44 / 99
透明人間と女
しおりを挟む
いつの時代も、歴史は繰り返すものだ。
「ハルキちゃん、お昼それだけ?」
その言葉に思わず目をやると、バラエティ雑貨店従業員:里木が、ラーメン店従業員:高崎の手元を見ていた。
高崎は小さなタッパーと500mlペットボトル大のシェイカーを軽く掲げ、笑ってみせた。
「うん、ダイエット中なの」
「ダイエット? 何でまた?」
「最近、大台に乗っちゃってさ。身体を絞ろうって思って」
言いつつ、高崎は慣れた手つきでシェイカーに粉末と水を入れ、振り始めた。ゆず子は眺めつつ近づくと、尋ねた。
「これ、何を作っているの?」
「酵素スムージーです。一食分のビタミンとミネラルとタンパク質が入ってて、低カロリーなのに栄養は取れるダイエット食品」
高崎は得意げに答えた。里木は言った。
「あー、置き換えダイエットってやつね…。美味しいの? それ」
「美味しいよ。マイちゃんも飲む?」
「いいよ、足りなくなっちゃうじゃん」
(へえ、今は酵素スムージーなのね)
女性が生きていく上で、避けられない『沼』みたいなものが存在する。敢えて3種類で区切るとすれば、『恋』『ダイエット』『占い』というべきか。
ことに『ダイエット』に関しては、8割以上の女性が経験をしているだろう、身近な『沼』である。
遥か昔から、手を変え品を変え数多の物が存在し、書籍に記せばきっと世界史の教科書に匹敵すると思う。
(色々あったわね。リンゴに紅茶キノコに唐辛子、痩せる石鹸、ダイエットスリッパにぶら下がり健康器…。その時流行るやつ全て試している猛者が、友達に1人は居るものなのよね)
体重を減らし、身体の表面積を少なくするだけなのに、種類と方法の多いこと。市場売り上げ規模が何億円なのかは知らないが、永久に稼げるいい市場である。
高崎は確かに痩せている方ではないが、ダイエットが必要なほど太ってもいない。
(若い子って痩せ願望が強いからなあ。痩せてカワイイ服が着れても、自己満足でしかないのに)
「ハルキちゃんのダイエット、男の影響なの?」
声に振り返ると、そこには休憩中の末永と会田が居た。会田が頬杖をついて口を開く。
「何かね、遠距離恋愛なんだって。来月こっちに来る予定があって、会うから綺麗になりたいみたいよ。乙女心よね~」
「痩せなくても十分カワイイのに」
思わずゆず子が口を尖らせると、末永と会田も苦笑した。
「分かるよ。でも、おばちゃんの『カワイイ』と男の言う『カワイイ』は違うんだよね」
末永は更に言った。
「遠距離恋愛…、兵庫だっけ? しかも向こう出身の人でしょ、何の繋がりで知り合ったの?」
「さあ? 今流行りのSNSじゃないの?」
会田も詳しくは知らないらしい。ゆず子も尋ねた。
「…高崎さん、相手に会った事はあるの?」
3人のおばちゃんは、首を傾げつつ同じ疑問が浮かんでいるようだった。
それから半月後のこと。トイレ掃除のため、女子トイレに入ると手洗い場の鏡の前に、ミルクティーみたいな髪色の若い女が居た。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
アパレルショップの店員かと思って挨拶をしたゆず子は、その相手を見て思わず足を止めた。それはあの高崎だったのだ。ゆず子は声を掛けた。
「あら、髪色変えたの?」
「はい。めっちゃ派手になりました」
仕事終わりなのか私服の高崎は、髪色も相まってまるで別人のようだ。
(ダイエットもリバウンドなく成功した様ね。でもちょっとゲッソリして見える)
「すっかり痩せて誰かと思ったわ! すごいわね、ダイエット成功ね」
「はい、きつかったけど頑張りました。今、リバウンドしないように注意してます。ラーメン売ってるし、フードコートに居るから誘惑ヤバいですけど」
「確かにそうね、何キロ痩せたの?」
「2ヶ月で7キロ落としました。人生で1番痩せてますよ」
「そうなのね。…何でこんなに頑張ったの?」
ゆず子が問うと、高崎は髪を弄りつつ話し始めた。
「いま好きな人が、韓流アイドル大好きなんですよ。痩せてる子が好みらしくて」
「へえ、確かにあの辺はかなり身体絞ってる人、多いわね」
「そうなんです。とてもストイックって言うか、自分にも厳しい人なんですよ。だから、そんな彼に釣り合える人になりたくて」
「そっかぁ。こんなに頑張ったんだもん、きっと認めてもらえるよ」
「はい!」
高崎は満面の笑みで頷いた。
翌週。フードコート、客用スペースを掃除中のゆず子は、私服姿で席に座る高崎を見つけた。
背中に届く長さのミルクティーブラウンの髪、リボンタイの付いた白いブラウス、茶色のショートパンツと言ったその姿は、かなり気合を入れてオシャレをしているのが明白だ。
(本当に韓流アイドルグループの子みたいだわ。格好も、普段からこういう感じにシフトしたのかしら)
高崎は1人でスマホを弄っていて、こちらには気づいていない。仕事の休憩中ではなく、休日に私的にここへ来ているのだろう。 声を掛けようかと思ったが、ゆず子は思いとどまった。
(…デートかしら?)
