漆黒の夜は極彩色の夢を 〜夢日記ショート·ショート~

羽瀬川璃紗

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母の冷徹  ※残虐表現あり

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 私は7歳だった。 

 近所の大きな広場で、催事が行われていた。地産地消フェアとか、色々な物産を扱っていたのか。人混みがすごく、私は母とはぐれないように気を付けていた。 

 そんな折、何かトラブルが起きたのか。悲鳴と共に大勢の人達が走り出す。人並みの切れ目から見えたそれは、1台のヘリコプターだった。 

(あ、飛行体験ができるって、お祭りのパンフに書いてあったやつだ。何があったのかな?) 

 離着陸に失敗したのか、地上スレスレを上がったり下がったり、機体は白煙を上げキリモミ状に回転を始めた。地面に接触した瞬間、ヘリは大爆発をした。 

 あろう事か、プロペラの大きな破片が私に向かって飛んできた。突然の事に避けきれなかった私の、右肩と鎖骨の間に破片は突き刺さった。 

 痛みよりも先に熱を感じ、右肩から先が裂けダラリと垂れ下がるのが分かった。思わず母に助けを求めた時、私は見てしまった。 

『ああ、もうこの子助からない』 

と、諦めた様な無表情で、手すらも差し伸べない母の姿を。



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