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第十五幕 黙ったまま早く唇奪って
誕生
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百子はいつも通りに陽翔を会社に送り出し、慎重に靴を脱いで玄関から出るが、下腹部がぐるぐるとかき回されるような痛みがあり、思わず廊下に座り込んだ。
(おかしい……今日は無理してないのに)
朝の自分の行動を辿る限り、特に動き回ったりはしていない。リンが動きまくった訳ではなく、むしろ不気味なほど静かなのにも関わらず、下腹部が痛むのはどういうことなのだろう。
(あれ、痛くなくなった?)
だが玄関で蹲っているうちに、妙な痛みは霧散してしまう。百子は首を傾げたが、のろのろと立ち上がり、リビングのソファーへとたどり着く。そのときにスマホを落としてしまったため、百子はソファーに寝転んでスマホへと手を伸ばす。お腹が大きくなったため、屈むことができなくなっており、百子は散々苦労しながらスマホを手にした。
「うあっ!」
再び腹部をかき回されるような痛みが走り、百子は時間を確認する。先程の痛みから20分経っていることを確認すると、震える手で陣痛タクシーの番号をタップする。
陽翔が事前に予約してくれたために、スムーズに話が通ってホッとした百子は、痛みが収まってから、慎重に立ち上がり、予め用意してあった、病院での必需品の入ったバックを持ち、マンションの1階へと降り、陽翔に陣痛が始まったからとメッセージを飛ばす。
(陽翔と色々調べて良かった……母親学級も行ったから、事前に準備もできたし……)
「ううううっ!」
タクシーで運ばれている最中も痛みが襲ったが、分娩室に移動すると、さらに痛みの感覚が短くなる。痛みも、まるで刃物でかき回されるような物に変化しており、絶え間なく喉からうめき声が迸り続けた。思わず百子がお産止めたいと零すと、助産師に赤ちゃんが頑張ってるのに、お母さんが頑張らなくてどうするのかと、どやされてしまったが。
「子宮口が開いてるので、麻酔を投与しますね」
医師の声に、百子は軽く顎を引くのに精一杯だった。麻酔が効くと、多少は痛みが和らいだものの、下半身の感覚は完全に無くなる訳ではなく、痛みそのものは継続している。途中で陽翔が立ち会ってくれたが、彼の心配そうな声と、しきりに汗を拭っている手に、ほとんど応えられない。それでも陽翔が手を握るので、それを握り返して応えた。
百子は痛いと叫びたくても、喉から出るのはうめき声だけである。そして痛みから逃れようといきもうとしたのだが、助産師からの鋭い声が飛んだ。
「今はいきんじゃだめ!」
「い、いやーー! 無理ですぅうう!」
とはいえ、抗議の声だけはするりと出てきてしまう。
「だめ! お母さんが怪我するし、赤ちゃんもスムーズに産まれなくなるよ!」
もちろん敢え無く撃沈してしまい、百子は陽翔の手を折らんばかりにきつく握りしめる。
「が、頑張れ……」
鬼気迫る助産師と百子のやり取りに、陽翔は小さくなって、細いエールを送る。子宮口が全開にならずにいきんでしまうと、産道が傷ついてしまうと、以前調べた記事に書いてあったと、ぼんやりと思い出した陽翔は、陣痛が収まるように祈りを込めて、幾度も彼女の汗を拭い、励ました。途中で何度かトイレに行こうとしたら、痛みで気が動転している百子は、逃げないでと声を張り上げていたが。
「うん! 子宮口開いた! いきんで!」
百子は呻きながら息を詰める。陣痛の間隔がいよいよ狭まり、脳が焼ききれそうな痛みに苛まれながらも、彼女は陽翔の手を離さなかった。麻酔をしていてもこの痛みならば、自然分娩の痛みは、きっと想像を絶するに違いない。
「産むが易しなんて嘘ばっかり!!」
「大丈夫! 頭が出てきたらすぽーん!って出てくるから! ほら、いきんで!」
百子の見当違いな発言も、助産師は上手くいなして、百子に指示を出す。未来永劫に続くかと思った痛みは、にゅるんと体外に出たものによって、一時的に和らいだ。しかし期待していた産声は上がらない。
(あれ……何で……?)
医師や助産師が厳しい顔をして、取り上げたばかりの赤ちゃんの背中を刺激していた。百子は下腹部が再び痛みを訴え、血の気を無くして陽翔の方を見やる。彼もまた、産声を上げない我が子を見て、言葉を失っていた。
「ふえっ……」
医師や助産師の懸命な処置と、二人の祈りが通じたのか、子猫のような声を上げた赤ちゃんは、瞬時に火がついたように泣き叫ぶ。張りつめていた分娩室の空気が一気に和らぎ、陽翔は百子を抱きしめ、二人は堪えきれずに、声を上げて泣いた。
「百子……! お疲れ様……! ありがとな……!」
百子は彼の感謝の言葉に、何度も頷いてみせた。お産の時に声を出し過ぎたために、喉と口腔が膠で接着されたように動かないのだ。陽翔はしばらく百子の頭を撫でていたが、慌てて彼女の口元に、ペットボトルにストローを刺した物をあてがう。声の戻った百子は、陽翔に体を起こされ、大きな声で泣く我が子と対面した。
「東雲さん、元気な女の子ですよ!」
百子は鈍く痛むお腹を無視し、おずおずと手を伸ばし、おくるみに包まれたリンを、その胸に抱く。温かく、柔らかく、ふんわりといい匂いのするリンは、まるで雷鳴のように泣いており、百子は助産師に促されるまま、彼女の小さな口に、自らの乳房をあてがう。
「いっ……!」
予想以上に吸われる時の力が強く、百子は思わず歯を食いしばる。話には聞いていたため、妊娠中は陽翔にも協力してもらって、定期的に彼に胸の蕾を強く吸って貰ったというのに、まるでそれは児戯の域を超えなかったのだ。初乳の説明を助産師がしており、懸命に耳を傾けて覚えようとしたが、側で陽翔が熱心にメモを取っており、いくばくか体の力が抜いた。
(そうだ、背中を優しく叩いてあげないと)
初乳をたらふく飲んで、満足した彼女の背中をとんとんと叩くと、大人と同じ規模のげっぷが発せられ、陽翔と百子は驚いて彼女を見やる。
「そうだ、名前を呼んであげないと。名前決めるので、散々二人で話し合ったもんね」
背中を擦りながら、百子は陽翔に微笑みかけ、彼女を陽翔に預ける。陽翔は赤ちゃんを抱っこするのは20年以上振りであり、百子の手からぎこちなく彼女を受け取る。円な瞳とばっちり目があった陽翔は、ふっと微笑んで声音を和らげた。
「産まれて来てくれてありがとう、暁美。今日という日を、お父さんとお母さんはずっと待ってたぞ」
暁美と名付けられた赤ん坊は、大きなあくびをして口をむにゃむにゃと動かす。その動作の一つ一つが愛らしく、百子は暁美の頬をつついた。
「暁美、やっと会えたね。元気に産まれてくれてありがとう……!」
暁美は緩く手を動かし、百子はその手をそっと撫でる。すうすうと寝息を立てている暁美は、ついさっきまで雷鳴のように泣いていたとは思えないほど静かであり、舞い降りた天使を彷彿とさせた。
「寝ちゃったね……」
ふわふわとした和毛、ぷくぷくとした丸い頬、小さな手足を愛おしげに見つめる二人は、どちらともなく目を合わせ、ゆっくりと顔を近づけ、そして離した。瞳がとろんとしてきた百子は、ゆっくりと体を横たえ、間もなく寝息を立ててしまい、陽翔は眠っている彼女の唇に口づけを落とす。
「百子、お疲れ様。よく頑張ったな。暁美を産んでくれてありがとう……暁美も頑張ったな。俺達のもとに産まれて来てくれて、ありがとう……」
そして陽翔は暁美を撫で、大きくあくびをした。ふと時計を見ると、既に日付が変わっており、陽翔はどっと疲労感に襲われ、床に座り込みそうになるのを、なけなしの気力を総動員して踏みとどまる。そして陽翔は暁美をベビーベッドへと寝かせ、自らも簡易ベッドに横になる。すぐに眠りについた陽翔だったが、百子と共に、2時間おきの雷鳴のような泣き声に、しばし翻弄される羽目になった。百子は授乳を、陽翔はおしめを替える担当だったが、明らかに授乳の時間の方が長く、陽翔は役割を変われないことを悔やむ。
「母親って偉大だな……」
陽翔は眠い目をこすり、痛みに耐えながら授乳している百子を見やる。彼女も疲労が濃い筈なのだが、陽翔の数倍もしゃんとしており、心なしか顔つきも凛々しくなったように思う。母になった百子を、陽翔は眩しそうに見つめた。
「うん……母がどれだけ大変かは良く分かったかも……でも陽翔がいるから助かる。ありがとう」
「俺はおしめしか変えてねえよ」
しょんぼりとした陽翔に、百子は首を横に振ってみせる。
「いいのよ。それだけでも嬉しい。一人ではきっとできないと思うし……」
「子育ては授乳以外は俺でもできる。それに、二人で親になるって決めただろ? 何があっても、俺達ならきっと乗り越えられる。無理なことがあるのなら、助けてくれる所を探したらいいし、いくらでもやりようはあるしな。だから……百子、一人で悩まないでくれ。解決策を一緒に見つけていこう。そうやって、暁美の成長を見守ろうぜ」
陽翔は百子の額に口づけを落とし、そっと彼女を腕の中に招き入れる。白んでいく空は、やがて一筋の光を病室に迎え入れ、それはまるで暁美の誕生を祝福しているように、陽翔達家族を包み込んでいた。
(おかしい……今日は無理してないのに)
朝の自分の行動を辿る限り、特に動き回ったりはしていない。リンが動きまくった訳ではなく、むしろ不気味なほど静かなのにも関わらず、下腹部が痛むのはどういうことなのだろう。
(あれ、痛くなくなった?)
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「うあっ!」
再び腹部をかき回されるような痛みが走り、百子は時間を確認する。先程の痛みから20分経っていることを確認すると、震える手で陣痛タクシーの番号をタップする。
陽翔が事前に予約してくれたために、スムーズに話が通ってホッとした百子は、痛みが収まってから、慎重に立ち上がり、予め用意してあった、病院での必需品の入ったバックを持ち、マンションの1階へと降り、陽翔に陣痛が始まったからとメッセージを飛ばす。
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「子宮口が開いてるので、麻酔を投与しますね」
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百子は痛いと叫びたくても、喉から出るのはうめき声だけである。そして痛みから逃れようといきもうとしたのだが、助産師からの鋭い声が飛んだ。
「今はいきんじゃだめ!」
「い、いやーー! 無理ですぅうう!」
とはいえ、抗議の声だけはするりと出てきてしまう。
「だめ! お母さんが怪我するし、赤ちゃんもスムーズに産まれなくなるよ!」
もちろん敢え無く撃沈してしまい、百子は陽翔の手を折らんばかりにきつく握りしめる。
「が、頑張れ……」
鬼気迫る助産師と百子のやり取りに、陽翔は小さくなって、細いエールを送る。子宮口が全開にならずにいきんでしまうと、産道が傷ついてしまうと、以前調べた記事に書いてあったと、ぼんやりと思い出した陽翔は、陣痛が収まるように祈りを込めて、幾度も彼女の汗を拭い、励ました。途中で何度かトイレに行こうとしたら、痛みで気が動転している百子は、逃げないでと声を張り上げていたが。
「うん! 子宮口開いた! いきんで!」
百子は呻きながら息を詰める。陣痛の間隔がいよいよ狭まり、脳が焼ききれそうな痛みに苛まれながらも、彼女は陽翔の手を離さなかった。麻酔をしていてもこの痛みならば、自然分娩の痛みは、きっと想像を絶するに違いない。
「産むが易しなんて嘘ばっかり!!」
「大丈夫! 頭が出てきたらすぽーん!って出てくるから! ほら、いきんで!」
百子の見当違いな発言も、助産師は上手くいなして、百子に指示を出す。未来永劫に続くかと思った痛みは、にゅるんと体外に出たものによって、一時的に和らいだ。しかし期待していた産声は上がらない。
(あれ……何で……?)