作業を終わらせ、従業員用バック通路へ清掃業務の為に入ったゆず子は、出入り口近くにいたある従業員に気づいた。会田だ。
「あ、お疲れ様です。どうかしたの?」
「お疲れ様です。…うん、ちょっとね」
会田はマジックミラーになっている出入口扉の小窓から、目を細めて外を確認しているようだ。
(業者の到着でも待ってるかな?)
忙しいのか、会田もすぐに自店に戻ったので、ゆず子もそのまま業務を始めた。
更に翌週。バック通路の清掃をしていると、休憩室に行こうとしている末永と会った。
「お疲れ様です。休憩?」
「お疲れ様~、うん」
「そう言えばそちらの高崎さん、すっごく痩せたわね。彼氏が韓流アイドルが好きだから頑張ったみたいだけど、あんなに短期間で痩せて大丈夫なの?」
ゆず子の質問に、末永は口を真一文字にした後、言いづらそうに話し始めた。
「…うーん、体調はともかく、今どん底なんだ」
「え、どういう事?」
「こないだね、例の遠距離恋愛の彼とここで会う事になったんだけど、結局来なかったん」
(もしかして、あの時の会田さん、高崎さんを心配して裏から覗いてたのかしら)
思いつつ、意外な話にゆず子は目を丸くした。
「え、何で?」
「お昼12時に待ち合わせてたんだけど、連絡も無しに来なくて、待ち合わせから3時間後に『彼の親?』がメッセージアプリで『息子が急病で倒れた』って送ってよこして、次の日に『息子は治療の甲斐なく亡くなりました』って、連絡してきた」
「えー! やだ、そんなことになってたの?」
ゆず子が思わず口を覆うと、末永は首を振った。
「ちゃうちゃう、昔からある手口よ」
首を傾げると、末永は続けた。
「ハルキちゃん、婚活アプリでその彼と知り合ったらしいんだけどさ、1回も会った事なくて、ずっとメッセージと電話でのやり取りのみなんだよね。
…これ、私達の時代だと『文通相手』であった話だけど、顔が見えないからいくらでも詐称できるでしょ? 実際に会ったらボロが出るから、いざ会うって日にドタキャンしたり、急に連絡つかなくなったりするわけ。それだよ」
「なるほど。でも、その彼実際どうなの?」
「死んでないでしょ? 婚活アプリのアカウント、亡くなったって言うその日に即座に削除されたらしいし。本当に死んだなら、その当日に削除する余裕のある親なんか居ないもん」
「まあ、確かにそうね」
「舞花ちゃんも言ってたけど、最初からハルキちゃんに会うつもりのない奴だったんでしょうよ。どこにでもいつの時代でも、そういうの一定数居るよね。
…あたし、最初からちょっと疑ってたんだけどさ」
末永はそう言うと、首を竦めてみせた。ゆず子は案じた。
「高崎さん、信じ込んでるんでしょ? 大丈夫かしら…」
「まあ、時間が解決するかな? でも今回さ、あの子は勉強になったばかりじゃなく、美しさも手に入れてるんだよ。これをバネに持ち直すんじゃない?」
「…なかなか、応援しがいのある子ね」
陰ながら彼女を応援するおばちゃん達の気苦労は、絶えないのであった。
「ハルキちゃん、お昼それだけ?」
その言葉に思わず目をやると、バラエティ雑貨店従業員:里木が、ラーメン店従業員:高崎の手元を見ていた。
高崎は小さなタッパーと500mlペットボトル大のシェイカーを軽く掲げ、笑ってみせた。
「うん、ダイエット中なの」
「ダイエット? 何でまた?」
「最近、大台に乗っちゃってさ。身体を絞ろうって思って」
言いつつ、高崎は慣れた手つきでシェイカーに粉末と水を入れ、振り始めた。ゆず子は眺めつつ近づくと、尋ねた。
「これ、何を作っているの?」
「酵素スムージーです。一食分のビタミンとミネラルとタンパク質が入ってて、低カロリーなのに栄養は取れるダイエット食品」
高崎は得意げに答えた。里木は言った。
「あー、置き換えダイエットってやつね…。美味しいの? それ」
「美味しいよ。マイちゃんも飲む?」
「いいよ、足りなくなっちゃうじゃん」
(へえ、今は酵素スムージーなのね)
