21 / 99
嫉妬と嫉妬
しおりを挟む
鼻に抜ける濃い甘い匂いを感じ、ゆず子はふと足を止めた。
(オーデコロン?それともお菓子?)
傍らの休憩用テーブルには、円筒型のパッケージを開け、中を覗き込んでいる女性従業員が居た。
御馳走を目の前に喜んでいる訳でなく、表情はどこか訝しげ。
「すごい美味しそうな匂いね。お菓子?」
バラエティ雑貨店従業員:里木舞花は、ゆず子の問いにこう答えた。
「店長から貰ったサンプル品なんですけど…。身体に悪そうな色なんですよね」
海外製品なのかパッケージには外国の文字があり、中にはショッキングピンクのチョコフレークが入っている。
里木は試しに一口食べたが、何とも言えない渋い表情を浮かべた。
「…見たままの味だわ。いかがです?」
「え、結構です。匂いだけでお腹いっぱいになりそう」
里木の勤める店舗は、輸入菓子も少数だが扱っている。販促用品なのか。ゆず子は言った。
「サンプル品ねえ。後で感想を言うのも仕事だったりするの?」
「いいえ。店長が『ご厚意』であたしにだけ寄越すんですよ」
里木はウンザリした表情を浮かべて続けた。
「あたし以外男子の店員さんなんですよ。だから何て言うか、下心? 他にも色々貢がれてて」
「あら、そういう事なの。…店長さんの事は、好みじゃない?」
里木は首をブンブン振った。
「彼氏はいま居ないけど、店長は無~理~。ハゲだからとかではなく、仕事出来ない承認欲求強すぎ男子は無~理~」
「そうね、優しくされても好みってものがあるよね」
ゆず子は苦笑して言った。
しばらくした頃。バック通路を掃除中のゆず子は、里木がアラフォーくらいの女性と話し込んでいるのを見かけた。
女性は里木と同じエプロンをしているので、同じ店の従業員らしい。
(でもあのお店、女性店員は里木さんだけって聞いてたけど…)
「ああ、新人さんっすね。店長と同い年の主婦の人なんすよ」
休憩室に居たバラエティ雑貨店副店長の安川は、スマホゲームの傍らでゆず子に教えてくれた。
「へえ、こういうお店に珍しいわね」
「就職決まって辞める子が居てさ。そいつの弟の友達の母ちゃんていう縁故。店長が履歴書見て、『同い年!じゃあ取る!!』って即決。
そんな決め方で大丈夫かなぁって思ったけど、ちゃんとした人で安心したっすよ」
「随分ユニークな採用基準ね」
ゆず子が笑うと、安川はスマホに目を落とし、口を開いた。
「何かねえ、『ユニークな商品を扱う店舗は採用基準もユニークでないと!』って言って、いつだかも『同じゲームが好き』って理由で採用したら、2日でバックレられたんだよね。
口先だけで人を見る目無さ過ぎでさぁ。本社からも『何のための面接だ、人となりを見ろ』って、よく注意されてるんすよ」
「あらまあ…」
(面接が下手ねえ…。管理職として致命的だぞ)
「おばちゃん、うちの里木さんて女子分かる? …内緒なんだけど、あの子の面接した後に『28歳独身か…。て、事は結婚したくてたまらない年代の女子だから、いいねえ』ってニヤニヤしてて。
自分のワンチャンス要員でいたのに、端から相手にされなくて『あの子の採用ミスったな、こんな筈じゃなかったのに』だって。
有り得ねえっすよね」
安川が苦笑して言うと、ゆず子は薄目になった。
「え、そういう算段で決めてるの…? なんだかなあ」
「新人さん…、杉田さんについても『同世代の話し相手が欲しかったんだ』とか言ってたんすよ。どうなる事やら、ねえ」
安川は息をついた。
数日後、ゆず子は一緒に休憩を取る里木と杉田を見かけた。
「お疲れ様です。今日は一緒に休憩なの?」
「はい、そうなんです」
里木が答えると、茶目っ気のある笑みを浮かべ、杉田も会釈した。
「こんにちは、この齢で新人やらせてもらってます」
「どう? 若い子と一緒に働くのは」
「物覚えとか、敵わないんですよね。おばちゃんだから」
「そんなー。杉田さん接客業経験者だから、さり気ないフォローが上手いんですよ!」
杉田の自虐に、里木は間髪入れず誉め言葉を送る。
(齢は違えど仲良さそうね)
ゆず子は尋ねた。
「そう言えば副店長さんから聞いたけど、店長さんと同い年なんですって?」
杉田は笑って答えた。
「そうなんです。でも舞花ちゃんとか安川君と喋ってる方が楽しいかな。齢、離れてるけど」
「趣味が同じだからね」
里木も頷いた。杉田も相槌を打つ。
「一緒なの齢だけで、興味のある物とか全然違うのよ。何なら、学生時代に流行ってた物の話題だって合わないし。
ここまで話題の合わない同級生なんて、初めて」
「そうなんだ。確かにあの店長、ちょっと変わり者というか…」
ゆず子が言うと、里木は笑った。
「杉田さんがね、店長へのダメ出し厳しいの。同い年ってのもあるけど、皆が言えなかった事、的確にバンバン指摘して」
「やめてよ~。てか、あまりにも出来ないから目に付いちゃうの。本社の人来たら怒られると思うよ、あたし」
「てか、杉田さんが店長やって下さいよ~」
ゆず子は2人のやりとりに目を細めた。
別の日。1人でゴミ捨てに来た杉田を見つけた。
「お疲れ様です。仕事は慣れました?」
「お疲れ様です。おかげさまで。最近ね、舞花ちゃんや安川君に会えないシフトにされてるの」
「えぇ。何で?」
「多分、ダメ出しへの腹いせだと思う。やーね、子供みたい。ここ2週間、ずっと夕方から閉店までのシフトなの。店長と2人っきりなの」
杉田はふくれて見せた。
「随分幼いのね、あの人。家の方は大丈夫なの?」
「うん。夕食作り終えてから来てるし、うちの子2人とも高校生だから。ただ、旦那がね…」
主婦が外で仕事をするにあたってのハードルは、『130万の壁』だけではない。
子供や同居家族へのフォロー、家事との兼ね合いなど、『働いても家庭生活を崩さない』のハードルも存在する。
働くのは推奨するが、家の中を疎かにしないで欲しいと考える夫も居る(お前がやれと言いたい)。
ところが、杉田はこんな事を口にした。
「うちの旦那ヤキモチ妬きだから、『何で店長は、そんなにお前と2人のシフトを組みたがるんだ?』って心配してるんだ」
「あら、お熱いこと」
「そんな事ないけど、まあ帰りは迎えに来てるね。で、店長に『うちの旦那が心配するから、閉店までの勤務減らしたい』って言ったら『え、ヤキモチ?参った参った!』って、おちょくるだけで対処してくれなくて! ムカつく」
杉田は息をついた。
「あらら…。何がしたいんだろうね、店長は」
「あたしが思うに、あいつ恋愛経験無いから、誰かに仲を嫉妬されるのが初めてで、楽しんでる感じするよ。冗談じゃないってば」
「何それ…。そんなの楽しいのかしら」
(可能性無くは無いけど、それが本当だとしたら、これまでどんだけ寂しい人生だったのよ)
ゆず子と杉田は2人で苦笑いをした。
それからふた月ほどが経っただろうか。従業員用休憩室の掃除をしていると、ゆず子の耳に盛大な溜息が聞こえた。
振り返ると、そこにはバラエティ雑貨店:店長の厚島が居た。厚島はゆず子と目が合うと、こんな事を言い出した。
「はあ。何て自分てツイてないんでしょう?」
「どうかしましたか?」
「やっとね、自分と同世代の話し相手が出来たと思ったら、辞める事になっちゃったんですよ」
(杉田の事か?)
「あら。もしかして主婦さんですか?」
「よくご存じで。辞めた理由がね、『オメデタ』なんですよ~」
おめでたい理由の割に、厚島は浮かない表情だった。
「へえ。あの人幾つなんですか? 40くらい? すごいですね、オメデタだなんて」
「41歳ですよ。高校生のお子さんも居て、3人目になりますね。『高齢での妊娠だから大事を取りたい』って辞めてしまいましてね。
こう、ぽっかり穴が開いてしまいましたよ~。また募集かけないといけないですねぇ、参った参った」
3人目とは言え、40代での妊娠に感心する所もあったが、ゆず子には思い当たるフシもあった。
既に居る子供2人は高校生だ。年齢もあるが、あえてこのタイミングでの3人目も考えないのではないか。
男の嫉妬。それは時に出生率をも上げるのだろう。
(オーデコロン?それともお菓子?)
傍らの休憩用テーブルには、円筒型のパッケージを開け、中を覗き込んでいる女性従業員が居た。
御馳走を目の前に喜んでいる訳でなく、表情はどこか訝しげ。
「すごい美味しそうな匂いね。お菓子?」
バラエティ雑貨店従業員:里木舞花は、ゆず子の問いにこう答えた。
「店長から貰ったサンプル品なんですけど…。身体に悪そうな色なんですよね」
海外製品なのかパッケージには外国の文字があり、中にはショッキングピンクのチョコフレークが入っている。
里木は試しに一口食べたが、何とも言えない渋い表情を浮かべた。
「…見たままの味だわ。いかがです?」
「え、結構です。匂いだけでお腹いっぱいになりそう」
里木の勤める店舗は、輸入菓子も少数だが扱っている。販促用品なのか。ゆず子は言った。
「サンプル品ねえ。後で感想を言うのも仕事だったりするの?」
「いいえ。店長が『ご厚意』であたしにだけ寄越すんですよ」
里木はウンザリした表情を浮かべて続けた。
「あたし以外男子の店員さんなんですよ。だから何て言うか、下心? 他にも色々貢がれてて」
「あら、そういう事なの。…店長さんの事は、好みじゃない?」
里木は首をブンブン振った。
「彼氏はいま居ないけど、店長は無~理~。ハゲだからとかではなく、仕事出来ない承認欲求強すぎ男子は無~理~」
「そうね、優しくされても好みってものがあるよね」
ゆず子は苦笑して言った。
しばらくした頃。バック通路を掃除中のゆず子は、里木がアラフォーくらいの女性と話し込んでいるのを見かけた。
女性は里木と同じエプロンをしているので、同じ店の従業員らしい。
(でもあのお店、女性店員は里木さんだけって聞いてたけど…)
「ああ、新人さんっすね。店長と同い年の主婦の人なんすよ」
休憩室に居たバラエティ雑貨店副店長の安川は、スマホゲームの傍らでゆず子に教えてくれた。
「へえ、こういうお店に珍しいわね」
「就職決まって辞める子が居てさ。そいつの弟の友達の母ちゃんていう縁故。店長が履歴書見て、『同い年!じゃあ取る!!』って即決。
そんな決め方で大丈夫かなぁって思ったけど、ちゃんとした人で安心したっすよ」
「随分ユニークな採用基準ね」
ゆず子が笑うと、安川はスマホに目を落とし、口を開いた。
「何かねえ、『ユニークな商品を扱う店舗は採用基準もユニークでないと!』って言って、いつだかも『同じゲームが好き』って理由で採用したら、2日でバックレられたんだよね。
口先だけで人を見る目無さ過ぎでさぁ。本社からも『何のための面接だ、人となりを見ろ』って、よく注意されてるんすよ」
「あらまあ…」
(面接が下手ねえ…。管理職として致命的だぞ)
「おばちゃん、うちの里木さんて女子分かる? …内緒なんだけど、あの子の面接した後に『28歳独身か…。て、事は結婚したくてたまらない年代の女子だから、いいねえ』ってニヤニヤしてて。
自分のワンチャンス要員でいたのに、端から相手にされなくて『あの子の採用ミスったな、こんな筈じゃなかったのに』だって。
有り得ねえっすよね」
安川が苦笑して言うと、ゆず子は薄目になった。
「え、そういう算段で決めてるの…? なんだかなあ」
「新人さん…、杉田さんについても『同世代の話し相手が欲しかったんだ』とか言ってたんすよ。どうなる事やら、ねえ」
安川は息をついた。
数日後、ゆず子は一緒に休憩を取る里木と杉田を見かけた。
「お疲れ様です。今日は一緒に休憩なの?」
「はい、そうなんです」
里木が答えると、茶目っ気のある笑みを浮かべ、杉田も会釈した。
「こんにちは、この齢で新人やらせてもらってます」
「どう? 若い子と一緒に働くのは」
「物覚えとか、敵わないんですよね。おばちゃんだから」
「そんなー。杉田さん接客業経験者だから、さり気ないフォローが上手いんですよ!」
杉田の自虐に、里木は間髪入れず誉め言葉を送る。
(齢は違えど仲良さそうね)
ゆず子は尋ねた。
「そう言えば副店長さんから聞いたけど、店長さんと同い年なんですって?」
杉田は笑って答えた。
「そうなんです。でも舞花ちゃんとか安川君と喋ってる方が楽しいかな。齢、離れてるけど」
「趣味が同じだからね」
里木も頷いた。杉田も相槌を打つ。
「一緒なの齢だけで、興味のある物とか全然違うのよ。何なら、学生時代に流行ってた物の話題だって合わないし。
ここまで話題の合わない同級生なんて、初めて」
「そうなんだ。確かにあの店長、ちょっと変わり者というか…」
ゆず子が言うと、里木は笑った。
「杉田さんがね、店長へのダメ出し厳しいの。同い年ってのもあるけど、皆が言えなかった事、的確にバンバン指摘して」
「やめてよ~。てか、あまりにも出来ないから目に付いちゃうの。本社の人来たら怒られると思うよ、あたし」
「てか、杉田さんが店長やって下さいよ~」
ゆず子は2人のやりとりに目を細めた。
別の日。1人でゴミ捨てに来た杉田を見つけた。
「お疲れ様です。仕事は慣れました?」
「お疲れ様です。おかげさまで。最近ね、舞花ちゃんや安川君に会えないシフトにされてるの」
「えぇ。何で?」
「多分、ダメ出しへの腹いせだと思う。やーね、子供みたい。ここ2週間、ずっと夕方から閉店までのシフトなの。店長と2人っきりなの」
杉田はふくれて見せた。
「随分幼いのね、あの人。家の方は大丈夫なの?」
「うん。夕食作り終えてから来てるし、うちの子2人とも高校生だから。ただ、旦那がね…」
主婦が外で仕事をするにあたってのハードルは、『130万の壁』だけではない。
子供や同居家族へのフォロー、家事との兼ね合いなど、『働いても家庭生活を崩さない』のハードルも存在する。
働くのは推奨するが、家の中を疎かにしないで欲しいと考える夫も居る(お前がやれと言いたい)。
ところが、杉田はこんな事を口にした。
「うちの旦那ヤキモチ妬きだから、『何で店長は、そんなにお前と2人のシフトを組みたがるんだ?』って心配してるんだ」
「あら、お熱いこと」
「そんな事ないけど、まあ帰りは迎えに来てるね。で、店長に『うちの旦那が心配するから、閉店までの勤務減らしたい』って言ったら『え、ヤキモチ?参った参った!』って、おちょくるだけで対処してくれなくて! ムカつく」
杉田は息をついた。
「あらら…。何がしたいんだろうね、店長は」
「あたしが思うに、あいつ恋愛経験無いから、誰かに仲を嫉妬されるのが初めてで、楽しんでる感じするよ。冗談じゃないってば」
「何それ…。そんなの楽しいのかしら」
(可能性無くは無いけど、それが本当だとしたら、これまでどんだけ寂しい人生だったのよ)
ゆず子と杉田は2人で苦笑いをした。
それからふた月ほどが経っただろうか。従業員用休憩室の掃除をしていると、ゆず子の耳に盛大な溜息が聞こえた。
振り返ると、そこにはバラエティ雑貨店:店長の厚島が居た。厚島はゆず子と目が合うと、こんな事を言い出した。
「はあ。何て自分てツイてないんでしょう?」
「どうかしましたか?」
「やっとね、自分と同世代の話し相手が出来たと思ったら、辞める事になっちゃったんですよ」
(杉田の事か?)
「あら。もしかして主婦さんですか?」
「よくご存じで。辞めた理由がね、『オメデタ』なんですよ~」
おめでたい理由の割に、厚島は浮かない表情だった。
「へえ。あの人幾つなんですか? 40くらい? すごいですね、オメデタだなんて」
「41歳ですよ。高校生のお子さんも居て、3人目になりますね。『高齢での妊娠だから大事を取りたい』って辞めてしまいましてね。
こう、ぽっかり穴が開いてしまいましたよ~。また募集かけないといけないですねぇ、参った参った」
3人目とは言え、40代での妊娠に感心する所もあったが、ゆず子には思い当たるフシもあった。
既に居る子供2人は高校生だ。年齢もあるが、あえてこのタイミングでの3人目も考えないのではないか。
男の嫉妬。それは時に出生率をも上げるのだろう。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

『食管法廃止と米の行方一倉庫管理者の証言』
小川敦人
経済・企業
エッセイ『食管法廃止と米の行方――倉庫管理者の証言』は、1995年に廃止された食糧管理法(食管法)を背景に、日本の食料政策とその影響について倉庫管理者の視点から描いた作品です。主人公の野村隆志は、1977年から政府米の品質管理に携わり、食管法のもとで米の一元管理が行われていた時代を経験してきました。戦後の食糧難を知る世代として、米の価値を重んじ、厳格な倉庫管理のもとで働いていました。
しかし、1980年代後半から米の過剰生産や市場原理の導入を背景に、食管法の廃止が議論されるようになります。1993年の「タイ米騒動」を経て、1995年に食管法が正式に廃止されると、政府の関与が縮小され、米市場は自由化の道を歩み始めます。野村の職場である倉庫業界も大きな変化を余儀なくされ、彼は市場原理が支配する新たな時代への不安を抱えながらも、変化に適応していきます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男と女の初夜
緑谷めい
恋愛
キクナー王国との戦にあっさり敗れたコヅクーエ王国。
終戦条約の約款により、コヅクーエ王国の王女クリスティーヌは、"高圧的で粗暴"という評判のキクナー王国の国王フェリクスに嫁ぐこととなった。
しかし、クリスティーヌもまた”傲慢で我が儘”と噂される王女であった――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる