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introduction
秋晴れの空
しおりを挟むーーーーーside Woman
後輩が結婚する。
新入社員で入ってきて、私が教育係として教えた子だ。
素直で、頑張り屋で、ハタチそこそこの割にはすごくできる子だった。
慣れてきて、よし、次のステップって思ってた
3年目の春、今月で辞めますって、寝耳に水。
はっ?
あと2週間なんだけど…
いろいろ聞きたいことはあったけど、引き継ぎ引き継ぎで。あっという間にいなくなった。
元気?って送っても既読スルー。
もういいやって思って、1年後の春だった。
結婚します。
結婚式の招待状だった。
場所は神戸。
まさかこの一通で私の人生が変わるなんて、これっぽっちも思わなかった。
-----
11月の祝日、
秋晴れの空は、澄んで、綺麗な青い空が印象的だった。
リボンとフリルと、レースがたっぷりの、肩や背中が大きく開いた白いドレスに身を包み、幸せいっぱいの今日のこの日、
とびきりの笑顔をした若い彼女は、とても、とても可愛らしかった。
友達の結婚ラッシュが終わって大分経つ。
まさかその時のドレスを着るわけも行かず、
一度きりであろうこの日のために買った、ちょっといいブランドのドレス。
ドレスに靴、ご祝儀に交通費etc…
食べないと損ね。
とりあえず、祝福の言葉を一言送ったあとは、
ひたすらお酒とおいしい料理をいただく。
新郎側の方が人数が多い。
お相手は10歳以上年上で、どうやらいい会社に勤めてる、なかなか立派な方のよう。
こちらから呼ばれたのは私と、私と後輩の直属の上司だった方。今は栄転して本社の開発事業部の部長をされてる。
だからか。
全国グループのそこそこ大手の会社に勤めてましたよって、それは、箔が付くでしょう。
後輩ちゃんは今は仕事してなくて、専業主婦になるって言ってたからね。
私は数合わせで呼ばれたのかな?
座席表見ながら、ふむふむと人間関係を見てたら、
新郎友人の1人の名前で目が止まった。
『 』
え、
でも、同姓同名かもしれない。
いや、でも、確か兵庫だったか大阪だったかって…
何もない風を装って、席を探す。
遠くに、
彼の
顔が見えた。
すぐに視線をずらし、座席表に目を戻す。
間違いない、本人だ___
心臓が、ドクンっ…
大きな音をたてる。
多分ばれてない。
私、転勤ない職種だし、
まさかここに私がいるなんて思うまい。
ゴクゴクッ…
テーブルの上にあった、白ワインのグラスを一気に傾ける、私を、
遠くから見つめる目があるなんて知らなかった。
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