117 / 160
更に更に、その後。
後押し。
しおりを挟む
「ちょっ」
『消えちゃったね』
《クーリエの時と》
「同じね、瞬きの間に消えた、返事の後に」
『ローシュ、大丈夫?』
「何か、狐に化かされたみたい。こう、トリックスターの悪戯、と言うか」
『後押ししに来ただけみたいだしね』
《巧妙に情報を隠されたまま、後押しされただけ、ですしね》
「不安になるべきなのに」
『ねぇ、天使に』
『彼は確かに転移者であり、転生者、人です』
「こんな、贅沢な転移者の使い方をする?」
『私も主も関知してはおりません』
『って事は、やっぱり世界ちゃんが呼んでるって事?』
《平和の為だとして、なら、何故不適切な者が来るのか》
「世界ちゃんに開示されてる情報が限られてるんじゃない?けど呼ばなきゃならない、それか合わせで出さないといけない、とか」
『アレ?2人が言ってたカードゲーム?』
「ルツ、タロットカードがこの前出てたわよね、キャラバン経由で」
《はい、正史派との兼ね合いで最近まで制限されていましたが、出始めました》
「ソレの更に先、トランプカードと。麻雀は?中つ国で出てる道具を使って遊ぶ何か」
《牌九や馬弔なら既に存在していますが》
「まぁ、それらを更に組み合わせた様なのが麻雀で、タロットやトランプや牌九が勝手に配られて、出さないといけない」
『それが転生者とか転移者?』
「そう、絵柄に意味が有っても、ルールや役を知らないと意味が無い。無いと言うか、分からないままに出して役を成立させたり、組み合わせが悪くて変なのが来たり。逆に意味を知って出してるかもだけど、意図は有っても上手くはいかない」
『神なのに?』
「何を持ってして神とするか、単に見てるだけでも神なのか、見てるだけなら神じゃないのか」
『見てるだけじゃないよね、何かしてるなら』
「実はしてないかも知れない、選んでない、ただ配られる何かを見てるだけかも知れない」
《アナタが定義してしまうと、固定される恐れが有る》
「と言うか、選べない。選ばせる苦痛を与えるか、見ているだけの苦痛を与えるか、どっちが良いだとか悪いだとか無い。それを選ぶのは世界ちゃん、見てるだけか選ぶかを選ぶのは世界ちゃんがすべき事」
『そう定義したから、世界ちゃんは自分で選べる、とか?』
「ぁあ、コレ、凄く難しい事象よね。迂闊に情報開示したら、知った者に左右される、世界ちゃんの動きも」
『それこそ考えも、かもだよね』
「良い子なのかどうか、ただ見てるだけなら」
『悪い子の方が楽?』
「良い子は、どっちにしても、苦痛かも知れない」
《そもそも感情も何も無い方が》
『選べないなら何も無い方が良いよね、僕らと同じ様な感じなら』
「選べるなら世界ちゃんが選ぶべき、何も無くても、良いにしても悪いにしても。選ぶ苦痛が有るにしても、選べないよりは、でも」
《私達と似た者なら、ですね》
『コレ、迂闊に広めない方が良いよね』
「最善を選べそうな人、状況が揃うまでは、封印で」
《ですね》
コレ、我らに対しても、じゃよね。
《どうするアリアドネ、デュオニソス、ダイダロスや》
『どうもこうも、よね』
『僕らですら難しい問題だ』
『後回しにするのは好かんが、状況としては正に成熟度が足りない、人に考えさせるには場が不適切』
『なら、やっぱり封印よね』
『幸いにもココは既に他とは違う、僕らすら黙っていれば問題は無い』
『歯痒いがな、不自由な神の存在を認める等とは』
《神、なんじゃろかね?》
『そこよねぇ』
『先では信仰されているとしても、ココにその概念は存在すらしていなかった』
『我々、神々や何かが呼んでいる、とな。だが、我々の誰もが呼んだ感覚は皆無』
《アレらが言う通り、観測させられる立場に据えられた転移者、転生者かも知れぬよね》
『なら、どんな子か、だけど』
『良い子で有れば良いかどうか、それすら決め難い』
『そして我々は決める場所にすら居ない』
《まぁ、封印じゃよね、我々の中に》
『そうね、一旦忘れましょう』
『だね』
『あぁ、頼んだ』
《ふむ、我らに祝福を、呪いを》
『私達に祝福を、呪いを、忘却を』
神様に口止めを、と思ったのだけれど。
『世界ちゃん?』
《ふむ、何も分からんが?》
「まぁ、それなら良いんです、それなら」
《むー、気になるんじゃけど、どうせ詳しく知る意味が無いんじゃろう》
『私達って意外と、忘れる事も出来るのよ、ふふふふ』
「便利ですね」
『長く生きる為の魔法よ、アナタも使う?』
「囚われ秘密を吐きそうになったら死を、なので大丈夫かと」
『抱えたままで居るのね、アナタは』
「時間が有限ですし、出来る事が限られてますから」
《ふむ、それで真珠はどうなるんじゃ?》
『欲しいわよね、私達も』
「観光地化の片手間に、元から忙しく働かせるつもりも無いので、ゆっくりで問題無いかと」
『その合間に各地でも養殖を行う、楽しみね』
《いつになるやら分からんが、確実に得られるとなれば、待つのも楽しいものじゃな》
「しかも美味しい貝も食べれますし」
《アレじゃろ、ソイソースじゃろ》
『アレは?マヨネーズも気になるわ?』
「明らかに聞いてましたよね?私達の会話」
『まぁ、ね?』
『ダイダロスが気にしていたよ、マージャン、だっけ?』
《遊具好きじゃからねぇ》
「柄なら多少は分かりますけど、点数計算とか役は、そこまでは」
《鎖国までは手に入れて来るんじゃよ、ココで魔改造するでな》
「神様の魔改造って、マジでヤバそう」
《楽しみじゃよねぇ》
『お願いね』
『頼むよ、ローシュ』
そうして、国単位の引き籠りの準備も。
「はぁ」
『お疲れ様』
「寧ろコレからよ、期限は決まって無いけど国単位での引き籠りの準備、観光地化、秘密結社」
『真珠養殖に、後は?』
「麻雀、だけじゃなくて多分トランプにタロット。マヨネーズに、多分、次はカレーとか言われそう」
『ローシュのごはん美味しいもんね』
「素人なのよぉ」
『素人のプロじゃな?』
「セミプロ以下、コレでも私は良く言って中位なの」
『はいはい、あ、引き籠ったら好きに出来るから我慢してるとか?』
「確かに、そうね」
『じゃあより良い引き籠りの為に、準備しないとね』
「そうね、そう思うと一気に、頑張っても良い気がしてきたわ」
『本当に、ほんの少しの後押しだったのかもね』
「いえ、結構大きい後押しよ、何だか許された気分だし」
『原罪?』
「そうね、どう生きても怒られるなら、鬱々と生きるか楽しく生きるか」
『なら楽しい方が良いよね、絶対に』
「ね」
ローシュが言ってた通り、小さい石だと思ってても、大きく影響する事も有る。
《私達の言葉では、ダメだったんでしょうか》
『僕らはローシュの味方だから、あの子は味方とか好意に関係無しに意見を言った、同じ様にしたいなら好きじゃダメなんだと思うけど』
『アーリスさんが言う通り、無力かどうかで言えば有効かと、作用は確実にしていますよ』
『ルツ、不安?』
《私が居なくても平気なローシュを見るのは、凄く、色んな気持ちが混ざって不愉快ですね。道を踏み外す者の気持ちが、良く理解出来る気がします》
『それこそ期限は無いけど、いつかきっと受け入れてくれる筈だから、ね?』
《すみません》
『もう少しだけ、我慢して』
観光地化の中に、真珠養殖と貝の養殖が組み込まれた。
地図を見せた上で、道を自分達の好きに切り拓いて、均して貰ってる。
補給用の水や食料はウチから運び入れて、港から船に届ける予定、そこは立ち入らない様にして貰ってる。
倉庫の中は空、そのままドアを通ってウチのに運ばせる、疫病を広めない為にもこの方式になった。
今は竹の植林と、稚貝集めと道路整備、丈夫な建物はまだ倉庫と僕らのドア用の小屋だけ。
釘無しで家を建てられる技術を、ウチから分けてる最中。
「竹と木工に強いのが先代のお陰って、竹、強過ぎよね」
『丈夫だよね本当に』
「だけじゃなくて、それこそ燃料にもなるし器にもなる、他にも建材だ食料だ楽器だ武器だ。しかも成長が早いし病害も殆ど気にしなくて良い、何よコレ、チート植物じゃないの」
『武器って、弓?』
「ほぼバリスタ級の武器、アリね、防衛力は欲しいし」
『ウチの弓、木製だけど』
「竹のはヤバいわよ、慣れたら女子供でも強い弓が引けるのが和弓だから」
『へー』
「銃が出回りそうになったら和弓で誤魔化しましょう、ルツ、ネオスと相談しておいて」
《はい》
ローシュに言われ、実際に和弓の試射を見学させて貰う事に。
『コレは』
《強いわけですね、この国は》
ローシュの言う通り、私やネオスにすら引けない程の強弓を婦女子が軽く引き、距離と貫通力を見せ付けた。
威嚇は勿論、威力、殺傷力は銃に並ぶ。
『火薬武器の出回り始めを確認次第、ココからも出回らせるそうです』
《分かりました、ネオス、少し良いですか》
『はい』
《ココへは、いつまで》
『鎖国か、ローシュの記憶が戻るまで、ですね』
材料は揃っている。
けれども次は、長い眠りを必要とする。
《すみません、落ち着くまで、もう暫く》
『いえ、私はアナタの恩恵を分けて頂いた様なモノですし、役に立てているなら問題無いですから』
《ありがとうございます、では》
黒真珠を得るには、長い眠りが必要とされる、それこそ真珠が育つ様な長い時間が必要だと。
けれども役には立ちたい、出来るなら傍に居たい。
「お帰りなさい」
《ただいま帰りました、和弓も真珠養殖も了承頂けました》
「ありがとう、お疲れ様です」
《収穫を終えたら、少し休暇を頂こうかと》
「ぁあ、休暇の筈が本当に外遊になっちゃったものね、ごめんなさい」
《いえ、ですのでアナタもしっかり休んで下さい。他の者に仕事を任せるのも上の役目、なのでしょう》
「そうね、待つのも休むのも仕事と思えば良いんだし、引き籠りの練習もしないとね」
《はい、では》
『消えちゃったね』
《クーリエの時と》
「同じね、瞬きの間に消えた、返事の後に」
『ローシュ、大丈夫?』
「何か、狐に化かされたみたい。こう、トリックスターの悪戯、と言うか」
『後押ししに来ただけみたいだしね』
《巧妙に情報を隠されたまま、後押しされただけ、ですしね》
「不安になるべきなのに」
『ねぇ、天使に』
『彼は確かに転移者であり、転生者、人です』
「こんな、贅沢な転移者の使い方をする?」
『私も主も関知してはおりません』
『って事は、やっぱり世界ちゃんが呼んでるって事?』
《平和の為だとして、なら、何故不適切な者が来るのか》
「世界ちゃんに開示されてる情報が限られてるんじゃない?けど呼ばなきゃならない、それか合わせで出さないといけない、とか」
『アレ?2人が言ってたカードゲーム?』
「ルツ、タロットカードがこの前出てたわよね、キャラバン経由で」
《はい、正史派との兼ね合いで最近まで制限されていましたが、出始めました》
「ソレの更に先、トランプカードと。麻雀は?中つ国で出てる道具を使って遊ぶ何か」
《牌九や馬弔なら既に存在していますが》
「まぁ、それらを更に組み合わせた様なのが麻雀で、タロットやトランプや牌九が勝手に配られて、出さないといけない」
『それが転生者とか転移者?』
「そう、絵柄に意味が有っても、ルールや役を知らないと意味が無い。無いと言うか、分からないままに出して役を成立させたり、組み合わせが悪くて変なのが来たり。逆に意味を知って出してるかもだけど、意図は有っても上手くはいかない」
『神なのに?』
「何を持ってして神とするか、単に見てるだけでも神なのか、見てるだけなら神じゃないのか」
『見てるだけじゃないよね、何かしてるなら』
「実はしてないかも知れない、選んでない、ただ配られる何かを見てるだけかも知れない」
《アナタが定義してしまうと、固定される恐れが有る》
「と言うか、選べない。選ばせる苦痛を与えるか、見ているだけの苦痛を与えるか、どっちが良いだとか悪いだとか無い。それを選ぶのは世界ちゃん、見てるだけか選ぶかを選ぶのは世界ちゃんがすべき事」
『そう定義したから、世界ちゃんは自分で選べる、とか?』
「ぁあ、コレ、凄く難しい事象よね。迂闊に情報開示したら、知った者に左右される、世界ちゃんの動きも」
『それこそ考えも、かもだよね』
「良い子なのかどうか、ただ見てるだけなら」
『悪い子の方が楽?』
「良い子は、どっちにしても、苦痛かも知れない」
《そもそも感情も何も無い方が》
『選べないなら何も無い方が良いよね、僕らと同じ様な感じなら』
「選べるなら世界ちゃんが選ぶべき、何も無くても、良いにしても悪いにしても。選ぶ苦痛が有るにしても、選べないよりは、でも」
《私達と似た者なら、ですね》
『コレ、迂闊に広めない方が良いよね』
「最善を選べそうな人、状況が揃うまでは、封印で」
《ですね》
コレ、我らに対しても、じゃよね。
《どうするアリアドネ、デュオニソス、ダイダロスや》
『どうもこうも、よね』
『僕らですら難しい問題だ』
『後回しにするのは好かんが、状況としては正に成熟度が足りない、人に考えさせるには場が不適切』
『なら、やっぱり封印よね』
『幸いにもココは既に他とは違う、僕らすら黙っていれば問題は無い』
『歯痒いがな、不自由な神の存在を認める等とは』
《神、なんじゃろかね?》
『そこよねぇ』
『先では信仰されているとしても、ココにその概念は存在すらしていなかった』
『我々、神々や何かが呼んでいる、とな。だが、我々の誰もが呼んだ感覚は皆無』
《アレらが言う通り、観測させられる立場に据えられた転移者、転生者かも知れぬよね》
『なら、どんな子か、だけど』
『良い子で有れば良いかどうか、それすら決め難い』
『そして我々は決める場所にすら居ない』
《まぁ、封印じゃよね、我々の中に》
『そうね、一旦忘れましょう』
『だね』
『あぁ、頼んだ』
《ふむ、我らに祝福を、呪いを》
『私達に祝福を、呪いを、忘却を』
神様に口止めを、と思ったのだけれど。
『世界ちゃん?』
《ふむ、何も分からんが?》
「まぁ、それなら良いんです、それなら」
《むー、気になるんじゃけど、どうせ詳しく知る意味が無いんじゃろう》
『私達って意外と、忘れる事も出来るのよ、ふふふふ』
「便利ですね」
『長く生きる為の魔法よ、アナタも使う?』
「囚われ秘密を吐きそうになったら死を、なので大丈夫かと」
『抱えたままで居るのね、アナタは』
「時間が有限ですし、出来る事が限られてますから」
《ふむ、それで真珠はどうなるんじゃ?》
『欲しいわよね、私達も』
「観光地化の片手間に、元から忙しく働かせるつもりも無いので、ゆっくりで問題無いかと」
『その合間に各地でも養殖を行う、楽しみね』
《いつになるやら分からんが、確実に得られるとなれば、待つのも楽しいものじゃな》
「しかも美味しい貝も食べれますし」
《アレじゃろ、ソイソースじゃろ》
『アレは?マヨネーズも気になるわ?』
「明らかに聞いてましたよね?私達の会話」
『まぁ、ね?』
『ダイダロスが気にしていたよ、マージャン、だっけ?』
《遊具好きじゃからねぇ》
「柄なら多少は分かりますけど、点数計算とか役は、そこまでは」
《鎖国までは手に入れて来るんじゃよ、ココで魔改造するでな》
「神様の魔改造って、マジでヤバそう」
《楽しみじゃよねぇ》
『お願いね』
『頼むよ、ローシュ』
そうして、国単位の引き籠りの準備も。
「はぁ」
『お疲れ様』
「寧ろコレからよ、期限は決まって無いけど国単位での引き籠りの準備、観光地化、秘密結社」
『真珠養殖に、後は?』
「麻雀、だけじゃなくて多分トランプにタロット。マヨネーズに、多分、次はカレーとか言われそう」
『ローシュのごはん美味しいもんね』
「素人なのよぉ」
『素人のプロじゃな?』
「セミプロ以下、コレでも私は良く言って中位なの」
『はいはい、あ、引き籠ったら好きに出来るから我慢してるとか?』
「確かに、そうね」
『じゃあより良い引き籠りの為に、準備しないとね』
「そうね、そう思うと一気に、頑張っても良い気がしてきたわ」
『本当に、ほんの少しの後押しだったのかもね』
「いえ、結構大きい後押しよ、何だか許された気分だし」
『原罪?』
「そうね、どう生きても怒られるなら、鬱々と生きるか楽しく生きるか」
『なら楽しい方が良いよね、絶対に』
「ね」
ローシュが言ってた通り、小さい石だと思ってても、大きく影響する事も有る。
《私達の言葉では、ダメだったんでしょうか》
『僕らはローシュの味方だから、あの子は味方とか好意に関係無しに意見を言った、同じ様にしたいなら好きじゃダメなんだと思うけど』
『アーリスさんが言う通り、無力かどうかで言えば有効かと、作用は確実にしていますよ』
『ルツ、不安?』
《私が居なくても平気なローシュを見るのは、凄く、色んな気持ちが混ざって不愉快ですね。道を踏み外す者の気持ちが、良く理解出来る気がします》
『それこそ期限は無いけど、いつかきっと受け入れてくれる筈だから、ね?』
《すみません》
『もう少しだけ、我慢して』
観光地化の中に、真珠養殖と貝の養殖が組み込まれた。
地図を見せた上で、道を自分達の好きに切り拓いて、均して貰ってる。
補給用の水や食料はウチから運び入れて、港から船に届ける予定、そこは立ち入らない様にして貰ってる。
倉庫の中は空、そのままドアを通ってウチのに運ばせる、疫病を広めない為にもこの方式になった。
今は竹の植林と、稚貝集めと道路整備、丈夫な建物はまだ倉庫と僕らのドア用の小屋だけ。
釘無しで家を建てられる技術を、ウチから分けてる最中。
「竹と木工に強いのが先代のお陰って、竹、強過ぎよね」
『丈夫だよね本当に』
「だけじゃなくて、それこそ燃料にもなるし器にもなる、他にも建材だ食料だ楽器だ武器だ。しかも成長が早いし病害も殆ど気にしなくて良い、何よコレ、チート植物じゃないの」
『武器って、弓?』
「ほぼバリスタ級の武器、アリね、防衛力は欲しいし」
『ウチの弓、木製だけど』
「竹のはヤバいわよ、慣れたら女子供でも強い弓が引けるのが和弓だから」
『へー』
「銃が出回りそうになったら和弓で誤魔化しましょう、ルツ、ネオスと相談しておいて」
《はい》
ローシュに言われ、実際に和弓の試射を見学させて貰う事に。
『コレは』
《強いわけですね、この国は》
ローシュの言う通り、私やネオスにすら引けない程の強弓を婦女子が軽く引き、距離と貫通力を見せ付けた。
威嚇は勿論、威力、殺傷力は銃に並ぶ。
『火薬武器の出回り始めを確認次第、ココからも出回らせるそうです』
《分かりました、ネオス、少し良いですか》
『はい』
《ココへは、いつまで》
『鎖国か、ローシュの記憶が戻るまで、ですね』
材料は揃っている。
けれども次は、長い眠りを必要とする。
《すみません、落ち着くまで、もう暫く》
『いえ、私はアナタの恩恵を分けて頂いた様なモノですし、役に立てているなら問題無いですから』
《ありがとうございます、では》
黒真珠を得るには、長い眠りが必要とされる、それこそ真珠が育つ様な長い時間が必要だと。
けれども役には立ちたい、出来るなら傍に居たい。
「お帰りなさい」
《ただいま帰りました、和弓も真珠養殖も了承頂けました》
「ありがとう、お疲れ様です」
《収穫を終えたら、少し休暇を頂こうかと》
「ぁあ、休暇の筈が本当に外遊になっちゃったものね、ごめんなさい」
《いえ、ですのでアナタもしっかり休んで下さい。他の者に仕事を任せるのも上の役目、なのでしょう》
「そうね、待つのも休むのも仕事と思えば良いんだし、引き籠りの練習もしないとね」
《はい、では》
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

夫の隠し子を見付けたので、溺愛してみた。
辺野夏子
恋愛
セファイア王国王女アリエノールは八歳の時、王命を受けエメレット伯爵家に嫁いだ。それから十年、ずっと仮面夫婦のままだ。アリエノールは先天性の病のため、残りの寿命はあとわずか。日々を穏やかに過ごしているけれど、このままでは生きた証がないまま短い命を散らしてしまう。そんなある日、アリエノールの元に一人の子供が現れた。夫であるカシウスに生き写しな見た目の子供は「この家の子供になりにきた」と宣言する。これは夫の隠し子に間違いないと、アリエノールは継母としてその子を育てることにするのだが……堅物で不器用な夫と、余命わずかで卑屈になっていた妻がお互いの真実に気が付くまでの話。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる