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ゲーム ※犯罪被害表現あり
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私は少年になっていた。
幼馴染の少年を相棒に、背伸びして夜の街をたむろするのを日課としていた。相棒が声を上げ、嬉しそうに知らせてきた。
「充電させてくれるってさ!」
見ると、車内で携帯を充電させてくれるという親切な人が、話しかけてきたらしい。私と相棒は喜んで、好意に甘えさせてもらおうとした。
だが。
場面は一変し、薄暗いプレハブ小屋。私と相棒は手錠を嵌められ、あの親切だった男性は態度を豹変させる。
ナイフを取り出すと、こう言った。
「これから2人でジャンケンをしろ。勝ったら負けた方の体にこのナイフで傷をつける。どちらかが死ぬまで続けろ」
そんな事できないと泣き喚くと、1発ずつ殴られた。男は小屋を出て行く。
私と相棒は、何故こんな事になってしまったのだろう、と絶望して泣く。
泣きながら、私はある事を口にする。
「去年の遠足で、山に行ったの覚えてる?」
「うん。ウサギの居たとこ?」
「ウサギ、可愛かったな。フワフワしてて、沢山居て」
「…戻りたいな、あの時に」
たった1年前の事なのに、遠い世界の出来事の様だった。
幼馴染の少年を相棒に、背伸びして夜の街をたむろするのを日課としていた。相棒が声を上げ、嬉しそうに知らせてきた。
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