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完結?以降は外伝?
運命の番。
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『本当に存在するの?』
「では先ず、居ないかも知れないと思う理由から、お願い致しますね」
公女様を教育しつつ、婚約者を決めさせる。
久し振りの外出だし、正直、フアナは賢いので楽しい。
『私が聞いた限り、かなり突拍子も無いの。先ずは汗臭いのでも良い匂いに感じる、だとか、不思議な位に話が合うだなんて。まるで寓話みたいじゃない』
吸血鬼は居ても狼人間は居ない、それは精霊と人の子が全ての性質を兼ね備えないのと同じく、全ては人の世で生きる為。
竜人も、パワーバランスを損なわない為、誰もがホイホイ竜化出来るワケでは無い。
それこそ花嫁を得ない限り、竜のままになる呪いが掛けられている。
まぁ、それらは全て秘密にしてるんですけどね。
「精霊の気質を持つ者も居るんですし、それこそ竜の血が流れている者も居るそうですから、少なくとも良い匂いだと思う者は居ます」
『お互いに、よ?』
「血統が似ていると嫌な臭いに感じる、それこそお父様の枕の匂いは嫌でしょう」
『あー、昔は好きだったのに、どうしてかしらね?』
「フアナが大人になっている証拠です、動物も近縁は群れから引き離される。全てはより長く子孫を残す為、お体が近縁を忌避している良い証なんです」
『その逆で、良い匂いに感じるの?』
「若しくは嫌では無いか、要はチーズの好みと同じです、臭く感じたなら合わない」
『でも、匂いだけで決められないし、と言うか嗅ぐ機会って?』
「まぁ、かなり親しくならねば無理ですので。布に匂いを移して頂いて、嗅ぎ比べて頂こうかと」
『成程』
「ただ」
『ただ?』
「やはり血筋の相性だけで選んで頂いても困るので、最終段階の時に、答えをお教えしようかと。相性が良いからと我慢したり、そう阿る可能性を消しておきたいので」
『えー、じゃあ最終段階までしない、したら結果が気になっちゃうもの』
「ですよね、分かります、私も同じ事が起きたら直ぐに知りたいですし」
アーリスが子を産んで、私の匂いへの反応が変わるか怖かったけど、そこは大丈夫だったのよね。
本当に、乳離れまでハラハラしたんだけど。
『その、そうした教育って、お相手が出来てからなのよね?』
あら、ご興味が。
「完璧に、全ては教えませんよ、お互いに勉強し合う事ですし。あぁ、軽い口付けなら良いですよ、軽く触れる程度だけ」
『それ、口と口って事よね?』
「はい、直ぐに舌を突っ込まれてしまうかもなので、落ち着いている時でお願いしますね」
真っ赤。
かわヨ。
『もう、誂って』
「本当ですよ。ですので、ご病気に繋がっては困りますから、そうした事も差し控えて下さいとお相手にも厳しく牽制しているんです。なので試しに、等と甘言に乗せられずに貞淑にお願い致しますね。検査直後は健康体でも、以後に何をしているかを全て見張るのは困難ですから」
まぁ、天使様に見守って頂いてるので、知る事だけは可能ですが。
『しないわよ、結婚するまで』
「じゃあ早く決めなくてはいけませんね」
『そこはしっかり選ばせて』
「公女様が賢明な方で助かります」
けど、1人だけを選ぶのだ、と息巻いてるのよね。
《お疲れ様です、どうですか第3公女様は》
「結果的に側妃が3人だから安定しているし、王に色恋の距離を置かせられる側妃達だからこそ、国が傾かないで済んでるんだけど。父親だから、かしら」
《1人だけを愛したい、昔のアナタもそう言ってらっしゃいましたね》
「理想と現実は違う。あ、明日は」
《平民との観劇、教会が用意した演目は……》
一神教が行う劇なんて、そう面白くも無いと思っていたけど。
『幻影を使って領民が領主を操り死に至らしめた、悪魔とは悪しき心を持つ者の総称、素晴らしいわね』
あら。
私、何か間違えたかしら。
《領民だって何で決め付けるんだよ》
『あら、だってメフィストフェレスと名乗る青年は貴族の衣装を着て無かったでしょ?しかもお辞儀もお粗末だったし、ハンドキスも間違ってたわ』
《違うの?》
『良いわ、見てて、先ず女性のカーテシーはこう。次に男性は、こう』
「フアナは男性用儀礼もお上手ですね。そしてハンドキスは、こうして女性が差し出した時だけ、実際に口付けはしません」
あら、そんなに長い間侍従と付き合いが、って言うか侍従よね?
何か、凄い良い雰囲気?よね?
『ベルデ』
「コレは親しみを表したり、忠誠心を表しても良いですよ、の合図なんです。なので下位貴族の女性が上位の男性に手を差し出すのは、凄く失礼、はしたない事なんです」
《貴族にも上とか下が?》
《全部が偉いんじゃないの?》
「どれだけお仕事をするか、幾ら豊作でも1人1人は刈り取れる作物の量に違いが出るでしょう?それと同じ、偉いかどうかより仕事がどれだけ出来るか。沢山収穫出来たら凄い、偉い、となるでしょう?」
国に貢献出来れば貴族位が得られるか維持が出来る、そして国や領民や王族を傷付ければ貴族位は無くなる、そしてどれだけの失敗を見逃して貰えるかも爵位によって変わる。
王侯貴族なら分かってて当たり前なのだけど、そうよね、領民には別の罰だし。
『凄く良く出来てる、偉いって褒められる程に良く出来る人が貴族、だからアナタ達も凄く良く出来ると貴族になれる』
《じゃあ、貴族と結婚出来るの?》
『貴族にならなくても、凄く良く出来る者なら結婚出来るわよ?』
《もう結婚してても?》
『それは』
「相手と家族が許せば、さ、劇のお礼を言いに行きましょう」
《はーい》
そうよね、統治中に凄い成果を出した者が現れて、もし側室になりたいと言って来たら私は1人だけを選べない。
それこそ2年経っても子が出来なければ、側室を取る事も考えなくてはいけないし。
『ねぇ、ベルデ』
「はい」
『お父様は選べなかった、のよね』
「そう伺っております」
『お父様は、選びたかった?』
「そこは伺ってはおりませんが、フアナはどう思いますか?」
『選べなかった、理由を、多分ちゃんと考えて無かったと思う』
「では良い機会ですからお考えになりつつ、他の方からも伺ってみましょう」
『そうね』
「では、どの様に、どなたを選びますか?」
『全員、そう、招待状に書いて考えて頂こうと思うの』
「はい、ではその様に」
『あ、そうそう、ルツとは長いの?』
「ふふふ、アレ夫です」
『えっ、あ、てっきり』
「侍従として付き添う様に申していましたので大丈夫ですよ、コレからも侍従としてお付き合い下さいませ」
『ねぇ、じゃあアリスは?従姉妹か何か?』
「まぁ、そんな感じですね」
秘密って言うか謎って言うか、私はベルデの経歴しか知らないのよね。
『アナタの事を知りたいのだけど?』
「追々で」
婚約者を呼び出した場には、円形に並べられた席が不揃いに並んでる。
コレから起こる篩い落としの為、僕とルツとで適当に並べた。
『もし逆の立場で3人まで候補を絞れた、けれども優劣はある意味で同じ。ではどの様に選ぶか、どうするのかをお伺いしたいなと思ったの』
にしても、僕がローシュの従姉妹かぁ。
まぁ、髪の色と質は殆ど同じだもんね。
『その逆、とは何処まで逆か、ですが』
『良い質問ね、じゃあ両方、王族の男だった場合と女だった場合』
コレで何かしらの差は出るだろうとは思ってたけど。
『民への規範を表す為にも、俺は1人を王妃か国婿とし、2人を側室か家臣にしますね』
『成程、ではそう思う方はコチラ、そう思わない方はコチラに分かれて座って下さい』
理想は1人、けど実際には理想通りにはいかない。
それこそローシュでも無理だった事。
《どちらとも言い難い場合、何処へ座るべきでしょうか》
「でしたら正面へ」
一神教なのに1人だけ選ぶって側にはいかないんだ、いや寧ろ、だからかな。
『はい、じゃあどうしてどちらも選び難いのか説明をお願い』
《どんな面でも優劣が無い場合、どう選ぶべきか、僕は未だ分かっていないので》
『成程、では選ぶ方法を教えて貰いましょう。お願いね』
『匂い、ですかね』
『では匂いも等しく心地良く感じる場合は?』
『家柄も』
『等しい』
『では顔の好みで』
『そこも其々に美点が有った場合』
『では、寝てみて最も合う者で』
『それも』
あぁ、何処かに差異が有るだろう、って考えね。
無いって言ってるのに。
「まぁ、先へ進めましょう。仮に、1人選んだ場合、ですね」
『劣っているとされた者、好みでは無いとされた者に対して、どの様にご説明なさるのかしら?』
違いが差別を生むんじゃなくて、他者からの優劣の評価や待遇の差異が差別を生む。
優遇されている、冷遇されている、そうなったら妬み嫉みを生む。
『違いを、説明するしか』
「では私へ、寝てみて具合が1番合わなかった、好みとしては2番だからと言う理由で説明をお願い致します」
『ベルデ、そんな』
「大丈夫ですよ、離縁を経験して慣れてますから。さ、どうぞ、どうして私を王妃に選んで下さらなかったのですか?」
『それは』
「どの部分が劣っていたかを教えて頂けないのですね、つまり私への期待は薄い。申し訳御座いませんが、その様な方にお仕えするのは難しい、どうか私の事はお忘れ下さい」
『いや、本当に些末な、俺の拘りだけで』
「では何が、沿えなかったのでしょうか。それとも、直し難い部分が沿えなかったのでしょうか」
『そう思ってくれて、構わない』
「我慢ならない程、では」
『違う、ほんの些細な部分なんだ』
「では2人を殺して参りますね」
『最悪はこうなるか、去られてしまうか。どう言っても、女性として求められたい気持ちを粗末に扱う事になってしまうわよね。仮に、忠臣と結婚させたとしても忠臣が盲目的に彼女を愛し、国家転覆を図ればアナタは無理矢理にでも子を成させられて国すらも奪われる。かも知れない、わね』
「今ならご移動も可能ですよ、どうぞ」
そして正面に全員が移動した。
だよね、コレ覆すの難しいもん。
《浅慮で申し訳無いのですが、優劣は其々に違い、其々に等しい。その前提で宜しいんでしょうか》
「寝ても同じ、そして能力の優劣は其々、としましょう」
そこだよね。
顔じゃないにしても、一定の基準を超えていて優劣が付けられない時、其々に良い部分が違った時はどうするか。
しかもフアナのお父さんは幽閉が長くて好みが無かったから、外見からは選べないって。
それこそ寝ても。
平等に選ばせる為、ローシュは最低限しか教えなかったし、内緒で見張ってたけど差異は無し。
同じ部分も有るし、違いが有るにしても優劣で分けられない時、じゃあどうするか。
《そうなると僕はどちらにしても3人を選びます》
「では1人、2人が王妃を望んだ場合、どう対処なされますか?」
そこも問題だよね。
フアナのお父さんの時は全員が王妃にはならないと言ったけど、なら言う者が出たら。
《1人なら言い出した者を、2人が言い出したなら言わなかった1人を、3人が言い出し始めたら全員を王妃とします》
「1人の王に3人の王妃、それでは王の権威が削がれる、若しくは削がれているのでは。そう諸外国に思われるのでは?」
《治世が正しく行われていれば、単なるやっかみですから無視します》
『成程、では王妃が居る状態で平等に扱うには。例えば、何度も其々の意見が分かれたら、どうなさるおつもりなのかしら』
1度だけなら良いけど、何度も1人だけの意見を取り入れたら、肩入れしたってなっちゃう。
果ては王妃を蔑ろにしたって事にも繋がるし。
《難しくなってしまいますね、王妃が居ると》
『可能だと思いますか?』
《いえ、優劣が平等であればこそ、ほぼ不可能かと》
『ね』
「では、改めて、今度は話し合いながら考えてみて下さい。休憩に参りましょう、フアナ」
『素晴らしい回答を待ってるわ、じゃあね』
結局、3人を選んで、後は話し合いをさせるって結論にはなるんだけど。
《僕はそれでも国婿には名乗り出ますよ》
『あら、凄い自信ね』
《いえ、単に表舞台に立つ者として、裏方に回る者と役割を分担をするだけ。扱いは平等に、単なる顔役、矢面に立てる面の皮の厚さが有るので立候補するだけですから》
『そこは兼ね合いを見て、敢えて、少し寵愛が減るかも知れないわよ?』
《そこに不平等さを僕は感じません、ただ寝室以外で長く共に過ごすだけ、他と等しく同じ時間を過ごすのですから》
『そう、なら次は他の者と、どう調和を取るか』
《そこも既に話し合いを、彼が纏めてくれた物が有るんですが……》
多分、この子と結婚するんだろうな。
『ねぇ、ベルデ』
「はい」
『嫌に感じる匂いが無いのだけど?』
その通り、相性の悪い者は既に候補の中には居ない。
フアナ公女は早々に自分とは明らかに合わぬ者を排除、家臣に据える事を決めてしまいましたからね。
「それは良かったですね」
『他の候補者の』
「はい、どうぞ」
念の為にと用意させていたんですが。
『お゛ん』
「まぁ、そう言う事です」
『成程ね、ぅう』
「はい、後は誰が良いかだけですね」
既にローシュが複数の夫を持っている事も、ハーレムへの納得もしている。
けれども初心は1人だけ。
『国婿と、側室を持とうと思うの』
「お1人になさるのでは?」
『もー、私に原因が無い場合の不妊だったとしたら姉妹から子供を取り上げる事になってしまうわ、しかも側室を試さずにそんな事は無理だし。その、裏で支えてくれる者は、確かに必要だし』
国婿にとお考えの者は正に貴族らしい貴族、仕事仲間や同士としての気持ちが強く、色恋や情愛がやや薄い。
片や側室のお1人は私やアーリスの様に世話好きで、そしてもう1人は婚姻や性欲に対して非常に興味は薄いが有能な者。
彼らは国婿に関しても役割分担だと割り切り、仲違いする事も無く話し合えた3人、この組み合わせを離散させるのは確かに惜しい。
「公女様はご賢明でらっしゃる、決定を尊重させて頂きます」
『ダメ、ダメな所が有るなら言って?教えてよぉ』
「いえいえ、感心しているんですよ、御父上の時とはまた違うご決断の仕方。進んでらっしゃるな、と」
『私、強欲だと思われないかしら?』
「何も知らぬ分からぬ者に思われても、寧ろ思うだけなら自由、そうした者も居ると想定しつつ心の中でだけ嘲れば宜しいんです。嫌う者に媚びを売っても時間の無駄、愚か者を慮るなら、寧ろ如何に知らしめるかをお考え下さい」
『でもだって世話役よ?』
「女王だから、平民だから、貴族だから女の悦びを得られない。それはそれで悪しき見本では?」
『ベルデとしては?』
「良い判断かと。と言うかお世話慣れされてらっしゃるでしょうに、何を躊躇いますか」
『お世話されてたのは侍女よ?それこそ乳母だとか、同性だし』
「そうした性癖持ちもいらっしゃるんですよ、お世話好き」
『本当にベルデの夫達はそうなの?』
「ですね、仕事が発生するだけで凄い嫌な顔をします、濃縮したニガヨモギを味あわされた様な顔で」
《ですが今回は例外ですよ、既に前もって想定されていた事ですから》
『でも、よ、邪魔してごめんなさいね?』
《いえ、ご配慮頂けるだけで十分ですし。それに、コレはコレで刺激にもなるので》
「刺激を与えないで頂戴、暫くは平穏に過ごして頂く予定なんですから」
『その、刺激って』
「追々で、一通りお試しになってご不安が有れば相談に乗りますので、今暫くは互いに模索し合って下さい」
『はぁ、後は私の体次第よね』
「コレばかりは運ですし、心配ばかりしてはお体に障ります。後はお心のままに行動して下さい、解禁、で御座います」
『え、じゃあ』
「適格者を見事に選ばれました、女王候補となられました、おめでとうございます」
『本当に?』
「はい、コチラをどうぞ」
既に預かっていた書簡には、女王候補として正式に任命するとの文が。
そして家庭を持ち、円満な夫婦関係を築け、かつ子供が3人持てる事が最終選考に残る方法だとも。
『そうよね、相手を選んだだけで終わるワケが無いのだし』
「例え国を平定させ続ける道具だとしても、その道具が粗末に扱われる事を許すべきでは無い、幸福は平等に誰にでも与えられるべきです」
『お父様は幸せかしら?』
「フアナが賢い子だからこそ、お幸せに決まってます」
『そう言い切るのね、ふふふ』
「愚かより賢い子が私は好きですから」
「では先ず、居ないかも知れないと思う理由から、お願い致しますね」
公女様を教育しつつ、婚約者を決めさせる。
久し振りの外出だし、正直、フアナは賢いので楽しい。
『私が聞いた限り、かなり突拍子も無いの。先ずは汗臭いのでも良い匂いに感じる、だとか、不思議な位に話が合うだなんて。まるで寓話みたいじゃない』
吸血鬼は居ても狼人間は居ない、それは精霊と人の子が全ての性質を兼ね備えないのと同じく、全ては人の世で生きる為。
竜人も、パワーバランスを損なわない為、誰もがホイホイ竜化出来るワケでは無い。
それこそ花嫁を得ない限り、竜のままになる呪いが掛けられている。
まぁ、それらは全て秘密にしてるんですけどね。
「精霊の気質を持つ者も居るんですし、それこそ竜の血が流れている者も居るそうですから、少なくとも良い匂いだと思う者は居ます」
『お互いに、よ?』
「血統が似ていると嫌な臭いに感じる、それこそお父様の枕の匂いは嫌でしょう」
『あー、昔は好きだったのに、どうしてかしらね?』
「フアナが大人になっている証拠です、動物も近縁は群れから引き離される。全てはより長く子孫を残す為、お体が近縁を忌避している良い証なんです」
『その逆で、良い匂いに感じるの?』
「若しくは嫌では無いか、要はチーズの好みと同じです、臭く感じたなら合わない」
『でも、匂いだけで決められないし、と言うか嗅ぐ機会って?』
「まぁ、かなり親しくならねば無理ですので。布に匂いを移して頂いて、嗅ぎ比べて頂こうかと」
『成程』
「ただ」
『ただ?』
「やはり血筋の相性だけで選んで頂いても困るので、最終段階の時に、答えをお教えしようかと。相性が良いからと我慢したり、そう阿る可能性を消しておきたいので」
『えー、じゃあ最終段階までしない、したら結果が気になっちゃうもの』
「ですよね、分かります、私も同じ事が起きたら直ぐに知りたいですし」
アーリスが子を産んで、私の匂いへの反応が変わるか怖かったけど、そこは大丈夫だったのよね。
本当に、乳離れまでハラハラしたんだけど。
『その、そうした教育って、お相手が出来てからなのよね?』
あら、ご興味が。
「完璧に、全ては教えませんよ、お互いに勉強し合う事ですし。あぁ、軽い口付けなら良いですよ、軽く触れる程度だけ」
『それ、口と口って事よね?』
「はい、直ぐに舌を突っ込まれてしまうかもなので、落ち着いている時でお願いしますね」
真っ赤。
かわヨ。
『もう、誂って』
「本当ですよ。ですので、ご病気に繋がっては困りますから、そうした事も差し控えて下さいとお相手にも厳しく牽制しているんです。なので試しに、等と甘言に乗せられずに貞淑にお願い致しますね。検査直後は健康体でも、以後に何をしているかを全て見張るのは困難ですから」
まぁ、天使様に見守って頂いてるので、知る事だけは可能ですが。
『しないわよ、結婚するまで』
「じゃあ早く決めなくてはいけませんね」
『そこはしっかり選ばせて』
「公女様が賢明な方で助かります」
けど、1人だけを選ぶのだ、と息巻いてるのよね。
《お疲れ様です、どうですか第3公女様は》
「結果的に側妃が3人だから安定しているし、王に色恋の距離を置かせられる側妃達だからこそ、国が傾かないで済んでるんだけど。父親だから、かしら」
《1人だけを愛したい、昔のアナタもそう言ってらっしゃいましたね》
「理想と現実は違う。あ、明日は」
《平民との観劇、教会が用意した演目は……》
一神教が行う劇なんて、そう面白くも無いと思っていたけど。
『幻影を使って領民が領主を操り死に至らしめた、悪魔とは悪しき心を持つ者の総称、素晴らしいわね』
あら。
私、何か間違えたかしら。
《領民だって何で決め付けるんだよ》
『あら、だってメフィストフェレスと名乗る青年は貴族の衣装を着て無かったでしょ?しかもお辞儀もお粗末だったし、ハンドキスも間違ってたわ』
《違うの?》
『良いわ、見てて、先ず女性のカーテシーはこう。次に男性は、こう』
「フアナは男性用儀礼もお上手ですね。そしてハンドキスは、こうして女性が差し出した時だけ、実際に口付けはしません」
あら、そんなに長い間侍従と付き合いが、って言うか侍従よね?
何か、凄い良い雰囲気?よね?
『ベルデ』
「コレは親しみを表したり、忠誠心を表しても良いですよ、の合図なんです。なので下位貴族の女性が上位の男性に手を差し出すのは、凄く失礼、はしたない事なんです」
《貴族にも上とか下が?》
《全部が偉いんじゃないの?》
「どれだけお仕事をするか、幾ら豊作でも1人1人は刈り取れる作物の量に違いが出るでしょう?それと同じ、偉いかどうかより仕事がどれだけ出来るか。沢山収穫出来たら凄い、偉い、となるでしょう?」
国に貢献出来れば貴族位が得られるか維持が出来る、そして国や領民や王族を傷付ければ貴族位は無くなる、そしてどれだけの失敗を見逃して貰えるかも爵位によって変わる。
王侯貴族なら分かってて当たり前なのだけど、そうよね、領民には別の罰だし。
『凄く良く出来てる、偉いって褒められる程に良く出来る人が貴族、だからアナタ達も凄く良く出来ると貴族になれる』
《じゃあ、貴族と結婚出来るの?》
『貴族にならなくても、凄く良く出来る者なら結婚出来るわよ?』
《もう結婚してても?》
『それは』
「相手と家族が許せば、さ、劇のお礼を言いに行きましょう」
《はーい》
そうよね、統治中に凄い成果を出した者が現れて、もし側室になりたいと言って来たら私は1人だけを選べない。
それこそ2年経っても子が出来なければ、側室を取る事も考えなくてはいけないし。
『ねぇ、ベルデ』
「はい」
『お父様は選べなかった、のよね』
「そう伺っております」
『お父様は、選びたかった?』
「そこは伺ってはおりませんが、フアナはどう思いますか?」
『選べなかった、理由を、多分ちゃんと考えて無かったと思う』
「では良い機会ですからお考えになりつつ、他の方からも伺ってみましょう」
『そうね』
「では、どの様に、どなたを選びますか?」
『全員、そう、招待状に書いて考えて頂こうと思うの』
「はい、ではその様に」
『あ、そうそう、ルツとは長いの?』
「ふふふ、アレ夫です」
『えっ、あ、てっきり』
「侍従として付き添う様に申していましたので大丈夫ですよ、コレからも侍従としてお付き合い下さいませ」
『ねぇ、じゃあアリスは?従姉妹か何か?』
「まぁ、そんな感じですね」
秘密って言うか謎って言うか、私はベルデの経歴しか知らないのよね。
『アナタの事を知りたいのだけど?』
「追々で」
婚約者を呼び出した場には、円形に並べられた席が不揃いに並んでる。
コレから起こる篩い落としの為、僕とルツとで適当に並べた。
『もし逆の立場で3人まで候補を絞れた、けれども優劣はある意味で同じ。ではどの様に選ぶか、どうするのかをお伺いしたいなと思ったの』
にしても、僕がローシュの従姉妹かぁ。
まぁ、髪の色と質は殆ど同じだもんね。
『その逆、とは何処まで逆か、ですが』
『良い質問ね、じゃあ両方、王族の男だった場合と女だった場合』
コレで何かしらの差は出るだろうとは思ってたけど。
『民への規範を表す為にも、俺は1人を王妃か国婿とし、2人を側室か家臣にしますね』
『成程、ではそう思う方はコチラ、そう思わない方はコチラに分かれて座って下さい』
理想は1人、けど実際には理想通りにはいかない。
それこそローシュでも無理だった事。
《どちらとも言い難い場合、何処へ座るべきでしょうか》
「でしたら正面へ」
一神教なのに1人だけ選ぶって側にはいかないんだ、いや寧ろ、だからかな。
『はい、じゃあどうしてどちらも選び難いのか説明をお願い』
《どんな面でも優劣が無い場合、どう選ぶべきか、僕は未だ分かっていないので》
『成程、では選ぶ方法を教えて貰いましょう。お願いね』
『匂い、ですかね』
『では匂いも等しく心地良く感じる場合は?』
『家柄も』
『等しい』
『では顔の好みで』
『そこも其々に美点が有った場合』
『では、寝てみて最も合う者で』
『それも』
あぁ、何処かに差異が有るだろう、って考えね。
無いって言ってるのに。
「まぁ、先へ進めましょう。仮に、1人選んだ場合、ですね」
『劣っているとされた者、好みでは無いとされた者に対して、どの様にご説明なさるのかしら?』
違いが差別を生むんじゃなくて、他者からの優劣の評価や待遇の差異が差別を生む。
優遇されている、冷遇されている、そうなったら妬み嫉みを生む。
『違いを、説明するしか』
「では私へ、寝てみて具合が1番合わなかった、好みとしては2番だからと言う理由で説明をお願い致します」
『ベルデ、そんな』
「大丈夫ですよ、離縁を経験して慣れてますから。さ、どうぞ、どうして私を王妃に選んで下さらなかったのですか?」
『それは』
「どの部分が劣っていたかを教えて頂けないのですね、つまり私への期待は薄い。申し訳御座いませんが、その様な方にお仕えするのは難しい、どうか私の事はお忘れ下さい」
『いや、本当に些末な、俺の拘りだけで』
「では何が、沿えなかったのでしょうか。それとも、直し難い部分が沿えなかったのでしょうか」
『そう思ってくれて、構わない』
「我慢ならない程、では」
『違う、ほんの些細な部分なんだ』
「では2人を殺して参りますね」
『最悪はこうなるか、去られてしまうか。どう言っても、女性として求められたい気持ちを粗末に扱う事になってしまうわよね。仮に、忠臣と結婚させたとしても忠臣が盲目的に彼女を愛し、国家転覆を図ればアナタは無理矢理にでも子を成させられて国すらも奪われる。かも知れない、わね』
「今ならご移動も可能ですよ、どうぞ」
そして正面に全員が移動した。
だよね、コレ覆すの難しいもん。
《浅慮で申し訳無いのですが、優劣は其々に違い、其々に等しい。その前提で宜しいんでしょうか》
「寝ても同じ、そして能力の優劣は其々、としましょう」
そこだよね。
顔じゃないにしても、一定の基準を超えていて優劣が付けられない時、其々に良い部分が違った時はどうするか。
しかもフアナのお父さんは幽閉が長くて好みが無かったから、外見からは選べないって。
それこそ寝ても。
平等に選ばせる為、ローシュは最低限しか教えなかったし、内緒で見張ってたけど差異は無し。
同じ部分も有るし、違いが有るにしても優劣で分けられない時、じゃあどうするか。
《そうなると僕はどちらにしても3人を選びます》
「では1人、2人が王妃を望んだ場合、どう対処なされますか?」
そこも問題だよね。
フアナのお父さんの時は全員が王妃にはならないと言ったけど、なら言う者が出たら。
《1人なら言い出した者を、2人が言い出したなら言わなかった1人を、3人が言い出し始めたら全員を王妃とします》
「1人の王に3人の王妃、それでは王の権威が削がれる、若しくは削がれているのでは。そう諸外国に思われるのでは?」
《治世が正しく行われていれば、単なるやっかみですから無視します》
『成程、では王妃が居る状態で平等に扱うには。例えば、何度も其々の意見が分かれたら、どうなさるおつもりなのかしら』
1度だけなら良いけど、何度も1人だけの意見を取り入れたら、肩入れしたってなっちゃう。
果ては王妃を蔑ろにしたって事にも繋がるし。
《難しくなってしまいますね、王妃が居ると》
『可能だと思いますか?』
《いえ、優劣が平等であればこそ、ほぼ不可能かと》
『ね』
「では、改めて、今度は話し合いながら考えてみて下さい。休憩に参りましょう、フアナ」
『素晴らしい回答を待ってるわ、じゃあね』
結局、3人を選んで、後は話し合いをさせるって結論にはなるんだけど。
《僕はそれでも国婿には名乗り出ますよ》
『あら、凄い自信ね』
《いえ、単に表舞台に立つ者として、裏方に回る者と役割を分担をするだけ。扱いは平等に、単なる顔役、矢面に立てる面の皮の厚さが有るので立候補するだけですから》
『そこは兼ね合いを見て、敢えて、少し寵愛が減るかも知れないわよ?』
《そこに不平等さを僕は感じません、ただ寝室以外で長く共に過ごすだけ、他と等しく同じ時間を過ごすのですから》
『そう、なら次は他の者と、どう調和を取るか』
《そこも既に話し合いを、彼が纏めてくれた物が有るんですが……》
多分、この子と結婚するんだろうな。
『ねぇ、ベルデ』
「はい」
『嫌に感じる匂いが無いのだけど?』
その通り、相性の悪い者は既に候補の中には居ない。
フアナ公女は早々に自分とは明らかに合わぬ者を排除、家臣に据える事を決めてしまいましたからね。
「それは良かったですね」
『他の候補者の』
「はい、どうぞ」
念の為にと用意させていたんですが。
『お゛ん』
「まぁ、そう言う事です」
『成程ね、ぅう』
「はい、後は誰が良いかだけですね」
既にローシュが複数の夫を持っている事も、ハーレムへの納得もしている。
けれども初心は1人だけ。
『国婿と、側室を持とうと思うの』
「お1人になさるのでは?」
『もー、私に原因が無い場合の不妊だったとしたら姉妹から子供を取り上げる事になってしまうわ、しかも側室を試さずにそんな事は無理だし。その、裏で支えてくれる者は、確かに必要だし』
国婿にとお考えの者は正に貴族らしい貴族、仕事仲間や同士としての気持ちが強く、色恋や情愛がやや薄い。
片や側室のお1人は私やアーリスの様に世話好きで、そしてもう1人は婚姻や性欲に対して非常に興味は薄いが有能な者。
彼らは国婿に関しても役割分担だと割り切り、仲違いする事も無く話し合えた3人、この組み合わせを離散させるのは確かに惜しい。
「公女様はご賢明でらっしゃる、決定を尊重させて頂きます」
『ダメ、ダメな所が有るなら言って?教えてよぉ』
「いえいえ、感心しているんですよ、御父上の時とはまた違うご決断の仕方。進んでらっしゃるな、と」
『私、強欲だと思われないかしら?』
「何も知らぬ分からぬ者に思われても、寧ろ思うだけなら自由、そうした者も居ると想定しつつ心の中でだけ嘲れば宜しいんです。嫌う者に媚びを売っても時間の無駄、愚か者を慮るなら、寧ろ如何に知らしめるかをお考え下さい」
『でもだって世話役よ?』
「女王だから、平民だから、貴族だから女の悦びを得られない。それはそれで悪しき見本では?」
『ベルデとしては?』
「良い判断かと。と言うかお世話慣れされてらっしゃるでしょうに、何を躊躇いますか」
『お世話されてたのは侍女よ?それこそ乳母だとか、同性だし』
「そうした性癖持ちもいらっしゃるんですよ、お世話好き」
『本当にベルデの夫達はそうなの?』
「ですね、仕事が発生するだけで凄い嫌な顔をします、濃縮したニガヨモギを味あわされた様な顔で」
《ですが今回は例外ですよ、既に前もって想定されていた事ですから》
『でも、よ、邪魔してごめんなさいね?』
《いえ、ご配慮頂けるだけで十分ですし。それに、コレはコレで刺激にもなるので》
「刺激を与えないで頂戴、暫くは平穏に過ごして頂く予定なんですから」
『その、刺激って』
「追々で、一通りお試しになってご不安が有れば相談に乗りますので、今暫くは互いに模索し合って下さい」
『はぁ、後は私の体次第よね』
「コレばかりは運ですし、心配ばかりしてはお体に障ります。後はお心のままに行動して下さい、解禁、で御座います」
『え、じゃあ』
「適格者を見事に選ばれました、女王候補となられました、おめでとうございます」
『本当に?』
「はい、コチラをどうぞ」
既に預かっていた書簡には、女王候補として正式に任命するとの文が。
そして家庭を持ち、円満な夫婦関係を築け、かつ子供が3人持てる事が最終選考に残る方法だとも。
『そうよね、相手を選んだだけで終わるワケが無いのだし』
「例え国を平定させ続ける道具だとしても、その道具が粗末に扱われる事を許すべきでは無い、幸福は平等に誰にでも与えられるべきです」
『お父様は幸せかしら?』
「フアナが賢い子だからこそ、お幸せに決まってます」
『そう言い切るのね、ふふふ』
「愚かより賢い子が私は好きですから」
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