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梅雨【6月長編】

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「さかぐち、またねー」
「おーう」
    お腹いっぱいになったご主人は、さかぐちさんのお家を出発して次の目的地へと向かうことにしたそうです。ぼくとちびちゃんも風呂敷に包まれ、準備万端です。
    さあ、次はどこへ行きましょうか、ご主人!
「迷子になるなよ」
「だいじょーぶ!    たぶん……」
    少し自信なさげに言ったあと、ご主人はぽてぽて歩き始めます。一体どこへ向かうのでしょう?
    とはいえ、ご主人が知っているのはさかぐちさんのお家と、あとは一つしかありません。問題は一人でそこに行けるかどうかです。なんと言っても前回はぎりぎり迷子になりかけたのです。それでも迷子にならなかったご主人はとてもすばらしいです!
「うかしゃ、まだいるかな」
    うーん、どうでしょう。もうすぐ戻られると言っていたので、もしかしたら居ないかもしれません。
    ご主人はあの小さくてふわふわな生き物が大好きだったので、もう会えなくなるのが寂しいのかもしれません。ぼくはしっぽを掴まれなくて済むと思うと、安心ではありますが。
「まっすぐいって、ずーっとあるいて、そしたらおはなが見えるんだよね」
    そうです!    さすがご主人、よく覚えています!
「よーし、おだしゃにあいにいくぞー!」
    おー!
    みんなで頑張りましょう!
    ぼくたちの旅はまだまだ続き
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