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58 帰還。
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一緒に寝たかったけれど、ネネは部屋に戻り。
僕は人としての睡眠に徹し、朝を迎えた。
《おはよう、ネネ、お帰り》
「おはようございます、ただいま」
《お帰り》
ネネをハグをした瞬間、激痛を伴う様な電撃を感じた。
そこに含まれる怒り、嫉妬が頭に直接響いた様で。
「どうかしましたか」
《静電気、かな、痛くなかった?》
「何も有りませんでしたけど、無断でハグした天罰では」
《ごめんね》
「それよりユノちゃんの事です」
《うん、石化中も聞こえてはいたよ。帰還したらしいって報告を受けてるし、コッチでも存在が消えた事は確認されたって》
「大丈夫だと思いますか」
《勿論、全く何も持っていなかったワケじゃないでしょ?》
「まぁ、小さなポーチは持ってましたけど」
《信じよう、もう時差が生じた時点で同じ時間、同じ場所に行けるとは限らないんだから》
「はい」
《良く帰って来てくれたね、嬉しいな》
「返事を保留にはしていますので」
《決まった?》
「聞きたいですか」
どうしてなのか、もしココで聞いてしまったら、良い返事が貰えない気がした。
ただ、何故、どうしてなのかは分からないけれど。
《何が美味しかった?》
「イクラ丼ですね」
《その次は?》
「イクラ丼」
《3位》
「松風」
《松風?》
「和菓子です」
『失礼します』
「ただいま帰りました」
『はい、良く帰って来て下さいました』
何かが変わった事に、僕らは気付かなかった。
それに今でも、あの時は気付けなかったと思う。
『っつ』
「静電気ですかね」
『ぁあ、すみません』
「いえ、コチラは何も感触が無かったので、お気になさらず」
ココで俺は気付けず、違和感のみでしか無かった。
ネネの変化はルーイの事、そして里帰りによるものだろう、そう思い込んでいた。
《荷解きは必要無いかも知れないけど、落ち着いたら色々と聞かせて欲しいな》
「大した事は無いですよ、ただ、悪くない場所でした」
《また行きたい?》
「追々、他にも見回るべき場所が有るかと」
《そう?》
「無いですか、候補」
《有るよ》
「はぁ、中つ国です、すっ飛ばして日の出国に行ったので」
《一緒にシルクロードを回ろうか、それなら許されるだろうし》
「あ、処女に戻りましたので体の付き合いは無理ですよ、兄も出来たので結婚までは操を立てます」
《うん、分かった》
「素直」
《結婚すれば良いだけだからね》
「100個、私の良い所が先に言えた方に10点、内容次第で最大50点。私が喜ぶ贈り物1つで3点、同じく行いについても3点、100点満点になったら結婚します」
《じゃあ、同時に100点になったら?》
「其々と結婚しますが、酷く不本意な行動をしたら、1~10以内で減点です」
《良心的だね》
「家族を安心させる為の結婚でも有ると思うので、詳しくは改めて書類を提出します。それと、改訂は事前告知無しに行います」
《改悪されない様に気を付けるよ》
「頑張って下さい、落ち着いたら報告もします、失礼します」
《うん、また後でね》
「はい、では」
何処かで、僅かにネネの不安定さを期待していたらしい。
俺も、ルーイも。
《ごめんね、ありがとうレオンハルト》
『いえ』
《元気そうで、前のネネに戻ったみたいで、少し残念だな》
『ユノが来る前の彼女に似ていますが、安定している様にも見えます』
《だね。不安だなぁ、兄が出来たって、絶対にそのせいだろうし》
『ですが、報告書には何も無かったかと』
《当初の予定が変更され、竜人族の案内、住居の提供へと変更。だけ、だもんね》
『コチラの思う竜人族と、同一なのでしょうか』
《あぁ、東洋には2種、けれどコチラへの表記は1つのみ。後でネネに尋ねよう、一緒に》
『はい』
蛇とは似て非なるモノ。
ネネは、そうしたモノを背負い帰って来た。
《蛇とは似て非なるモノの気配がするが》
「あぁ、龍人族の守護かと」
守護程度の生易しい加護では無いんだが、ネネは分かっているのだろうか。
《相当だが》
「清い水に困らない、とか、ココでも影響が出るなら確かに凄いかも」
知らずに背負わされたか。
《あぁ、そうだな》
「兄が出来ました、口説かれたけど兄なのでお断りしました」
あぁ、だからか。
《やはり1人にさせるのは問題だな》
『だね、必ず誰かに気に入られて帰って来るとか困る』
「あ、処女に戻ったんですけどどうですかね」
『あ、本当だ』
《家族の為の操か》
「そう言う事にしておいて下さい」
《分かった》
『えー、男の方もダメ?』
「確かに、考えて無かった」
《人種にはどう条件を出した》
「結婚まで処女を守る。ただ正直、体で繋ぎ止める安全策を失うのは怖いとも思います」
《ならコチラが女で致せば構わないだろう、妊娠のリスクはコチラが負うだけなのだから》
「卑怯では」
《真に卑怯な行為は覆す事、一方的で有る事、逃げ道を無くす事だろう》
「まぁ、ですけど」
《アレらがどう出るかも試せるが》
「確かに、では保留で」
『撫でるのは?』
「性行為と撫でが同義ですか」
『近い』
《まぁ、個体によるがな》
「撫で禁止は、ちょっと耐え難いので続行です」
『お風呂』
「アリで、取り敢えず撫でます」
『うん』
《では影で休んでおこう》
ネネの中にも、気配は確実に影響を及ぼしていた。
蛇とは似て非なる東洋の龍、翼も無しに飛ぶ、竜とも違うモノ。
かくも我儘に、勝手に住み着くなどとは。
『俺の妹だ、粗末に扱ってくれるな』
あぁ、そこまで。
ココまでネネを。
《龍が、住み着いていた》
「問題は」
《いや、無い》
「すみません、そうなるとは思わず」
《構わない、似て非なるモノだが、同族とも言える。しかも向こうは水の中、競合する事は無い》
「あぁ、自分で見れませんでしょうか」
《そうか、見れぬか》
「ココの方は見れるんですね」
《あぁ、だが全てでは無い、道を開いておく。夢にて邂逅出来るだろう》
「あまり夢は見ない方なんですが」
《慣れだ、いつか望む様に見れるだろう》
「ありがとうございます」
『お昼寝しよう』
「ですね」
蛇が言っていた通り、ネネの中に龍が居た。
ただ、コレとは意思疎通が出来ない。
幽霊だとか、残滓。
神様になる位、ネネに惚れたらしい。
『俺の妹だ、粗末に扱ってくれるな』
『妹?』
《東洋では、時に親しい女を妹、と呼ぶそうだ》
『ふーん、親しい、ね』
《まぁ、そう言う事だ。文のやり取りが多く、妻と記す危険性を考慮しての事、だろう》
『あぁ、人のモノが良く見える、だとか人質にされても困るからか』
《あぁ、だろうな》
『でもコレ、ソッチの意味だよね』
《だが、今生で叶わぬと理解し、こうなったのだろう》
『凄い覚悟だよね、死ぬも同然なのに』
《まぁ、その方が楽だと思う程、だったのだろう》
『順番が違えば、俺達はココにすら居られなかった』
《だろうな》
ネネにはこの龍が見えてる、だけ。
意思が有る様に見えても、もう殆ど意識は無い。
有るのは信念と、情愛だけ。
触れる事も、話す事も出来無い。
ただ、居ると分かる、だけ。
でも、本当にそうなんだろうか。
ネネの文句に相槌を打ってる様に見えるし、ネネは何の疑問も無さそう。
『アレ、本当に意識無いの?』
《無い、生来の相性の良さが、そう見せているに過ぎない》
相手の了承無しに神になるのは、賭けにすらならない事が殆ど。
相性もだし、神の欲が勝てば相手を食い潰す事になる。
そうなると魂が融合して、次は一緒に生まれる事になって、来世も一緒にはなれない。
ソレを幸せにするには、もっと強く惹かれる魂が必要になるんだけど、禍いモノも含むから必ず諍いが起こる。
まぁ、要するに相手の神になるのは賭け。
ただ、寿命が相手と同じになるから、だから大概は合意を得て行うんだけど。
人種はあんまり受け入れないんだよね。
短命だし、その事を恥じているし。
『俺が言ったら、ネネは受け入れてくれるかな』
《いや、例え龍が居なくとも、無理だろうな》
『だよね』
命も来世も賭ける、それが相手の神になると言う事。
何処でも守れるけれど、触れる事も話す事も出来なくなる。
俺は、暫くこのままで良いや。
僕は人としての睡眠に徹し、朝を迎えた。
《おはよう、ネネ、お帰り》
「おはようございます、ただいま」
《お帰り》
ネネをハグをした瞬間、激痛を伴う様な電撃を感じた。
そこに含まれる怒り、嫉妬が頭に直接響いた様で。
「どうかしましたか」
《静電気、かな、痛くなかった?》
「何も有りませんでしたけど、無断でハグした天罰では」
《ごめんね》
「それよりユノちゃんの事です」
《うん、石化中も聞こえてはいたよ。帰還したらしいって報告を受けてるし、コッチでも存在が消えた事は確認されたって》
「大丈夫だと思いますか」
《勿論、全く何も持っていなかったワケじゃないでしょ?》
「まぁ、小さなポーチは持ってましたけど」
《信じよう、もう時差が生じた時点で同じ時間、同じ場所に行けるとは限らないんだから》
「はい」
《良く帰って来てくれたね、嬉しいな》
「返事を保留にはしていますので」
《決まった?》
「聞きたいですか」
どうしてなのか、もしココで聞いてしまったら、良い返事が貰えない気がした。
ただ、何故、どうしてなのかは分からないけれど。
《何が美味しかった?》
「イクラ丼ですね」
《その次は?》
「イクラ丼」
《3位》
「松風」
《松風?》
「和菓子です」
『失礼します』
「ただいま帰りました」
『はい、良く帰って来て下さいました』
何かが変わった事に、僕らは気付かなかった。
それに今でも、あの時は気付けなかったと思う。
『っつ』
「静電気ですかね」
『ぁあ、すみません』
「いえ、コチラは何も感触が無かったので、お気になさらず」
ココで俺は気付けず、違和感のみでしか無かった。
ネネの変化はルーイの事、そして里帰りによるものだろう、そう思い込んでいた。
《荷解きは必要無いかも知れないけど、落ち着いたら色々と聞かせて欲しいな》
「大した事は無いですよ、ただ、悪くない場所でした」
《また行きたい?》
「追々、他にも見回るべき場所が有るかと」
《そう?》
「無いですか、候補」
《有るよ》
「はぁ、中つ国です、すっ飛ばして日の出国に行ったので」
《一緒にシルクロードを回ろうか、それなら許されるだろうし》
「あ、処女に戻りましたので体の付き合いは無理ですよ、兄も出来たので結婚までは操を立てます」
《うん、分かった》
「素直」
《結婚すれば良いだけだからね》
「100個、私の良い所が先に言えた方に10点、内容次第で最大50点。私が喜ぶ贈り物1つで3点、同じく行いについても3点、100点満点になったら結婚します」
《じゃあ、同時に100点になったら?》
「其々と結婚しますが、酷く不本意な行動をしたら、1~10以内で減点です」
《良心的だね》
「家族を安心させる為の結婚でも有ると思うので、詳しくは改めて書類を提出します。それと、改訂は事前告知無しに行います」
《改悪されない様に気を付けるよ》
「頑張って下さい、落ち着いたら報告もします、失礼します」
《うん、また後でね》
「はい、では」
何処かで、僅かにネネの不安定さを期待していたらしい。
俺も、ルーイも。
《ごめんね、ありがとうレオンハルト》
『いえ』
《元気そうで、前のネネに戻ったみたいで、少し残念だな》
『ユノが来る前の彼女に似ていますが、安定している様にも見えます』
《だね。不安だなぁ、兄が出来たって、絶対にそのせいだろうし》
『ですが、報告書には何も無かったかと』
《当初の予定が変更され、竜人族の案内、住居の提供へと変更。だけ、だもんね》
『コチラの思う竜人族と、同一なのでしょうか』
《あぁ、東洋には2種、けれどコチラへの表記は1つのみ。後でネネに尋ねよう、一緒に》
『はい』
蛇とは似て非なるモノ。
ネネは、そうしたモノを背負い帰って来た。
《蛇とは似て非なるモノの気配がするが》
「あぁ、龍人族の守護かと」
守護程度の生易しい加護では無いんだが、ネネは分かっているのだろうか。
《相当だが》
「清い水に困らない、とか、ココでも影響が出るなら確かに凄いかも」
知らずに背負わされたか。
《あぁ、そうだな》
「兄が出来ました、口説かれたけど兄なのでお断りしました」
あぁ、だからか。
《やはり1人にさせるのは問題だな》
『だね、必ず誰かに気に入られて帰って来るとか困る』
「あ、処女に戻ったんですけどどうですかね」
『あ、本当だ』
《家族の為の操か》
「そう言う事にしておいて下さい」
《分かった》
『えー、男の方もダメ?』
「確かに、考えて無かった」
《人種にはどう条件を出した》
「結婚まで処女を守る。ただ正直、体で繋ぎ止める安全策を失うのは怖いとも思います」
《ならコチラが女で致せば構わないだろう、妊娠のリスクはコチラが負うだけなのだから》
「卑怯では」
《真に卑怯な行為は覆す事、一方的で有る事、逃げ道を無くす事だろう》
「まぁ、ですけど」
《アレらがどう出るかも試せるが》
「確かに、では保留で」
『撫でるのは?』
「性行為と撫でが同義ですか」
『近い』
《まぁ、個体によるがな》
「撫で禁止は、ちょっと耐え難いので続行です」
『お風呂』
「アリで、取り敢えず撫でます」
『うん』
《では影で休んでおこう》
ネネの中にも、気配は確実に影響を及ぼしていた。
蛇とは似て非なる東洋の龍、翼も無しに飛ぶ、竜とも違うモノ。
かくも我儘に、勝手に住み着くなどとは。
『俺の妹だ、粗末に扱ってくれるな』
あぁ、そこまで。
ココまでネネを。
《龍が、住み着いていた》
「問題は」
《いや、無い》
「すみません、そうなるとは思わず」
《構わない、似て非なるモノだが、同族とも言える。しかも向こうは水の中、競合する事は無い》
「あぁ、自分で見れませんでしょうか」
《そうか、見れぬか》
「ココの方は見れるんですね」
《あぁ、だが全てでは無い、道を開いておく。夢にて邂逅出来るだろう》
「あまり夢は見ない方なんですが」
《慣れだ、いつか望む様に見れるだろう》
「ありがとうございます」
『お昼寝しよう』
「ですね」
蛇が言っていた通り、ネネの中に龍が居た。
ただ、コレとは意思疎通が出来ない。
幽霊だとか、残滓。
神様になる位、ネネに惚れたらしい。
『俺の妹だ、粗末に扱ってくれるな』
『妹?』
《東洋では、時に親しい女を妹、と呼ぶそうだ》
『ふーん、親しい、ね』
《まぁ、そう言う事だ。文のやり取りが多く、妻と記す危険性を考慮しての事、だろう》
『あぁ、人のモノが良く見える、だとか人質にされても困るからか』
《あぁ、だろうな》
『でもコレ、ソッチの意味だよね』
《だが、今生で叶わぬと理解し、こうなったのだろう》
『凄い覚悟だよね、死ぬも同然なのに』
《まぁ、その方が楽だと思う程、だったのだろう》
『順番が違えば、俺達はココにすら居られなかった』
《だろうな》
ネネにはこの龍が見えてる、だけ。
意思が有る様に見えても、もう殆ど意識は無い。
有るのは信念と、情愛だけ。
触れる事も、話す事も出来無い。
ただ、居ると分かる、だけ。
でも、本当にそうなんだろうか。
ネネの文句に相槌を打ってる様に見えるし、ネネは何の疑問も無さそう。
『アレ、本当に意識無いの?』
《無い、生来の相性の良さが、そう見せているに過ぎない》
相手の了承無しに神になるのは、賭けにすらならない事が殆ど。
相性もだし、神の欲が勝てば相手を食い潰す事になる。
そうなると魂が融合して、次は一緒に生まれる事になって、来世も一緒にはなれない。
ソレを幸せにするには、もっと強く惹かれる魂が必要になるんだけど、禍いモノも含むから必ず諍いが起こる。
まぁ、要するに相手の神になるのは賭け。
ただ、寿命が相手と同じになるから、だから大概は合意を得て行うんだけど。
人種はあんまり受け入れないんだよね。
短命だし、その事を恥じているし。
『俺が言ったら、ネネは受け入れてくれるかな』
《いや、例え龍が居なくとも、無理だろうな》
『だよね』
命も来世も賭ける、それが相手の神になると言う事。
何処でも守れるけれど、触れる事も話す事も出来なくなる。
俺は、暫くこのままで良いや。
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