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「第九話」交番
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警察官に連れられて、ボクはナオトラさんとパトカーに乗った。なんだか自分が悪いことをしたような気分になり、いいやそんなことはないとは分かっているのだが……まぁ、自分が手錠を掛けた状態で乗らないように真面目に生きようと思った。
「シートベルトは締めたかい? それじゃあ、出るよ」
他の警察官が野次馬を退け、狭い道を器用に進んでいく。時々カメラのフラッシュが車内に入り込んできて、それがなんだかボクを不安にさせた。──そんなボクの手を、ナオトラはそっと握った。
「大丈夫でござるよ、蒼井殿」
「ナオトラさん……」
「蒼井殿を悪く言う輩は、全て拙者が斬り伏せますので!」
「うんとりあえず刀を仕舞おうか深呼吸~!」
血の気が盛んなナオトラさんを諌める。気持ちはありがたいのだがこの人の場合冗談じゃすまないし冗談にしておくような正確にも思えない……何が厄介かって、それを実現できるだけの実力を持ち合わせてるのがまぁ……ねぇ?
「はっはっはっ、噂通りの破天荒みたいだねぇナオトラちゃんは」
「警察殿、その腰の拳銃で拙者と立ち会いでもするつもりでござるか?」
「……そりゃあ勘弁だね、死人が出る。それに僕にはきちんと『杉本』っていう名前があるんだ。短い間かもしれないが、覚えてくれると嬉しいなぁ」
杉本さんの後頭部を睨むナオトラさんを、ボクはもう全力で諌めていた。もう背中撫でたり頭撫でたり……すると意外にも機嫌を直してくれた。かわいい。
「っと……お話が楽しくてもう着いちゃったよ」
「ここは……交番?」
豆腐のような四角くて白い、綺麗な建物だった。なんというかこう、数年前ぐらいに流行っていた某四角い世界で色々冒険したり造ったりするゲームみたいな、そんな感じがする。うん、ボクも初めはこんな家しか作れなかった。
「あの、チャンスっていうのは……?」
「あの中で、君のお母さんを待たせている」
ああ、なるほどそういうことか。私はキュッと拳を握り、こちらを振り向く杉本さんの目をしっかりと見た。
「親子のすれ違いっていうのは悲しいものさ。きちんと話して、ぶつかってもいいから……お互いの思いを吐き出してきなさい」
「シートベルトは締めたかい? それじゃあ、出るよ」
他の警察官が野次馬を退け、狭い道を器用に進んでいく。時々カメラのフラッシュが車内に入り込んできて、それがなんだかボクを不安にさせた。──そんなボクの手を、ナオトラはそっと握った。
「大丈夫でござるよ、蒼井殿」
「ナオトラさん……」
「蒼井殿を悪く言う輩は、全て拙者が斬り伏せますので!」
「うんとりあえず刀を仕舞おうか深呼吸~!」
血の気が盛んなナオトラさんを諌める。気持ちはありがたいのだがこの人の場合冗談じゃすまないし冗談にしておくような正確にも思えない……何が厄介かって、それを実現できるだけの実力を持ち合わせてるのがまぁ……ねぇ?
「はっはっはっ、噂通りの破天荒みたいだねぇナオトラちゃんは」
「警察殿、その腰の拳銃で拙者と立ち会いでもするつもりでござるか?」
「……そりゃあ勘弁だね、死人が出る。それに僕にはきちんと『杉本』っていう名前があるんだ。短い間かもしれないが、覚えてくれると嬉しいなぁ」
杉本さんの後頭部を睨むナオトラさんを、ボクはもう全力で諌めていた。もう背中撫でたり頭撫でたり……すると意外にも機嫌を直してくれた。かわいい。
「っと……お話が楽しくてもう着いちゃったよ」
「ここは……交番?」
豆腐のような四角くて白い、綺麗な建物だった。なんというかこう、数年前ぐらいに流行っていた某四角い世界で色々冒険したり造ったりするゲームみたいな、そんな感じがする。うん、ボクも初めはこんな家しか作れなかった。
「あの、チャンスっていうのは……?」
「あの中で、君のお母さんを待たせている」
ああ、なるほどそういうことか。私はキュッと拳を握り、こちらを振り向く杉本さんの目をしっかりと見た。
「親子のすれ違いっていうのは悲しいものさ。きちんと話して、ぶつかってもいいから……お互いの思いを吐き出してきなさい」
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