女装転移者と巻き込まれバツイチの日記。

中谷 獏天

文字の大きさ
上 下
91 / 160
更にその後。

親戚のオバさん。

しおりを挟む
「そうなんです、良い男なんですよ。伯母の孫なんですの」

 情報収集と私の縁談探しを兼ねる、とは。

《ローシュ》
「似て無いから良く誤解されるんですけど、どなたかいらっしゃいません?」

《いえ、私は》
「見た目とは違って純ですから大丈夫、意外に良い子ですよ」
『ならどうして近場で探さないんだい?』

「真面目過ぎて愛想が悪いもんですから、でも最近ようやっと考える様になってくれて。けどもう周りは貰い手が決まってて、ウチは小さい所なので、思い切って余所でと」

『そう小さい所から来たなら、それこそお姑さんとか』
「生憎と姉も彼の母も亡くなってまして、旦那さん達は他の方とご結婚していて既に疎遠で、久し振りに会ったら結婚してなくてもう慌てて探しに出たんですよ。今までほっといてごめんなさいね、良い子だからてっきり結婚してるとばかり」

 実はローシュは、向こうの世界では詐欺師だったのかと思う程、滑らかに嘘が良く出る。

『成程、確かに気難しそうな顔付きだけどね。そう、アンタは困って無いのかい』
「私にはもう夫が居ますから、ほら、あの人です。身内の事だからと気を遣ってくれて、優しい人なんです」

『成程ね、なら少し話をさせておくれ。そうだね、通りに良い店が有るからウチの者に案内させる、夫婦で行っておいで』
「ありがとうございます、では」

 そうして、何を聞かれるのか、何を話すべきかと考えていると。

『アンタ、あの人が好きなんだろ、そら困った状態だろうね』

《はい、すみません、ご迷惑を》
『いや、けどアンタもアンタだ、遠い親戚にせよ良い女だと思ったら言わないとダメだよ。じっくり考えろとも言うが、結局は直感だ、それとも打算だったのかい?』

《最初は、本当に最初の1日だけ、後はもう彼女しか居ないと思ったんですが》

『政略結婚かい』
《はい》

『バカだねぇ、政略結婚でアレだけ仲が良いなら、もう入る余地が無いだろうに。彼女の言う通り、他をお探しよ』

《無理なんです、彼女より賢い人は居ません、賢く優しい人はこの世には居ないんです》
『ならどうして政略結婚の前に、いや、何か事情が有るんだろうけど。アンタの身内なんだろう、安心させてやる事も愛情じゃないのかい』

《他の女性を抱くなら死んだ方がマシなので、無理ですね》

『アンタ』
《彼女にその時の記憶は無いので、それこそ私のせいで、こうなっているんです》

『事故にせよ病気にせよ、そう言う事かい、成程ね。ただ初めてに固執するのは良くないね、何事にも初めては付き物、情愛と執着を履き違えたらいけないよ』

《情愛と執着、それら全て、私の全てなんです》
『アンタ、他に相手が居ても良いって言うのかい』

《独占するのは寧ろ勿体無い程の女性ですから》

『成程ね、アンタに利が有り過ぎて腰が引けたんだね』

 ローシュが探し当てた女性は巫女なのかと思う程、私の気持ちを言い当てた。
 知ると理解との違い、そして経験の差はこうも卓越するものなのだろうか。



「何故、私の話になっちゃってるのかしら?」
『いやね、この子の目がどんだけ肥えてるかって話からね。生半可な子を紹介したんじゃ不幸になるだけ、だからしっかり見定めないといけないからねぇ』

 人の事なら幾らでも嘘が言えるけど、自分のってちょと難しいのよね、嘘と真実の混ぜ具合が特に。

「私、彼が思う程は有能では無いので」
『離縁した事も有るんだろ、しかもその後に元旦那も身内も亡くした、大変だったねぇ』

「いえ」
『良いんだよ、魔女狩りに遭ったんだろ、最近のワケ有りって言ったら殆どソレだからね』

 成程。
 神様にご案内頂いた大奥様は流石だわ。

「ですけど明確にお返事は難しいですわね、至らぬ点が有ったと言えば有ったかも知れませんし、他にもう生きて証言出来る者も居りませんから」

『良い言い回しだね、それで政略結婚だろう。でもまぁ仲が良さそうだし、逃げた先が良かったんだろうね』

「いえ、寧ろ、それで外に探しに出ているんです」
『何だい、そこもワケ有りかい』

「彼の住んでいる国が近々、閉じる、と」

 魔女と呼ばれる者を囲い、鎖国しようとしている国がある。
 ココの鳩が広めたのはココまで、ココでは国名までは不明だとしているのだけれど。

『ぁあ、黒海の、前回の魔女狩り撃退で目立ったからねぇ』

 黒海に面する国は何ヶ国か存在している、けれども魔女狩りを撃退した、と知られているのはウチだけ。
 そもそも発生させた時点で他国は恥だとしており、ウチの様に大っぴらにはしていない、要は内々に処理しているらしい。

 と言う噂を流して貰って、敵も味方もウチに来るように仕向けている。

「なのでお嫁様に来て貰うのは難しいですし、彼をキャラバンに入れるか、何処かに定住させようかと」

『ほう、キャラバンに入れるだけの能力を持っているのに、国が手放すのかい』
「彼は若いですし、人材は揃っていますから」

『そう名の通らぬ国なのに随分と人に恵まれているね』
「だからこそ、狙われる部分も有るかと」

『随分と詳しいね』
「キャラバンから紹介され、私も一時は居りましたので」

『となると、負けそうなのかい』
「いえ、ただ国を封鎖するとなれば魔王すらも入れぬ結界を張るそうで。そうなればもう、入る事も出る事も暫くは叶わない、と。いつ落ち着くか分かりませんし、最後の身内ですから」

『アンタは何処に住んでるんだい』
「デンマークの更に北の地で、何も無いですが、人も居なくて静かな所なんですよ」

『はー、それで駆け付けたのかい、身内の為に』
「意外と船は楽ですよ、夏場ならデッキで水浴びすれば良いですし」

『成程。そうだね、ウチの1番に会せてやるよ。今夜だ、今夜、夜会が有るから招待してやるよ』
「その、私、夜会は不慣れでして」

『大丈夫だよ、私も呼ばれているからウチで準備していきなさい』
「あの、そこまでのご恩に酬いる事が、難しいかも知れないのですが?」

『いや、アンタは情報をくれただろう、それにコチラも少しアンタ達を利用させて貰う。それでも釣り合いが取れなさそうなら、そうだね、北の方のベリーでも船便で届けて貰おうかね』

「分かりました、では、お言葉に甘えさせて頂きます」



 綺麗にお辞儀カーテシーをするし、ハンドキスの流儀まで心得てるんだ。
 些末な貴族とはワケが違うとは思ったけれど、言葉も複数使いこなし、言葉にもしっかり気を配って。
 コレを国から出せるルーマニアってのは、凄いのが揃ってるって事だろうね。

『アレだよ、1番群がられてるのが居るだろ、アレだ』

「意外と、お若いと言うワケでは」
『仕事を優先してね、王妃様の侍女だったんで少し社交の場に出るのが遅れたんだ』

「その、ご婚約者様とかは」
『居たんだが、本来は互いにお飾りだと。けれども向こうから評判が良いからと結婚を正式に申し込まれ、キッパリ断ったんだ。まぁ贈り物が酷過ぎて心無い者に笑われるわ、馬鹿の方は他に女が居ると噂されていたのだし、無理も無いさ』

「因みに、その男性は?」
『そら廃嫡だよ、破棄の際に証拠品としてプレゼントを全て送り返し、如何に似合わないかを相手方のご両親の前で見せたからね。アレは本当に酷かった、どう考えてももう1人の女に似合う品でね、そのまま破談と廃嫡だよ』

「結構、厳しい措置を取ったのですね」
『男伊達らにもう若いのが継いでたし、家名を守るにはその位はしないとね。そうかい、アンタ本当に知らなかったんだね』

「奥様の見極められるだろう目に惹かれたので」
『嫌だね全く、単に年を取ってるだけだよ』

「いえいえ、ルツが心を開くのは相当でないと難しいですから」

『そのルツだけど、ほれ見なさい、全く助ける素振りが無い。もうこの時点でダメなんだよ、アレも賢い子だからね、自分より愚かな者には興味が無いんだ。合うウブさ、愛しいと思えるかどうかは人其々、アレに合う子はそうは居ないよ』

「あの」
『試しにアンタが行って引き合わせてやんなさいな、如何に無理か分かる筈だよ、賢いアンタならね』

 ほれ見た事か。
 こんなにも嬉しそうにしてるって言うのに、他を宛てがうなんて無理なんだよ。

 まぁ、いつもなら一夫一妻制を進めるけど、彼女の場合は難しいだろうね。
 下手に独占させれば争いになる、賢い子なら分かる筈なんだけど、こうして拗れているのは覚えていない事も関係しているのかも知れないね。



「仮にもお嫁様を探しに来たんだから、私で喜ばないで」
《無理ですね、アナタより素敵な女性は居ないので》

「なら我慢なさい、私の様に一緒に動かないで、家で家を守る奥様を探しなさい。じゃないと不器用なんだから、あんな事を聞かれたらいつか刺されるわよ」

《いっそ、刺してくれたら良かったんですよ》
「私だけに良い顔をしなかったのが嫌だったみたい、ごめんなさいね、心が狭くて」

《もう同じ過ちは犯しません、どうか》
「なら試しに色目を使わずに誤解されぬ様に彼女を助けて、制御出来るなら簡単でしょ、じゃあ待ってるわね」

 相変わらずルツは可哀想なんだけど、確かにローシュが言う事にも一理ある。
 こうやって突発的な、偶発的な状態でも、本当に同じ失敗を繰り返さないのかどうかの確認は必要だし。

『ローシュは慎重だものね』
「仕事の事なら許すけど、アレは凄く個人的な事も絡むから、失敗が許せないのよね」

『分かったって言って、似た様な問題を何度も起こされて嫌だったんだし、仕方無いよ』

「そんな人じゃないと分かってると言えば分かってるんだけど、情愛の扱いが不得手らしいし、どうにも」
『大丈夫、僕が見てようか?』

「いえ、コレで嫌な思いをすれば完全に断ち切る言い訳にも使えるし、彼女に迷惑を掛けそうなら助けないとだし」
『もし上手く立ち回ったら?』

「まぐれって事にして、後2回は試すわね」
『2回成功してもダメなんだ』

「それだけ私の信用を消し飛ばしたし、嫌なら諦めれば良いの。さっさと早く諦めてくれないかしら、ルツの時間だって無限じゃないでしょうに」



 綺麗な色の赤髪に、綺麗な緑色の瞳。

《失礼します、ハプスブルク家のエレオノーレ様をご存知でしょうか》
『はい』

《私の叔母がお世話になっていまして、少しお話させて頂いても》

 遠縁で、破談の際に証人にはなって頂いたけれど。

『はい』

 私、何も知らないのよね、結婚と離縁にお強いってだけしか。

《失礼ですが意中の方は居られましたか?》
『へ?』

《いえ、後で誤解を解かせて頂こうかと、アナタには興味が無いので》
『ぁあ、居ないです』

《そうですか、因みに目の前の黒髪に黒いドレスの女性が私の叔母です》
『随分とお若い』

《祖母の妹ですから》
『それにしても、殆ど同じか、寧ろ叔母様の方が若いのでは?』

《はい、アレでも私と同じ年頃なんです、東洋の血のお陰だそうです》
『アナタにも入ってるんですか?』

《いえ、少し家系が複雑なので》
『ぁあ、失礼しました』

 見た目が良過ぎる方って、どうにも苦手なんですけど。
 ぁあ、平気な理由は多分コレ、私に全く気が無いから。

「どうも、伯母様にお世話になっているローシュと申します、余計な事をしてしまいましたかしら」
『いえ、助かりました』

「お連れ様は?」
『それが急に用事が出来たと、出てしまって、直ぐに戻ると聞いてたのですが』
《あの方でしょうかね》

 少し怖い顔をしながら、真っ直ぐにコチラへ。

『ぁあ、大丈夫ですから、寧ろ助けて頂いたんです』
『すみませんでした、ありがとうございます、では』

『あ、待って、伯母の知り合いなのよ』
「構いませんよ、では」

『すみません、ありがとうございました、伯母にお礼を伝えておきますので。では』

 女性や既婚者なら軽くいなせるんですけど、どうにも私に好意を持つ、見た目の良い方が苦手で。
 この方も、私に気が有るのか無いのか、何か苦手なんですよね。

『もう少し賢く抜け出せませんでしたかね』
『は、見てたんですか?』

『アナタの伯母様から言われたんです、甘やかすだけではダメだと』

『アナタ、私を甘やかした事が?』
『王族の方々は上品ですけど、ココはどちらかと言えば下品なんです、もっと露骨で直接的な猥談に慣れて貰っても良いんですよ?』

『ぁあ、それはどうも、ご丁寧に。出来れば今までのままで、暫くお願い出来ませんかね?』

『ダメですね、甘やかされていると分かって頂けてなかったですし、他の男性に付いて行ってしまったので』

 コレは。
 誂われる予感、逃げなくては。

『あ、本当に伯母に呼ばれたかも知れないので、確認に行ってきますね。では』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

野生児少女の生存日記

花見酒
ファンタジー
とある村に住んでいた少女、とある鑑定式にて自身の適性が無属性だった事で危険な森に置き去りにされ、その森で生き延びた少女の物語

異端の紅赤マギ

みどりのたぬき
ファンタジー
【なろう83000PV超え】 --------------------------------------------- その日、瀧田暖はいつもの様にコンビニへ夕食の調達に出掛けた。 いつもの街並みは、何故か真上から視線を感じて見上げた天上で暖を見る巨大な『眼』と視線を交わした瞬間激変した。 それまで見ていたいた街並みは巨大な『眼』を見た瞬間、全くの別物へと変貌を遂げていた。 「ここは異世界だ!!」 退屈な日常から解き放たれ、悠々自適の冒険者生活を期待した暖に襲いかかる絶望。 「冒険者なんて職業は存在しない!?」 「俺には魔力が無い!?」 これは自身の『能力』を使えばイージーモードなのに何故か超絶ヘルモードへと突き進む一人の人ならざる者の物語・・・ --------------------------------------------------------------------------- 「初投稿作品」で色々と至らない点、文章も稚拙だったりするかもしれませんが、一生懸命書いていきます。 また、時間があれば表現等見直しを行っていきたいと思っています。※特に1章辺りは大幅に表現等変更予定です、時間があれば・・・ ★次章執筆大幅に遅れています。 ★なんやかんやありまして...

【完結】番である私の旦那様

桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族! 黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。 バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。 オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。 気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。 でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!) 大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです! 神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。 前半は転移する前の私生活から始まります。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...