よね? 気のせいじゃ無く?」
「ノゾさんなりに警戒してて、それで気付いたそうです。ノゾさん網張は使えないから、ガーデンで一緒に遊んでるフリして、俺が使ってみたら付いてました」
ちなみに式獣が網張にかかっても、攻撃を受けた訳で無いので、式獣の術者は感知出来ない。
知らぬ間に、皆強くなってる。場違いだが思った。
(私の網張は10メートル強。龍哉の方が広いわね)
真姫は疑問を口にした。
「追跡は赤守氏調べたからなの? 赤守氏自体は小学校の授業でやったり、課外活動で晩年住んでた旧住居行ったりするでしょ?
改めて調べたとしても違反にならないと思うわ。それとも旧カード?」
赤守氏は小さいが歴史の教科書にも載ってる。一般人でも調べる人は居るだろう。
龍哉は思いがけない事を口にした。
「多分、他にもあると思うんです。…その、すげえ聞きづらいんですけど、…真姫さん、ノゾさんと赤城さんと3人で何してたんですか?」
「え」
驚く真姫に、未琴も重い口を開く。
「メイメイさん、酷い噂のメールを皆に送りつけてるんです。
…内容が本当かを中央会が調べてるのかと思って」
片田舎にも時代の波が来てるのね。
真姫は、2人の目を見据えて言った。
「分かった、本当の事を教える。私と赤城さんはバンドをしてるの」
2人の目が点になる。
「もっと詳しく言うと、私と赤城さんとパンピで組んでるバンドのライブを、望がよく観に来る。以上」
「バンド…?」
「ええ、そうよ。バンドの事は中央会も知ってる。『任務優先』で動いてるし、パンピへの情報漏洩も無いようにやってる」
2人はホッとした表情を浮かべた。
(そんなに酷い噂なのかい…)
真姫は続けた。
「仮に、追跡が先輩の流した噂を真に受けたものなら、望は何もしてないし無実だからすぐ終わるわ。赤守氏や旧カードが原因なら、バカじゃないだろうし、更に関わろうとしなければ大丈夫よ。きっと!」
でも、脳裏をある出来事がよぎる。
「或いは…、望って愛想良いでしょ? 私の知らないバンドマンの知り合いが居るみたい。そこで疑われてるのかもね」
妙に引っかかるのはヘルファイアだ。
そう言えば、中学卒業の集落ごとの謝恩会で青山が言っていた。
『今までは周りを糸遊に囲まれて生活していたが、高校や社会に出ても今までの気分のまま生活すると、ボロが出るぞ。周りに一般人が沢山居る事を忘れないように』…。
新高校生がパンピに糸遊の事を知られそうになり、処置(記憶操作など)が必要になる事はたまに有るらしい。
龍哉は息をついた。
「分かりました。じゃあ、ノゾさんにメールで『動かない方がいい』と送ればいいですかね」
「ね。口で言ったら盗聴されるし」
未琴も同意した。
メールもどうかと思うが、携帯電話の小さな液晶の文字は接近しないと見えない(夜目が利いても、結局対象者に気付かれない距離を保つのが前提なので、メインは盗聴)。
真姫は頃合いをみて疑問を投げかけた。
「…酷い噂聞いた上で、よく私に相談しようと思ったのね。もし噂通りの事してたら、どうするつもりだったの?」
「ああ…、でも真姫さんだし。その時は『尊敬してるので、そういう事やめて下さい』って言おうと思ってました」
「やめてよ、『尊敬』なんて恥ずかしい」
(歳は上だけど、幼馴染みなんだからさ)
夏休みまであと2週間、選抜まであと3週間あまり。
昼食時に未琴からメールが届いた。土日は選抜関連で埋まってるので、平日の放課後になら、と快諾した。
相談…、未琴は中2だし進路だろうか?
未琴から指定されたカラオケボックスに行くと、未琴の他に龍哉も居た。
「久しぶり。それにしても2人してどうしたの?」
「うん。ちょっとね…」
手続きをして個室に入ると、龍哉が何らかの術を使った。『網張』だ。
一定区域内の追っ手(術を使わない人間や式獣も含む)や術・式獣を使っている相手が居るか等を、目を使わず探る術だ。
割りと高度で実戦向きの術だが、龍哉は何故いま使ったのだろう。と、一瞬呆けた真姫だが我に返った。
密室とは言え曇天外。バレたら懲罰だ。
「ちょっと何してるの⁈」
「どう?」
「今は居ない。取り敢えず半径20メートル以内に来たらすぐ感知出来るから、始めよう」
真姫をそのままに2人はそんなやり取りをすると、深刻そうな顔で正面に座った。
龍哉が口を開く。
「…単刀直入に、ノゾさんなんですが」
未琴も真剣な目だった。
「何をして懲罰になりかけてるんですか?」
違反には段階に応じて色々な措置がある。
口頭での注意勧告、始末書作成を伴う厳重注意、曇天外への移動を制限する条件付き謹慎、自宅敷地外へ出るのを禁止される重度謹慎…。
1番重いのは、力を封じ、糸遊としての記憶を消去し曇天を追放(一般人として生活して下さい)である。
状況によるが、本人、家族、事案に関わった者全員などが罰を与えられる。
そう言えば、最近望と話してない。
選抜を控えた真姫を気遣っていると思い、気にも留めなかった。
(図書室の件かも?)
