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真相 ※婦人科疾患、養子縁組的描写あり
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噂の真相は闇の中、そう言った案件は、世の中には数多く存在するものだ。
実際の所、『ベース』に色んな尾ひれ背ひれが付いて誇張されたり、誤解や先入観で歪みが生じているだけで、真相は居たってシンプルな場合がほとんどである。
「そう言えば、鳴瀬さん。見延さん覚えてる?」
喫煙所清掃中、林田が話しかけてきて、しばしゆず子は思案する。
「見延さん…。ああ、引地さんと社内結婚した同期の人でしたっけ。あの人がどうかしたの?」
「こないだ課長と話した時に、思い出話で名前が出てさ。今どうしてるかな~? って思って」
「そうね、今どちらに住んでいるかしらね」
さらっと反応だけして流したゆず子だが、林田には知る由も無い事情を実は知っていたのだ。
見延しずかは林田と同期の女子社員で、ゆず子がここに配属された当時には既に働いていた。
名前の如く、物静かでコツコツと仕事に打ち込み、トラブルの際には光る洞察力を発揮し解決へ促すなど、ある意味一目置かれていた人間だった。
「見延さんって趣味何なんだろ?」
「休み時間はずっと、携帯でニュースサイト見てるか、洋楽聴いてるんだよね」
当時30手前の見延は、流行りのファッションやメイクではなく、エスニック風ファッションや古着に身を包む独自の路線を貫いていた。
(同期とか、齢の近い女子が居ないから、話し相手が居ないように見えるな。本人もあまり人との接触を好まないと言うか…)
最低限の会話は出来るけど、あまり深く関わるのを避けるというか、社内の親睦会もほとんど参加しないらしい。昨今で言えば、『令和の若者』的な要素のある人間と言うか。
『異端児』という言葉の似あう女性だった。
「見延さん、もっとカワイイ格好しなよ。若いんだから!」
「あまり興味湧かなくて…」
「もしかして、外国人の彼氏居たりとか?」
「いや、恋愛も結婚も興味無いんです。結婚願望も無いので」
お節介なおばちゃん達があの手この手で世話を妬こうとしても、淡々と答えるだけであった。
「変わってるよね。でもブレない『芯』みたいなのがあって、俺はイイと思うな」
そう見延を褒めたのは、林田より3つ先輩の引地翼。ゆず子は目を丸くした。
「好みなの?」
「いやいや、そんな大層なもんじゃないっすよ」
そう弁解した引地だが、恐らくこの時既に見延に好意を抱いてたのだろう。
数か月後、見延は病気休暇を取る事になった。
「この前の欠勤からすぐ、緊急入院になったらしいよ」
「何の病気?まさかガンとか?」
「分かんないけど、手術して少なくとも2ヶ月は休まないといけないみたい」
噂をする主婦パートタイマー達。三島がゆず子にこっそり教える。
「婦人科系の病気みたいよ。だから病名隠してるみたい」
「そうなんだ…。筋腫とか?」
「分かんないけど、手術して2か月入院でしょ? あの若さで全摘出なのかも…」
ゆず子と三島は顔を曇らせた。
当初の予定より半月遅れで復帰した見延は、身体に負担の少ない部署へ配置転換された。本人としては不満があったらしい。
「別に配慮しなくても大丈夫なんですよ。むしろ慣れてる作業の方がいいのに」
見延は、珍しくゆず子にこぼした。
職場復帰から3ヶ月足らずで、見延は会社を辞めた。見切りをつけたのか。それからしばらくして、引地が関連会社へ異動した。展開する新事業の立ち上げに携わりたいとの、引地本人の希望だった。
「ねえ、引地くん見延さんと結婚したらしいよ!」
主婦パートタイマーからの一報に、社内は沸いた。
「え、いつから付き合ってたの?」
「あの2人って共通点あったっけ?」
「引地くん、洋楽のバンド好きだから、それでじゃない?」
「物静かな見延さんと、ホンワカした引地さんかぁ。ある意味お似合いだね!」
退職&異動間もなくの為か、本人達の意向か、互いの親族だけの小さな挙式をしたそうだ。
翌年、上司宛に送られてきた年賀状には、和装の結婚写真が印刷されていた。
「和装なのが、見延さんらしいね」
「やっぱり、ちゃんと化粧すると可愛いじゃん!」
部外者だが、ゆず子も写真を見せてもらった。
「引地くん、今思えば見延さんが入院してる頃、仕事終わりは大急ぎで上がってたね。見延さんのとこ、寄っていたのかも」
三島の言葉に、ゆず子も頷いた。
「支えていたんでしょうね。2人には幸せになってもらいたいね」
ところがある時、こんな話がもたらされた。
「まさか引地くんのとこ、離婚してないよね? この前、○○病院行ったら見延さん居たんだけど、『見延』姓で呼ばれてたよ」
「えー、引地くんて婿入りだったっけ? もしくはあれかな、結婚後も旧姓使い続けるやつ」
「旧姓使い続けられるのって、職場とか『通称』での場合でしょ? 病院での呼び出しって、保険証に基づいてだから、旧姓のままは無理じゃない?」
結婚報告から半年後、見延が旧姓で呼び出される場面を見たという目撃談があったのだ。
「見延さん、全摘で子供産めないんでしょ? 分かってて結婚したけど、無理があったのかな。本人たちは納得の上でも、家族と軋轢があったとか」
「或いは、見延さんドライそうだし『結婚向いてない』ってサッサと見切っちゃったんじゃ?」
こぞって主婦パートタイマーの間では、色んな考察がなされていた。
それから約3年後の事だ。三島がゆず子に言った。
「見延さんが2,3歳くらいの女の子連れてるの見たよ」
「えー、姪?」
「それが子供は見延さんを『ママ!』って呼んでたの」
「でも、子宮全摘してるんでしょ? 子供産めないんじゃ?」
「…もしかしたら、全摘じゃないのかも。筋腫だけ取って、温存する場合もあるし」
「確かに。『婦人科の病気』って言っても、卵巣もあるよね」
卵巣は2つあるので、1つ摘出しても、確率は下がるが妊娠は可能だ。三島は言った。
「本人が『結婚願望無い』って言っても、当時未婚だったし。温存可能なら、お医者さんもわざわざ全摘はしないよね。子供の年頃から言っても、計算合うよね」
「そうだね」
ところが更に1年後。
「西村さんがさ、子供連れて歩いている引地くんを見たんだけど、それが小学2,3年くらいの男の子らしいの」
「息子さん? あれ、結婚したのって何年前だっけ?」
「いやいや、まだ4,5年だよ。計算合わないし、しかも息子は『お父さん』って引地くんを呼んでたんだって」
「引地くんって…、バツイチだったっけ?」
「いやいや、初婚で見延さんと結婚したよ」
ゆず子と三島は首を捻った。
「うーん、何だかよく分からないわね、その夫婦」
「まあ、現在を詳しく知る人がここに居ないからね。…結婚してすぐ離婚して、子供の居る人と引地くんが再婚したなら、それぐらいの子が居ても合点が行くけど」
「まあ、普通に考えたら、おじおばを『ママ』とか『お父さん』呼びはさせないよね」
他人の空似という場合もある。ゆず子も三島もそれ以上は追求しなかった。
そして、その翌年のこと。ゆず子が滝童SCでの勤務をしていた時だ。うどん屋の従業員が呼んだ。
「すいません、向こうでお子さんが料理をひっくり返しちゃったらしくて! 作業お願いします!」
フードコート内の一角、幼稚園児くらいの子供と、赤子を抱っこ紐で抱えている母親が立ち尽くす。
「自分でやりたかったの~!!」
泣きわめく子供に、ゆず子は笑顔で話しかける。
「お姉ちゃん、大丈夫だった? ヤケドしてない?」
「すみません。冷やしうどんなんで、大丈夫です」
母親が弁解しつつ、散らかった皿を片付ける。ゆず子は言った。
「あ、いいんですよ。こちらは私が片付けるので」
互いの顔を見た2人は一瞬固まった。母親は見延だったのだ。
「…まさか、ここでお会いするとは」
「本当ね、元気だった? 引地くんは?」
新しい冷やしうどんを頬張る見延の娘を見つつ、2人はフードコートの席で言葉を交わした。見延は言った。
「ええ、おかげさまで。子供にも恵まれまして。夫は今日、仕事です」
すっかり母親の顔となった見延は、柔らかな雰囲気だった。ゆず子は尋ねた。
「お子さんは、2人? 賑やかね」
「んーん、お兄ちゃんも居るよ!」
娘の言葉に、見延は苦笑いした。
「『私が産んだのは』2人、あともう1人」
「え?」
「シングルマザーだった姉が病死しまして、4歳だった甥を引き取ったんです。丁度、結婚して1年も経たない頃かな。赤ちゃんの頃からよく世話していたから、ある意味予行練習になっていたかも。『血』なんて関係なく、大事な家族です」
見延は笑っていた。
「そうなんだ…」
「今日は学校行ってて。『妹』と『弟』のお世話をよくする、頼りになるお兄ちゃんですよ。夫も、別け隔てなく接してくれるから、感謝です」
見延が娘と手を振りながら立ち去るのを、ゆず子は微笑みつつずっと眺めていた。ある意味尖っていた彼女の、幸福な現在だ。
真相には複雑な事情が絡んでいたが、幸せはすぐ傍にある、そんな事例を垣間見た気がしたのだった。
実際の所、『ベース』に色んな尾ひれ背ひれが付いて誇張されたり、誤解や先入観で歪みが生じているだけで、真相は居たってシンプルな場合がほとんどである。
「そう言えば、鳴瀬さん。見延さん覚えてる?」
喫煙所清掃中、林田が話しかけてきて、しばしゆず子は思案する。
「見延さん…。ああ、引地さんと社内結婚した同期の人でしたっけ。あの人がどうかしたの?」
「こないだ課長と話した時に、思い出話で名前が出てさ。今どうしてるかな~? って思って」
「そうね、今どちらに住んでいるかしらね」
さらっと反応だけして流したゆず子だが、林田には知る由も無い事情を実は知っていたのだ。
見延しずかは林田と同期の女子社員で、ゆず子がここに配属された当時には既に働いていた。
名前の如く、物静かでコツコツと仕事に打ち込み、トラブルの際には光る洞察力を発揮し解決へ促すなど、ある意味一目置かれていた人間だった。
「見延さんって趣味何なんだろ?」
「休み時間はずっと、携帯でニュースサイト見てるか、洋楽聴いてるんだよね」
当時30手前の見延は、流行りのファッションやメイクではなく、エスニック風ファッションや古着に身を包む独自の路線を貫いていた。
(同期とか、齢の近い女子が居ないから、話し相手が居ないように見えるな。本人もあまり人との接触を好まないと言うか…)
最低限の会話は出来るけど、あまり深く関わるのを避けるというか、社内の親睦会もほとんど参加しないらしい。昨今で言えば、『令和の若者』的な要素のある人間と言うか。
『異端児』という言葉の似あう女性だった。
「見延さん、もっとカワイイ格好しなよ。若いんだから!」
「あまり興味湧かなくて…」
「もしかして、外国人の彼氏居たりとか?」
「いや、恋愛も結婚も興味無いんです。結婚願望も無いので」
お節介なおばちゃん達があの手この手で世話を妬こうとしても、淡々と答えるだけであった。
「変わってるよね。でもブレない『芯』みたいなのがあって、俺はイイと思うな」
そう見延を褒めたのは、林田より3つ先輩の引地翼。ゆず子は目を丸くした。
「好みなの?」
「いやいや、そんな大層なもんじゃないっすよ」
そう弁解した引地だが、恐らくこの時既に見延に好意を抱いてたのだろう。
数か月後、見延は病気休暇を取る事になった。
「この前の欠勤からすぐ、緊急入院になったらしいよ」
「何の病気?まさかガンとか?」
「分かんないけど、手術して少なくとも2ヶ月は休まないといけないみたい」
噂をする主婦パートタイマー達。三島がゆず子にこっそり教える。
「婦人科系の病気みたいよ。だから病名隠してるみたい」
「そうなんだ…。筋腫とか?」
「分かんないけど、手術して2か月入院でしょ? あの若さで全摘出なのかも…」
ゆず子と三島は顔を曇らせた。
当初の予定より半月遅れで復帰した見延は、身体に負担の少ない部署へ配置転換された。本人としては不満があったらしい。
「別に配慮しなくても大丈夫なんですよ。むしろ慣れてる作業の方がいいのに」
見延は、珍しくゆず子にこぼした。
職場復帰から3ヶ月足らずで、見延は会社を辞めた。見切りをつけたのか。それからしばらくして、引地が関連会社へ異動した。展開する新事業の立ち上げに携わりたいとの、引地本人の希望だった。
「ねえ、引地くん見延さんと結婚したらしいよ!」
主婦パートタイマーからの一報に、社内は沸いた。
「え、いつから付き合ってたの?」
「あの2人って共通点あったっけ?」
「引地くん、洋楽のバンド好きだから、それでじゃない?」
「物静かな見延さんと、ホンワカした引地さんかぁ。ある意味お似合いだね!」
退職&異動間もなくの為か、本人達の意向か、互いの親族だけの小さな挙式をしたそうだ。
翌年、上司宛に送られてきた年賀状には、和装の結婚写真が印刷されていた。
「和装なのが、見延さんらしいね」
「やっぱり、ちゃんと化粧すると可愛いじゃん!」
部外者だが、ゆず子も写真を見せてもらった。
「引地くん、今思えば見延さんが入院してる頃、仕事終わりは大急ぎで上がってたね。見延さんのとこ、寄っていたのかも」
三島の言葉に、ゆず子も頷いた。
「支えていたんでしょうね。2人には幸せになってもらいたいね」
ところがある時、こんな話がもたらされた。
「まさか引地くんのとこ、離婚してないよね? この前、○○病院行ったら見延さん居たんだけど、『見延』姓で呼ばれてたよ」
「えー、引地くんて婿入りだったっけ? もしくはあれかな、結婚後も旧姓使い続けるやつ」
「旧姓使い続けられるのって、職場とか『通称』での場合でしょ? 病院での呼び出しって、保険証に基づいてだから、旧姓のままは無理じゃない?」
結婚報告から半年後、見延が旧姓で呼び出される場面を見たという目撃談があったのだ。
「見延さん、全摘で子供産めないんでしょ? 分かってて結婚したけど、無理があったのかな。本人たちは納得の上でも、家族と軋轢があったとか」
「或いは、見延さんドライそうだし『結婚向いてない』ってサッサと見切っちゃったんじゃ?」
こぞって主婦パートタイマーの間では、色んな考察がなされていた。
それから約3年後の事だ。三島がゆず子に言った。
「見延さんが2,3歳くらいの女の子連れてるの見たよ」
「えー、姪?」
「それが子供は見延さんを『ママ!』って呼んでたの」
「でも、子宮全摘してるんでしょ? 子供産めないんじゃ?」
「…もしかしたら、全摘じゃないのかも。筋腫だけ取って、温存する場合もあるし」
「確かに。『婦人科の病気』って言っても、卵巣もあるよね」
卵巣は2つあるので、1つ摘出しても、確率は下がるが妊娠は可能だ。三島は言った。
「本人が『結婚願望無い』って言っても、当時未婚だったし。温存可能なら、お医者さんもわざわざ全摘はしないよね。子供の年頃から言っても、計算合うよね」
「そうだね」
ところが更に1年後。
「西村さんがさ、子供連れて歩いている引地くんを見たんだけど、それが小学2,3年くらいの男の子らしいの」
「息子さん? あれ、結婚したのって何年前だっけ?」
「いやいや、まだ4,5年だよ。計算合わないし、しかも息子は『お父さん』って引地くんを呼んでたんだって」
「引地くんって…、バツイチだったっけ?」
「いやいや、初婚で見延さんと結婚したよ」
ゆず子と三島は首を捻った。
「うーん、何だかよく分からないわね、その夫婦」
「まあ、現在を詳しく知る人がここに居ないからね。…結婚してすぐ離婚して、子供の居る人と引地くんが再婚したなら、それぐらいの子が居ても合点が行くけど」
「まあ、普通に考えたら、おじおばを『ママ』とか『お父さん』呼びはさせないよね」
他人の空似という場合もある。ゆず子も三島もそれ以上は追求しなかった。
そして、その翌年のこと。ゆず子が滝童SCでの勤務をしていた時だ。うどん屋の従業員が呼んだ。
「すいません、向こうでお子さんが料理をひっくり返しちゃったらしくて! 作業お願いします!」
フードコート内の一角、幼稚園児くらいの子供と、赤子を抱っこ紐で抱えている母親が立ち尽くす。
「自分でやりたかったの~!!」
泣きわめく子供に、ゆず子は笑顔で話しかける。
「お姉ちゃん、大丈夫だった? ヤケドしてない?」
「すみません。冷やしうどんなんで、大丈夫です」
母親が弁解しつつ、散らかった皿を片付ける。ゆず子は言った。
「あ、いいんですよ。こちらは私が片付けるので」
互いの顔を見た2人は一瞬固まった。母親は見延だったのだ。
「…まさか、ここでお会いするとは」
「本当ね、元気だった? 引地くんは?」
新しい冷やしうどんを頬張る見延の娘を見つつ、2人はフードコートの席で言葉を交わした。見延は言った。
「ええ、おかげさまで。子供にも恵まれまして。夫は今日、仕事です」
すっかり母親の顔となった見延は、柔らかな雰囲気だった。ゆず子は尋ねた。
「お子さんは、2人? 賑やかね」
「んーん、お兄ちゃんも居るよ!」
娘の言葉に、見延は苦笑いした。
「『私が産んだのは』2人、あともう1人」
「え?」
「シングルマザーだった姉が病死しまして、4歳だった甥を引き取ったんです。丁度、結婚して1年も経たない頃かな。赤ちゃんの頃からよく世話していたから、ある意味予行練習になっていたかも。『血』なんて関係なく、大事な家族です」
見延は笑っていた。
「そうなんだ…」
「今日は学校行ってて。『妹』と『弟』のお世話をよくする、頼りになるお兄ちゃんですよ。夫も、別け隔てなく接してくれるから、感謝です」
見延が娘と手を振りながら立ち去るのを、ゆず子は微笑みつつずっと眺めていた。ある意味尖っていた彼女の、幸福な現在だ。
真相には複雑な事情が絡んでいたが、幸せはすぐ傍にある、そんな事例を垣間見た気がしたのだった。
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