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支店 3
しおりを挟むあれから俺と雄樹は普段と変わらない日々を過ごした。本当は気になっていたし、知りたくないといえば嘘にもなる。
だけど、雄樹がアホやって、それを仁さんと笑っている。それだけで俺は楽しかった。だから、これがぎこちなくなるくらいなら、なにも聞かずにいようと思う。
そんな俺の心情を察したのかなんなのか、雄樹は相も変わらずアホだった。
それよりも――俺は困っていた。
先日、雄樹が小鹿になる事件が発生したが、そのとき隆二さんが置いて行った千円。これが俺の悩みの種である。
雄樹が勝手に決めたお粥の値段は五百円。つまり、おつりの五百円を返せないままだったのだ。
雄樹が一緒のときに返そうなんて言ったものなら、恐らく小鹿どころかミジンコになるまで震えるだろうし、隆二さんだってきっと、少なからず雄樹の発言に傷つく。
一方的に雄樹が喧嘩を売っていた気もするが、隆二さんだって人間なのだから少しくらい嫌な思いもするだろう。
……だから、俺は隆二さんにどう返そうかと悩んでいた。
「……やばい! 閃いた!」
「う、わ。びっくりしたー。どしたのトラちゃん」
昼、いつものようにお粥を作っているとき、神は降りてきた。
そう、あの、あの席でなぜかまたお粥を食いに来ている元調理室の住人、あの人に頼めばいい! やべー、俺かなり冴えてる!
「えー、なにトラちゃん、その笑顔きもーい」
「……アホに言われたくねー」
隣で歓喜に震えている俺をばっさり切り捨てた雄樹は、ケラケラ笑っていた。
しばらくして、元調理室の住人でリーダー格だろう男が仲間たちと立ち上がる。いつものように雄樹に千五百円を渡すと、のんびりとした歩調で出入り口へ向かっていった。
俺はちらりと雄樹を見る。ついでに鍋の様子もみて、平静を保ちながら言った。
「雄樹、ちょっとトイレ行きたいから鍋見てろ」
「ん? はいはーい」
よし、いける。
鍋の前にやってきた雄樹に「よろしく」なんて言いつつ、俺も出入り口へと向かう。廊下に出てリーダーさんを探し、すぐさまあとを追った。
「すみませんっ!」
「あ?」
雄樹にバレない程度の声量で叫ぶ。リーダーさんは不機嫌そうに振り向き、俺を見るやいなや少しだけ驚いた顔をした。
「あの、すみません、ちょっとお願いが……」
「……なに?」
「これ、その……高科隆二さんに渡して欲しいんです」
「は? 隆二さん?」
さらに驚いたリーダーさんの言葉に頷くと、彼はおもむろに頭のうしろを掻いた。
「あー……その、俺も聞いてやりてぇけど、隆二さんじゃ無理だ」
「え? ……そ、ですか」
「……でもまぁ、隆二さんじゃなくて、ブラックマリアのやつ経由なら頼めるかもしんねぇ」
一瞬意味が分からず彼を見つめていると、彼は小さく息をこぼす。
「クラス同じやついんだよ。だから、そいつに頼んでみる。で、渡すのはこれだけでいいのか?」
「……あっ! はいっ、これ返して欲しいんですっ!」
「おー、分かった分かった。じゃあよ、代わりに今度、違うもん作ってくれよ。卵も梅も美味いんだけど、……飽きるからな」
「あー……ははっ、ですよね。はい、了解です」
自然に出てきた笑みをそのままに、俺は若干照れくさそうなリーダーさんに五百円玉を渡した。多分、これでどうにかなるだろう。
思わずスキップでもしそうな勢いで、俺は調理室へ戻っていった。
「――というわけで、新メニューを考えます」
「なんだぁ、トラ、お前やる気じゃねーの?」
「はい、今日の俺は本気ですっ」
放課後、いつものようにカシストにてお粥を作りながら、俺は仁さんに宣言なるものをした。
俺の言葉に「じゃあいつもは本気じゃねーのか?」なんてからかわれたが、今日の俺は一味違うぜ。
「じゃあねー、チョコレート粥がいいと思うのー」
「アホ山アホ樹くん、少し黙れ」
「なにその名前ー! ネーミングセンスひどーい!」
女性客に言われ、フリルエプロンだけだった雄樹は最近カチューシャまでつけている。そんなアホの発言をばっさり切って、俺はネサフで手に入れたお粥レシピを見つめる。
「これとかいいんじゃね? 栄養もありそうじゃん」
「あー、でも長ネギって、女性客にはどうなんですかね?」
「あー、なるほどな……。じゃあこっちは? しょうが」
「しょうがですか……まぁ、温まりますね」
「だろ? まぁ俺的にはこっちの鶏肉使った中華粥のがいいけど」
カウンターにてそれぞれお粥やカクテルなどを作りつつ印刷してきたレシピを見る。
そんな俺と仁さんを雄樹が羨ましげに見ていたが、目が合ったときにピースをしてみせれば、ありもしない雄樹のしっぽが揺れた気がした。
「中華粥っていいですね。鶏肉なら女性客にも抵抗なさそうですし」
「よし、んじゃあちょっと作ってみるか」
「え!? 今ですか!?」
「おー、今日は客が少ねーからな」
善は急げ、そんなことを言いながら仁さんは冷蔵庫から鶏肉を取り出した。しぶしぶ俺もまな板をさっと洗い、受け取ったモモ肉に包丁を入れる。
ふと店内を見てみれば、確かに今日は客入りが少ない。しかしよくよく見れば、こんなムードのあるバーでお粥って……。複雑な心境でモモ肉を切っていると、エレベーターが開いた。どうやら客が来たらしい。
「あ」
そちらに目を向け、思わず声を出す。
まだ気づいてはいない雄樹は女性客と楽しそうに話していたが、すぐにその視線はエレベーターのほうへ向いた。
やばい、そう思って包丁をまな板に置けば、彼は何食わぬ顔でこちらへやって来た。
「よ、小虎」
「……隆二、さん」
ブラックマリア副総長、隆二さんがやって来たのだ。
彼は俺への挨拶も早々に、仁さんのほうへ顔を向ける。
「お久しぶりです」
「……おー、元気そうだな」
「はい。みんな相変わらず馬鹿ですよ」
「ははっ、お互い様だろ。うちのアホも迷惑かけたんだってな? 悪かった」
「いえ、俺も軽率でしたから」
俺には分からない会話を聞きながら、ちらりと雄樹のほうを見る。やつは不機嫌をあらわにして、こちらへと歩いてきた。
「隆二さん、なにしに来たんですかアンタ」
「よ、雄樹もこのあいだぶりだな」
「挨拶しろっつってんじゃねぇんだよ。なにしに来たって聞いてんの」
今にも噛みつきそうな勢いで、雄樹は隆二さんに敵意を向けている。それを注がれる本人は気にするでもなく笑顔を浮かべてはいた。隣で仁さんがため息をつくのを見て、俺は鍋のほうに視線を移す。やべ、煮だってる。
「なにしにって、そりゃお粥食いに来たんだよ。このあいだ邪魔されたからな」
「はぁ?」
馬鹿じゃねーの。そんなことでも言い出しそうな雄樹の顔。
それでも俺は雄樹が先日よりもいくぶん堪えているのが分かっていたので、とりあえずお粥作りをつづけることにした。
「小虎、五百円受け取った。で、それでお粥食べたいんだけど?」
「え? あぁ、はい。なににします?」
唸りそうな雄樹との会話をすぐさま切り上げ、隆二さんは俺の前にあるカウンターチェアに腰を下ろす。
俺の問いに少し悩んだ彼は、じっと俺の手元を見た。
「鶏肉? 新メニュー?」
「はい。卵と梅だけじゃ飽きるって言われて」
「ふーん? じゃ、それで」
「? どれですか?」
「その新メニュー、食わせて」
「え、いや、まだ決定した訳じゃないし、そもそも試食もしてないし」
「いいよ。小虎が作ったもんが食いてぇから」
えぇー。なんかタラシだなこの人。とか思いながら仁さんのほうを見れば、彼は「作ってやれ」みたいな顔でため息をついていた。
……ま、いっか。あ、それより五百円、ちゃんと返せたんだ。あの人にもお礼しないと。
作りかけの中華粥を再開させれば、仁さんはまたため息をつきながらカクテルを作り始めた。俺と仁さんが隆二さんを受け入れたのが気に食わないのか、雄樹はずっと彼の背中を睨みつけている。
「おい雄樹、仕事しろ。ていうかお前さ、その姿で睨んでも凄味ねぇから」
「……トラちゃん」
そんな雄樹を見かねて声をかければ、やつはありもしない犬耳をしゅんっと下げて俺を見る。
仁さんが少し笑った気もしたが、念を押すようにもう一度言えば、雄樹はうなだれたまま接客へと戻っていく。
「犬みてぇだなアイツ」
「あ、やっぱり思います? 俺も最近ありもしない犬耳やしっぽが見え始めて……」
「はは、分かる」
そんな雄樹を笑う仁さんに返事をすれば、彼は理解してくれた。やはりあの犬耳としっぽは気のせいではなかったんだな。
一人納得すれば、できあがったカクテルを仁さんが隆二さんの前に置く。それを見た隆二さんは少し驚いた表情をしたが、すぐ笑みに変わって礼を言った。
「覚えててくれたんですね、これ」
「あ? 当たり前だろ、何年付き合ってっと思ってんだ」
「あはは……はい、ですね」
少しだけ、本当に少しだけ嬉しそうに、隆二さんは置かれたカクテルを眺めている。
淡い茶色をしたカクテルは、なんだか隆二さんの髪色を連想させた。
なにか思惑したあと、彼はカクテルを口に運ぶ。たったそれだけの動作でさえやけに美しくて、店内の淡いライトが相まって彼の姿は絵になっていた。
「……やっぱり、仁さんのアレキサンダーが一番です」
「……そうかよ」
懐かしむように隆二さんが言う。そのセリフに仁さんも懐かしむように答えた。そんな二人の空気に割り込んでいける勇気もなく、俺はできあがったお粥をいそいそとお盆にのせた。
「あ、できたのか?」
「はい、一応……」
そんな俺に気づいた仁さんがお粥のほうをじっと見る。なにか問題でもあったのだろうかと不安になっていれば、彼は俺の頭を撫でてお盆ごと隆二さんへ差し出した。
「お、美味そう。やっぱり小虎の料理っていいな」
「? 普通のお粥ですよ?」
「んー、まぁな。でもデスリカでも結構噂になってんだよ。カシストで美味いお粥があるって」
「えぇー……」
当初の目的は確かにそれだった。デスリカから客を呼び込むこと。だけど、実際そこで中心核となっている人物に言われてしまえば妙な気恥ずかしさが襲ってくる。
「だから、気になって学校で食おうと思ったんだけどな。まぁ、雄樹にバレて気ぃ悪くさせた」
「……」
お粥を見る彼の目が湯気のせいか揺らいでいる。
俺には皆目見当もつかない話だが、それでもいつもアホな雄樹がモロヤンキーに変わってしまうのだ。きっとちょっとやそっとのことではない何かが、この人たちにはあるのだろう。それを知ろうとは思わない。確かに、ちょっと疎外感は感じている。
「けど、少し安心した」
「? なにに?」
「雄樹に、小虎っていうダチができて」
ふわり。彼が笑う。やはり空気が浄化していくような、そんな真っ当とは思えないことが普通に浮かぶくらい、柔らかな笑み。
そんな笑顔を雄樹にも見せればいい。そうしたら、きっとあいつだってあんな馬鹿みたいに喧嘩も売らない。……多分。
「でも、俺には……その、確かに喧嘩腰ではあるけど、本当に嫌ってるようには見えません」
「え?」
「だってそうでしょ。あのアホが尊敬してねーやつにさん付けなんて、絶対にしない」
そう、そうなんだ。
雄樹は確かにアホだし、いつも宇宙人みたいなこと言ってくるし、髪色だってなんかコロコロ変わるけど、でもそうだ。
雄樹は本当に尊敬しているやつには、ちゃんとそれ相応の対応を見せている。
間違ったことは言っていないと、俺は隆二さんを真っ直ぐ見た。
彼は驚いたまま固まっていたが、時間をかけて顔をくしゃりと綻ばせ、苦笑を浮かべる。
「なんか、敵わねー」
ぽつり、吐き出された言葉の裏に気恥ずかしさを垣間見た気がして、俺の口元も緩んだ。そんな俺と隆二さんを見ていた仁さんも、いつのまにかその柔らかな輪の中で微笑んでいた。
「じゃ、俺はこれで」
「おう」
お粥を食べ終えた隆二さんは、長居する気もないのかすぐ席を立つ。その視線が一度雄樹のほうに向いたが、雄樹は若干ふてくされたまま客に弄られていた。
「おい、隆二」
「はい?」
それを見て困ったように眉を下げた隆二さんを見かねて、仁さんが声をかける。
つられて俺も仁さんを見れば、彼は憑き物でも落ちたような表情をしていた。
「いつでも好きなときに来い。アレキサンダーくらいなら出してやる。ついでにお粥も、な」
「……仁さん」
はっきりと、だけど柔らかな声が届いたのを俺は見た。仁さんも隆二さんも照れくさそうな笑みを浮かべ、互いに視線を交える。
「はい、また来ます」
「おう」
長年の因縁が溶けていくような、そんな空気なんだと思う。
ずっと背中に張り付いて、取れそうにもない不安要素がやっと、やっと落ちたような、清々しく、爽やかでいて少し恥ずかしい。こういう空気を、人はなんと呼ぶのだろう。
俺はそんなことを考えながら、上の階へと消えていく隆二さんの背中を見送った。
「悪いな、全然分かんねぇだろ」
「え? なにがです?」
「俺たちの話」
「あ、あー……まぁ。でも、いいんじゃないですか?」
エレベーターの扉が完全に隆二さんの姿を遮断したあと、苦笑を浮かべた仁さんに頭を撫でられた。
「いいってなにが?」
「んー、なんつーか、空気? うまく言えませんけど、居心地が悪いわけじゃなかったです」
「ははっ、なんだそれ」
なんだか嬉しそうな仁さんはいつになく俺の頭を撫でまわす。
大きくて筋張ったその手が何度も何度も頭上で動いているのを、俺は言いようのない気持ちで受け入れていた。
それから、俺と仁さんは拗ねた雄樹を慰めるためにさっさと店じまいをして、上にあるダーツバーで朝まで遊んだのであった。
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