50 / 100
50 元老院。
しおりを挟む
「どうぞ」
今回、表立って発言をしていたお2人。
元老院は全員で7人。
どうせ、七賢者を真似て7人で構成しているんでしょうよ。
『統治者には、何が必要だと思うだろうか』
この声、何処か聞き覚えが有るんですよね。
誰だろう、誰だったか。
「賢さ、時に人の気持ちを慮り、時に重要だろう筈の者を掃除道具の様に扱う事ですかね」
言わなきゃやってられません。
『ふむ、だけ、だろうか』
「色々と有るでしょうけれど、まだ」
《いや、見極めは魔獣達を得た段階で、既に終えているのは本当なのだよ》
「で、次は何の試験ですかね」
『統治者には、寛容さも無ければいかん、そうは思わんかね』
「そうですね、寛大さに大変救われて、帝国の王の血縁者ですか」
『あぁ、この髭で良くお分かりになられた』
「はぁ」
聞き覚えが有るワケだ。
親子は声が似るのだから。
《全然、気付かなかった》
「声です、お披露目で聞いた声と似てます」
《あー、あ?》
「直ぐに分かる予定でしたか」
『いや、ソチラにしてみれば見慣れぬ外見、そう見抜かれる確率は低いだろうと見込んでいたんだが』
《絶対音感は、声も聞き分けますか》
「いえ、偶々かと、アナタが誰の血筋か」
《そうでしょう、なんせ血の繋がらぬ、強欲の系譜ですからな》
「そうですか、で」
『そう謀った事を憤ってはいても、いずれは許して下さるのでしょう、優しき来訪者様は』
毒気を抜かれた。
年寄りの下手技は強い。
「そうかも知れませんが、死んでも王族皇族に連なるのは嫌です」
『なら婚姻の際は、コレらは籍を外させましょう』
《その証書です、どうぞ》
「また、謀られた」
『なんの、婚姻含め、コレはあくまでも任意』
《今回、多大な功績を上げて頂いたのです、寧ろ下賜など当然の事。ですので、先ずはお受け取りを、ご成婚は任意ですから》
「コレは彼らの免罪符にしかならないんですが」
『賢き来訪者様には、確かに不足かも知れません』
《どうぞ、コレらは予備の予備として置いて頂いて構いません》
「なんせ、多大な功績を上げたから」
『遊園地、我々も是非にと』
《楽しみにしておりますよ》
何処から、いつから。
いや、最初からか。
「王子達は」
『まぁ、ココまで見抜けていたら、及第点』
《だが、ココまでとは、思っていなかっただろう》
『となれば、下賜に値しないかも知れんが』
《まぁ、盾位にはなるでしょう》
最初から、ココまでの事を想定していた。
だからこそルーイ氏でレオンハルト氏、そして予備にカイル氏。
「まだ、最低でも手札が4枚、残っていますよね」
《ウチのは、その黒蛇だ》
『人種が必ず人種に惚れるとは、限らんのだからね』
《あぁ、別に誘導はしておりませんよ》
『ただ幾ばくか情報を与え、選び易い様、道を整備しただけですがね』
完璧に、してやられた。
「全部、思惑通り」
『いやいや、コチラもまだまだ』
《猜疑心を高め過ぎてしまった事を、深く、お詫び申し上げます》
『どうか許してはくれないだろうか』
《どうか、コレからも、ご指導ご鞭撻頂けますと幸いです》
「要らんでしょうよ」
《いえいえ、滅相も無い》
『猜疑心を高め過ぎてしまった、侮ってしまう結果になった事は、非常に心苦しい限り』
誠意を見せろ。
そう詰め寄る者の気持ちが分かってしまった。
「はぁ」
《ネネちゃん、ギブ》
「ユノちゃん?」
《熱、出そう》
「あ」
『本当に、申し訳無い』
《どうかご静養を、では》
流石に慌ててた。
つまり、多少は善意は有る?
『すまなかった』
《ごめん、後の事は追々で》
《へへ、ごめーん》
「ううん、寧ろ助かった、ありがとう」
《へへへ》
最初、わー、凄い策略まみれだったんだー。
とか思ってたんだけど、もう、すっかり頭が回らなくて。
「ごめん、少し先に」
《良いの良いの、私、良く知恵熱を出すお兄ちゃんを甘く見てたんだ。そのバチが当たったんだと思う》
「それは、知恵熱出すって珍しいし」
《何かね、やっと分かったんだよね、実感した》
知識が大量に入って来るだけじゃなくて、感情も昂ったりこんがらがると、出るんだなって。
それだけ感受性が豊かで、その分だけ大変だったんだろなって。
やっと分かった。
「そんな、辞世の句を残す前みたいに」
《ふふふ、お祖父ちゃんが看病してくれた時、それ良く聞いたなぁ》
で、縁起でも無いって怒られてた。
「面白いお祖父ちゃん」
《うん》
良くお兄ちゃんの看病してて、私はこの通り健康体で。
可哀想だな、大変そうだなとは思ってたけど、それだけ。
こうやって、申し訳無いなとか、情けないなとか思ってたかもなんて。
全然、考えてもいなかったから。
「健康体なりの悩み」
《ね、悩みは有るだろうなとは思ってたけど、全然具体的に考えて無かった》
お兄ちゃんだって子供だったのに。
浅い考えのまんま大人になっちゃって。
家族の事は棚上げして、世界を見て回るだー、なんて。
そりゃ嫌味を言われるワケだよね。
身近な事に気が付けないなら、何処に行っても一緒じゃないのかって。
「普通に、健康体への嫌味も含むのでは」
《でもさ、こうなると凄く、違って見える》
同級生に体の弱い子が居てね。
その子が入院したから、皆で色紙を書こうってなって。
そこに来れなかった日の出来事とか、写真も付けようってなったんだけど。
お兄ちゃん、キレながら大反対したんだよね。
羨ましがらせて何が楽しいって。
で、家族会議して、やっと私も何がマズいか分かったんだけど。
そこ止まり。
クラス会で、やっぱり止めた方が良いかもって言ったんだけど、続行。
それも怒られた。
止められなかったなら、せめてちゃんとフォローしろって。
で、退院して来て、嫌だったらごめんねって個別に謝ったんだ。
そしたらやっぱり、羨ましかったって泣かれて、もう少しちゃんと止めれば良かったって後悔した。
「いや、それこそ同調圧力が」
《そうやってお前は友達が悪い事をしようとしても、全力で止めないのか、止める気が無いのかって》
違うって言って、また家族会議。
馬鹿は大嫌いだって、一時期は無視されまくって、けどへっちゃらで。
まぁ家族だから、そのウチなぁなぁになったんだけど。
そんな喧嘩ばっかで。
お兄ちゃんの事、ちょっと合わない人だなって思ってたんだけど。
私が、無神経過ぎたんだよね。
「子供だから」
《でも、思い遣りは大切だよ、慮れないのはダメだよ》
お兄ちゃんに、謝りたい。
『うん、早く元気になろう、だから眠ろうね?』
《うん》
ユノちゃんに、もっと何か。
《コレが突発的である事は、既に身に染みているだろう》
「黒蛇さん」
《ユノがお前を頼って言ったのだ、十分だろう》
「何をしてあげれば」
《元は元老院の策略が原因だ、お前が過剰に背負う必要は無い、いつも通りにしてやれば良い》
経験者が居るのは、本当に助かる。
「助かります、師匠」
《師匠は、幾ばくかむず痒さが湧くんだが》
「シニアは老人も指しますし、もっと身近で、人生の“先輩”ココには無い単語かと」
《あぁ、確かにな》
「じゃあ師匠」
《もう少し考えてみないか》
「お祖父ちゃん」
しまった、ムキになられた。
《この外見でもか》
「いえ滅相も無い」
《お前が落ち込む必要は無い、課題の分離だ。箱にしまい、出来る事を考えろ》
「快気祝い」
《あぁ、そうだな、豪勢に祝い。以後、もう少し前に止めに入らせれば良い》
「それ、本当に狡い手なんですが」
《ネネは正直者だからな》
「そして馬鹿を見た」
《確かに、幾ばくかの侮りが有ったのだろう》
「若い娘だから」
《お前は自身の種族の見た目の若さを、幾ばくか甘く見ているだろう》
「あぁ、まぁ」
《しかも孫や曾孫が惚れた娘、侮ったとて仕方あるまいよ》
「まぁ、元皇帝が頭を下げる程ですし」
《そう言う事だ》
「凄い、元皇帝に頭を下げさせるとか凄い」
《お前まで熱を出すな》
「あ、はい、事実を一旦は無視しておきます」
《そうだな、先ずは豪勢な快気祝いだ》
「ありがとうございます」
《なら、偶には》
『ネネ、邪魔してあげようか』
「是非お願いします」
危ない。
人型になると必ず口説こうとするんだ、この蛇さん。
今回、表立って発言をしていたお2人。
元老院は全員で7人。
どうせ、七賢者を真似て7人で構成しているんでしょうよ。
『統治者には、何が必要だと思うだろうか』
この声、何処か聞き覚えが有るんですよね。
誰だろう、誰だったか。
「賢さ、時に人の気持ちを慮り、時に重要だろう筈の者を掃除道具の様に扱う事ですかね」
言わなきゃやってられません。
『ふむ、だけ、だろうか』
「色々と有るでしょうけれど、まだ」
《いや、見極めは魔獣達を得た段階で、既に終えているのは本当なのだよ》
「で、次は何の試験ですかね」
『統治者には、寛容さも無ければいかん、そうは思わんかね』
「そうですね、寛大さに大変救われて、帝国の王の血縁者ですか」
『あぁ、この髭で良くお分かりになられた』
「はぁ」
聞き覚えが有るワケだ。
親子は声が似るのだから。
《全然、気付かなかった》
「声です、お披露目で聞いた声と似てます」
《あー、あ?》
「直ぐに分かる予定でしたか」
『いや、ソチラにしてみれば見慣れぬ外見、そう見抜かれる確率は低いだろうと見込んでいたんだが』
《絶対音感は、声も聞き分けますか》
「いえ、偶々かと、アナタが誰の血筋か」
《そうでしょう、なんせ血の繋がらぬ、強欲の系譜ですからな》
「そうですか、で」
『そう謀った事を憤ってはいても、いずれは許して下さるのでしょう、優しき来訪者様は』
毒気を抜かれた。
年寄りの下手技は強い。
「そうかも知れませんが、死んでも王族皇族に連なるのは嫌です」
『なら婚姻の際は、コレらは籍を外させましょう』
《その証書です、どうぞ》
「また、謀られた」
『なんの、婚姻含め、コレはあくまでも任意』
《今回、多大な功績を上げて頂いたのです、寧ろ下賜など当然の事。ですので、先ずはお受け取りを、ご成婚は任意ですから》
「コレは彼らの免罪符にしかならないんですが」
『賢き来訪者様には、確かに不足かも知れません』
《どうぞ、コレらは予備の予備として置いて頂いて構いません》
「なんせ、多大な功績を上げたから」
『遊園地、我々も是非にと』
《楽しみにしておりますよ》
何処から、いつから。
いや、最初からか。
「王子達は」
『まぁ、ココまで見抜けていたら、及第点』
《だが、ココまでとは、思っていなかっただろう》
『となれば、下賜に値しないかも知れんが』
《まぁ、盾位にはなるでしょう》
最初から、ココまでの事を想定していた。
だからこそルーイ氏でレオンハルト氏、そして予備にカイル氏。
「まだ、最低でも手札が4枚、残っていますよね」
《ウチのは、その黒蛇だ》
『人種が必ず人種に惚れるとは、限らんのだからね』
《あぁ、別に誘導はしておりませんよ》
『ただ幾ばくか情報を与え、選び易い様、道を整備しただけですがね』
完璧に、してやられた。
「全部、思惑通り」
『いやいや、コチラもまだまだ』
《猜疑心を高め過ぎてしまった事を、深く、お詫び申し上げます》
『どうか許してはくれないだろうか』
《どうか、コレからも、ご指導ご鞭撻頂けますと幸いです》
「要らんでしょうよ」
《いえいえ、滅相も無い》
『猜疑心を高め過ぎてしまった、侮ってしまう結果になった事は、非常に心苦しい限り』
誠意を見せろ。
そう詰め寄る者の気持ちが分かってしまった。
「はぁ」
《ネネちゃん、ギブ》
「ユノちゃん?」
《熱、出そう》
「あ」
『本当に、申し訳無い』
《どうかご静養を、では》
流石に慌ててた。
つまり、多少は善意は有る?
『すまなかった』
《ごめん、後の事は追々で》
《へへ、ごめーん》
「ううん、寧ろ助かった、ありがとう」
《へへへ》
最初、わー、凄い策略まみれだったんだー。
とか思ってたんだけど、もう、すっかり頭が回らなくて。
「ごめん、少し先に」
《良いの良いの、私、良く知恵熱を出すお兄ちゃんを甘く見てたんだ。そのバチが当たったんだと思う》
「それは、知恵熱出すって珍しいし」
《何かね、やっと分かったんだよね、実感した》
知識が大量に入って来るだけじゃなくて、感情も昂ったりこんがらがると、出るんだなって。
それだけ感受性が豊かで、その分だけ大変だったんだろなって。
やっと分かった。
「そんな、辞世の句を残す前みたいに」
《ふふふ、お祖父ちゃんが看病してくれた時、それ良く聞いたなぁ》
で、縁起でも無いって怒られてた。
「面白いお祖父ちゃん」
《うん》
良くお兄ちゃんの看病してて、私はこの通り健康体で。
可哀想だな、大変そうだなとは思ってたけど、それだけ。
こうやって、申し訳無いなとか、情けないなとか思ってたかもなんて。
全然、考えてもいなかったから。
「健康体なりの悩み」
《ね、悩みは有るだろうなとは思ってたけど、全然具体的に考えて無かった》
お兄ちゃんだって子供だったのに。
浅い考えのまんま大人になっちゃって。
家族の事は棚上げして、世界を見て回るだー、なんて。
そりゃ嫌味を言われるワケだよね。
身近な事に気が付けないなら、何処に行っても一緒じゃないのかって。
「普通に、健康体への嫌味も含むのでは」
《でもさ、こうなると凄く、違って見える》
同級生に体の弱い子が居てね。
その子が入院したから、皆で色紙を書こうってなって。
そこに来れなかった日の出来事とか、写真も付けようってなったんだけど。
お兄ちゃん、キレながら大反対したんだよね。
羨ましがらせて何が楽しいって。
で、家族会議して、やっと私も何がマズいか分かったんだけど。
そこ止まり。
クラス会で、やっぱり止めた方が良いかもって言ったんだけど、続行。
それも怒られた。
止められなかったなら、せめてちゃんとフォローしろって。
で、退院して来て、嫌だったらごめんねって個別に謝ったんだ。
そしたらやっぱり、羨ましかったって泣かれて、もう少しちゃんと止めれば良かったって後悔した。
「いや、それこそ同調圧力が」
《そうやってお前は友達が悪い事をしようとしても、全力で止めないのか、止める気が無いのかって》
違うって言って、また家族会議。
馬鹿は大嫌いだって、一時期は無視されまくって、けどへっちゃらで。
まぁ家族だから、そのウチなぁなぁになったんだけど。
そんな喧嘩ばっかで。
お兄ちゃんの事、ちょっと合わない人だなって思ってたんだけど。
私が、無神経過ぎたんだよね。
「子供だから」
《でも、思い遣りは大切だよ、慮れないのはダメだよ》
お兄ちゃんに、謝りたい。
『うん、早く元気になろう、だから眠ろうね?』
《うん》
ユノちゃんに、もっと何か。
《コレが突発的である事は、既に身に染みているだろう》
「黒蛇さん」
《ユノがお前を頼って言ったのだ、十分だろう》
「何をしてあげれば」
《元は元老院の策略が原因だ、お前が過剰に背負う必要は無い、いつも通りにしてやれば良い》
経験者が居るのは、本当に助かる。
「助かります、師匠」
《師匠は、幾ばくかむず痒さが湧くんだが》
「シニアは老人も指しますし、もっと身近で、人生の“先輩”ココには無い単語かと」
《あぁ、確かにな》
「じゃあ師匠」
《もう少し考えてみないか》
「お祖父ちゃん」
しまった、ムキになられた。
《この外見でもか》
「いえ滅相も無い」
《お前が落ち込む必要は無い、課題の分離だ。箱にしまい、出来る事を考えろ》
「快気祝い」
《あぁ、そうだな、豪勢に祝い。以後、もう少し前に止めに入らせれば良い》
「それ、本当に狡い手なんですが」
《ネネは正直者だからな》
「そして馬鹿を見た」
《確かに、幾ばくかの侮りが有ったのだろう》
「若い娘だから」
《お前は自身の種族の見た目の若さを、幾ばくか甘く見ているだろう》
「あぁ、まぁ」
《しかも孫や曾孫が惚れた娘、侮ったとて仕方あるまいよ》
「まぁ、元皇帝が頭を下げる程ですし」
《そう言う事だ》
「凄い、元皇帝に頭を下げさせるとか凄い」
《お前まで熱を出すな》
「あ、はい、事実を一旦は無視しておきます」
《そうだな、先ずは豪勢な快気祝いだ》
「ありがとうございます」
《なら、偶には》
『ネネ、邪魔してあげようか』
「是非お願いします」
危ない。
人型になると必ず口説こうとするんだ、この蛇さん。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
朝日みらい
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる