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生きる ※新生児の余命宣告、命の選別的表現あり
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私はその日、妹の出産直後に病院へ向かった。義弟(妹の夫)から呼び出されたのだ。
妹は四つ子を妊娠したが、健康体で生まれてこれたのは1人だけだった。
身長が15センチ位の子が2人、頭が変形し片目しかない子が1人。この3人は他にも色々と問題があり、手術をしても永く生きられないだろうと、医師から宣告された。
すると妹は言い放った。
「そうですか。じゃあ、私は、この健康な1人だけに専念します。他の子の延命は不要です」
義弟や姉である私が説得を試みたが、聞き入れず、母乳の1滴すらも与えない。医師らは呆れていたが、一応親が判断した事である。
保育器から出され、息を引き取るまで、3人はベッドに寝かされる事となった。
流産死産で子を失った経験のあったらしい私は、放っておけなかった。助けられないなら、せめて最期を看取ってあげたい。
ベッドから見える所にあるテレビで、アニメがやっていた。私は赤子達に、指さして教えた。
「ほーら、面白いテレビがやっているよ」
生まれたばかりだし見える筈も、聞こえる筈もない。でも、最期は楽しい雰囲気で送ってやりたいと考えたからだ。ところが。
意に反して、赤子達はテレビを食い入るように見ていた。片目の子でさえも、目を動かして人物を追っている。その姿は、生を楽しんでいるかのように見えた。
(この子達はまだ生きているのに、この子の親は生かすのを諦めるのか)
妹は四つ子を妊娠したが、健康体で生まれてこれたのは1人だけだった。
身長が15センチ位の子が2人、頭が変形し片目しかない子が1人。この3人は他にも色々と問題があり、手術をしても永く生きられないだろうと、医師から宣告された。
すると妹は言い放った。
「そうですか。じゃあ、私は、この健康な1人だけに専念します。他の子の延命は不要です」
義弟や姉である私が説得を試みたが、聞き入れず、母乳の1滴すらも与えない。医師らは呆れていたが、一応親が判断した事である。
保育器から出され、息を引き取るまで、3人はベッドに寝かされる事となった。
流産死産で子を失った経験のあったらしい私は、放っておけなかった。助けられないなら、せめて最期を看取ってあげたい。
ベッドから見える所にあるテレビで、アニメがやっていた。私は赤子達に、指さして教えた。
「ほーら、面白いテレビがやっているよ」
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(この子達はまだ生きているのに、この子の親は生かすのを諦めるのか)
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