医師や助産師が厳しい顔をして、取り上げたばかりの赤ちゃんの背中を刺激していた。百子は下腹部が再び痛みを訴え、血の気を無くして陽翔の方を見やる。彼もまた、産声を上げない我が子を見て、言葉を失っていた。
「ふえっ……」
医師や助産師の懸命な処置と、二人の祈りが通じたのか、子猫のような声を上げた赤ちゃんは、瞬時に火がついたように泣き叫ぶ。張りつめていた分娩室の空気が一気に和らぎ、陽翔は百子を抱きしめ、二人は堪えきれずに、声を上げて泣いた。
「百子……! お疲れ様……! ありがとな……!」
百子は彼の感謝の言葉に、何度も頷いてみせた。お産の時に声を出し過ぎたために、喉と口腔が膠で接着されたように動かないのだ。陽翔はしばらく百子の頭を撫でていたが、慌てて彼女の口元に、ペットボトルにストローを刺した物をあてがう。声の戻った百子は、陽翔に体を起こされ、大きな声で泣く我が子と対面した。
「東雲さん、元気な女の子ですよ!」
百子は鈍く痛むお腹を無視し、おずおずと手を伸ばし、おくるみに包まれたリンを、その胸に抱く。温かく、柔らかく、ふんわりといい匂いのするリンは、まるで雷鳴のように泣いており、百子は助産師に促されるまま、彼女の小さな口に、自らの乳房をあてがう。
「いっ……!」
予想以上に吸われる時の力が強く、百子は思わず歯を食いしばる。話には聞いていたため、妊娠中は陽翔にも協力してもらって、定期的に彼に胸の蕾を強く吸って貰ったというのに、まるでそれは児戯の域を超えなかったのだ。初乳の説明を助産師がしており、懸命に耳を傾けて覚えようとしたが、側で陽翔が熱心にメモを取っており、いくばくか体の力が抜いた。
(そうだ、背中を優しく叩いてあげないと)
初乳をたらふく飲んで、満足した彼女の背中をとんとんと叩くと、大人と同じ規模のげっぷが発せられ、陽翔と百子は驚いて彼女を見やる。
「そうだ、名前を呼んであげないと。名前決めるので、散々二人で話し合ったもんね」
背中を擦りながら、百子は陽翔に微笑みかけ、彼女を陽翔に預ける。陽翔は赤ちゃんを抱っこするのは20年以上振りであり、百子の手からぎこちなく彼女を受け取る。円な瞳とばっちり目があった陽翔は、ふっと微笑んで声音を和らげた。
「産まれて来てくれてありがとう、暁美。今日という日を、お父さんとお母さんはずっと待ってたぞ」
暁美と名付けられた赤ん坊は、大きなあくびをして口をむにゃむにゃと動かす。その動作の一つ一つが愛らしく、百子は暁美の頬をつついた。
「暁美、やっと会えたね。元気に産まれてくれてありがとう……!」
暁美は緩く手を動かし、百子はその手をそっと撫でる。すうすうと寝息を立てている暁美は、ついさっきまで雷鳴のように泣いていたとは思えないほど静かであり、舞い降りた天使を彷彿とさせた。
「寝ちゃったね……」
ふわふわとした和毛、ぷくぷくとした丸い頬、小さな手足を愛おしげに見つめる二人は、どちらともなく目を合わせ、ゆっくりと顔を近づけ、そして離した。瞳がとろんとしてきた百子は、ゆっくりと体を横たえ、間もなく寝息を立ててしまい、陽翔は眠っている彼女の唇に口づけを落とす。
「百子、お疲れ様。よく頑張ったな。暁美を産んでくれてありがとう……暁美も頑張ったな。俺達のもとに産まれて来てくれて、ありがとう……」
そして陽翔は暁美を撫で、大きくあくびをした。ふと時計を見ると、既に日付が変わっており、陽翔はどっと疲労感に襲われ、床に座り込みそうになるのを、なけなしの気力を総動員して踏みとどまる。そして陽翔は暁美をベビーベッドへと寝かせ、自らも簡易ベッドに横になる。すぐに眠りについた陽翔だったが、百子と共に、2時間おきの雷鳴のような泣き声に、しばし翻弄される羽目になった。百子は授乳を、陽翔はおしめを替える担当だったが、明らかに授乳の時間の方が長く、陽翔は役割を変われないことを悔やむ。
「母親って偉大だな……」
陽翔は眠い目をこすり、痛みに耐えながら授乳している百子を見やる。彼女も疲労が濃い筈なのだが、陽翔の数倍もしゃんとしており、心なしか顔つきも凛々しくなったように思う。母になった百子を、陽翔は眩しそうに見つめた。
「うん……母がどれだけ大変かは良く分かったかも……でも陽翔がいるから助かる。ありがとう」
「俺はおしめしか変えてねえよ」
しょんぼりとした陽翔に、百子は首を横に振ってみせる。
「いいのよ。それだけでも嬉しい。一人ではきっとできないと思うし……」
「子育ては授乳以外は俺でもできる。それに、二人で親になるって決めただろ? 何があっても、俺達ならきっと乗り越えられる。無理なことがあるのなら、助けてくれる所を探したらいいし、いくらでもやりようはあるしな。だから……百子、一人で悩まないでくれ。解決策を一緒に見つけていこう。そうやって、暁美の成長を見守ろうぜ」
陽翔は百子の額に口づけを落とし、そっと彼女を腕の中に招き入れる。白んでいく空は、やがて一筋の光を病室に迎え入れ、それはまるで暁美の誕生を祝福しているように、陽翔達家族を包み込んでいた。
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