80 / 99
旧友
しおりを挟む
ゆず子の勤める鳥海クリンネスでは、会議や朝礼、ミーティングなど、従業員同士が顔を合わせる機会はほとんどない。
基本的に出向先と自宅との直行直帰の勤務形式なので、同じ現場を担当していても、勤務日が違えば顔を知らない(名前はシフト表などで把握しているが)。
だが年に1度、1月に『新年会』が催される。よくある宴会ではなく、ホテルのレストランを貸し切った『食事会』なのだが、従業員同士で顔を合わすとても貴重な機会なのである。
「明けましておめでとう。ひなちゃん、大喜田さん」
待ち合わせ場所には、私服姿の六角陽詩と大喜田ふじよが居た。
「明けましておめでとうございます、鳴瀬さん」
「明けましておめでとう! しばらくぶりね、新年会も」
ここ数年は例により自粛となっていた。そのため、六角は初参加だ。
「初めて参加なんですよ、私。どんな感じなんだろう? って思ってて」
六角が言うと、大喜田が答える。
「おじちゃんおばちゃん達が、ワチャワチャ喋りながらご飯食べる感じよ」
「へえ」
「為になる話なんて無いから、別に改まる必要もないの。適当に相槌打ってればいいわよ」
ゆず子も言った。
会場は、結婚式も執り行われる『ホテルペールスカイ』。
先代社長(故人)の知人(故人)が経営していたという縁で、毎回ここで新年会を行なうのが慣例だ。大喜田は言った。
「ここ、結婚式場もやっているから、料理すごく美味しいのよ」
「わあ、楽しみ」
3人は会場である大広間へ向かった。中は既に人が大勢居た。6人1組のテーブル席に着席すると、六角はゆず子に尋ねた。
「うちって、従業員数はどのくらいなんですか?」
「4、50人くらいかな? 持病とか腰痛とかで辞めたり休んだりする人も居るから、毎年出入りあるわね」
「あたし達ですら顔を知らない人も沢山居るよ。まあ、そういう会社よ」
大喜田も口を添えた。座席にはその後、佐野、丹野、宗屋の3人が座った。
社長が新年の挨拶をした後、ブッフェ形式の食事会が始まった。料理を皿に取り分けていると、女の声。
「な~んか、前回と比べたらグレードダウンしてると思わない?」
声の主は『元お姫様』:斎川。斎川はローストビーフを取りつつ続けた。
「昨今の値上げのせいかしらね。美味しい物食べたかったわぁ」
「…玄原さんがここのホテルの料理、『お値段の割に美味しい』って評価してたわよ」
「現役セレブの方が言ってるなら、確実ですね」
ゆず子が天敵の名を出すと、斎川は鼻を鳴らして場を後にした。ゆず子と六角はフフッと笑った。
料理を持って2人が戻ると、佐野が口を開いた。
「宗屋さん、ひなちゃんとは初めましてよね? この子が最年少のうちの従業員よ」
「え、この人が? 鳴瀬さんの娘さんかと思った」
「まさか。でもとっても気が合うのよね」
ゆず子が笑うと、六角も笑った。
「娘に見えました? 妹ではなく?」
テーブルは笑いに包まれた。佐野も笑いつつ尋ねた。
「ひなちゃん、年末年始は帰ったの? 実家どこだっけ」
「岩手です。実家でゆっくりして、同窓会で友達と会ってました」
エビフライをたべつつ、熊谷が尋ねる。
「同窓会、若いのにあるのね。定年間際くらいにあるイメージだけど」
「田舎だから、学校出たら都会に行く子が多いので、マメに連絡取らないとそれっきりになっちゃうんですよ。なので、高校卒業の時から毎年やってるんです」
「みんな参加するの?」
「する子もしない子も色々です。サービス業とかで正月休みの無い子も居るし、そんな感じですね」
六角は鶏の唐揚げを口にした。佐野は尋ねた。
「いいわね、同窓会。子供の頃、パッとしなかったのにイケメンになった子が居たりは?」
「うーん。地味だった女子が、派手めのギャルになったりはありました」
六角が言うと、大喜田も言った。
「居るよね、イケメンだったのにハゲちゃったりとかね」
「初恋の人と再会したりは?」
ゆず子が言うと、六角はにこやかに答えた。
「初恋っていうか、初カレの現在を聞いて何とも言えない気分には、なりました」
その言葉に、おばちゃん達は色めき立った。
「え! 何それ、気になる!!」
「詳しく聞かせて!」
あまりの食いつき様に、六角は気圧されつつも口を開いた。
「あら…、ええとですね。私の生まれ育った田舎っていうのが、1学年1クラスしかない少人数で、それが中3まで続く感じなんです。だから自然と家族構成とか、親御さんの仕事とか、みんな熟知してるような田舎なんです」
「分かるよ、うちもそんな感じの田舎だわ」
佐野が頬杖をつく。ゆず子も口を添えた。
「良くも悪くも、プライバシーが無いのよね」
「そんな感じです。中学生の時に、同級生の男子と付き合い始めたんですね」
「あら! 最近の子はマセてるわね」
丹野が囃し立てるように言うと、六角は苦笑した。
「まあ、子供だったから『付き合う』って言ってもよく分からなくて。毎日一緒に喋りながら下校するだけで、手を繋ぐ事すらもなかったんです」
大喜田が黄色い声を上げる。
「あ~、いいわね! 青春って感じ!! その彼、どんな子だったの?」
「皆を盛り上げるのが上手いリーダー、って感じですかね。明るくて熱いから、私とは真逆で」
それを聞いてゆず子がニヤつく。
「ひなちゃん、そういう子がタイプなんだ?」
「いえ。合わないから、続かなかったんでしょうね」
「あ、なるほど…」
六角は続けた。
「彼…、夏輝って言うんですけど、高校出て地元で働き始めたんで、同窓会の幹事をしてたんです。企画や声掛けもナツキが中心。で、一昨年にオンラインで同窓会した時に、とある同級生の話題になったんです」
「同級生?」
「はい。彼の大親友に、四ツ谷っていう男子が居て。常に落ち着いていて、勉強もスポーツもそこそこ出来る子で、ナツキとはいいコンビだったんです。その四ツ谷が、初回からずっと欠席してるんですよ」
エビシュウマイを食べつつ、佐野が言葉を返す。
「へえ、同窓会参加しないんだ?」
「そうなんです。四ツ谷は、中学卒業の時に親が離婚して、母親実家のある仙台に引っ越してるんですよ」
「あー、距離があるしね」
「そうですね。それで『誰か四ツ谷の連絡先知らない?声掛けようよ!』って話になったら、夏輝が反対したんですよ」
飲み物を飲む丹野が目を丸くした。
「何で?」
「夏輝は『実はあいつ、事件を起こして捕まったから声をかけていない。償いが終わったら連絡寄越すよう、彼の母親に伝えている』って言ったんです」
「えー? その若さで何やったの、彼」
「さあ。夏輝も『相手の居る事件だから詳しく話せない』って口をつぐんじゃいまして。同級生達は口々に『何があったんだろう』『まさかアイツが?』って、ざわついてました」
佐野はローストビーフを箸でつまみつつ、口を開いた。
「事件の加害者ねえ…、未成年じゃないなら実名報道されているよね? 四ツ谷くんの本名で、ネットで調べてみたりは?」
「勿論しました。でも、出て来なかったんですよね。だから別の友達と『検索ワードを変えて調べてみよう』とか、色々やってみたんですよ。でもそれっぽいものは皆無だったんです」
佐野は腕組みした。
「四ツ谷くん、学校の先生だったりする? 事件によっては被害者が誰か推測されるから、加害者が匿名になるけど」
六角は飲み物を口にすると、口を開いた。
「…それで迎えた今年、四ツ谷が出席したんですよ。普通に仙台で会社員やっているそうで。今回、夏輝は欠席したんです」
「あら」
ゆず子は目を丸くした。六角は続けた。
「一昨年の話を聞きつけた別の同級生が、1年かけて探し出したみたいなんです。逮捕も事件を起こした事実も、全くありませんでした」
大喜田は額に手を当てる。
「夏輝くんってば…。誰かと勘違いしちゃったかな?」
「いえ。悪意を持って噂を立てたんです。去年の夏に、夏輝と同級生の男子が遠出した時に、内密に四ツ谷にも声を掛けて、出先で再会させたんです。噂の事も相まって、現場はかなり荒れたそうですが」
「あらあら、まあ…」
六角は飲み物を口にして、続けた。
「仲が良いと思ってた2人だけど、実はずっと夏輝は四ツ谷に嫉妬していたんですって。それでずっと声は掛けなかったし、噂を立てた。
一応、夏輝は四ツ谷に謝罪したけど、私を含め『噂を吹き込んだ』メンバーに訂正する事は無く。そして今年の同窓会は欠席、再会の顛末も同級生達から教えられた感じです」
佐野は顔をしかめた。
「嫉妬は分かるけど、それはイカンよ。完全に名誉毀損じゃない」
「そうだねえ、普通に考えればすぐにバレるようなこと、何でしちゃったんだろうね」
丹野も苦笑した。六角も息をついた。
「本当、馬鹿ですよね。地元で生活してるのに、地元に居づらくなっちゃうじゃないですか。酷い噂を立てた張本人、ってね」
六角は照明を眺めた後、口を開いた。
「ずっと『あの頃のまま』って訳には、いかないものなんですね。これが大人ってやつかなあ」
離れてみないと分からない、『変化』と『実情』は何事にも付きものだ。知るべきか、知らざるべきか、それが世の中には溢れているのである。
基本的に出向先と自宅との直行直帰の勤務形式なので、同じ現場を担当していても、勤務日が違えば顔を知らない(名前はシフト表などで把握しているが)。
だが年に1度、1月に『新年会』が催される。よくある宴会ではなく、ホテルのレストランを貸し切った『食事会』なのだが、従業員同士で顔を合わすとても貴重な機会なのである。
「明けましておめでとう。ひなちゃん、大喜田さん」
待ち合わせ場所には、私服姿の六角陽詩と大喜田ふじよが居た。
「明けましておめでとうございます、鳴瀬さん」
「明けましておめでとう! しばらくぶりね、新年会も」
ここ数年は例により自粛となっていた。そのため、六角は初参加だ。
「初めて参加なんですよ、私。どんな感じなんだろう? って思ってて」
六角が言うと、大喜田が答える。
「おじちゃんおばちゃん達が、ワチャワチャ喋りながらご飯食べる感じよ」
「へえ」
「為になる話なんて無いから、別に改まる必要もないの。適当に相槌打ってればいいわよ」
ゆず子も言った。
会場は、結婚式も執り行われる『ホテルペールスカイ』。
先代社長(故人)の知人(故人)が経営していたという縁で、毎回ここで新年会を行なうのが慣例だ。大喜田は言った。
「ここ、結婚式場もやっているから、料理すごく美味しいのよ」
「わあ、楽しみ」
3人は会場である大広間へ向かった。中は既に人が大勢居た。6人1組のテーブル席に着席すると、六角はゆず子に尋ねた。
「うちって、従業員数はどのくらいなんですか?」
「4、50人くらいかな? 持病とか腰痛とかで辞めたり休んだりする人も居るから、毎年出入りあるわね」
「あたし達ですら顔を知らない人も沢山居るよ。まあ、そういう会社よ」
大喜田も口を添えた。座席にはその後、佐野、丹野、宗屋の3人が座った。
社長が新年の挨拶をした後、ブッフェ形式の食事会が始まった。料理を皿に取り分けていると、女の声。
「な~んか、前回と比べたらグレードダウンしてると思わない?」
声の主は『元お姫様』:斎川。斎川はローストビーフを取りつつ続けた。
「昨今の値上げのせいかしらね。美味しい物食べたかったわぁ」
「…玄原さんがここのホテルの料理、『お値段の割に美味しい』って評価してたわよ」
「現役セレブの方が言ってるなら、確実ですね」
ゆず子が天敵の名を出すと、斎川は鼻を鳴らして場を後にした。ゆず子と六角はフフッと笑った。
料理を持って2人が戻ると、佐野が口を開いた。
「宗屋さん、ひなちゃんとは初めましてよね? この子が最年少のうちの従業員よ」
「え、この人が? 鳴瀬さんの娘さんかと思った」
「まさか。でもとっても気が合うのよね」
ゆず子が笑うと、六角も笑った。
「娘に見えました? 妹ではなく?」
テーブルは笑いに包まれた。佐野も笑いつつ尋ねた。
「ひなちゃん、年末年始は帰ったの? 実家どこだっけ」
「岩手です。実家でゆっくりして、同窓会で友達と会ってました」
エビフライをたべつつ、熊谷が尋ねる。
「同窓会、若いのにあるのね。定年間際くらいにあるイメージだけど」
「田舎だから、学校出たら都会に行く子が多いので、マメに連絡取らないとそれっきりになっちゃうんですよ。なので、高校卒業の時から毎年やってるんです」
「みんな参加するの?」
「する子もしない子も色々です。サービス業とかで正月休みの無い子も居るし、そんな感じですね」
六角は鶏の唐揚げを口にした。佐野は尋ねた。
「いいわね、同窓会。子供の頃、パッとしなかったのにイケメンになった子が居たりは?」
「うーん。地味だった女子が、派手めのギャルになったりはありました」
六角が言うと、大喜田も言った。
「居るよね、イケメンだったのにハゲちゃったりとかね」
「初恋の人と再会したりは?」
ゆず子が言うと、六角はにこやかに答えた。
「初恋っていうか、初カレの現在を聞いて何とも言えない気分には、なりました」
その言葉に、おばちゃん達は色めき立った。
「え! 何それ、気になる!!」
「詳しく聞かせて!」
あまりの食いつき様に、六角は気圧されつつも口を開いた。
「あら…、ええとですね。私の生まれ育った田舎っていうのが、1学年1クラスしかない少人数で、それが中3まで続く感じなんです。だから自然と家族構成とか、親御さんの仕事とか、みんな熟知してるような田舎なんです」
「分かるよ、うちもそんな感じの田舎だわ」
佐野が頬杖をつく。ゆず子も口を添えた。
「良くも悪くも、プライバシーが無いのよね」
「そんな感じです。中学生の時に、同級生の男子と付き合い始めたんですね」
「あら! 最近の子はマセてるわね」
丹野が囃し立てるように言うと、六角は苦笑した。
「まあ、子供だったから『付き合う』って言ってもよく分からなくて。毎日一緒に喋りながら下校するだけで、手を繋ぐ事すらもなかったんです」
大喜田が黄色い声を上げる。
「あ~、いいわね! 青春って感じ!! その彼、どんな子だったの?」
「皆を盛り上げるのが上手いリーダー、って感じですかね。明るくて熱いから、私とは真逆で」
それを聞いてゆず子がニヤつく。
「ひなちゃん、そういう子がタイプなんだ?」
「いえ。合わないから、続かなかったんでしょうね」
「あ、なるほど…」
六角は続けた。
「彼…、夏輝って言うんですけど、高校出て地元で働き始めたんで、同窓会の幹事をしてたんです。企画や声掛けもナツキが中心。で、一昨年にオンラインで同窓会した時に、とある同級生の話題になったんです」
「同級生?」
「はい。彼の大親友に、四ツ谷っていう男子が居て。常に落ち着いていて、勉強もスポーツもそこそこ出来る子で、ナツキとはいいコンビだったんです。その四ツ谷が、初回からずっと欠席してるんですよ」
エビシュウマイを食べつつ、佐野が言葉を返す。
「へえ、同窓会参加しないんだ?」
「そうなんです。四ツ谷は、中学卒業の時に親が離婚して、母親実家のある仙台に引っ越してるんですよ」
「あー、距離があるしね」
「そうですね。それで『誰か四ツ谷の連絡先知らない?声掛けようよ!』って話になったら、夏輝が反対したんですよ」
飲み物を飲む丹野が目を丸くした。
「何で?」
「夏輝は『実はあいつ、事件を起こして捕まったから声をかけていない。償いが終わったら連絡寄越すよう、彼の母親に伝えている』って言ったんです」
「えー? その若さで何やったの、彼」
「さあ。夏輝も『相手の居る事件だから詳しく話せない』って口をつぐんじゃいまして。同級生達は口々に『何があったんだろう』『まさかアイツが?』って、ざわついてました」
佐野はローストビーフを箸でつまみつつ、口を開いた。
「事件の加害者ねえ…、未成年じゃないなら実名報道されているよね? 四ツ谷くんの本名で、ネットで調べてみたりは?」
「勿論しました。でも、出て来なかったんですよね。だから別の友達と『検索ワードを変えて調べてみよう』とか、色々やってみたんですよ。でもそれっぽいものは皆無だったんです」
佐野は腕組みした。
「四ツ谷くん、学校の先生だったりする? 事件によっては被害者が誰か推測されるから、加害者が匿名になるけど」
六角は飲み物を口にすると、口を開いた。
「…それで迎えた今年、四ツ谷が出席したんですよ。普通に仙台で会社員やっているそうで。今回、夏輝は欠席したんです」
「あら」
ゆず子は目を丸くした。六角は続けた。
「一昨年の話を聞きつけた別の同級生が、1年かけて探し出したみたいなんです。逮捕も事件を起こした事実も、全くありませんでした」
大喜田は額に手を当てる。
「夏輝くんってば…。誰かと勘違いしちゃったかな?」
「いえ。悪意を持って噂を立てたんです。去年の夏に、夏輝と同級生の男子が遠出した時に、内密に四ツ谷にも声を掛けて、出先で再会させたんです。噂の事も相まって、現場はかなり荒れたそうですが」
「あらあら、まあ…」
六角は飲み物を口にして、続けた。
「仲が良いと思ってた2人だけど、実はずっと夏輝は四ツ谷に嫉妬していたんですって。それでずっと声は掛けなかったし、噂を立てた。
一応、夏輝は四ツ谷に謝罪したけど、私を含め『噂を吹き込んだ』メンバーに訂正する事は無く。そして今年の同窓会は欠席、再会の顛末も同級生達から教えられた感じです」
佐野は顔をしかめた。
「嫉妬は分かるけど、それはイカンよ。完全に名誉毀損じゃない」
「そうだねえ、普通に考えればすぐにバレるようなこと、何でしちゃったんだろうね」
丹野も苦笑した。六角も息をついた。
「本当、馬鹿ですよね。地元で生活してるのに、地元に居づらくなっちゃうじゃないですか。酷い噂を立てた張本人、ってね」
六角は照明を眺めた後、口を開いた。
「ずっと『あの頃のまま』って訳には、いかないものなんですね。これが大人ってやつかなあ」
離れてみないと分からない、『変化』と『実情』は何事にも付きものだ。知るべきか、知らざるべきか、それが世の中には溢れているのである。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

『食管法廃止と米の行方一倉庫管理者の証言』
小川敦人
経済・企業
エッセイ『食管法廃止と米の行方――倉庫管理者の証言』は、1995年に廃止された食糧管理法(食管法)を背景に、日本の食料政策とその影響について倉庫管理者の視点から描いた作品です。主人公の野村隆志は、1977年から政府米の品質管理に携わり、食管法のもとで米の一元管理が行われていた時代を経験してきました。戦後の食糧難を知る世代として、米の価値を重んじ、厳格な倉庫管理のもとで働いていました。
しかし、1980年代後半から米の過剰生産や市場原理の導入を背景に、食管法の廃止が議論されるようになります。1993年の「タイ米騒動」を経て、1995年に食管法が正式に廃止されると、政府の関与が縮小され、米市場は自由化の道を歩み始めます。野村の職場である倉庫業界も大きな変化を余儀なくされ、彼は市場原理が支配する新たな時代への不安を抱えながらも、変化に適応していきます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男と女の初夜
緑谷めい
恋愛
キクナー王国との戦にあっさり敗れたコヅクーエ王国。
終戦条約の約款により、コヅクーエ王国の王女クリスティーヌは、"高圧的で粗暴"という評判のキクナー王国の国王フェリクスに嫁ぐこととなった。
しかし、クリスティーヌもまた”傲慢で我が儘”と噂される王女であった――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる