ヴィティスターズ!【ワイン擬人化♂】

独身貴族

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ワイン会 台本

★ワイン会用台本 イタリア編

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《ワイン会》第二回 イタリア編 台本
《キャスト》

*キャンティ組
サンジョベーゼ 陽気なイタリアーノ。名前の意味は「ジュピターの血」。
マルヴァジア 愛嬌があるが、昔イギリス王を溺死させた歴史を持つ。
カナイオーロ 落ち着いているが、ノリはいい。

*ピエモンテ組(ネッビア・ファミリア)
ネッビオーロ イタリアワインの王の風格を持っているが、普段は超面倒くさがり屋。
アルネイス ネッビオーロ以外には刺々しい。名前の由来は「やんちゃ」「捻くれ者」。ワインはやや甘め。

*シチリア組
ネロ・ダヴォラ ゴッドファーザーを目指すシチリアマフィア。(そういう名のワインがある)
ペコリーノ(シチリアーノ) 羊のミルクで作るハードタイプのチーズ。
        ネロ・ダヴォラに漬け込んだ酔っ払いチーズ(ウンブリアーコ)なるものがある。


──────────────


①【挨拶台本】

N「皆様、本日はワイン会にお越しいただき、ありがとうございます。本日出勤のメンバーをご紹介いたします。まずは……この品種から!」

サンジョベーゼ
「チャオ~。今日は来てくれてありがとう! 会えて嬉しいぜ。後で一杯奢ってやるよ。勿論飲むのは……キャンティで決まりだな」
「サンジョベーゼ役の〇〇です。(何か一言)」

マルヴァジア
「みんな、こんばんは! サンジョベーゼの補助品種のマルヴァジアでーす! キャンティだけじゃなくて、僕のワインも飲んで欲しいな。いっぱい……溺れてしまうくらいに……。ふふっ」
「マルヴァジア役の〇〇です。(なにか一言)」

カナイオーロ
「ボナ・セーラ(こんばんは)。今日は来てくれてありがとねー。俺はカナイオーロ。サンジョベーゼのおっさんの……なんだろう? んー、まあ、よろしくね」
「カナイオーロ役の〇〇です。(何か一言)」

ネッビオーロ
「ようこそ、シニョリーナ。俺の名はネッビオーロ。イタリア王という称号をいただいているが、そう身構えなくていい。堅苦しいのは苦手だ。つまらん。……ほら、もっと近くに来い」
「ネッビオーロ役の〇〇です。(何か一言)」

アルネイス
「はじめまして。俺はアルネイス。ネッビオーロ様の右腕……と自分で言うのは差し出がましいが……右腕か……ふふ、いいな。……おい、そこ、なんだ、文句あんのか!? ネッビオーロ様の良さを1番理解しているのは、この俺だ!」
「アルネイス役の〇〇です。(何か一言)」

ネロ・ダヴォラ
「オイオイ、こんなしけたとこによく集まったよなあ。……なあ、こんなクソッタレな王様気取りとじゃなくて、この俺ネロ・ダヴォラと、他所で飲まねえか? ネッビオーロの分まで、たっぷり可愛がってやるぜ」
「ネロ・ダヴォラ役の〇〇です。(何か一言)」

ペコリーノ
「どもども。ワインじゃないんですけど、友情出演させていただきます、ペコリーノ・シチリアーノです。よろしくお願いします!」
「ペコリーノ役の〇〇です。(何か一言)」

N「はい、では自己紹介が済んだところで、はじめちゃいましょう!」



────────────────────────

②【本編】

[SE:ドアのベルの音]

マルヴァジア「お?」
カナイオーロ「おお?」
サンジョベーゼ「いらっしゃい、シニョリーナ!」

マルヴァジア「ようこそ、ワインバー『ヴィティスターズ』へ!」

カナイオーロ「今日のお客様は……綺麗なお嬢さん達が揃ってるな。おっと、そっちにはシニョーレもいたか。失礼」

サンジョベーゼ「俺は、イタリアの代表的なワイン用品種、サンジョベーゼだ。最近ではニューワールドの方でも仕事をしているぜ。よろしく!」

マルヴァジア「僕はマルヴァジア。サンジョベーゼの補助品種やってまーす。ワインが大好きな子も、まだ飲めないっていう子も、ゆっくりしていってね!」

カナイオーロ「俺はカナイオーロ。同じくサンジョベーゼの補助品種でーす。よろしく」

サンジョベーゼ「今日は、俺たちが全力でもてなすぜ。さて、シニョリーナ達は何がお好きかな。何の話って、そりゃあ、ワインのことに決まってんだろう? もちろん………キャンティを飲むよな?」

アルネイス「(いきなり)待ちやがれ、サンジョベーゼ!」

サンジョベーゼ「うおっ! おどかすなよぉ。あんたは……ピエモンテの」

アルネイス「ネッビア・ファミリアのアルネイスだ。覚えておけ! おい、貴様、ネッビオーロ様を差し置いて、なに自分のワインを飲ませようとしているんだ。ああ? そこはイタリアの王であるネッビオーロ様のワインを、彼女たち→皆(変更)に勧めるところだろうが!!」

サンジョベーゼ「あーあー、へそ曲がりのアルネイスさんヨォ、そう怒鳴るなよ。お前の尊敬するネッビオーロの作るワイン、バローロとバルバレスコ、だっけか? 確かにあれは絶品だ。だけどな、そういうお堅いワインは今日はなしにしようぜ。せっかくこうやって、美人ちゃんが揃ってんだ。お近づきになるためにも、気軽に飲めるキャンティの方が……」

ネッビオーロ「なんだ、何を揉めている、アルネイス」

アルネイス「ネッビオーロ様! 実は……このワイン会を始めるにあたって、まず最初に誰のワインを振る舞うかについてなのですが」

ネッビオーロ「ああ。それなら、まずは彼らのキャンティを用意するといい」

アルネイス「え……。ここは最初にネッビオーロ様が、ビシッと決めていただくのがよいのでは」

ネッビオーロ「俺のワインは熟成型だ。初めに飲むには適していない。彼らにこの場を盛り上げてもらったところで、俺の(追加変更)バローロが登場する。その方がしっくりくるだろう」

アルネイス「なるほど。ネッビオーロ様がそうおっしゃるのであれば」

ネッビオーロ「ああ。つまり俺は後30分は休憩できるな」

アルネイス「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください……もうワイン会は始まっているんです。ネッビオーロ様はここにいてくださらないと」

ネッビオーロ「……パントリーにいちゃダメ?」

アルネイス「ダメです。ここにいてください」

ネッビオーロ「お前達がいれば十分だろうに……」

アルネイス「ダメです。サボらないでください」

サンジョベーゼ「……それじゃあ、まずは俺たちのワインを、先に振る舞うってことで異論はないな?」

ネッビオーロ「ああ。そうしてくれ」

ネロ「ヘイヘイヘイ! どこのお高く止まったヴァッファンクーロかと思えば、イタリアワインの王、ネッビオーロ様じゃねえか。サボろうたぁ、いい度胸だな」

アルネイス「その巫山戯た煽り文句はやはりお前か、ネロ・ダヴォラ。シチリアマフィアだかなんだか知らねぇが、(追加変更)勢いづいてきたからといって、調子にのるなよ。お前はこの会に呼ばれてないはずだ。あと髪にトマトソースがついてるぞファンクーロ」(語尾など変更)

ネロ「ああ? もっと早く言やがれカヴォーロ。あと、お前こそさりげなく暴言吐いてんじゃねぇぞひねくれ野郎」

アルネイス「お前に比べりゃマシな方だ」

ネッビオーロ「そこまでにしておけ、アルネイス。お前まで口を汚す必要はない。我々は、南のチンピラ風情とは違う。言いたい奴には言わせておけ」

ネロ「おうおう、ようやく口を開いたかと思えば、スカしたこと抜かしやがる。ネッビオーロ、このあいだの決着、まだついてなかったよな。今、ここで白黒はっきりさせてやってもいいが、てめえはどうだ」

ネッビオーロ「あれはもう終わった話だ、いつまでも引きずるのは紳士じゃないぞ、ネロ」

ネロ「逃げる気か? イタリアワインの王よ。あんたの風格とやらを見せてみろよ、持っていればの話だがな!」

カナイオーロ「何かもめているようだね」

サンジョベーゼ「一体何の決着をつけようってんだ?」

マルヴァジア「多分あれだね。前に喧嘩になった時、腕相撲で勝負してたんだけど、そこにプリミティーボが乱入して、結局勝敗つかなかったんだ。その決着をつけようって話じゃないかな」

サンジョベーゼ「ずいぶんと平和的な抗争だな……」

アルネイス「ネッビオーロ様、あんな幼稚な挑発に乗る必要はありません。相手にせずにいるのが良いかと」

ネロ「腰抜だな、アルネイス! あんたの主人が赤っ恥かくのが怖いんだろ! 部下なしでは何にもできない、たいしたひがみ野郎だからな!」

アルネイス「てめえにネッビオーロ様の何がわかるってんだこのファンクーロ!!」

ネッビオーロ「お前が挑発に乗ってどうする」

アルネイス「ネッビオーロ様、お許しください。俺への罵倒は虫に噛まれる程度のこと、気にするほどではありませんが、ネッビオーロ様への無礼な振る舞いは、あるまじきこと! 俺が相手をしてきます、すぐ片をつけますので、お待ちを……!」

ネッビオーロ「待て。お前が手を汚す必要はない。元はと言えば、俺があの夜、ジェラートが食べたいと言い出したのが、全ての原因だ。自分の始末は自分でつける」

アルネイス「ネッビオーロ様……!」

ネッビオーロ「ネロ! お前の憤りはわかった。来い、相手をしてやる」

ネロ「はっ。そう来なくちゃあな。おい、行くぞ!」

サンジョベーゼ「おいおい、いよいよこれは止めに入らねえとやばいやつか?」

マルヴァジア「大丈夫でしょ。どうせ多分……」

ネッビオーロ「行くぞ、ネロ!」

ネロ「どっからでもかかってきやがれ!!」

アルネイス「レディ……ファイッ!」

ネロ「おおおおおおお!!」
ネッビオーロ「ふん……!」

マルヴァジア「さぁ始まりました、ネッビオーロ対ネロ・ダヴォラの腕相撲勝負! 両者とも力では負けません! さあさあ一体どちらがイタリアワインの王者の名を手にするのか、この試合、如何でしょう、解説のカナイオーロさん?」

カナイオーロ「そうですねぇ。俺的には、元々の王者であるネッビオーロが勝利を制すると信じたいですが、対するネロ・ダヴォラも力や風格では負けていませんからねえ。まだ勝敗は予測できないと言ったところでしょうか、マルヴァジアさん?」

マルヴァジア「そうですねぇ。僕としてはどっちが勝ったとしてもどーーーでもいいのですが、この勝負、先行きが気になって夜しか眠れないですねえ」

サンジョベーゼ「すげぇテキトーな実況だな」

アルネイス「すごい……! いつもはカバンや荷物を『重い』と言って俺に持たせているネッビオーロ様が、あのネロ・ダヴォラと互角に競い合うなんて……! 流石です、やはり本気を出したネッビオーロ様に敵う相手などいない! 本気を出している時に限るが!!」

ネロ「このおおおお! さっさとくたばりやがれ……!」
ネッビオーロ「そっちこそな……!!」

ペコリーノ「ちょっとぉ、ネロ? あ! まーた喧嘩しやがって……!」

[SE:ドンガラガッシャーン!]

サンジョベーゼ「なんだなんだ!?」

ネロ「ぺ、ペコリーノ!?」

ペコリーノ「ったくもー。ネロってば、アタシを置いてさっさと行っちゃうと思ったら、また喧嘩なんてしやがって! ダメって言っただろ、ダメって!」

ネロ「くそ……喧嘩じゃねえ、これは男同士の勝負だ! 邪魔すんじゃねぇ!」

ペコリーノ「そうやってまた人様に迷惑をかけて……コラ!」(叩く)

ネロ「いでえ!!」

サンジョベーゼ「おいおい、あのネロを叩くとか、なんて強い嬢ちゃんなんだ……」

マルヴァジア「説明しよう! いきなり乱入してきたこのお嬢さんの名はペコリーノ。イタリア原産のハードチーズのひとつである! ちなみにネロ・ダヴォラに漬け込んで作る、酔っぱらいチーズなるものも存在しているよ! 以上、解説でした!」(変更・改変)

ペコリーノ「ほら! 帰るぞネロ! アタシにアンタのワイン飲ませてくれるって約束、きっちり果たしてもらうんだからな!」

ネロ「いででで痛い痛い耳を引っ張んな!」

[SE:  引きずられていく]

ネッビオーロ「……嵐が去ったな」

カナイオーロ「意外とあっさりと退場していきましたよ、シチリアのゴッドファーザー」

マルヴァジア「イタリア男が女性に弱いのは、お決まりって感じだね」

アルネイス「途中退場とは、やはりまだネッビオーロ様には敵わないってわけだな、ネロ・ダヴォラ! 一昨日きやがれケ・ヴァーレ!!」

ネッビオーロ「アルネイス」(諌める)

アルネイス「こほん……お耳汚しを」

サンジョベーゼ「さてと。そんじゃあ改めて、ワイン会を始めていきますか! お前たち、グラスは持ったか? シニョリーナ、それからシニョーレ達も」(改変追加)

マルヴァジア「はーい」

カナイオーロ「持ったよ」

サンジョベーゼ「そんじゃ!」

全員「サルーテ!!」

end
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