23 / 160
その後。
刺青と刺繡。
しおりを挟む
事の発端は、精神を操る魔法を防ぐ為の魔法についての講習を、ルツから受けている時だった。
「刺青」
《痛みは消して下さるそうですが、感染症が不安ですか?》
「いや、そこは大丈夫なんだが」
男子は頭皮に、女性は前面の正中線に見える様に施すんだそうで。
《では、何が?》
「頭にやりたいんだが?」
《丸刈りになる気ですか?》
「うん」
《手入れが面倒なら私がしますから》
「いや安全面でよ」
《ですが、それこそ見えている方が良いんですよ女性は、既に対策がなされている事が安全に繋がりますから》
「あぁ、成程」
《しかも誰かのモノだと分かる印が有れば、尚、ですし》
印章、それこそ既に指輪型の印鑑的な物が王侯貴族には普及していて。
その家紋を新規で作るかどうかの思案中でもあって。
『ふふふ、凝ったモノが本当に好きね』
「アリアドネさん、本当もう、困っちゃう」
『それで、良い案を持って来たのだけれど。多分、アナタは気に食わないかもなのよね』
「逆に、凄く、気になるんですが?」
『印章は凝ったモノにって、そうなると指輪より腕輪の方がより細かく出来るし、他の魔法も載せられるわよねって』
「良いじゃないですか」
『特別、になっちゃうのよね、ソレだと』
「いえ、もう、外見がコレですし。特別で結構ですわよ」
『あら、そう、ならこんな感じで考えてるのだけれど』
この時に先ず、1回、気付くチャンスは有った。
けれど印章を見まくってたのと、実はデザイン画が反対だった事も有り、見抜けなかった。
薔薇だ棘だ、トライバル柄で素敵やん。
とか思って許可した時の自分に言いたい。
それ、罠やで、と。
「素敵」
『あぁ、それと除毛剤の事なのだけど、私のを先に試してみても良いかしら』
「是非」
そうして、入浴剤に浸かると、すっかりツルツルに。
『どうかしら?』
「出来たら、コレが人の手で出来たら良いんですけどね」
『痛みも無しには、アナタの居た時代でも無理でしょ?』
「そうなんですよねぇ」
『じゃあ、次は刺青ね、このまま横になって』
「うん?はい」
そう、ココでも気付けたかも知れないのに。
ぬかった、迂闊だった。
『はい、おしまい』
「ちょ、コレは」
『そう、知っているのね』
「淫、紋」
『効果はもう、知っているのでしょ?』
そう、この時も。
単にカマかけに引っ掛かってただけで。
「ぅう、何となく」
『そう、例えば?』
あまりの動揺に、ポロポロと言ってしまったのだが。
実際には殆ど知らなかったそうで、避妊の効果さえ発現すれば良かったらしく。
本当に、迂闊だった。
「とか、まぁ、はい」
『素晴らしい魔法の効果だわね、さ、効果はどうかしら』
そう効果が出てしまう、そう思い込んでしまっていた。
プラセボから魔法へと昇華され、アリアドネさんの手で覆われていた刺青が、鮮やかに発色していった。
「ひぃ」
『はいはい、大丈夫大丈夫、避妊効果は完璧よ』
いや、そうしたらもう、断れないですやん。
詰んだ。
《綺麗に発色するモノなんですね》
「知識が有る自分が恨めしいと初めて思ったわ」
アリアドネ様とデュオニソス様の魔法、それからダイダロス神の魔道具が融合された刺青。
魔法印。
欲情すれば鮮やかな赤紫色に発色し、対となる印の無い者が見れば、最も嫌悪する黒い柄に見えるらしく。
《王が蜘蛛嫌いとは、初めて知りましたよ》
「髑髏に蜘蛛ってカッコイイと思うけどね」
『何で王には恥ずかしくないの?』
「そらお互いに仕方無く見るんだし、奥様方も居たんだもの、仕事よ仕事」
《発色されるかと思ったんですけど、杞憂でしたね》
「いい加減に信じてくれませんかね?」
『僕らには魅力的だもの』
《ですね、妬くのは仕方無い事ですから我慢して下さい》
『じゃあ僕は先に寝ててあげる、おやすみ』
「おやすみ」
《どうして眠ろうとしているんでしょうか》
「寄る年波に勝てないのです」
《なら直ぐに済ませすから、何もせず横になってて大丈夫ですよ》
「ちょ」
最近、若返った若返ったと五月蠅く言われる。
特に王妃様や侍女達に。
最初は煽ててるんだか社交辞令なんだか、それこそルツやアーリスとの事を誂いたいのかと思っていたのだけれど。
本当に、マジで張りが戻って来たと言うか、何と言うか。
『あら、気のせいじゃないわよ?』
「アリアドネさん?」
『それこそ竜の加護、不老長寿』
「いや、けど、体を既に」
『あぁ、あの時はアナタが若返りを強く否定していたから、体の不調を取り除いただけ。けれど竜の番なのだから、ね、体が最も良い時期へと変化しているのよ』
「良い時期て」
『だって、年だ年だって逃げ回るから、アーリスの魔力が与えられているの。あの子の精を受け続けていれば、同じ年まで生きられるわ』
「そこまで長生きはちょっと」
『ふふふ、そこまでは大丈夫、次の手を考えてあるわ』
「それを、今聞くには?」
『ダメね、お楽しみは取っておいた方が良いし、その手を頼って適当に生きて貰っても困るもの』
「あぁ、はい」
『良い子良い子、ふふふ』
「こうして、サキュバスの伝説が作られていくんでしょうかね」
『かも知れないわね、ふふふふ』
若いだ何だと言われるが。
無いわぁ、コレがサキュバスは無いわぁ。
《はい、お礼だ姉上》
「何の」
《あの魔法印が女性達にも好評なんだ。貞操の証明もだが、言わずに誘えるわ断れるわで、便利なのだとさ》
「あぁ、それこそクッションにお返事でも刺繡しておけば良いのでは」
《ほう》
「こう、片面に良い時、悪い時と。それこそ蕾と満開の花を刺繡されたクッションをベッドに、どちらかを表にして、置いておく。とか」
《ほうほう》
「あまり断ってもアレですし、いざって時用って事で、日頃はソファーにでも置いておくとか。後は花の種類で趣向を変えるとか、とか?」
《天才か》
「向こうの知識の流用です」
《でもだ、ココで応用や転用可能な技術かどうかもだが、姉上が居なければ技術の出所が怪しまれる。うん、やっぱり視察に行ってくれ》
「あぁ、やっぱり、そうなりますよね」
《悪目立ちしたくないなら、こそだ》
「外遊で様々な知識を得て帰って来たかどうかで、周りの目が変わる」
《間も無く印章も出来上がるんだし、頼む、マジで》
「目立たない為、はぁ」
《それか、また見合いしまくるか》
「外遊しますぅ」
どうしても姉上を排除しようとする輩を減らすには、時間が掛かる。
王妃がコチラ側になった事で、かなり勢力図は変わったが。
姉上が勤勉であればある程、怠け者には脅威として映る。
今回、排除派には旅行に見える様に、敢えてそう手配をする。
トルコ、ギリシア、そしてローマへ。
アレだよアレ、真の目的は新婚旅行な。
クーリナにお願いされてたんだよ、コレ。
『うん、食べ易くなって良い感じ』
「本当に、もう、無邪気さを含んだ感想は凄くキツい」
『前も前で嫌じゃないよ?』
「ぅう」
『長生きは嫌?』
「生かして貰ってるだけでも有り難いのに、貰い過ぎてる気がする」
『僕も楽しいのに?』
「ぅう」
『お互いに利益が有るのはダメなの?』
「ダメでは無いけど、羨ましがられる様な事が、怖いんだと思う」
『竜の竜を咥え込んでるローシュは化物並みなのか、って言われてるけど』
「凄い言い草をされてるのね」
『そう羨ましがられない様にしてあるから、だから大丈夫だよ』
「ほう?」
『他の人には、こうだ、って見せた』
「どうしたら勃起したのを見せる事になるの?」
『敢えて、医者の卵達に』
「あぁ、そら化物並みかとも思われるわな」
『キモぃ、って小声で言われた』
「あぁ、よしよし」
『シロサイとかフォッサみたい、とかも言われた』
「シロサイは分かるが、フォッサが分からん」
『シュッとしたオオヤマネコみたいなんだって』
「へー」
『試す?』
「試したいの?」
『だって10人居たら3人位しか満足出来無いんでしょ?』
「雑なら10人に試したって0でしょうね」
『満足してくれてる?』
「経験者なら分かるだろ?」
『もっと上が有るかもだし』
「向上心だけ頂いておきます」
『キモぃ?』
「いや、凄いなとは思うけど、そもコレ幻惑とかじゃないの?」
『触ってみたら分かるかもよ?』
「触って欲しいの?」
『嫌ならいい』
「嫌では無いけど」
『本当に?どこまでなら平気?』
「君、足りなかった?」
『嫌ならいい』
「分かった分かった、嫌じゃないからそんな顔をするな」
少し心配してたんだけど、ローシュは本当に嫌がらなかった。
優しいとはちょっと違うけど、優しい、しかも悲しそうな顔をすると我儘でも聞いてくれる。
けど、ちゃんと線引きが有るから、超えると凄く怒る。
怒ると触らせてもくれないから、怒らせない様にしてる。
それから悲しませない様にも。
だからちょっと恥ずかしかったけど、誰も羨ましく思わない様に、敢えて見せた。
コレは王妃様の案。
不器用だけど、ちゃんと優しい王様の奥さん。
流石にコレ見せた時はドン引きしてたけどね、別に平気。
ローシュにドン引きされたり、嫌われる方が嫌、って言うか想像するだけで死んじゃいそうになる。
無理、本当に無理。
『どうだった?嫌ならちゃんと言ってね』
「嫌じゃないよ、大丈夫」
『じゃあ好き?コレ』
「慣れるまで人間のと同じので暫くお願いします、体力は直ぐに付かないんだから」
『分かった』
良かったって事なんだ、良かった。
「刺青」
《痛みは消して下さるそうですが、感染症が不安ですか?》
「いや、そこは大丈夫なんだが」
男子は頭皮に、女性は前面の正中線に見える様に施すんだそうで。
《では、何が?》
「頭にやりたいんだが?」
《丸刈りになる気ですか?》
「うん」
《手入れが面倒なら私がしますから》
「いや安全面でよ」
《ですが、それこそ見えている方が良いんですよ女性は、既に対策がなされている事が安全に繋がりますから》
「あぁ、成程」
《しかも誰かのモノだと分かる印が有れば、尚、ですし》
印章、それこそ既に指輪型の印鑑的な物が王侯貴族には普及していて。
その家紋を新規で作るかどうかの思案中でもあって。
『ふふふ、凝ったモノが本当に好きね』
「アリアドネさん、本当もう、困っちゃう」
『それで、良い案を持って来たのだけれど。多分、アナタは気に食わないかもなのよね』
「逆に、凄く、気になるんですが?」
『印章は凝ったモノにって、そうなると指輪より腕輪の方がより細かく出来るし、他の魔法も載せられるわよねって』
「良いじゃないですか」
『特別、になっちゃうのよね、ソレだと』
「いえ、もう、外見がコレですし。特別で結構ですわよ」
『あら、そう、ならこんな感じで考えてるのだけれど』
この時に先ず、1回、気付くチャンスは有った。
けれど印章を見まくってたのと、実はデザイン画が反対だった事も有り、見抜けなかった。
薔薇だ棘だ、トライバル柄で素敵やん。
とか思って許可した時の自分に言いたい。
それ、罠やで、と。
「素敵」
『あぁ、それと除毛剤の事なのだけど、私のを先に試してみても良いかしら』
「是非」
そうして、入浴剤に浸かると、すっかりツルツルに。
『どうかしら?』
「出来たら、コレが人の手で出来たら良いんですけどね」
『痛みも無しには、アナタの居た時代でも無理でしょ?』
「そうなんですよねぇ」
『じゃあ、次は刺青ね、このまま横になって』
「うん?はい」
そう、ココでも気付けたかも知れないのに。
ぬかった、迂闊だった。
『はい、おしまい』
「ちょ、コレは」
『そう、知っているのね』
「淫、紋」
『効果はもう、知っているのでしょ?』
そう、この時も。
単にカマかけに引っ掛かってただけで。
「ぅう、何となく」
『そう、例えば?』
あまりの動揺に、ポロポロと言ってしまったのだが。
実際には殆ど知らなかったそうで、避妊の効果さえ発現すれば良かったらしく。
本当に、迂闊だった。
「とか、まぁ、はい」
『素晴らしい魔法の効果だわね、さ、効果はどうかしら』
そう効果が出てしまう、そう思い込んでしまっていた。
プラセボから魔法へと昇華され、アリアドネさんの手で覆われていた刺青が、鮮やかに発色していった。
「ひぃ」
『はいはい、大丈夫大丈夫、避妊効果は完璧よ』
いや、そうしたらもう、断れないですやん。
詰んだ。
《綺麗に発色するモノなんですね》
「知識が有る自分が恨めしいと初めて思ったわ」
アリアドネ様とデュオニソス様の魔法、それからダイダロス神の魔道具が融合された刺青。
魔法印。
欲情すれば鮮やかな赤紫色に発色し、対となる印の無い者が見れば、最も嫌悪する黒い柄に見えるらしく。
《王が蜘蛛嫌いとは、初めて知りましたよ》
「髑髏に蜘蛛ってカッコイイと思うけどね」
『何で王には恥ずかしくないの?』
「そらお互いに仕方無く見るんだし、奥様方も居たんだもの、仕事よ仕事」
《発色されるかと思ったんですけど、杞憂でしたね》
「いい加減に信じてくれませんかね?」
『僕らには魅力的だもの』
《ですね、妬くのは仕方無い事ですから我慢して下さい》
『じゃあ僕は先に寝ててあげる、おやすみ』
「おやすみ」
《どうして眠ろうとしているんでしょうか》
「寄る年波に勝てないのです」
《なら直ぐに済ませすから、何もせず横になってて大丈夫ですよ》
「ちょ」
最近、若返った若返ったと五月蠅く言われる。
特に王妃様や侍女達に。
最初は煽ててるんだか社交辞令なんだか、それこそルツやアーリスとの事を誂いたいのかと思っていたのだけれど。
本当に、マジで張りが戻って来たと言うか、何と言うか。
『あら、気のせいじゃないわよ?』
「アリアドネさん?」
『それこそ竜の加護、不老長寿』
「いや、けど、体を既に」
『あぁ、あの時はアナタが若返りを強く否定していたから、体の不調を取り除いただけ。けれど竜の番なのだから、ね、体が最も良い時期へと変化しているのよ』
「良い時期て」
『だって、年だ年だって逃げ回るから、アーリスの魔力が与えられているの。あの子の精を受け続けていれば、同じ年まで生きられるわ』
「そこまで長生きはちょっと」
『ふふふ、そこまでは大丈夫、次の手を考えてあるわ』
「それを、今聞くには?」
『ダメね、お楽しみは取っておいた方が良いし、その手を頼って適当に生きて貰っても困るもの』
「あぁ、はい」
『良い子良い子、ふふふ』
「こうして、サキュバスの伝説が作られていくんでしょうかね」
『かも知れないわね、ふふふふ』
若いだ何だと言われるが。
無いわぁ、コレがサキュバスは無いわぁ。
《はい、お礼だ姉上》
「何の」
《あの魔法印が女性達にも好評なんだ。貞操の証明もだが、言わずに誘えるわ断れるわで、便利なのだとさ》
「あぁ、それこそクッションにお返事でも刺繡しておけば良いのでは」
《ほう》
「こう、片面に良い時、悪い時と。それこそ蕾と満開の花を刺繡されたクッションをベッドに、どちらかを表にして、置いておく。とか」
《ほうほう》
「あまり断ってもアレですし、いざって時用って事で、日頃はソファーにでも置いておくとか。後は花の種類で趣向を変えるとか、とか?」
《天才か》
「向こうの知識の流用です」
《でもだ、ココで応用や転用可能な技術かどうかもだが、姉上が居なければ技術の出所が怪しまれる。うん、やっぱり視察に行ってくれ》
「あぁ、やっぱり、そうなりますよね」
《悪目立ちしたくないなら、こそだ》
「外遊で様々な知識を得て帰って来たかどうかで、周りの目が変わる」
《間も無く印章も出来上がるんだし、頼む、マジで》
「目立たない為、はぁ」
《それか、また見合いしまくるか》
「外遊しますぅ」
どうしても姉上を排除しようとする輩を減らすには、時間が掛かる。
王妃がコチラ側になった事で、かなり勢力図は変わったが。
姉上が勤勉であればある程、怠け者には脅威として映る。
今回、排除派には旅行に見える様に、敢えてそう手配をする。
トルコ、ギリシア、そしてローマへ。
アレだよアレ、真の目的は新婚旅行な。
クーリナにお願いされてたんだよ、コレ。
『うん、食べ易くなって良い感じ』
「本当に、もう、無邪気さを含んだ感想は凄くキツい」
『前も前で嫌じゃないよ?』
「ぅう」
『長生きは嫌?』
「生かして貰ってるだけでも有り難いのに、貰い過ぎてる気がする」
『僕も楽しいのに?』
「ぅう」
『お互いに利益が有るのはダメなの?』
「ダメでは無いけど、羨ましがられる様な事が、怖いんだと思う」
『竜の竜を咥え込んでるローシュは化物並みなのか、って言われてるけど』
「凄い言い草をされてるのね」
『そう羨ましがられない様にしてあるから、だから大丈夫だよ』
「ほう?」
『他の人には、こうだ、って見せた』
「どうしたら勃起したのを見せる事になるの?」
『敢えて、医者の卵達に』
「あぁ、そら化物並みかとも思われるわな」
『キモぃ、って小声で言われた』
「あぁ、よしよし」
『シロサイとかフォッサみたい、とかも言われた』
「シロサイは分かるが、フォッサが分からん」
『シュッとしたオオヤマネコみたいなんだって』
「へー」
『試す?』
「試したいの?」
『だって10人居たら3人位しか満足出来無いんでしょ?』
「雑なら10人に試したって0でしょうね」
『満足してくれてる?』
「経験者なら分かるだろ?」
『もっと上が有るかもだし』
「向上心だけ頂いておきます」
『キモぃ?』
「いや、凄いなとは思うけど、そもコレ幻惑とかじゃないの?」
『触ってみたら分かるかもよ?』
「触って欲しいの?」
『嫌ならいい』
「嫌では無いけど」
『本当に?どこまでなら平気?』
「君、足りなかった?」
『嫌ならいい』
「分かった分かった、嫌じゃないからそんな顔をするな」
少し心配してたんだけど、ローシュは本当に嫌がらなかった。
優しいとはちょっと違うけど、優しい、しかも悲しそうな顔をすると我儘でも聞いてくれる。
けど、ちゃんと線引きが有るから、超えると凄く怒る。
怒ると触らせてもくれないから、怒らせない様にしてる。
それから悲しませない様にも。
だからちょっと恥ずかしかったけど、誰も羨ましく思わない様に、敢えて見せた。
コレは王妃様の案。
不器用だけど、ちゃんと優しい王様の奥さん。
流石にコレ見せた時はドン引きしてたけどね、別に平気。
ローシュにドン引きされたり、嫌われる方が嫌、って言うか想像するだけで死んじゃいそうになる。
無理、本当に無理。
『どうだった?嫌ならちゃんと言ってね』
「嫌じゃないよ、大丈夫」
『じゃあ好き?コレ』
「慣れるまで人間のと同じので暫くお願いします、体力は直ぐに付かないんだから」
『分かった』
良かったって事なんだ、良かった。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?


【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる