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先輩とテスト勉強
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先輩と知り合って早一ヶ月。
中間テストを一週間前に控えた我が校は、大半の部活が休みになっている。
そんな訳で僕もあの魔境――じゃない部室に立ち寄らずにサイゼリヤでテスト勉強としゃれ込もうと思ったのだが、
「ふむ、やはり白ぶどうとホワイトソーダの組み合わせが一番だね」
「……なんで先輩がいるんですか」
「なんでって、テスト勉強のためだろう?」
「さっきっからドリンクバーを往復しているようにしか見えないんですがね」
テーブルには一人分の参考書しか広がっていない。
「大丈夫だ。教科書及び参考書の内容は全て頭の中に入っているとも」
この人性格はアレだけど、勉強はすごくできるんだよな。
性格はアレだけど。
「よく言われるよ。君は本当にいい性格をしているって」
「褒められてませんからねそれ」
「テスト勉強なんて日頃から勉強していればいいものを。一週間前に慌てて詰め込むなんて邪道もいいところだ」
「じゃあ先輩は日頃から勉強を――」
「いいやしてない。そんな時間あったら小説を書くとも」
神様仏様どうかこの先輩に一発デカい天罰かましてください。
「じゃあなんで僕なんかに付き合ってるんですか?」
「君のテスト勉強を手伝うために決まってるじゃないか」
「……え?」
「私はこれでも先輩だぜ? 後輩のテスト勉強を手伝うことくらい造作でも無い事さ。それとも、君は誰かの助けを借りるのは嫌かい?」
「いや……嫌じゃないですけど」
むしろ、学年トップの成績を誇る先輩に教えてもらえるなんて、断る要素が見つからない。
「うん、ならば遠慮無く手伝わせてもらうぜ」
にっと、先輩は笑った。
出会って一ヶ月、初めて先輩の先輩らしい一面を見れた気がした。
「ドリンクのお代わりに白ぶどうと紅茶のブレンドはいかがかな?」
「絶対にやめて下さい」
そしてそれは幻想だった
中間テストを一週間前に控えた我が校は、大半の部活が休みになっている。
そんな訳で僕もあの魔境――じゃない部室に立ち寄らずにサイゼリヤでテスト勉強としゃれ込もうと思ったのだが、
「ふむ、やはり白ぶどうとホワイトソーダの組み合わせが一番だね」
「……なんで先輩がいるんですか」
「なんでって、テスト勉強のためだろう?」
「さっきっからドリンクバーを往復しているようにしか見えないんですがね」
テーブルには一人分の参考書しか広がっていない。
「大丈夫だ。教科書及び参考書の内容は全て頭の中に入っているとも」
この人性格はアレだけど、勉強はすごくできるんだよな。
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「よく言われるよ。君は本当にいい性格をしているって」
「褒められてませんからねそれ」
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「うん、ならば遠慮無く手伝わせてもらうぜ」
にっと、先輩は笑った。
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