漆黒の夜は極彩色の夢を 〜夢日記ショート·ショート~

羽瀬川璃紗

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 私は殺し屋になっていた。 

 相方の男と共に、とある盛り場の向かいの建物にやって来た。俗にいうキャバクラ的な所で、客はマフィアがほとんど。 


 我々の任務は、ある女を狙撃で暗殺する事。嬢の1人が、マフィアのボスの2番目の息子との子を妊娠している。
 男児が生まれれば後継者争いの抗争が起きるので、女もろとも暗殺しろとの指示だ。 


 標的は常にチャイナドレスを着用しているという。双眼鏡で確認すると、あっさり見つかった。だが。 

「…2人居る」 

 青地に金の刺繡のある女と、黒字に赤の刺繡のある女。私の指摘に、相方は改めて確認する。 

「ショートカットの東洋人、だそうだ」 

「2人とも髪短いし、アジア系だね」 

(何でよりによって双子コーデなんだ。しかも2人とも少しぽっちゃりだし。ついてない) 

 私は立腹しつつ、準備する。相方が問う。 

「どうする? 確率は50%だ」 

 弾丸は複数あるが、銃は1つ。私は答える。 

「2丁あればな。そうすりゃ、1回で2人やれるのに」 

 青い女を撃つか。黒い女を撃つか。2人とも撃つか(1発撃った時点で大騒ぎになるから、更にもう1人は容易でない)。
 …もしくは、今日は止めるか。 

 私は乾いた笑いでスコープを覗く。 

「…確率50%どころか、25%じゃないの?」 

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