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3、かくれんぼだ!
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あれから五年経ったのだが、一度も外には出られていない。
それどころか悪役のように思いっきり話すことも未だできていない。
ダダをこねてみようか、と思う時もあるけれど気が引けて結局はできない。
転生してからは、体調もあまり良くなく体力もないので、お庭にもあまり出れない。
現在、天気は晴れ、かいせいだ。
だけど、今日もこのままベットの上かな。
というかいつもより早く起きちゃった。
「レティ、おはよう」
「おはよう、です」
碧い瞳に白と銀が混ざったような髪色のいかにもモテそうなイケメンさん。
それが、いつも朝一番に僕の部屋に入ってくるのはソレティスお兄様ことディスお兄様だ。
…会話が続かない。
普通ならまだ会話のキャッチボールは続くだろうけど、僕にとっては難しいことなのだ。
自分の話す話題は楽しいのか、もしかしたら相手がつまらないと思っているのではないかと不安になってしまう。
つい、周りの目を意識してしまうのだ。
「ぁ、」
「レティ、無理に話す必要はないんだよ」
自分の中で考えたり、喜怒哀楽を表すのはあまり難しくはない。
だから、たまに楽しい!とか悲しいなぁとか思ったりする。
けれど、それを表に出すのはしなんのわざだ。
「レティはレティだから。
自分のペースで行動するんだ。
レティの邪魔をする人なんていないのだから」
嘘偽りでもそう言ってもらえて嬉しかった。
だけど、こんなふうに気を使ってもらえるのも幼少期だけなのだ。
小学校や中学校があるかは分からないけれど、中学校に上がる頃には他から求められるレベルで行動しないといけないんだ。
実際、僕の前世はそうだった。
「あぅ、でも」
手をぎゅっとにぎって、
「レティは好きなようにすれば良いんだよ」
そして、抱きしめてくれる。
いつもいつも不安になっているとこんなふうに僕をはていしてくれる。
「今日は、少し動いてみようか。」
「え、動く?」
「かくれんぼをしてみようか」
本当!?嬉しい。
「ふふっ、そんなに嬉しいか?」
コクリと頷いてみせた。
だって、保育所とかで皆でかくれんぼをしたことはあるけど見つけてもらえない、というか僕を探そうともしてくれなかった。
仲が良くて明るい子同士がかくれんぼでケンカしたり、大人しい子達もその子達でワイワイとしゃべっていた。
けれど、その輪に入れなかった僕はひとりぼっちだった。
そんな僕を気づかって先生は他の部屋で遊ばせてくれた。
「まずは、ご飯にしようね」
兄様は、僕を抱き上げてエレベーターの方に向かった。
◆◆◆◆
久しぶりの投稿です。
張り切っていきたいと思います。
投稿が続くかは置いておいて。
それどころか悪役のように思いっきり話すことも未だできていない。
ダダをこねてみようか、と思う時もあるけれど気が引けて結局はできない。
転生してからは、体調もあまり良くなく体力もないので、お庭にもあまり出れない。
現在、天気は晴れ、かいせいだ。
だけど、今日もこのままベットの上かな。
というかいつもより早く起きちゃった。
「レティ、おはよう」
「おはよう、です」
碧い瞳に白と銀が混ざったような髪色のいかにもモテそうなイケメンさん。
それが、いつも朝一番に僕の部屋に入ってくるのはソレティスお兄様ことディスお兄様だ。
…会話が続かない。
普通ならまだ会話のキャッチボールは続くだろうけど、僕にとっては難しいことなのだ。
自分の話す話題は楽しいのか、もしかしたら相手がつまらないと思っているのではないかと不安になってしまう。
つい、周りの目を意識してしまうのだ。
「ぁ、」
「レティ、無理に話す必要はないんだよ」
自分の中で考えたり、喜怒哀楽を表すのはあまり難しくはない。
だから、たまに楽しい!とか悲しいなぁとか思ったりする。
けれど、それを表に出すのはしなんのわざだ。
「レティはレティだから。
自分のペースで行動するんだ。
レティの邪魔をする人なんていないのだから」
嘘偽りでもそう言ってもらえて嬉しかった。
だけど、こんなふうに気を使ってもらえるのも幼少期だけなのだ。
小学校や中学校があるかは分からないけれど、中学校に上がる頃には他から求められるレベルで行動しないといけないんだ。
実際、僕の前世はそうだった。
「あぅ、でも」
手をぎゅっとにぎって、
「レティは好きなようにすれば良いんだよ」
そして、抱きしめてくれる。
いつもいつも不安になっているとこんなふうに僕をはていしてくれる。
「今日は、少し動いてみようか。」
「え、動く?」
「かくれんぼをしてみようか」
本当!?嬉しい。
「ふふっ、そんなに嬉しいか?」
コクリと頷いてみせた。
だって、保育所とかで皆でかくれんぼをしたことはあるけど見つけてもらえない、というか僕を探そうともしてくれなかった。
仲が良くて明るい子同士がかくれんぼでケンカしたり、大人しい子達もその子達でワイワイとしゃべっていた。
けれど、その輪に入れなかった僕はひとりぼっちだった。
そんな僕を気づかって先生は他の部屋で遊ばせてくれた。
「まずは、ご飯にしようね」
兄様は、僕を抱き上げてエレベーターの方に向かった。
◆◆◆◆
久しぶりの投稿です。
張り切っていきたいと思います。
投稿が続くかは置いておいて。
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