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オリジナル
58.クソデカ感情幼なじみ暴君×攻め大好き(美形×平凡)
しおりを挟む小さい頃からイケメンの幼なじみ(佳月)が大大大好きな平凡(こと)。
何度も「好き!大好き!付き合って!!」と告白しては、冷たくあしらわれまともに取り合っては貰えなかった。
それでもめげないポジティブなこと。
ならば佳月好みの男になってやろう!!
と変な方向にやる気を出し始める。
「ねえねえ佳月ッ!佳月って、どんな子がタイプ?教えて??」
「は?なに急に」
「いいじゃん!今後の参考のためにだよっ!!」
「……意味わかんね。まあ、お前とは真逆のタイプじゃん?」
「なに、真逆って?」
「派手な顔で、遊び慣れてて、しつこく付きまとってこないやつ?」
「なにそれ酷くない!?僕そんなしつこくないし!!」
「いやしつけーだろ……」
「んもう佳月のバカ!」
ぷんすこしながら部屋を出ていくこと。
酷いことを言われて、ムカつきはするが、それで嫌いになれるなら苦労はしない。なんだかんだ言って、口は悪いだけで根は優しい幼なじみなのである。
「……派手で、遊び慣れてて、しつこくない……かぁ」
本当に自分と真逆だ。
そう思って、ちょっと落ち込むこと。
けれどもそれからすぐに、自分の頬をバチンと叩いて喝を入れる。
「いーや!こんなんでへこたれないのが僕でしょ!!絶対佳月好みの男になってやるんだからー!」
ヤケクソと言っていいほどだが、とにかく決意を新たにしたことは、それから佳月好みになるべく試行錯誤する。
まずは派手な見た目に。髪を明るく染めて、ピアス……は怖くて開けれなかったので、アクセサリーをいっぱい付ける。
制服は着崩して、ただの平凡から雰囲気チャラ男に大変身。
「どう!?」
「どうって……、似合ってない」
「はぁあ!?ひっど!」
得意げに佳月に見せるも、少し引いたような顔でバッサリ切り捨てられる。
「次だ次ー!」
しつこくないのがいいとの事なので、今度は佳月とあえて距離をとることに。いつも合わせていた登校時間もずらしたし、教室でもしょっちゅう話しかけに行ってたのも止めた。周囲からは「喧嘩か?」と聞かれまくったが、そんなものは無視。兎にも角にも、佳月に無駄に関わらないよう徹底した。
(こうしてたら多分、あっちから話しかけてくるはず……!!)
と思っていたのだが。
「全っ然話しに来てくんないじゃんなんで!?」
「いや知らんし。お前が無視してたんだろ」
「無視じゃない!しつこいの嫌いって言うから距離置いてたの!!」
「別にこのまんまでいいけど俺は」
「僕が良くないのっっ!!」
ギャンっ!と吠えまくること。
思惑通りには行かず、ことが寄っていかなければ、全く関わってもくれない佳月に、思わず泣きそうになってしまった。
「……なんなの、ほんとに僕のこと嫌いなの……」
「んなこと言ってねー」
「言ってるじゃん……。僕と真逆のタイプが好きなんでしょ?僕が話しかけに行かなきゃ、会話もしてくんないんでしょ?なら、もう嫌いじゃん……」
「あくまで好みの話だし、そもそも俺、元からそんな喋るようなタイプじゃねーの知ってるだろ」
「そうだけど……」
片想い歴十数年。もう、無駄なのかも。
そう思ったこと。……だけど。
「これでダメならもう、諦めることにする」
「今度はなに」
「ちょっと、適当に遊んでくる……」
「? 誰と」
「誰って……知らない人?」
「…………は?」
「佳月、遊び慣れてる人が好みなんでしょ。だから、適当にクラブ?とか行って、遊んでくる」
「お前、意味わかって言ってる?」
「……なにが?」
「遊ぶって意味」
「わ、分かってるよ!付き合うとか、そういうことでしょ!!何人かと付き合ったりすれば、遊んだこと?になるよね!?」
何だかもうムキになっているだけの気もするが、ここまで頑張ってきてあっさり諦めるのも嫌だ。
だったらもう、佳月の言っていた最後の項目にも挑戦してやろう!!
そんな気持ちで言葉を発したのだが。
「……いい加減にしろよ」
「…………え?」
「こっちが色々考えて我慢して将来のこと考えてるってのに、アホなことばっっかり言いやがって」
「え、ちょ?佳月?」
「おバカなお前に、『遊ぶ』って、どういうことするか教えてやるよ」
「へっ!?え、なーー!?」
混乱しまくることを、佳月はベッドへと放り投げる。あっという間に組み敷いて、そうして『遊び』の意味をしっかり教えてやったのだった。
「ーーバカ!変態!!僕のこと嫌いなくせにひどいッ!!」
「バカはお前だろ」
「なんでだよ!大体、佳月のタイプは僕の真逆なんでしょ!?」
「好みのタイプはな。……でも、好きな奴がそうとは言ってねえ」
「……は?」
「俺の好きな奴は、地味顔で、遊び慣れてない……なんならさっきまで処女で未だに童貞で、いつもしつこく絡んでくるような男なんだよ」
「な、に?はぇ?え……?」
「俺なりに大事にしてて、高校卒業したら告白したり同棲したりしようと思ってたのに。どっかのアホが暴走して、髪染めたり、俺から距離とったり、挙句知らんやつと遊ぼうとするとか……ほーんと、俺ってカワイソー」
「なんだよ、それッ!?だって佳月、僕が好きっていっても、全然相手にもしてくんなかったじゃん!それに、距離置いた時だって、全然なんともない顔してたし……」
「まぁ、お前がどんなにアホなことしても俺んとこ戻ってくると思ってたからな。でも、知らんやつと遊ぶっつーか、ヤるとかそういうのはダメだろ」
「なんなん、もー……。いみ、わかんない……」
思わず泣いちゃうこと。
そうしたら正面から佳月が抱きしめてきて、
「お前は知らないだろうから教えてやる。お前は幼稚園の頃から俺のもんなの。お前の両親にも、俺の両親にも、高校卒業したら結婚前提で同棲するって中学の頃から話つけてるから。アホみたいにあれこれ試行錯誤しなくても、いつもみたいに好き好き~って言ってればそれでいいんだよ」
そんな勝手なことを宣って、ことのおでこにキスをする。
「…………バカはお前だろぉ!!何でもかんでも勝手に決めて!そんなことよりまずは言うことあんだろが!」
「え?……あぁ。言ってなかったっけ?こと、愛してるよ」
「~~僕も!!」
こうして言葉足らず……というか、我が道をゆく暴君のような幼なじみと、ことはやっと?結ばれたのでした!
クソデカ(?)愛の暴君美形×攻め大好き平凡
CP名:大澤佳月×永峰こと
応援ありがとうございます!
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