よぎったが、真姫は冷静に尋ねた。
「…詳しく、教えてくれる? 私、最近望と会ってないから」
「兄貴の話では、部活の課題で赤守氏の本を中央会の図書室に探しに行ったら、ノゾさんが偶然お父さんが借りた事のある本を見つけたらしくて…」
真姫も居合わせたから知っていた。
未琴は続けた。
「でも次行った時にその本見たら、ノゾさんのお父さんの名前の書いてあった旧カード、全て剝がし取られていて…」
そんな事したら例え小学生でも怪しむだろう。会長の仕業か?
「その後から、中央会の赤沼さんがよく話しかけてくるようになって…。頼んでないのに、赤守氏の本を家まで持って来たりして」
赤沼は青山の弟の娘婿(姪婿)で、準七の先輩や七神衆達の間でも評判が悪い(裏表があるとか、任務にノータッチなのに口を出すとか)。
龍哉が目を伏せ気味に話しだした。
「ノゾさんも上手くのらりくらりしてたけど、最近では高校出たら『青峰山水』で働かないか、と勧誘されるそうで。
同時期から『追跡』されるようになったんです」
『青峰山水』は青山の兄:青山則之が経営するミネラルウォーターの工場だ。
赤沼は勿論、曇天民も数多く勤めていて就職先にあぶれたらココへ、とも言われている。
『追跡』は違反疑いの者が受ける調査で、一般人には見えない監視専門の式獣を付けて、誰と接触がありどんな言動・挙動があったかを、式獣を介して調べるものだ。
つまり望はまだ調査段階。真姫は少しホッとした。
「『追跡』って簡単に判らない筈よね? 気のせいじゃ無く?」
「ノゾさんなりに警戒してて、それで気付いたそうです。ノゾさん網張は使えないから、ガーデンで一緒に遊んでるフリして、俺が使ってみたら付いてました」
ちなみに式獣が網張にかかっても、攻撃を受けた訳で無いので、式獣の術者は感知出来ない。
知らぬ間に、皆強くなってる。場違いだが思った。
(私の網張は10メートル強。龍哉の方が広いわね)
真姫は疑問を口にした。
「追跡は赤守氏調べたからなの? 赤守氏自体は小学校の授業でやったり、課外活動で晩年住んでた旧住居行ったりするでしょ?
改めて調べたとしても違反にならないと思うわ。それとも旧カード?」
赤守氏は小さいが歴史の教科書にも載ってる。一般人でも調べる人は居るだろう。
龍哉は思いがけない事を口にした。
「多分、他にもあると思うんです。…その、すげえ聞きづらいんですけど、…真姫さん、ノゾさんと赤城さんと3人で何してたんですか?」
「え」
驚く真姫に、未琴も重い口を開く。
「メイメイさん、酷い噂のメールを皆に送りつけてるんです。
…内容が本当かを中央会が調べてるのかと思って」
片田舎にも時代の波が来てるのね。
真姫は、2人の目を見据えて言った。
「分かった、本当の事を教える。私と赤城さんはバンドをしてるの」
2人の目が点になる。
「もっと詳しく言うと、私と赤城さんとパンピで組んでるバンドのライブを、望がよく観に来る。以上」
「バンド…?」
「ええ、そうよ。バンドの事は中央会も知ってる。『任務優先』で動いてるし、パンピへの情報漏洩も無いようにやってる」
2人はホッとした表情を浮かべた。
(そんなに酷い噂なのかい…)
真姫は続けた。
「仮に、追跡が先輩の流した噂を真に受けたものなら、望は何もしてないし無実だからすぐ終わるわ。赤守氏や旧カードが原因なら、バカじゃないだろうし、更に関わろうとしなければ大丈夫よ。きっと!」
でも、脳裏をある出来事がよぎる。
「或いは…、望って愛想良いでしょ? 私の知らないバンドマンの知り合いが居るみたい。そこで疑われてるのかもね」
妙に引っかかるのはヘルファイアだ。
そう言えば、中学卒業の集落ごとの謝恩会で青山が言っていた。
『今までは周りを糸遊に囲まれて生活していたが、高校や社会に出ても今までの気分のまま生活すると、ボロが出るぞ。周りに一般人が沢山居る事を忘れないように』…。
新高校生がパンピに糸遊の事を知られそうになり、処置(記憶操作など)が必要になる事はたまに有るらしい。
龍哉は息をついた。
「分かりました。じゃあ、ノゾさんにメールで『動かない方がいい』と送ればいいですかね」
「ね。口で言ったら盗聴されるし」
未琴も同意した。
メールもどうかと思うが、携帯電話の小さな液晶の文字は接近しないと見えない(夜目が利いても、結局対象者に気付かれない距離を保つのが前提なので、メインは盗聴)。
真姫は頃合いをみて疑問を投げかけた。
「…酷い噂聞いた上で、よく私に相談しようと思ったのね。もし噂通りの事してたら、どうするつもりだったの?」
「ああ…、でも真姫さんだし。その時は『尊敬してるので、そういう事やめて下さい』って言おうと思ってました」
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