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73 実家に伝わるもの
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年内最後の投稿&おまじない研究話として、『我が家に伝わるおまじない』。
住んでいる所やお家柄問わず、家に伝わる迷信や言い伝え、行事などが存在するだろう。そこで、我が家に伝わる話を特別にお教えしたい。
『新品の靴を使い始めるのは、午前中。使い始める前に、台所のコンロ(五徳部分)に靴底を擦りつけながら【餅に会い、酒に会い、いい事に会い】と3回唱える』
母から教えて貰い、今でもやっているのがこれ。
全国的にも、新品の靴を使い始める前に靴をわざと汚す(トイレで履く、使い古しの靴で踏むなど)おまじないは結構あるようだ。一種の厄落としやゲン担ぎではないかと思われる。
ちなみに、餅=収穫・繁栄・祝い事、酒=対人での楽しみ事・お清め的な意味もあるので、『新規スタートでの幸運を呼び込む』おまじないとして、ある意味最強だと私は思う。
『12/31の昼食後から、1/7の夕食まで、四つ足の獣の肉を食べない』
我が家に伝わる最大の行事がこれ。実質食べれないのは豚と牛の肉だけ(ラードや牛脂はOK)なので、そこまで苦行ではないが、献立を考える身としては少々大変である。
物心ついた時からそうだったので特に不思議では無かったが、大人になってから調べてみると仏教の教えの一環らしいと知った。
実家の場合は七草までだが、家や地方によっては『三が日』『小正月まで』『1月の間(旧暦の1月終了まで)』などのばらつきがあるようだ。
とは言え、訪問先で振舞われたり給食で出てきたりもあるので、適用するのは『実家内』だけであった。
ところがある時、弟がガン無視で自宅で牛丼を爆食した。彼はその年の高校受験で、合格圏内だったのに志望校に不合格した。
その1件もあり、我が家では『どうしても落としたくない勝負のある年(受験・婚活・コンクールなど)』はこの決まりをこぞって遵守するようになった。
今となっては笑い話だが、『何かを断つ事で願望を成就させるおまじない』さながらの様である。
『正月飾りの取り付け・取り外し、及び各種お供えは男がやる』
これも物心ついた時から、実家に存在した謎の決まりである。親や祖父母は『お正月の神様は女の神様なので、女の人が接待するのを嫌がる』と言っていた。
だが、同じ町内の人や他の土地の人に訊くと、『飾ったり外したりに性別縛りはない』と言われた。
大人になってから調べても出て来ないので、あくまで仮説なのだが…。
地元の民間信仰の1つに、『山神』様を拝むものがある。我が家も、町内の行事としてご町内の人と共に、年に1度お参りして直会をする事があった。『山神』様は『女の神様』として、直会も男子禁制でやっていた(現在はかなり縮小されている)。
そして、お正月の神様は『山から降りて来る』という説がある。そこで『女の神様』として混同されたか。
或いは。普段、家の中の事をこなしているのが女だが、正月くらいは男にもやらせたい。そんな先人(先代・先々代?)の考えが、そういう風に変換されたのか。
他にも、おまじないはいくつかあるが、『門外不出』なものは避けさせて頂いた(無いとは思うけど、障りを考慮)。
残念だったのは、父方祖母がどんと祭の夜に呪文を詠唱するものがあったのだが、母に継承する前に他界してしまった。
代々伝わる物は、時代の移り変わりと共に段々と廃れていってしまう。世の常かもしれないが、何だか寂しいものである。
令和の現代とは言え、昔のしきたりが色濃く残るのが『正月』だと私は思う。実家にしかない習慣、その地方にしかない行事・祭り…、色んな特色がきっとあるだろう。
あなたの生まれ育った家の正月は、どんな感じだっただろうか。年の瀬にノスタルジックな思いをはせるのも、いいかもしれない。
住んでいる所やお家柄問わず、家に伝わる迷信や言い伝え、行事などが存在するだろう。そこで、我が家に伝わる話を特別にお教えしたい。
『新品の靴を使い始めるのは、午前中。使い始める前に、台所のコンロ(五徳部分)に靴底を擦りつけながら【餅に会い、酒に会い、いい事に会い】と3回唱える』
母から教えて貰い、今でもやっているのがこれ。
全国的にも、新品の靴を使い始める前に靴をわざと汚す(トイレで履く、使い古しの靴で踏むなど)おまじないは結構あるようだ。一種の厄落としやゲン担ぎではないかと思われる。
ちなみに、餅=収穫・繁栄・祝い事、酒=対人での楽しみ事・お清め的な意味もあるので、『新規スタートでの幸運を呼び込む』おまじないとして、ある意味最強だと私は思う。
『12/31の昼食後から、1/7の夕食まで、四つ足の獣の肉を食べない』
我が家に伝わる最大の行事がこれ。実質食べれないのは豚と牛の肉だけ(ラードや牛脂はOK)なので、そこまで苦行ではないが、献立を考える身としては少々大変である。
物心ついた時からそうだったので特に不思議では無かったが、大人になってから調べてみると仏教の教えの一環らしいと知った。
実家の場合は七草までだが、家や地方によっては『三が日』『小正月まで』『1月の間(旧暦の1月終了まで)』などのばらつきがあるようだ。
とは言え、訪問先で振舞われたり給食で出てきたりもあるので、適用するのは『実家内』だけであった。
ところがある時、弟がガン無視で自宅で牛丼を爆食した。彼はその年の高校受験で、合格圏内だったのに志望校に不合格した。
その1件もあり、我が家では『どうしても落としたくない勝負のある年(受験・婚活・コンクールなど)』はこの決まりをこぞって遵守するようになった。
今となっては笑い話だが、『何かを断つ事で願望を成就させるおまじない』さながらの様である。
『正月飾りの取り付け・取り外し、及び各種お供えは男がやる』
これも物心ついた時から、実家に存在した謎の決まりである。親や祖父母は『お正月の神様は女の神様なので、女の人が接待するのを嫌がる』と言っていた。
だが、同じ町内の人や他の土地の人に訊くと、『飾ったり外したりに性別縛りはない』と言われた。
大人になってから調べても出て来ないので、あくまで仮説なのだが…。
地元の民間信仰の1つに、『山神』様を拝むものがある。我が家も、町内の行事としてご町内の人と共に、年に1度お参りして直会をする事があった。『山神』様は『女の神様』として、直会も男子禁制でやっていた(現在はかなり縮小されている)。
そして、お正月の神様は『山から降りて来る』という説がある。そこで『女の神様』として混同されたか。
或いは。普段、家の中の事をこなしているのが女だが、正月くらいは男にもやらせたい。そんな先人(先代・先々代?)の考えが、そういう風に変換されたのか。
他にも、おまじないはいくつかあるが、『門外不出』なものは避けさせて頂いた(無いとは思うけど、障りを考慮)。
残念だったのは、父方祖母がどんと祭の夜に呪文を詠唱するものがあったのだが、母に継承する前に他界してしまった。
代々伝わる物は、時代の移り変わりと共に段々と廃れていってしまう。世の常かもしれないが、何だか寂しいものである。
令和の現代とは言え、昔のしきたりが色濃く残るのが『正月』だと私は思う。実家にしかない習慣、その地方にしかない行事・祭り…、色んな特色がきっとあるだろう。
あなたの生まれ育った家の正月は、どんな感じだっただろうか。年の瀬にノスタルジックな思いをはせるのも、いいかもしれない。
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