このたび、小さな龍神様のお世話係になりました

穀雨 【4月長編】

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    その後、家に戻って簡単に案内しているとあっという間に夕方になっていた。いつも通り晩ご飯を作ろとう思い、そこではたと気がついた。
    犬って何を食べるんだろう。
    ちびすけは子猫用のキャットフードを食べているし、しらたきはもちろん何も食べない。おみは人間と同じもので大丈夫だけど、海鈴はどうしたらいいんだろうか。
    猫よりも食べられないものは少ないと聞いたことはあるが。
「おなかすいたねー」
「すいたっす！」
「かれーたべたいなー」
「カレー好きっすー！」
    あ、カレー食べられるんだ。なんか意外だな。犬って玉ねぎとかスパイスとか、食べちゃダメなはずなのに。
    しかも、俺はカレーに隠し味としてチョコレートを入れる。これもまた犬に食べさせてはいけないものランキング上位に入るものだ。だから、今日の献立を変更しないといけないと思っていたが、その必要はなさそうだ。
「ぼく、眷属なので！    人と同じものが食べられるっす！」
「玉ねぎとかも？」
「好きじゃないけど、食べられるっす！」
「眷属ってすごい……」
    どうやら食べるものに関しては、あまり心配しなくてよさそうだ。確かに見た目は子犬とはいえ、喋るし空を飛ぶし、神の眷属であることには違いない。
    いつか、おみもピーマンを食べられるようになるのかなぁ。それこそ千年経たないと無理なのかな。
「りょーたのかれーね、おいしーの」
「おお、楽しみっす！」
「おみ、ごはんたくー」
「じゃあみんなでカレー作るか」
    明日から忙しくなるんだ。お腹いっぱい食べて、元気をつけないとな。