62 / 117
バグ
しおりを挟む
私は、ゲームの世界の登場人物になっていた。
武器は元々備わっている初期装備の武器と、天(開発者)より与えられた特殊能力。
本編で戦闘員でもモブキャラでも、最後の1人になるまで殺し合わねばならない。
バトルロワイヤルがゲームのフィールドで、始まっていた。
この状況になると、皆の本性がめくれてくる。
仲間思いで正義漢のアルバートは殺人マシーンと化し、心優しきヒロインのバネッサも一定時間不死身になれる特殊能力を乱用し、何人も葬っている。
私は非戦闘員にも関わらず、ある条件を満たしている事から、この狂ったゲームに巻き込まれてしまった。
「冷静な人ってどれ位居ると思う?」
「さあ? もう全員殺されたんじゃない?」
ランディが事も無げに言う。そんな彼も元々はチャラいキャラなのだが、皆がおかしいせいかとてもマトモに見える。
「各バージョンの主人公、ヒロイン級の奴らが1番狂ってるな。誰もが『唯一のモノ』になりたがる。
つまり、アクが強くないと主役級を張れないって事だ」
普段から落ち着いてるバロンは、こんな時も冷静だった。
我々3人は戦意を持たぬことと、このゲームの終焉を願っていることで、利害関係が一致している。
私は言った。
「可能な限り多くの人を『隠す』事が出来れば、と思ってる。とりあえず戦意を持たない人から」
「そうだね、君みたいに『名前』のある『ゲーム内で非戦闘員』ってどれくらい居るだろう?」
ランディが首を傾げると、バロンは呟いた。
「…3桁はいくだろうな」
私達3人の作戦は、私の特殊能力により傷つけずに対象者を隠し、人数を減らす。
隠された人は自動的に行動不能になるので、『強制保護』と言う感じか。
「しかし開発者も馬鹿だな。特殊能力を何百も作ったら、どこかにバグが発生するだろうに」
「その結果がコレよ。いいじゃない。知らしめてやる」
私が言うと、バロンは鼻で笑った。
「ほう、ミーシャはそういうキャラだったのか?」
キャラ設定は私もブレているようだ。
武器は元々備わっている初期装備の武器と、天(開発者)より与えられた特殊能力。
本編で戦闘員でもモブキャラでも、最後の1人になるまで殺し合わねばならない。
バトルロワイヤルがゲームのフィールドで、始まっていた。
この状況になると、皆の本性がめくれてくる。
仲間思いで正義漢のアルバートは殺人マシーンと化し、心優しきヒロインのバネッサも一定時間不死身になれる特殊能力を乱用し、何人も葬っている。
私は非戦闘員にも関わらず、ある条件を満たしている事から、この狂ったゲームに巻き込まれてしまった。
「冷静な人ってどれ位居ると思う?」
「さあ? もう全員殺されたんじゃない?」
ランディが事も無げに言う。そんな彼も元々はチャラいキャラなのだが、皆がおかしいせいかとてもマトモに見える。
「各バージョンの主人公、ヒロイン級の奴らが1番狂ってるな。誰もが『唯一のモノ』になりたがる。
つまり、アクが強くないと主役級を張れないって事だ」
普段から落ち着いてるバロンは、こんな時も冷静だった。
我々3人は戦意を持たぬことと、このゲームの終焉を願っていることで、利害関係が一致している。
私は言った。
「可能な限り多くの人を『隠す』事が出来れば、と思ってる。とりあえず戦意を持たない人から」
「そうだね、君みたいに『名前』のある『ゲーム内で非戦闘員』ってどれくらい居るだろう?」
ランディが首を傾げると、バロンは呟いた。
「…3桁はいくだろうな」
私達3人の作戦は、私の特殊能力により傷つけずに対象者を隠し、人数を減らす。
隠された人は自動的に行動不能になるので、『強制保護』と言う感じか。
「しかし開発者も馬鹿だな。特殊能力を何百も作ったら、どこかにバグが発生するだろうに」
「その結果がコレよ。いいじゃない。知らしめてやる」
私が言うと、バロンは鼻で笑った。
「ほう、ミーシャはそういうキャラだったのか?」
キャラ設定は私もブレているようだ。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


もしもしお時間いいですか?
ベアりんぐ
ライト文芸
日常の中に漠然とした不安を抱えていた中学1年の智樹は、誰か知らない人との繋がりを求めて、深夜に知らない番号へと電話をしていた……そんな中、繋がった同い年の少女ハルと毎日通話をしていると、ハルがある提案をした……。
2人の繋がりの中にある感情を、1人の視点から紡いでいく物語の果てに、一体彼らは何をみるのか。彼らの想いはどこへ向かっていくのか。彼の数年間を、見えないレールに乗せて——。
※こちらカクヨム、小説家になろう、Nola、PageMekuでも掲載しています。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる