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110 学校の怪談
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占いリアルレポ、まだまだ話は続くが閑話休題。このホラーエッセイも2年目突入と言う事で、不可解以上心霊体験未満のお話。
私が小学生の頃、『学校の怪談』がブームになり、本が刊行され映画化もされた。
通っていた小学校に怪談話は1つもなく、オカルト好きな私は『無いならお化けや怪談話を探そう!』と考え、休み時間の度に友人と校内を徘徊したり、校庭を探検した。
結果として、6年間のうち『不可解?』があったのは2回。その内の1回があったのは、小学校2,3年の時のこと。
ある時『体育館の裏にお化けが出る』という噂話が持ち上がった。詳細は不明だが、不用意に体育館の裏へ行くと遭遇する、との話だった。
田舎の小学校だったので、当時の体育館の裏は長閑な田んぼに面していた。敷地の境界として、杉や松などが垣根の様に植えられてはいたが、今考えると明るいしとてもお化けが出るような雰囲気では無かった。
それでも『学校の怪談』ブームのさなか、私を含め子供達は休み時間になると体育館の裏へ、肝試しに向かった。
勿論、何も出ないが『今回こそ何かが出るのではないか』とみな、毎回期待して行ったものだった。
ある時、『体育館の裏ではなく、裏手にある体育館の床下の通気口に出るらしい』と情報を得た。早速、次の休み時間に検証チームが向かうというので、私も仲間に入れてもらった。
休み時間に向かったが、何も見えなかった。手ぶらで帰った私達に、別のグループが『自分達も行きたい』と言い出し、更に次の休み時間に行く約束をした。
そして向かった次の休み時間。私達はあるものを目にして固まった。体育館裏、コンクリートの地面に、『鮮血』が落ちていたのだ。
量は大匙2杯ほど。内臓か肉片のようなものも付着しており、明らかに塗料ではない。先の時間には無かったのも確実だ。
当時は飼い猫の放し飼いが普通で、時たまスズメなどを捕らえて食べる事もあった。その惨状の跡にも見えたが、このタイミングと場所。
震えた私達は『これは警告だ』と、検証を即座に打ち切った。
迎えた給食の時間。事情を知らないクラスメイトに先の血痕の話をすると、『もう1度行ってみよう』との話が持ち上がった。そこで、給食後の昼休みに再々度私達は向かった。
血痕は、無くなっていた。コンクリートの地面には、シミも痕跡も残っていなかった。
雨も降ってないのに、こんなにキレイに消失するだろうか?もしくは用務員さんが片付けたのか?答えは分からないままだ。
怪談話の無い小学校で起きた、唯一のミステリー。
私が小学生の頃、『学校の怪談』がブームになり、本が刊行され映画化もされた。
通っていた小学校に怪談話は1つもなく、オカルト好きな私は『無いならお化けや怪談話を探そう!』と考え、休み時間の度に友人と校内を徘徊したり、校庭を探検した。
結果として、6年間のうち『不可解?』があったのは2回。その内の1回があったのは、小学校2,3年の時のこと。
ある時『体育館の裏にお化けが出る』という噂話が持ち上がった。詳細は不明だが、不用意に体育館の裏へ行くと遭遇する、との話だった。
田舎の小学校だったので、当時の体育館の裏は長閑な田んぼに面していた。敷地の境界として、杉や松などが垣根の様に植えられてはいたが、今考えると明るいしとてもお化けが出るような雰囲気では無かった。
それでも『学校の怪談』ブームのさなか、私を含め子供達は休み時間になると体育館の裏へ、肝試しに向かった。
勿論、何も出ないが『今回こそ何かが出るのではないか』とみな、毎回期待して行ったものだった。
ある時、『体育館の裏ではなく、裏手にある体育館の床下の通気口に出るらしい』と情報を得た。早速、次の休み時間に検証チームが向かうというので、私も仲間に入れてもらった。
休み時間に向かったが、何も見えなかった。手ぶらで帰った私達に、別のグループが『自分達も行きたい』と言い出し、更に次の休み時間に行く約束をした。
そして向かった次の休み時間。私達はあるものを目にして固まった。体育館裏、コンクリートの地面に、『鮮血』が落ちていたのだ。
量は大匙2杯ほど。内臓か肉片のようなものも付着しており、明らかに塗料ではない。先の時間には無かったのも確実だ。
当時は飼い猫の放し飼いが普通で、時たまスズメなどを捕らえて食べる事もあった。その惨状の跡にも見えたが、このタイミングと場所。
震えた私達は『これは警告だ』と、検証を即座に打ち切った。
迎えた給食の時間。事情を知らないクラスメイトに先の血痕の話をすると、『もう1度行ってみよう』との話が持ち上がった。そこで、給食後の昼休みに再々度私達は向かった。
血痕は、無くなっていた。コンクリートの地面には、シミも痕跡も残っていなかった。
雨も降ってないのに、こんなにキレイに消失するだろうか?もしくは用務員さんが片付けたのか?答えは分からないままだ。
怪談話の無い小学校で起きた、唯一のミステリー。
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