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紐と女
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彼女との出会いはいつだっただろうか。確かあれはまだ彼女が21か22の頃だったと思う。
「年末調整の書き方なんですけど、書き方がよく分からなくて…」
高崎陽希は、一緒に休憩を取っていた同僚であるラーメン店従業員:末永に相談を持ち掛けた。
末永は咀嚼中のおにぎりを飲み込むと、口を開いた。
「あれ、ハルキちゃんてアルバイト経験無かったっけ? 今回書くの初めて?」
「去年までは親の扶養内でバイトしてたから、書き方は何となく分かるんですけど、今年扶養を外れたから、その場合の書き方は知らなくて」
末永は目を細め、クリアファイル越しに中の書類を見つめる。
「えー、どうだったかな…? あ、でも掛け持ちもしてるんでしょ? 提出は1か所だけになるけど、こっちで提出する感じ?」
「そうですね、一応。それで、今年更に1人扶養する事になるので、書き方どうしようかと」
「え、扶養するの? 誰を?」
末永の驚く声に、ゆず子は思わず目を向けた。
(『扶養する』ねえ…。若いのに家族のために頑張るのね)
景気の状況によって、色んな経済状態の人が出るものだ。昨今では進学のために借りた奨学金返済のため、本業の他に掛け持ちバイトをする者も居ると聞く。
高崎はあっけらかんと答えた。
「同棲している彼氏です」
「うちの店の若い子がさ、21で彼氏を養ってるみたいなんだよ。ありえない!」
トイレ掃除で会った末永は、ゆず子に言った。
「同棲中なの? いつから?」
「同棲は今年になってからかな。付き合い始めたのはいつか分からない。ここで働き始める前にもう付き合ってたみたいだから」
「そうなんだ。その若さで訳アリなんだね」
「『訳アリ』っていうか、『難アリ』じゃない?」
末永は首を竦めて答えた。
「あ、ハルキちゃん! 非課税証明書持ってきた?」
フードコートのバック通路を清掃中、ラーメン店副店長:会田の声に、ゆず子の耳が反応した。
「はい、これです」
ふと見た先には、店舗裏に繋がるドアの前に会田と高崎の姿があった。渡された証明書を受け取った会田が口を開く。
「はい、確かに…。そう言えば彼氏って、いま学生だっけ?」
「いいえ、○○スーパーで働いてます」
「え、スーパーなの。最近勤め始めた感じ?」
「勤め始めて…、1年も経ってはいないかな」
「あら。そうなの」
すると高崎は何かに気づいた様な声を上げた。
「あ、もしかして彼氏を扶養に入れるからですか?」
「うん。てっきり学生さんか、失業中かと思ってね。だから扶養にしたと思ったのね」
「違うんです。一応ちゃんと働いてて、月収5万貰ってますよ」
高崎はにっこり笑っていた。
(スーパーで働いて月収5万ねえ。高校生とか学生さん並みの収入って事は、勤務形態によるけど1日3時間勤務を週に2,3回とか?)
21歳女子の彼氏だ。学業優先ならそれくらいの収入で妥当にも思えるが、学生では無いという。
(本職があって、スーパーはバイト程度にしか入れないならまだしも、本職あったら非課税にはならない筈よね)
俳優や芸人を目指すなど『夢追い人』のため、スーパーをバイト並みにしか働けないのか。
(まあ、聞くよね。『若手芸人は1ステージのギャラ500円』とかって)
どちらにせよ、生活費のほとんどを高崎が出しているのは明白だ。
(しかも掛け持ちしてるって言ってたよね…。完全にヒモじゃん)
世の中には、ヒモ体質の男性を世話してしまう女性が存在する。
(21歳の若さにしてそれか。今からそういう感じでは、先が思いやられるわね)
高崎の事情を訝しがっているおばさんは、ゆず子の他にも居た。
「ハルキちゃんの彼氏って、見た事ある?」
従業員休憩室で昼食中の末永は会田に尋ねる。
「無いよ。でもこの前、記念日デートでA水族館に彼氏の車で行ったって言ってた」
「なに、月収5万で車持ってんの? 一体、何年ローン組んでんだか!」
末永は小馬鹿にしたように吐き捨てた。会田も口を尖らせた。
「何かね、ちゃんと聞いては無いけど、ハルキちゃんの大学中退にその彼氏が関わってるくさいんだよね」
「えー、何それ。ダメ男じゃん」
「でもね、ダメ男に限ってイイ男だったりするから、簡単に別れられないもんなんだよね」
(そうそう、言えてる)
掃除しつつ、ゆず子も心の中で同意した。
それからしばらくした頃。従業員トイレへ掃除に入った時のこと。
「お疲れ様でーす」
鏡の前に居たのは、アパレル店女性店長の浅賀。
「お疲れ様です」
ゆず子も鏡越しに挨拶した、その時だ。個室から出てきた女性が、そのまま崩れ落ちるのが見えた。
「「え!」」
ゆず子と浅賀が振り向くと、そこに這いつくばっていたのは、高崎だった。ゆず子は掃除道具を置いて駆け寄った。
「ちょっと、大丈夫?」
高崎は血の気の無い顔で、笑った。
「あ、すみません。ちょっとフラッとしちゃって…」
ゆず子が浅賀に言う。
「ラーメン屋さんの誰か呼んできて。会田さんなら居ると思うから」
浅賀は頷いて外に出た。ゆず子は言った。
「今日はもう、帰りなさい。こんなに具合悪くては仕事にならないよ? 家族に迎えに来てもらってさぁ」
「…でも」
高崎はトイレの床にペタンコ座りをして、口にした。
「…お父さんに、縁を切られてるんです。実家には、頼れません」
「一緒に住んでる人は?」
「彼は今日、大学の研究室に行ってるので…。彼の邪魔したくない」
「何言ってんのよ! 一緒に住んでる家族なら、こういう時に頼るもんでしょ⁈」
ゆず子が思わず語気を強めると、会田がやって来た。ゆず子は会田と共に、高崎を外に連れ出すと、掃除業務に戻った。
数日後、会田が礼を言いにわざわざゆず子の所にやって来た。
「鳴瀬さん、先日はごめんなさい。ご挨拶してなかったからさ」
「いいのよ~。彼女、大丈夫だったの?」
「1日15時間、掛け持ち含めて働いてたみたい。過労だよ。仕事少し休ませたわ」
「そうなんだ。若いからって無茶し過ぎね」
ゆず子と会田は苦笑した。会田が切り出す。
「…ハルキちゃんの彼氏さあ、通ってた大学のサークルの先輩なの。サークルの打ち上げで会って、そこで口説かれて付き合う事になったらしい。院生だったんだけど、今年辞めたみたいでね。
『求人を見に行く』『教授の口利きで就職したいから、定期的に顔を出す』って口実で、日中ずっと研究室に入り浸っているみたい」
「あー、辞めたり卒業したのに、いつまでも母校に入り浸る人、一定数居るよね。そういう?」
「多分ね。ハルキちゃんは彼と付き合ってから、大学を辞めたんだよね。両親とかなり揉めたみたいで、お父さんに絶縁されたのよ。お母さんは心配して、たまにお店に客として来るんだけど」
「学業より恋愛取ったら、親としてはよく思わないよね…」
しかも、相手は責任を取って就職した訳でもないから尚更だ。ふと気づいたゆず子が口を開く。
「まさか彼女、彼氏が出せない生活費の分、掛け持ちバイトして賄ってた?」
会田はしかめっ面で頷いた。
「『彼氏にも出して貰ってるよ!』なんて言ってたけど、全額出してる訳ないし。彼氏側の実家は援助してるか知らないけど、自分の実家は頼れないでしょ? …何だかなぁ」
所詮、外野は見守る事しか出来ない。それでもおばちゃん達は、口を出さずに高崎の事を気にかけていた。
それから2,3カ月経った、ある日のこと。
「え、ハルキちゃん、あの彼氏と別れたの?」
従業員休憩室。聞こえてきた末永の声に、ゆず子は思わず目を向けた。
「はい。浮気してたんですよ。大学にOBとして出入りしてたんじゃなく、同じバイト先の女の子のとこ、行ってたみたいなんです」
高崎はげんなりした表情の後、笑ってみせた。末永は手を叩いて喜んだ。
「別れて正解だよ、そんな男。もっといい男探して幸せにならないと!」
「そうですね、えへへ」
ところが高崎とは、おばちゃん達と長い付き合いになる事は、この時点では誰も知る由が無かったのである。
「年末調整の書き方なんですけど、書き方がよく分からなくて…」
高崎陽希は、一緒に休憩を取っていた同僚であるラーメン店従業員:末永に相談を持ち掛けた。
末永は咀嚼中のおにぎりを飲み込むと、口を開いた。
「あれ、ハルキちゃんてアルバイト経験無かったっけ? 今回書くの初めて?」
「去年までは親の扶養内でバイトしてたから、書き方は何となく分かるんですけど、今年扶養を外れたから、その場合の書き方は知らなくて」
末永は目を細め、クリアファイル越しに中の書類を見つめる。
「えー、どうだったかな…? あ、でも掛け持ちもしてるんでしょ? 提出は1か所だけになるけど、こっちで提出する感じ?」
「そうですね、一応。それで、今年更に1人扶養する事になるので、書き方どうしようかと」
「え、扶養するの? 誰を?」
末永の驚く声に、ゆず子は思わず目を向けた。
(『扶養する』ねえ…。若いのに家族のために頑張るのね)
景気の状況によって、色んな経済状態の人が出るものだ。昨今では進学のために借りた奨学金返済のため、本業の他に掛け持ちバイトをする者も居ると聞く。
高崎はあっけらかんと答えた。
「同棲している彼氏です」
「うちの店の若い子がさ、21で彼氏を養ってるみたいなんだよ。ありえない!」
トイレ掃除で会った末永は、ゆず子に言った。
「同棲中なの? いつから?」
「同棲は今年になってからかな。付き合い始めたのはいつか分からない。ここで働き始める前にもう付き合ってたみたいだから」
「そうなんだ。その若さで訳アリなんだね」
「『訳アリ』っていうか、『難アリ』じゃない?」
末永は首を竦めて答えた。
「あ、ハルキちゃん! 非課税証明書持ってきた?」
フードコートのバック通路を清掃中、ラーメン店副店長:会田の声に、ゆず子の耳が反応した。
「はい、これです」
ふと見た先には、店舗裏に繋がるドアの前に会田と高崎の姿があった。渡された証明書を受け取った会田が口を開く。
「はい、確かに…。そう言えば彼氏って、いま学生だっけ?」
「いいえ、○○スーパーで働いてます」
「え、スーパーなの。最近勤め始めた感じ?」
「勤め始めて…、1年も経ってはいないかな」
「あら。そうなの」
すると高崎は何かに気づいた様な声を上げた。
「あ、もしかして彼氏を扶養に入れるからですか?」
「うん。てっきり学生さんか、失業中かと思ってね。だから扶養にしたと思ったのね」
「違うんです。一応ちゃんと働いてて、月収5万貰ってますよ」
高崎はにっこり笑っていた。
(スーパーで働いて月収5万ねえ。高校生とか学生さん並みの収入って事は、勤務形態によるけど1日3時間勤務を週に2,3回とか?)
21歳女子の彼氏だ。学業優先ならそれくらいの収入で妥当にも思えるが、学生では無いという。
(本職があって、スーパーはバイト程度にしか入れないならまだしも、本職あったら非課税にはならない筈よね)
俳優や芸人を目指すなど『夢追い人』のため、スーパーをバイト並みにしか働けないのか。
(まあ、聞くよね。『若手芸人は1ステージのギャラ500円』とかって)
どちらにせよ、生活費のほとんどを高崎が出しているのは明白だ。
(しかも掛け持ちしてるって言ってたよね…。完全にヒモじゃん)
世の中には、ヒモ体質の男性を世話してしまう女性が存在する。
(21歳の若さにしてそれか。今からそういう感じでは、先が思いやられるわね)
高崎の事情を訝しがっているおばさんは、ゆず子の他にも居た。
「ハルキちゃんの彼氏って、見た事ある?」
従業員休憩室で昼食中の末永は会田に尋ねる。
「無いよ。でもこの前、記念日デートでA水族館に彼氏の車で行ったって言ってた」
「なに、月収5万で車持ってんの? 一体、何年ローン組んでんだか!」
末永は小馬鹿にしたように吐き捨てた。会田も口を尖らせた。
「何かね、ちゃんと聞いては無いけど、ハルキちゃんの大学中退にその彼氏が関わってるくさいんだよね」
「えー、何それ。ダメ男じゃん」
「でもね、ダメ男に限ってイイ男だったりするから、簡単に別れられないもんなんだよね」
(そうそう、言えてる)
掃除しつつ、ゆず子も心の中で同意した。
それからしばらくした頃。従業員トイレへ掃除に入った時のこと。
「お疲れ様でーす」
鏡の前に居たのは、アパレル店女性店長の浅賀。
「お疲れ様です」
ゆず子も鏡越しに挨拶した、その時だ。個室から出てきた女性が、そのまま崩れ落ちるのが見えた。
「「え!」」
ゆず子と浅賀が振り向くと、そこに這いつくばっていたのは、高崎だった。ゆず子は掃除道具を置いて駆け寄った。
「ちょっと、大丈夫?」
高崎は血の気の無い顔で、笑った。
「あ、すみません。ちょっとフラッとしちゃって…」
ゆず子が浅賀に言う。
「ラーメン屋さんの誰か呼んできて。会田さんなら居ると思うから」
浅賀は頷いて外に出た。ゆず子は言った。
「今日はもう、帰りなさい。こんなに具合悪くては仕事にならないよ? 家族に迎えに来てもらってさぁ」
「…でも」
高崎はトイレの床にペタンコ座りをして、口にした。
「…お父さんに、縁を切られてるんです。実家には、頼れません」
「一緒に住んでる人は?」
「彼は今日、大学の研究室に行ってるので…。彼の邪魔したくない」
「何言ってんのよ! 一緒に住んでる家族なら、こういう時に頼るもんでしょ⁈」
ゆず子が思わず語気を強めると、会田がやって来た。ゆず子は会田と共に、高崎を外に連れ出すと、掃除業務に戻った。
数日後、会田が礼を言いにわざわざゆず子の所にやって来た。
「鳴瀬さん、先日はごめんなさい。ご挨拶してなかったからさ」
「いいのよ~。彼女、大丈夫だったの?」
「1日15時間、掛け持ち含めて働いてたみたい。過労だよ。仕事少し休ませたわ」
「そうなんだ。若いからって無茶し過ぎね」
ゆず子と会田は苦笑した。会田が切り出す。
「…ハルキちゃんの彼氏さあ、通ってた大学のサークルの先輩なの。サークルの打ち上げで会って、そこで口説かれて付き合う事になったらしい。院生だったんだけど、今年辞めたみたいでね。
『求人を見に行く』『教授の口利きで就職したいから、定期的に顔を出す』って口実で、日中ずっと研究室に入り浸っているみたい」
「あー、辞めたり卒業したのに、いつまでも母校に入り浸る人、一定数居るよね。そういう?」
「多分ね。ハルキちゃんは彼と付き合ってから、大学を辞めたんだよね。両親とかなり揉めたみたいで、お父さんに絶縁されたのよ。お母さんは心配して、たまにお店に客として来るんだけど」
「学業より恋愛取ったら、親としてはよく思わないよね…」
しかも、相手は責任を取って就職した訳でもないから尚更だ。ふと気づいたゆず子が口を開く。
「まさか彼女、彼氏が出せない生活費の分、掛け持ちバイトして賄ってた?」
会田はしかめっ面で頷いた。
「『彼氏にも出して貰ってるよ!』なんて言ってたけど、全額出してる訳ないし。彼氏側の実家は援助してるか知らないけど、自分の実家は頼れないでしょ? …何だかなぁ」
所詮、外野は見守る事しか出来ない。それでもおばちゃん達は、口を出さずに高崎の事を気にかけていた。
それから2,3カ月経った、ある日のこと。
「え、ハルキちゃん、あの彼氏と別れたの?」
従業員休憩室。聞こえてきた末永の声に、ゆず子は思わず目を向けた。
「はい。浮気してたんですよ。大学にOBとして出入りしてたんじゃなく、同じバイト先の女の子のとこ、行ってたみたいなんです」
高崎はげんなりした表情の後、笑ってみせた。末永は手を叩いて喜んだ。
「別れて正解だよ、そんな男。もっといい男探して幸せにならないと!」
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