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貴方と共に…

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「貴方が好きです!」

 例え身分違いの思いでも…


 私は転生者だ…

 ここは貴族達が集まっているパーティー

 そこで、貴方をひと目見た時に前世を思い出したの…

 貴方は私の最愛の人だもの

 ここは私のよく知っているゲームの世界

 貴方は私の最愛の推し!!

 貴方に会う為に何度もゲームをプレイしたわ

 
 だから私は知っているの

 貴方が数年後、世界を混乱に陥れる事を…

 そして処刑される事も…

 
 だから…

 恋人同士になれなくてもいい

 貴方の使用人でいい

 私は貴方が処刑される時に一緒に付き従いたい…

 告白したのは

 ただ私の思いだけは貴方に知っておいてもらいたいから…

 
 ザワザワ…
 
 周りの人達が何やらざわついている…

 まあ、周りの人がざわつくのは当然ね

 私が告白した彼はこの国の第一王子
 かたや私は貴族ではあるがど辺境の伯爵家、はっきりいって田舎者だ…

 私は顔を真っ赤にして俯いている…

(あっ、あ~ 推しに会えた嬉しさで思わず告白しちゃったけど、恥ずかしい~~
 周りの人達も身の程知らずだと思っているんだろうな…)

 恥ずかしさやら何やらで私は目も閉じてしまっている

 だから周りの反応も王子の反応も見る事が出来ない…

(このまま走って逃げちゃおうかな~)

 ガッチャーン!!

 グラスか何かが割れた音がする

 ビクッ…

(ヤバっ、誰か身の程知らずがっ!
 て、グラスでも投げつけたのかしら??)

 私は恐る恐る目を開け、音のした方を見る……

「!!」

 そこには私以上に顔を真っ赤にした王子がいた…

 あらっ? 私の推しはこんな顔もするのね…
 ゲームではいつも冷めた目しかしてなかったのに…

 はっ! そんな事思っている場合ではないわ

 王子ったらグラスを投げつける程、怒っているのかしら…?

 ………………

 ………

「すまないっ、ついグラスを落としてしまった…」

 しばらく放心していたのか、ようやく王子は声を発した
 そしてオロオロと使用人にグラスの片付けを命じている…

(良かった…
 怒りでグラスを投げつけた訳じゃなかったのね)

 私はホッとし

(ひとまずこのまま逃げちゃお~)

 この後の事は、この後の私に任せよう…

 私はスカートの端を持ち、走り去ろうとすると

「待ってくれ!」

 ガシッと、王子に手を掴まれる

「えっ?」

 私は逃げ去る事も出来ずに王子の顔を見るしかできなかった…

 王子は再び顔を真っ赤にし

「さっきの言葉は本当か…?」


 ~~~~~~~~~~

 そうして運命は変わる……

 悪役王子とモブ令嬢に幸あれ…


      ~~完~~



 ※一応完結ですけど、もしかしたら続くかも…

 
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