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追放はヒモ無しバンジーで
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「――ぐはっ」
眠りに落ちていった、と言ってもまさか本当に落下の衝撃があるとは思わなかったぜ――いや待て。
そんなアホなことがあるか。
この痛みは、紛れもない現実だ。
「一体何が……って何だこりゃ!?」
体が荒縄でがんじがらめに縛られていた。
亀甲縛りじゃないのが不幸中の幸いだ。
とは言え、こんなプレイ俺はご所望じゃないぜ。
解こうと体を動かすが、ただ無様にゴロゴロと転がるのみ
最悪だね、こりゃ。
「解けー! 妾は精霊ぞ!? こんな扱い方しちゃいけないんじゃぞー!」
と、エテルノも俺と同じようにイモムシになりながら抗議の声を上げてていた。
「おいエテルノ! こりゃ一体どうなってんだ!?」
「朝になったら此奴らが妾達を縛りに来たんじゃ! ぐぬぬ凍結も使えぬ……!」
しかしなんだろうな。
『美女が縄に縛られている』と言う字面はどことなく背徳的な――直球に言えばどエロいワードなワケだが、イモムシ状態のエテルノにはそれが微塵も感じられなかった。
いやまあ、こんな所でそんなモン感じてどーすんだって話だけど。
一応、エテルノを拘束しているのは女騎士だったので、そこら辺のコンプライアンスはあちらさんも心得ているってことか?
俺への気遣いは皆無にも等しいけどな。
「オイコラ離しやがれ! テメーらそれでも騎士か!? エテルノはともかく勇者の俺を縛るとか、打ち首獄門だぞコルァ!」
「黙れ!」
「がふっ」
脇腹を思いっきり蹴られ、内臓を思いっきり揺らされた。
「王座の前だぞ、罪人。次に無礼なことをしようものなら、首が飛ぶと思え」
そうやって睨め付けてくる女騎士の言葉に、ここが王座の間であることに気付く。
……しかし、なんなんだコレ?
俺に向かって向けられているのは、裏切り特有の粘つく悪意とは若干毛色が違う。
明確な憎悪と怒りの感情、と言ったところか?
「ああクソッ、何が何だってんだよ!」
混乱から抜け出せないでいると、俺達が運ばれてきたのとは別の扉が開き、一人の少女が入ってきた。
間違い無い。
あの女こそ、俺達をこの世界に招いた――いや、拉致した張本人。
フィーレ・マルドゥック。
病弱で寝たきりも同然になっている王に代わって政治を取り仕切っていると小耳に挟んだことがある。
確かに、なんだかんだで俺達と接することが多かったフィーレと比べて、王サマと会った回数は数えるくらいしかなかったな。
「……おい、姫サマ。こりゃ一体どう言うことなんだ? ドッキリにしては随分と悪趣味だぜ」
心にも無いことを言ってみる。
もしもこれらが全て演技だったとしたら、みんなまとめて役者に転向した方が吉ってもんだ。
フィーレはこちらを一瞥すると、傍らに控えているメイドに耳打ちした。
「……彼が、例の賊ですか?」
「肯定。自らを葬送勇者と自称」
いやに機械的な口調のメイドの言葉に、フィーレは嘆息した。
「またですか……」
「おい姫サマ無視すんな。こっちの話をだな」
じゃきっと、この部屋にある全ての剣が抜かれた。
すっかり忘れていたが、ユステイツは階級社会。
王族に生意気な口を叩くだけでも殺さかねない。
が、そんな空気を読む程俺はチキンじゃないぜ。
国家権力がなんぼのもんじゃい!
「おいおい、人を馬車馬みたいに働かせ解いて都合が悪くなったら即殺か? 随分とまあご立派な身分だな!」
エテルノの呆れかえった視線が痛いが、それに構わず言葉を連ねていく。
「つーかさっきっから何なんだよ、偽物偽物偽物って! そんなに偽物呼ばわりすんのなら本物出せ! あと他の奴らも連れてこいよなオーケイ?」
あいつらさえ来てくれれば、こんな不毛な事はすぐに終わる。
無実を掴み取った暁には、元の世界に帰るまでコイツらにネチネチ嫌みを言ってやる。
クックック、今に見てやがれ――!
「――いませんわ」
「……は?」
「彼らはもう、この世界にいないと言ったのです」
……いや。
いやいやいやいや。
「冗談、だよな? 帰ったって……まだ速いだろ!? 転移の儀は最低でもあと四日くらいはあるって!」
「何を言っているのですか? 転移の儀が執り行われたのは去年のことですのよ?」
言葉を失う。
「そして本物の葬送勇者様は、その数日前にお亡くなりになっていますわ。葬儀も既に済んでおります」
「……!」
死んだ……?
いや、そんなはずは無い。
俺は今、ここにいるじゃないか。
笑えない冗談は嫌いだぜ。
今もこの通り、顔が引きつりまくりだ。
「おい、小娘。この愚物が死んだと言うておるが、ちゃんと死体は確認したのじゃ?」
「……っ それだ! 死体がなきゃ、今までみたいなパターンってことになるだろ!?」
エテルノの助け船に、僅かな光明が差した。
「ええ、私を含め、他の勇者様方も確認しました。彼の遺体は国の英雄墓所に埋葬されていますわ」
光明が消えた。
「ドンマイじゃな。もう諦めよ千草」
「諦めてたまるかい! 何で俺死んでんだよ!? ぶっちゃけ俺を殺せる奴なんてあいつら除けば殆どいなかったはずだろ!?」
「……つまりあなたは、葬送勇者の死因を知りたい、と」
「あーそうだよ! 本人なんだから知る権利くらいあんだろ!」
「偽物にあるのは断頭台に上がる権利くらいなものですが……そこまで知りたいのならば、教えてあげましょう――モル貝ですわ」
「……はい?」
モル、貝――?
「モル貝って……アレだよな。食ったらウマいあれだよな?」
「はい、食ったらウマいアレです」
「なんで死ぬんだよ、食ったらウマいアレで」
「食ったらウマいアレは僅かながら毒素を含み、希に中毒が起こる事があります。本来ならば死ぬことは有り得ない話なのですが、モル貝を大量に食べていた葬送勇者様は毒素の分解が間に合わずそのまま帰らぬ人に……」
「ちょっと待てえええええええええええええええええ!」
頭の理解容量をものの見事に限界突破。
が、周囲のリアクションを見るに、フィーレが冗談を言っているように見えない。
そう、
つまり、
絶望的な状況から何度も生還した葬送勇者は、
「最終的にモル貝にアタって死んだっでことかよ!? そんなアホな話があるか! そんな死因があいつらが納得する訳が――」
「『千草らしい最期だ』とのことでしたが」
あいつらあああああああああああああああああああ!
「もう良いでしょう、罪人。本来であれば死罪ですが、今回は追放だけで許しましょう……ですが、次にこの王城に足を踏み入れよう物なら、問答無用で死刑ですわ。肝に銘じておきなさい」
「おい待て! 全然良くねえよ! ちったあ俺の話を聞き――」
――やがれ。
言い終わる前に、俺達は上空に転移していた。
追放とフィーレは言っていたが、なるほど誰も地上に追放するとは言っていない。
空だろうが海の中だろうが、場所は追放する人間の勝手と言う物だ。
まあ、
そんな訳で、
俺達は一日ぶり通算二回目のヒモ無しバンジーを堪能することになった。
眠りに落ちていった、と言ってもまさか本当に落下の衝撃があるとは思わなかったぜ――いや待て。
そんなアホなことがあるか。
この痛みは、紛れもない現実だ。
「一体何が……って何だこりゃ!?」
体が荒縄でがんじがらめに縛られていた。
亀甲縛りじゃないのが不幸中の幸いだ。
とは言え、こんなプレイ俺はご所望じゃないぜ。
解こうと体を動かすが、ただ無様にゴロゴロと転がるのみ
最悪だね、こりゃ。
「解けー! 妾は精霊ぞ!? こんな扱い方しちゃいけないんじゃぞー!」
と、エテルノも俺と同じようにイモムシになりながら抗議の声を上げてていた。
「おいエテルノ! こりゃ一体どうなってんだ!?」
「朝になったら此奴らが妾達を縛りに来たんじゃ! ぐぬぬ凍結も使えぬ……!」
しかしなんだろうな。
『美女が縄に縛られている』と言う字面はどことなく背徳的な――直球に言えばどエロいワードなワケだが、イモムシ状態のエテルノにはそれが微塵も感じられなかった。
いやまあ、こんな所でそんなモン感じてどーすんだって話だけど。
一応、エテルノを拘束しているのは女騎士だったので、そこら辺のコンプライアンスはあちらさんも心得ているってことか?
俺への気遣いは皆無にも等しいけどな。
「オイコラ離しやがれ! テメーらそれでも騎士か!? エテルノはともかく勇者の俺を縛るとか、打ち首獄門だぞコルァ!」
「黙れ!」
「がふっ」
脇腹を思いっきり蹴られ、内臓を思いっきり揺らされた。
「王座の前だぞ、罪人。次に無礼なことをしようものなら、首が飛ぶと思え」
そうやって睨め付けてくる女騎士の言葉に、ここが王座の間であることに気付く。
……しかし、なんなんだコレ?
俺に向かって向けられているのは、裏切り特有の粘つく悪意とは若干毛色が違う。
明確な憎悪と怒りの感情、と言ったところか?
「ああクソッ、何が何だってんだよ!」
混乱から抜け出せないでいると、俺達が運ばれてきたのとは別の扉が開き、一人の少女が入ってきた。
間違い無い。
あの女こそ、俺達をこの世界に招いた――いや、拉致した張本人。
フィーレ・マルドゥック。
病弱で寝たきりも同然になっている王に代わって政治を取り仕切っていると小耳に挟んだことがある。
確かに、なんだかんだで俺達と接することが多かったフィーレと比べて、王サマと会った回数は数えるくらいしかなかったな。
「……おい、姫サマ。こりゃ一体どう言うことなんだ? ドッキリにしては随分と悪趣味だぜ」
心にも無いことを言ってみる。
もしもこれらが全て演技だったとしたら、みんなまとめて役者に転向した方が吉ってもんだ。
フィーレはこちらを一瞥すると、傍らに控えているメイドに耳打ちした。
「……彼が、例の賊ですか?」
「肯定。自らを葬送勇者と自称」
いやに機械的な口調のメイドの言葉に、フィーレは嘆息した。
「またですか……」
「おい姫サマ無視すんな。こっちの話をだな」
じゃきっと、この部屋にある全ての剣が抜かれた。
すっかり忘れていたが、ユステイツは階級社会。
王族に生意気な口を叩くだけでも殺さかねない。
が、そんな空気を読む程俺はチキンじゃないぜ。
国家権力がなんぼのもんじゃい!
「おいおい、人を馬車馬みたいに働かせ解いて都合が悪くなったら即殺か? 随分とまあご立派な身分だな!」
エテルノの呆れかえった視線が痛いが、それに構わず言葉を連ねていく。
「つーかさっきっから何なんだよ、偽物偽物偽物って! そんなに偽物呼ばわりすんのなら本物出せ! あと他の奴らも連れてこいよなオーケイ?」
あいつらさえ来てくれれば、こんな不毛な事はすぐに終わる。
無実を掴み取った暁には、元の世界に帰るまでコイツらにネチネチ嫌みを言ってやる。
クックック、今に見てやがれ――!
「――いませんわ」
「……は?」
「彼らはもう、この世界にいないと言ったのです」
……いや。
いやいやいやいや。
「冗談、だよな? 帰ったって……まだ速いだろ!? 転移の儀は最低でもあと四日くらいはあるって!」
「何を言っているのですか? 転移の儀が執り行われたのは去年のことですのよ?」
言葉を失う。
「そして本物の葬送勇者様は、その数日前にお亡くなりになっていますわ。葬儀も既に済んでおります」
「……!」
死んだ……?
いや、そんなはずは無い。
俺は今、ここにいるじゃないか。
笑えない冗談は嫌いだぜ。
今もこの通り、顔が引きつりまくりだ。
「おい、小娘。この愚物が死んだと言うておるが、ちゃんと死体は確認したのじゃ?」
「……っ それだ! 死体がなきゃ、今までみたいなパターンってことになるだろ!?」
エテルノの助け船に、僅かな光明が差した。
「ええ、私を含め、他の勇者様方も確認しました。彼の遺体は国の英雄墓所に埋葬されていますわ」
光明が消えた。
「ドンマイじゃな。もう諦めよ千草」
「諦めてたまるかい! 何で俺死んでんだよ!? ぶっちゃけ俺を殺せる奴なんてあいつら除けば殆どいなかったはずだろ!?」
「……つまりあなたは、葬送勇者の死因を知りたい、と」
「あーそうだよ! 本人なんだから知る権利くらいあんだろ!」
「偽物にあるのは断頭台に上がる権利くらいなものですが……そこまで知りたいのならば、教えてあげましょう――モル貝ですわ」
「……はい?」
モル、貝――?
「モル貝って……アレだよな。食ったらウマいあれだよな?」
「はい、食ったらウマいアレです」
「なんで死ぬんだよ、食ったらウマいアレで」
「食ったらウマいアレは僅かながら毒素を含み、希に中毒が起こる事があります。本来ならば死ぬことは有り得ない話なのですが、モル貝を大量に食べていた葬送勇者様は毒素の分解が間に合わずそのまま帰らぬ人に……」
「ちょっと待てえええええええええええええええええ!」
頭の理解容量をものの見事に限界突破。
が、周囲のリアクションを見るに、フィーレが冗談を言っているように見えない。
そう、
つまり、
絶望的な状況から何度も生還した葬送勇者は、
「最終的にモル貝にアタって死んだっでことかよ!? そんなアホな話があるか! そんな死因があいつらが納得する訳が――」
「『千草らしい最期だ』とのことでしたが」
あいつらあああああああああああああああああああ!
「もう良いでしょう、罪人。本来であれば死罪ですが、今回は追放だけで許しましょう……ですが、次にこの王城に足を踏み入れよう物なら、問答無用で死刑ですわ。肝に銘じておきなさい」
「おい待て! 全然良くねえよ! ちったあ俺の話を聞き――」
――やがれ。
言い終わる前に、俺達は上空に転移していた。
追放とフィーレは言っていたが、なるほど誰も地上に追放するとは言っていない。
空だろうが海の中だろうが、場所は追放する人間の勝手と言う物だ。
まあ、
そんな訳で、
俺達は一日ぶり通算二回目のヒモ無しバンジーを堪能することになった。
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