女性が生きていく上で、避けられない『沼』みたいなものが存在する。敢えて3種類で区切るとすれば、『恋』『ダイエット』『占い』というべきか。
ことに『ダイエット』に関しては、8割以上の女性が経験をしているだろう、身近な『沼』である。
遥か昔から、手を変え品を変え数多の物が存在し、書籍に記せばきっと世界史の教科書に匹敵すると思う。
(色々あったわね。リンゴに紅茶キノコに唐辛子、痩せる石鹸、ダイエットスリッパにぶら下がり健康器…。その時流行るやつ全て試している猛者が、友達に1人は居るものなのよね)
体重を減らし、身体の表面積を少なくするだけなのに、種類と方法の多いこと。市場売り上げ規模が何億円なのかは知らないが、永久に稼げるいい市場である。
高崎は確かに痩せている方ではないが、ダイエットが必要なほど太ってもいない。
(若い子って痩せ願望が強いからなあ。痩せてカワイイ服が着れても、自己満足でしかないのに)
「ハルキちゃんのダイエット、男の影響なの?」
声に振り返ると、そこには休憩中の末永と会田が居た。会田が頬杖をついて口を開く。
「何かね、遠距離恋愛なんだって。来月こっちに来る予定があって、会うから綺麗になりたいみたいよ。乙女心よね~」
「痩せなくても十分カワイイのに」
思わずゆず子が口を尖らせると、末永と会田も苦笑した。
「分かるよ。でも、おばちゃんの『カワイイ』と男の言う『カワイイ』は違うんだよね」
末永は更に言った。
「遠距離恋愛…、兵庫だっけ? しかも向こう出身の人でしょ、何の繋がりで知り合ったの?」
「さあ? 今流行りのSNSじゃないの?」
会田も詳しくは知らないらしい。ゆず子も尋ねた。
「…高崎さん、相手に会った事はあるの?」
3人のおばちゃんは、首を傾げつつ同じ疑問が浮かんでいるようだった。
それから半月後のこと。トイレ掃除のため、女子トイレに入ると手洗い場の鏡の前に、ミルクティーみたいな髪色の若い女が居た。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
アパレルショップの店員かと思って挨拶をしたゆず子は、その相手を見て思わず足を止めた。それはあの高崎だったのだ。ゆず子は声を掛けた。
「あら、髪色変えたの?」
「はい。めっちゃ派手になりました」
仕事終わりなのか私服の高崎は、髪色も相まってまるで別人のようだ。
(ダイエットもリバウンドなく成功した様ね。でもちょっとゲッソリして見える)
「すっかり痩せて誰かと思ったわ! すごいわね、ダイエット成功ね」
「はい、きつかったけど頑張りました。今、リバウンドしないように注意してます。ラーメン売ってるし、フードコートに居るから誘惑ヤバいですけど」
「確かにそうね、何キロ痩せたの?」
「2ヶ月で7キロ落としました。人生で1番痩せてますよ」
「そうなのね。…何でこんなに頑張ったの?」
ゆず子が問うと、高崎は髪を弄りつつ話し始めた。
「いま好きな人が、韓流アイドル大好きなんですよ。痩せてる子が好みらしくて」
「へえ、確かにあの辺はかなり身体絞ってる人、多いわね」
「そうなんです。とてもストイックって言うか、自分にも厳しい人なんですよ。だから、そんな彼に釣り合える人になりたくて」
「そっかぁ。こんなに頑張ったんだもん、きっと認めてもらえるよ」
「はい!」
高崎は満面の笑みで頷いた。
翌週。フードコート、客用スペースを掃除中のゆず子は、私服姿で席に座る高崎を見つけた。
背中に届く長さのミルクティーブラウンの髪、リボンタイの付いた白いブラウス、茶色のショートパンツと言ったその姿は、かなり気合を入れてオシャレをしているのが明白だ。
(本当に韓流アイドルグループの子みたいだわ。格好も、普段からこういう感じにシフトしたのかしら)
高崎は1人でスマホを弄っていて、こちらには気づいていない。仕事の休憩中ではなく、休日に私的にここへ来ているのだろう。 声を掛けようかと思ったが、ゆず子は思いとどまった。
(…デートかしら?)
作業を終わらせ、従業員用バック通路へ清掃業務の為に入ったゆず子は、出入り口近くにいたある従業員に気づいた。会田だ。
「あ、お疲れ様です。どうかしたの?」
「お疲れ様です。…うん、ちょっとね」
会田はマジックミラーになっている出入口扉の小窓から、目を細めて外を確認しているようだ。
(業者の到着でも待ってるかな?)
忙しいのか、会田もすぐに自店に戻ったので、ゆず子もそのまま業務を始めた。
更に翌週。バック通路の清掃をしていると、休憩室に行こうとしている末永と会った。
「お疲れ様です。休憩?」
「お疲れ様~、うん」
「そう言えばそちらの高崎さん、すっごく痩せたわね。彼氏が韓流アイドルが好きだから頑張ったみたいだけど、あんなに短期間で痩せて大丈夫なの?」
ゆず子の質問に、末永は口を真一文字にした後、言いづらそうに話し始めた。
「…うーん、体調はともかく、今どん底なんだ」
「え、どういう事?」
「こないだね、例の遠距離恋愛の彼とここで会う事になったんだけど、結局来なかったん」
(もしかして、あの時の会田さん、高崎さんを心配して裏から覗いてたのかしら)
思いつつ、意外な話にゆず子は目を丸くした。
「え、何で?」
「お昼12時に待ち合わせてたんだけど、連絡も無しに来なくて、待ち合わせから3時間後に『彼の親?』がメッセージアプリで『息子が急病で倒れた』って送ってよこして、次の日に『息子は治療の甲斐なく亡くなりました』って、連絡してきた」
「えー! やだ、そんなことになってたの?」
ゆず子が思わず口を覆うと、末永は首を振った。
「ちゃうちゃう、昔からある手口よ」
首を傾げると、末永は続けた。
「ハルキちゃん、婚活アプリでその彼と知り合ったらしいんだけどさ、1回も会った事なくて、ずっとメッセージと電話でのやり取りのみなんだよね。
…これ、私達の時代だと『文通相手』であった話だけど、顔が見えないからいくらでも詐称できるでしょ? 実際に会ったらボロが出るから、いざ会うって日にドタキャンしたり、急に連絡つかなくなったりするわけ。それだよ」
「なるほど。でも、その彼実際どうなの?」
「死んでないでしょ? 婚活アプリのアカウント、亡くなったって言うその日に即座に削除されたらしいし。本当に死んだなら、その当日に削除する余裕のある親なんか居ないもん」
「まあ、確かにそうね」
「舞花ちゃんも言ってたけど、最初からハルキちゃんに会うつもりのない奴だったんでしょうよ。どこにでもいつの時代でも、そういうの一定数居るよね。
…あたし、最初からちょっと疑ってたんだけどさ」
末永はそう言うと、首を竦めてみせた。ゆず子は案じた。
「高崎さん、信じ込んでるんでしょ? 大丈夫かしら…」
「まあ、時間が解決するかな? でも今回さ、あの子は勉強になったばかりじゃなく、美しさも手に入れてるんだよ。これをバネに持ち直すんじゃない?」
「…なかなか、応援しがいのある子ね」
陰ながら彼女を応援するおばちゃん達の気苦労は、絶えないのであった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

『食管法廃止と米の行方一倉庫管理者の証言』
小川敦人
経済・企業
エッセイ『食管法廃止と米の行方――倉庫管理者の証言』は、1995年に廃止された食糧管理法(食管法)を背景に、日本の食料政策とその影響について倉庫管理者の視点から描いた作品です。主人公の野村隆志は、1977年から政府米の品質管理に携わり、食管法のもとで米の一元管理が行われていた時代を経験してきました。戦後の食糧難を知る世代として、米の価値を重んじ、厳格な倉庫管理のもとで働いていました。
しかし、1980年代後半から米の過剰生産や市場原理の導入を背景に、食管法の廃止が議論されるようになります。1993年の「タイ米騒動」を経て、1995年に食管法が正式に廃止されると、政府の関与が縮小され、米市場は自由化の道を歩み始めます。野村の職場である倉庫業界も大きな変化を余儀なくされ、彼は市場原理が支配する新たな時代への不安を抱えながらも、変化に適応していきます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男と女の初夜
緑谷めい
恋愛
キクナー王国との戦にあっさり敗れたコヅクーエ王国。
終戦条約の約款により、コヅクーエ王国の王女クリスティーヌは、"高圧的で粗暴"という評判のキクナー王国の国王フェリクスに嫁ぐこととなった。
しかし、クリスティーヌもまた”傲慢で我が儘”と噂される王女であった――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる