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1章
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ビアンカは、散々話して満足したのかニコニコしながら帰っていった。うう、本当に大変だった……。ジョシュアはさっさとどこかに逃げちゃうし、ビアンカはなんだか難しいことばっかり話すし。
今日はなんだか疲れたな。お茶会でたくさんパイを食べたから、晩御飯はいらないって言っちゃった。これって「悪役令息」につながるかな。ううん、心配。
でも悪いことだけじゃなかった。ビアンカと話している中に、いいアイディアがあるんだ。
「よーし、気分を変えて作戦会議をするぞ!」
書きかけのノートを開いて、今日の日付を書く。いい子になる、ジョシュアと仲良くなる、としか書かれていないページの下に、今日わかったことを書いていく。
ビアンカがよく話していることは普段適当に聞き流しているけれど、その中に大きなヒントがあったんだ。そう、ビアンカが好きなもの。それは。
「仲のいい二人がいっつも出てくる本。これを読めば、僕もジョシュアと仲良くなれるはず!」
そう、ビアンカの愛読書。それにきっとヒントがあると思ったんだ。うん、我ながらいいアイディア!
ええと、なんていう本だったかな。どれも同じようなタイトルだし、読んだことがないからあまり詳しくない。図書館に行けば置いてあるかな。
「明日、行ってみようかな」
これで一歩前進、かな。
ビアンカとのお茶会も案外役に立つ。これからも定期的に開催されるってジョシュアが言っていたし、その時に色々と聞いてみよう。
あとは、うーん。
「ジョシュアが好きなもの……好きなものってなんだろう」
やっぱり相手の好きなものとか、好きなことを知らないと作戦は立てられない。それも探らないとなぁ。ゲームの中ではジョシュアが主人公で、基本的には彼を動かしていた。でも、だからというべきか、彼の好きなものや嫌いなものはほとんど明らかにされていない。
回復アイテムを与えても無反応、どう考えてもまずそうなご飯を食べさせても無反応。RPGの主人公って大抵そういうものだから今まで気にしたことなかったけど、それが仇になっている。
うう、これはまずい!
「とりあえず、ジョシュアについてよく知らないと! 明日から観察するぞ」
これで方向性は決まった。
一つ、ジョシュアについて知る。
二つ、仲良くなるための本を読む。
これだ!
「うふふ、楽しみだな」
相変わらず僕の未来には破滅が待っている。でも、道を照らす光が見つけられた気がして、気持ちがふっと軽くなった。
今日はなんだか疲れたな。お茶会でたくさんパイを食べたから、晩御飯はいらないって言っちゃった。これって「悪役令息」につながるかな。ううん、心配。
でも悪いことだけじゃなかった。ビアンカと話している中に、いいアイディアがあるんだ。
「よーし、気分を変えて作戦会議をするぞ!」
書きかけのノートを開いて、今日の日付を書く。いい子になる、ジョシュアと仲良くなる、としか書かれていないページの下に、今日わかったことを書いていく。
ビアンカがよく話していることは普段適当に聞き流しているけれど、その中に大きなヒントがあったんだ。そう、ビアンカが好きなもの。それは。
「仲のいい二人がいっつも出てくる本。これを読めば、僕もジョシュアと仲良くなれるはず!」
そう、ビアンカの愛読書。それにきっとヒントがあると思ったんだ。うん、我ながらいいアイディア!
ええと、なんていう本だったかな。どれも同じようなタイトルだし、読んだことがないからあまり詳しくない。図書館に行けば置いてあるかな。
「明日、行ってみようかな」
これで一歩前進、かな。
ビアンカとのお茶会も案外役に立つ。これからも定期的に開催されるってジョシュアが言っていたし、その時に色々と聞いてみよう。
あとは、うーん。
「ジョシュアが好きなもの……好きなものってなんだろう」
やっぱり相手の好きなものとか、好きなことを知らないと作戦は立てられない。それも探らないとなぁ。ゲームの中ではジョシュアが主人公で、基本的には彼を動かしていた。でも、だからというべきか、彼の好きなものや嫌いなものはほとんど明らかにされていない。
回復アイテムを与えても無反応、どう考えてもまずそうなご飯を食べさせても無反応。RPGの主人公って大抵そういうものだから今まで気にしたことなかったけど、それが仇になっている。
うう、これはまずい!
「とりあえず、ジョシュアについてよく知らないと! 明日から観察するぞ」
これで方向性は決まった。
一つ、ジョシュアについて知る。
二つ、仲良くなるための本を読む。
これだ!
「うふふ、楽しみだな」
相変わらず僕の未来には破滅が待っている。でも、道を照らす光が見つけられた気がして、気持ちがふっと軽くなった。
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